ドンファンをさがせ番外編:-理恵ちゃん有全珍満遊記-
なんですかこのタイトル。
それに、私は大人の運動会をしに来たわけじゃないんですよっ。
で、この室見理恵が有全珍に来た理由ですけどね。
ちょっと前に結構大掛かりな建設工事がひと段落した件の事後調査や現地関係者からの情報収集や運用後の意見聴取のためでもあったのです。
そうです、この室見が行くからには、でんちゃの話だって思ってください。
そして、連邦世界のアルゼンチン共和国の鉄道網をまんま再現することは金輪際できなかった事情があるのですっ。
で、別の場所でも私は愚痴らせて頂きましたので、そっちをご覧になっておられる方ならば「あー、りええはアレを言いたいのだな」と既にお察しかも知れませんね。
https://x.com/725578cc/status/1975964957012525533
https://x.com/725578cc/status/1975965455639867731
https://x.com/725578cc/status/1975807451107926370
んで、端的に申し上げますと、アルゼンチンの鉄道は関西弁で言うところの「ワヤ」。
このシンプルな形容詞に尽きます。
では、どのようにカオスなのか。
それは、鉄道草創期に遡る話になりますが、当時は世界有数の富裕国家であったアルゼンチン。
軍事関係者に話を聞きますと、第二次世界大戦終了時には戦艦や空母まで保有する世界第八位の海軍力を誇ったほどにお金持ちだったそうです。
そして、その金満国家っぷりは鉄道の世界でも発揮されました。
広大な国土に敷かれた路線網は、複数の鉄道会社のそれを総合計すると延長距離4万キロを超えたほど。
国土面積が日本の7.5倍なので単純な比較にはなりませんが、旧・日本国鉄の総延長距離が2万キロだったのを考えますと、路線の長さの合計はその2倍です。
そして、1913年には世界で13番目にして南米初の地下鉄が開業していたほどに栄えた大都市であるブエノスアイレスでは、ブラジルの大都市と同様にそれ以前から路面電車が走り回っていたのです。
ええ、そんな早い時期に地下鉄が開業するほど、旺盛な市民の日常的な活動があったとお考えください。
しかし、戦後のアルゼンチンの没落は、この国にとって連邦世界での…私が元来生きている時代にまで影響を及ぼすほどだったのです。
ええ、学校でも習いましたが、アルゼンチンは数度に亘る債務超過と国家財政破綻を経験した稀有な貧乏国家になり下がってしまったのです…。
しかし、貧乏国家と言っても全くの貧困ではありません。
広大な農地から収穫される農作物や、牧畜業の成果となる肉類。
そして国土が広大ゆえに周辺の領海域もそれなりですから、漁業でも船さえ出せばそこそこの成果が挙げられる環境…つまり、収穫や捕獲の手段さえあれば、とりあえず食べるには困らない国なのです。
しかし、そんな国家運営を痴女皇国世界で再現するわけにはいきません。
有全珍教和国こと痴女皇国南米行政局有全珍支部では、その主都である笛之巣愛挿巣の人口を適度に調整することで都市運営の効率化を図ることがまず企図されました。
その結果、大人の世界のアルトさんの枠で語られていた「連邦世界の人間が知れば頭を抱えてうずくまる」こと必定のとんでもない政治経済体制を敷いた特殊都市になってしまったのですっ。
その結果、どうなったか。
https://x.com/725578cc/status/1975977254174994662
ええ、お分かりでしょう。
少年と若い女しかおらんのか、この街。
痴女皇国の支配地かつ、苗床運用地域では必然的にそうなってしまうのですよっ。
たとえば、ブエノスアイレス市の人口が1,400万人としましょうか。
そのうちの30%を10代後半から20代とすると、500万人程度となりますよね。
ええそうです。更に男女比を勘案すると、痴女皇国世界で本来有用な年齢層は300万人にも満たないことになってしまうのです。
そして、痴女種女官や偽女種は基本的に通常人類よりも更に身体能力や計算能力などが向上されています。
つまり、生産性を確保したり、住民生活維持に必要な労働力は普通の地球人だけの都市よりも、はるかに少なく済んでしまうのです…。
(たださぁ、その生産性向上で空いた時間をさ、精気収集のために全力で使用させてるわよねぇ…)
(パイセン、それは聖院から続く伝統の上に女官はもちろん、今の痴女皇国世界の地球に築かれた文明社会の維持にはぜぇえええええええったいに必要でしょう…)
ええ、上司というか君主にして後輩の皇帝が拳を握りしめて力説する通り。
痴女皇国世界の貴重資源である石油をなるべく残すためにも、是が非にも生体発電機を多用した代替機関を使用した産業維持は必須なのですっ。
(で、パイセンが有全珍でやったことですけど、全ての鉄道のレールとレールの幅、一緒にしたんですよね…スペインやフランスと同じで…)
(それと地下鉄の線路も同じ規格にしたわ…だから都心部では地下鉄に直通できるのよ…)
ええそうです。
アルゼンチンの鉄道では、区間や行き先によってなんとか将軍鉄道という名称がついておりまして、もともと路線を建設した鉄道会社の系列路線ごとにその将軍様の名前が違う命名規則に基づいて名前がつけられています。
そして、その将軍様の名前が違う区間の鉄道ではレール幅や信号システムが異なって当たり前な上に、地下鉄は完全に国鉄とは別建ての路線。
これはもう、カイゼンするしかありませんでしたっ。
で、現在の有全珍ではもう一つ、とんでもないことが起きています。
それは、夕方にラッシュが発生するのです。
それも、帰宅ラッシュではありません。
市内の随所から、売春許可地帯へと移動する人の流れが発生しているのです…。
ええ、アルトさんのお話でも出ていた「日中はオフィスラブ禁止っ」ですとか「日没後は立ちんぼOK」ってやつです。
そしてですねぇ。
これ、未成年の方にもこの笛之巣愛挿巣がどれだけ異常なことしてるか、すぐにわかってもらえる話があるんですよ。
それは…結婚と同等の同棲を許可されたカップル以外は、愛の行為が認められていないのです。
いえ、精気を収集するための運動は認められています。
しかし、その運動のためには女が男…つまりは偽女種を買うという、逆売春とでもいうべき行動が伴っていなくてはならないのですっ。
ええ、いかにラブラブなカップルであっても、愛の行為に及ぶためには所定の金額を聖環で支払う規則が存在します。
そして、聖環による女官や偽女種の管理システムの機能では、その掟を破って運動した場合、速攻で発覚します…。
そればかりか、赤シャツ隊と通称される治安維持警察隊が速攻で飛んでくることになってるそうなんですよ…。
ですので、この辺の話の苦情も女官長資格者である私のところにも来ているとお考えください…。
ええ、売春許可地域への出勤はまだしも、恋仲の相手を金払って買うとか、むちゃくちゃすぎるのは私も同感ですから!
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しすか「でも割引とか実質無料とか、色々抜け道はあるようなのですが…」
りええ「そういう問題ちゃうと思うんです…」
くらら「ちなみにこの売春強制制度、笛之巣愛挿巣や揉録画などの都市域に限定されてます…。
かたりな「なんでこうなったのでしょ…というかクララ姉様、はよ私らもイスパニアへ帰還したいのですが」
しすか「私も分体出されてまで笛之巣愛挿巣の臨時市長ですよ(怒)」
りええ「というわけで、その辺のカイゼンは果たしてできるのか」
あると「あたくしのほうのおはなしをなんとかしておよみくださいなのです…」




