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こんにちわ、マリア Je vous salue, Marie  作者: すずめのおやど


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うつされた学園 -sodródó tanterem-・7

で。


往路のスケアクロウの機内から見せて頂いたルーン王城市郊外の旧・学園都市敷地。


ここにリュネ族の居住地をこしらえるという件がありましたが、これこそ正に、リュネ族の後継を残すための場所づくりらしいのです。


で、仮に私とフユキが子作りして…というかハルキが既におりますけどね、わしが女児を産んだとしましょか。


では、その女児は剣聖を世襲するのか。


答えは「できまへん」なのです。


最低でも占器の回転台に聖剣を固定してぐるんと回して、聖剣が候補者を向いてくれないと、その時点で失格なのです。


そして、剣聖の場合は絶対に、実際に聖剣を握っての魔族とのいくさへ身を投じる必要がありました。


つまり、聖剣を使いこなせないと、待っているのは敗北と…そして、死あるのみ。


ええ、ドミネラやレヴェンネ、そしてパイローテめはもちろん、エマネもよく知ってる件なのですけどね。


剣聖に聖剣を使われると大打撃となるのを知ってる魔族は、剣聖や剣豪がおる陣地を的確に狙って来よるのです。


ですから、隠密秘匿の術で隠れたり、エマネや剣豪四天王が囮になったり、あるいは本陣を狙う魔族を片端から迎撃したり等々。


で、魔族は魔族で、攻めて来る理由はわしらリュネの戦士を滅ぼすのが目的ではなくて「エサになる人さらいがしたいから」攻めて来るのが、ある時までの魔族の常套であったわけですよ。


ですから、向こうは向こうで正面から全戦力をこっちにぶつけてくるわけでもなかったのです。


で、兵隊魔族の中でも強いのを中心とした陽動組が剣聖陣地を奇襲して私らへの足止めをかましてる間に、別働隊がリュネ族の集落を襲ったり、時には内陸深くまで突撃して西方族の村を攻めて人さらいをしたりとかやってきてたんです。


そうそう、この件で、誰が言ったか明らかにすると淫化帝国の中で内紛になりかねませんから、発言者を伏せておきますけどね、このリュネの事情を聞きつけたある人物から「なら、一定数をいけにえに差し出せば魔族と決死の戦いをしなくとも良いのでは?」と提案されたことがあるんです。


で、その発言の意味が理解できた次の瞬間に私は聖剣を抜きかけてました。


ええ、ロッテとエマネ、そしてフユキが止めんかったら、周りに爆炎ぶちまけてましたよ。


ただ、エマネいわく。


「今までカパコチャをやっていた淫化や、その前身のモチェ帝国とやらがいけにえを重ねていたのはわかっています。ですが、痴女皇国の影響下となった現在ではいけにえは禁止です」


そして、攻め入る側だったロッテも、こういう発言を残しています。


「仮にこの淫化に…そうだな、明日輝あたりが生贄をよこせと言って攻めて来たとしようか。あなたはその時に、はいそうですかと素直に人を差し出すかね」


ただ、淫化の考えではいけにえとは「神への使い」として派遣するための存在であり、神の怒りを鎮めたりご機嫌を取るためのものとはすこーし違う意味があったそうです。


(フランシスカです。ですから、魔屋や明日輝…そしてプレインカ文明だったモチェ王国などで盛んに行われていたいけにえと、淫化のカパコチャはその意図するところがかなり異なる風習なのですよ…)


ただ、私どもリュネからすると、魔族と戦う武器があるのに、みすみす生贄を差し出すのもいかがなものか。


そして、いけにえを選ぶ際の公平性で絶対に揉めるだろうし、仮に聖剣や占器で選んだとしても、選ばれた者の悲しみは避けては通れないでしょうと、私も言った覚えがあります。


ですから、いくさのための教育はリュネでは必須でした。


それこそ、読み書きそろばん以上に。


ただ…このルーン大陸では、リュネ世界で魔族といくさに明け暮れていた当時とはいささか、事情が変わるでしょう。


つまり、炎剣はもはや生活を支える道具としての使い方を覚えるのが先に来る上に、痴女皇国女官…そして魔尼派聖母教会の傘下で働いたり、あるいはルーン王城市やこの学園都市で働く術を覚えるための教えを優先すべきように思います。


(まぁ、リュネの者ばっかり集まってる場所なら炎剣術を一応は教えておかないと、調理剣を扱わせたら事故が起きると思うわよ…わかってるわよね、マルヴィレ…)


ええ、炎剣といえど、加減を間違えると結構な火が出るのは私も経験しました。


(おばさまが食材を炭にしたのを見たの、何度あったか…)


(エマネ。ちょっとばかし爆炎剣をちょろ火で扱えるからゆうて…)


で、ついでに。


わたくしイリヤ、聖剣ならちょろ火を出せます。


そして、エマネの爆炎剣を扱うことも。


(おばさま。有全珍(あるぜんちん)でやってる牛や豚の丸焼きぱーてぃーの時にあわや炭焼きに)


ええい、エマネ…あれはついつい力みすぎてですね…。


「そうですね…このままルーン大陸に完全定住であれば、炎剣の需要は低くなるかも知れません。ただ…淫化の神界つまり高地での生活をしている方を受け入れるのであれば、淫化の暮らしを再現可能な環境をご用意するか、はたまたルーン大陸での平地主体の生活に慣れてもらうかの二択になると思うのですよ…」


「マリアンヌちゃん、今後の方針が明確に決まっていない以上、リュネの人には引き続き剣術を伝承してもらった方がいいかも知れないわね…そうなるとさ、この学園都市での教育と、リュネ族のお子さんの教育は分けた方がいいって考えも出て来るわよ…」


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まさみ「リュネ族って、ある意味で殺魔以上に戦闘民族です」


えまね「否定しません。ほんまに千星周期以上、魔族とやり合ってきた歴史を教えられますから」


いりや「魔族は敵だってまず仕込まれるからね…」


えまね「どのくらいきっつい教えられ方するかと言いますとね、ちきうの星期だと十星周期も育ってない子供のうちから戦場に近いところで見せられるんですよ…いくさ」


いりや「もう炎がぼんぼん飛び交うし、子らのおる場所の近くにも遠慮なく」


えまね「ただ、そこを狙って襲って来られたかってぇと。はい、指揮してたロッテさん」


ろって(避けてた。実は苗床に頂くのは強い者ほど滋養となるって件があってな…)


えまね(ロッテさんは半分嘘ついてます。子供を狙われたら流石に私らが本気になりすぎますし、第一、人さらいが目的で攻めて来てるのに、未来のエサを子供のうちからさらうのはって考えがあったそうなんですよ)


いりや「じゃ、今の孕み卵ってどういう扱いなのよ…それこそ、子供どころじゃない若々しい代物よ…」


まおう「ちょいちょい。おまえら、わしらにいま、ひゃくしょう魔族とか木こり魔族とか作れていうてへんか」


いりや「確かに要望してますね…」


まおう「つまりな、そういう働かすための兵隊まぞくをつくるにはやな、人のからだをもとにするひつようがあるんやけどな、まだそだってへんこどもからのほうが作りやすいんや」


ろって「という訳で農業魔族や林業魔族を運用している荘園では、ことさらに受精卵というのか、孕んだ結果を必要としてるんだよ…イリヤ、お前も既に悟ってると思うけどな、その学園都市とやら、ただ単に子供を集めて勉強させるだけじゃない場所って言われてるだろ…」


いりや「確かにそうですけどね…」


まさみ「まぁ、その辺はあたしとたのちゃんがいてるし、聖院学院初等部の要領でカリキュラムも組めるから、イリヤさんは椅子を温める程度…あーそうか、あれがあるわね…」


いりや「なんでしょうか…(不安な顔)」


まさみ「イリヤさんが自分で言ってるわよ。リュネ族は戦士としての修行をしないと、結果的に調理剣を使えないことになるって…」


たのの「つまり、軍人学校と民間人向けの学校はやはり分けるべきとかいう話になると思うのです…」


いりや(仕事が増えそう…)


えまね(ほほほほほほ、おばさまはこき使われておればいいんですっ)


いりや(そんなこと言ってるとエマネ、あんたにも出張の話が来るかも知れないわよ…)

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