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こんにちわ、マリア Je vous salue, Marie  作者: すずめのおやど


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鬼さん月へ行く -Le diable va à Luna- ・9

さて、比丘尼国に帰任帰着した後の私、茨木童子。


久々に戻って来た大江の仕事にも勘が戻り、変わらぬ里山の村の光景を眺めては時折、女たちの相手やら何やらをしておりました。


で、ある時に弥助と話をする機会があったのですよ。


(おやおや弥助…どうです、こめりかとかあめりかとかいう場所は…)


(何やらわたくしめの故郷に似ていると言えば似ている場所…何もかもが広く大きく遠くといった体でございます…)


で、この時の弥助、おなごの演芸者として名を馳せるまでになったサラ・ベルナールや演芸一座の者どもと共に、そのこめりか大陸を巡業しておる最中だったのです。


(人気者になっているようで何より…近く、この比丘尼国でも映画を封切るとかいう話も聞こえておりますよ)


ええ、弥助にしてみれば育ての親めいた認識、相変わらず私に持ってくれているようです。


かくいうこの私、茨木童子にしても洋風の暮らしに結構馴染んでしまっておりましたので、大江に帰ってからは少しの間苦労したのは内緒、内緒の話で…。


ただ、実のところは大江山も山中の…神社ではない山の中の暮らし向き、痴女宮を参考にして洋拵えにしておるところも結構あるのですよ。


(そら、べるくんのこともあるし、おまえかてあっちのくらしが長かったんやしな…)


(おかみ様もでしょ…)


そう、大江の首魁であるおかみ様自体が、気分に応じて板の間に敷物を敷いた上の布団ではなく、寝台で寝てやがるのです。


こういう神様が仕切っておりますから、まぁ、多少はその。


(あとはあれや、じょすりんにきいたんやけど、るーまにあのくしざしのよめはんおるやろ、あのおっぱいのでかい…べるくんのねえさん)


(アルテローゼ殿下ですね…乳上が何か)


(なんか婦女ぼうこうをなりわいとするさむらいの頭目になったらしうてな。うちのくにでもその悪党に入れそうなやつおったら声かけてくれとかいわれとるねんけどな。おまえもたしかその悪党むけのけんしゅう、受けてたやろ)


ああ、強姦検定のことですね。


そして、そればかりではなくて、黄薔薇騎士団という婦女暴行を生業とする特殊な騎士の集団を作るってこともお聞きしましたけどね。


皆様には、このろくでもない字面だけで、何をやらかす騎士の集まりなのかを悟って頂ければ。


ただ…比丘尼国だと、婦女を乱暴するようなことよりは夜這いの方がいいと思うんですよ。


(そのへんはじょすりんとかおまつにゆうたってくれ…おまえにはかんしょくぱすとかいうもん、江戸からわたされたんやろ?)


ああ、官職鉄道手形とかいうものですね。


これは渡されている者を限っているそうですけど、私なら私がもらっているこの手形を使うと、一等の汽車のきっぷをただで手配できるそうです。


ただし、これ、公務官務に限りますからね…。


しかし、この手形のおかげで弥助の母親なり、べる君なり、誰か一人と一緒に江戸なら江戸へ行きやすくなったのも事実です。


(まりやもおまつもゆうてたけど、今後は帝を江戸に住まわす件を早うするひつよう、できたみたいやな…いばらき、おまえの巴里(ぱり)ぐらしで得た知見かて、ひんぱんにもとめられるかもわからん、そのてがたはよこはめや江戸によばれるからこそわたしてるていわれとるからな…よろしうにたのむぞ)


(承知いたしました…)


そうです。


あの日、月で聞いた話を元にして、マリアさんがちょーーーーっとだけ、今後のこの星の行く末をどうするかって絵図、変更せざるを得なかったようなのですよ。


ですから、江戸への遷都とかいう行為も、前倒しになるという話も伺っております。


ただ…どうなっても、少なくとも大江とおかみ様や八百万神種族と私ら人外の居場所は絶対に作るってこと、マリアさんも言ってましたので、その辺はまだ安心しております。


で…具体的にどうなるのか、どうするのかが明らかになるの、まだまだ先の話なんですよ。


ですから、皆様におかれましては気長にお待ち下さいとしか。


そうそう、フラメンシア殿下から聞いておりました馬の話。


我が比丘尼国でも、元は侍のあしとして活用されておりましたけど、洋風の馬術もこちらに伝わるとかで、薩摩の者で北方帝国に行っております西徳二郎というさむらいの息子の西竹一(にしたけいち)、あれが比丘尼国に戻って来た際には洋風馬術の学校も開くとか。


とりあえず、私としては弥助とサラ、興行が上手くいけば帰りにちょっと寄り道しておいでなさいとは言っておきましょうか。


なに、昨今はこめりかと日の本の間の船も、数日あれば渡って来れますし、何より大江か江戸に転送してもらうこともできるでしょう。


それまでは、あの子達の活躍を大江から見守ろうと思います。


では、皆様も息災であられますように。


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ふらこ「そうなんですよぉ、わしが一応は主役の話とかアルトさんの方の黄薔薇騎士団の方の大人が読める話とかですねぇっ」

https://ncode.syosetu.com/n9921kl/

https://kakuyomu.jp/works/16818622174974164207

https://novelup.plus/story/572931504


あると「なんであたくしが、そんなぶっそうなきしだんのめんどうをぉおおおおおお」


あるて「ちなみに黄薔薇騎士団の団長、私ですけどね」


ふらこ「欧州の顧問と分団長が問題児で」


おくた「あのぉ…シモーヌ・エドワルダじゃない人材、お願いできませんか…」


るいーさ「あきません。オクタヴィアとジョバンニくんの実力を他の枢機卿に知らしめるためにもですねぇっ」


おくた(というか罰姦離れて痴女皇国の騎士になれって話に聞こえて仕方ないんですけどねぇ)


べらこ「というわけで、間が空きましたけど、話自体はあちこちで続いてるんですよ…すみませんが、皆様におかれましてはよろしくお願いします…」

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