母娘が遭遇する子供以上大人未満の悩み
みなさんこんばんわ。室見理恵です。
今回は夢のヨーロッパ旅行。
ですが…。
せめてビジネスジェットとかないんですかね。
「えー。では皆様。機内はめっちゃくちゃこんがらがっとります。足元にはものすごく注意して下さい。貨物固定用レールとか走ってますからつまづかないように。足が当たるとめちゃくちゃ痛いです」
ヘルメットを持ってますが何故か痴女スタイルのジーナさんが、後ろのフタを開けたおっきな飛行機の前で注意事項を伝えてくれますが、荷物室というのですか、灯りがついてることはついていますが、引越し荷物を運ぶトラックの荷台どころじゃありませんよ。
TAPPS7とかいうロボットみたいなのも積まれてますし。
「…話には聞いてましたが、これほど無骨とは…」若殿様の敬くんが絶句しています。更にタ◯チくん体形のぶっちーも、まさかあの椅子ですかと。
「安心いたせ。ハンモックみたいだが、寝台はある。ただし絶対に身体を固定するベルトを締めるのぢゃ。それが嫌ならコクピットであたしやマリ公の指示するおちごとをしてくれ」無慈悲な機長のお言葉に皆様が沈黙なさいます。
「そーなんよなー。民間人乗せるとこれがあんねんよなー」と泣いておられます。なんでも軍用機というのは大抵こんな感じのごっついものだとか。
「一応言うとくが、これでもな、特殊機で長時間滞空するからまともなトイレついてるからな?今回、女性を片端から金衣化した理由はこの居住性もあるんや…」
ああ、そうなのです。
痴女化されました。
ちなみに相手はサリーさん。
ジーナさんとアルトさんのお子さんらしいですが、両方の特徴が入っていて正直、憧れます。
めっちゃうまかったし。
さて、百合ってる場合ではありません。
機内配置はこうだそうです。
ジーナ マリア
たかし たのの
たぶぶ りえー
まず機長ジーナさん副操縦士まりり。これは異存なし。
で、若様はFE、航空機関士席。
たののが航法席。ナビ席ですね。
で、あたしが田野瀬さんの後ろで偵察要員と副射手。
そして田淵くんが兵装管理席兼副偵察員席。本当に役目のない人の椅子が…。
あ、しほ子さんとサリーさん、篠村さんとアンジェリーナさんは貨物室内に並んだ椅子に座るそうです。
そして10名の痴女。黒と紫のいかにもな装備に身を包み、中央アジアからロシア南部方面への浸透作戦を担当する任務につくそうです。
この人達は現地に定着、定住して聖母信仰を説くとともに、奇蹟を起こしたり…子孫を増やしたりする模様。どうやって増やすかは聞かない事にしましょう。
ちなみにシスターっぽい姿の内側はどすけべ下着でした。ああやっぱり。
で、男性陣。
ゲストスーツなるもっこもこした服に着替えさせられた上、乗る前に1時間くらい酸素吸入。更には前日夜からこれ食えと渡されたなんとかメイトまがいの半固形食だけで24時間を過ごした上で。
ジーナさんが希望を聞いた上で聖院のトイレに連行していました。おむつかちょうせんじょうかえらんで。九時間はこの服を脱げないよと。
…ええ、高度三万メートル近くまで上がるので、血液から窒素を追い出しておかないと死ぬそうです。つまり、今から降りるまで彼らは宇宙服まがいを脱いだら死ぬと。
ジーナさんはもともと生体改造されてるから高度順応はいらん。更に今回は痴女仕様で行くからOK。まりりもスーパーやりま…。
「これりえりえ」
あい。で、たののもあたしも痴女化してるからマイクロビキニでもOKらしいです。
で、エロ水着四名と宇宙服二名という壮絶な機内に。
「一応コクピットもカーゴルームも多少の与圧はかかってるけど、あんたら預かる立場としてはなんかあるとまずいねん。なお、文句を言うとシスタースタイル以外の痴女が怒るからな、たぶちくん」と、文句が出そうな人に釘をさしています。
一方、物珍しそうにしているのが若様。さすがにあちこちキョロキョロはしていませんが、特殊作戦用というものすごく珍しい飛行機に興味津々の模様。
…ただ、運転者がすごく嫌そうです。
(これのおねだん。こわしたらなく)
なんか、むかしの原子力空母一隻に匹敵するとか、同じ重さの金くらい高い飛行機らしいです。もう絶対に潰せない。頑張ろうと、まりりと二人で泣いていました。
そして夕闇迫る中で離艦準備というのですか。テンプレス2世とかいう灰色のお船が痴女皇国世界の聖院湖に浮かんでいますが、その上にいる真っ黒いおおきな飛行機…スケアクロウという名前の飛行機で、私たちはヨーロッパ旅行一週間の旅です。
もっとも、スイートやファーストはおろか、ビジネスクラスどころか…。
(では各員所定席につけ。ハーネス装着方法がわからん場合あたしに聞いてくれ。乗機)
まず荷物室組は後ろから乗ります。全員が乗るとまりりが坂道を上げて、でっかいふたを閉めます。
実はこの飛行機、万一の事故の際や攻撃を受けた時に与圧が抜けたり火事になると延焼してまずいという事で、荷室と操縦区画の行き来はかなり面倒になっています。なもんで荷室組は先にこちらから乗せてしまうのだとか。
で、わたしたちは前の方にある狭い扉から乗ります。まずジーナさん。続いて男子二名。で、わたしたちの後にまりりが乗り込み階段を仕舞って扉を閉めます。
(かーさん、ドアクローズ。ドアモード、フライト確認しまちた)
(おけー。たかしくん、まず機関は既に起動してあるから、ここの画面の飛行機の絵。これが機外温度表示。オレンジ色がキツくなったら教えてくれ。それとこっちの絵が機内気圧表示。赤が一箇所でも出たら教えておくれ。他はマリ公とあたしでやるから、見てるだけでいい)
(田淵くんは左側と左下のカメラ担当な。画面になんかオレンジ色が出て赤くなったらゆうてくれ。室見さんも右側で同じ。両者とも、あたしがやってくれ言うまで、いらんスイッチは絶対さわるな。特に田淵くん。そのMSTR/ARMと書かれたものは指示があるまで死んでも触るな)
(は、はい!)なんかすごいやばそうです。あたしの方にはそれがないのが救いです。
(室見さんは飛び上ったらすぐ、そこの黄色いスイッチあるやろ。それ入れてくれたら対地監視レーダーというものが動く。ただし今入れんといてな。超強力な電子レンジやからな?)あ、あたしの方にもやばいのあるんですね。注意します。
(田野瀬さんは見てるだけでよい。ただし飛び上ってから二時間後にぽーんとか鳴ってオレンジ色の何かが画面の進行方向に出る。その文字列を頑張って読み上げるのぢゃ。心話でも構わぬ)
(はいっ!)
(最初のポンが鳴ってから、だいたい45分に1回くらいのペースでポンが合計10回鳴るからな。すまんが頼むで)
(了解であります!)
(まりあ、テンプレス2側ブリッジ収納確認後、ドーリー旋回開始。今回は発艦なのでFL400以上から外翼展開するで。展開時のCAS450kt。AOA5°)
(了解。主翼モードシングルトランスファーハイト、フライトレベル400。較正機速450ノット。仰角5度でセット)
(ドーリー旋回開始。風向030。風速10。180から210なら最高やねんけどなー。ごせんおくえんごせんおくえんごせんおくえん)
(BLCオン。スラストオート。ICD/Gアイドル。ごせんおくえんごせんおくえんごせんおくえん。ユーハブ)二人が何か恐ろしそうな声で呪文をとなえていますね。聞かなかったことにします。
(アイハブ。バーチカルテイクオフ。フラップゼロ。スリー、ツー、ワン、リフトオフ)ふわ、と飛行機が浮かび上がります。ちなみに外から見た機首ははんどれぺーじびくたーといえばわかると。
(パワーマキシマム。フォワーディング。AOA10。…フラップオート。スラストレフ。室見さん、レーダーシステムパワーオンね)もうみんな緊張して前の二人の操作を見ています。ちなみにみんな前向き座りですが、後ろ四人の席の前にはなんらかの装置がどどんと置かれてますから、わたしから見えるのはジーナさんの姿だけです。しかも全部は見えません。
聖院湖のダムは真南に向いているそうですが、一旦南に向けて飛び上がると、海上でゆっくりと機首を北の方に向けていくそうです。そして、高度を上げていきます。もう旅客機より慎重に飛んでるのがよくわかります。
これを飛ばせるのはNBでもこれ用の訓練を積んで試験に合格しないとダメらしいですが、そう考えるとジーナさんすごいんですね。
(いや、あたしの立場だと飛ばして当たり前。何人合格できるように教えるか考えなあかんねん。厳しい試験やけど、人を養成するためであって落とすためではない。これ飛ばす候補は、そもそもふるい落としを既に終えた人でないとあかんからな)水平飛行に移ってからジーナさんが教えてくれました。
(企業や役所でも同じ。募集経費を無駄にしないためには、来た人を使う事も考えなあかん。ただ、募集形態によってはすごいのがくる。これは学生さんみんな聞いといてな。あなたたちは確かに日本最高レベルの教育課程を進んでるよな。しかし、社会に出て、あなたたちの下にいる人間、最高やろか)
(な、あんたらは人を効率よく使うための教育制度や労働内容の管理どころか、その大元を考えなあかん立場やからな。社会そのものを築く立場ということを認識しろと教えられとるはずや。あたしは場所によって立場が色々あるが、スケアクロウのこの席に座ってるあたしは、いずれあなた方から直接あるいは誰かを介して命令を受ける可能性すらあるんや)
(かつて天の声が通っていた学校の先生はな、君らの高校の学生がタクシーに乗るとするやろ。「君、どこそこにやってくれ」とか言いよると憤慨していたそうや。今はそこまで偉そうには言わんやろけどな。だが、丁寧に言うだけで、断固として指示を下す訓練は受けるはずやで)
(言い方は丁寧でも、必ずそうしろと指示をすること。そして守らせるための仕掛けをまず考えるのや。だが、あんたらな。そこが終点やないぞ。あんたらの終点は、労務管理する中間管理者を束ねる頂点やと言われるやろ。そこらを考えながら毎日を過ごすのやで)
(でないと、卒業生でなぜか都の西北に行ったお酒好きでほもなひとになるからな!)
(あー、あれ…あれはちょっと置いとこ。な、かーさん!)まりまりが慌てて触れずにおこうとするあたり、どうやら我が校の黒歴史みたいですね。
そして夜の闇に包まれるか包まれないかで、どんどん飛行機は高度を上げていきます。
男子二名には配られたチューブの中身をヘルメットの穴に挿してから中身をちゅーちゅーしたあと仮眠してもよいと指示が出ます。痴女化してない人には辛いだろうと。
寝れる時に寝るのも才能、とおっしゃいます。
そういえば飛ぶ前に言っておられた翼の長さを変える作業ですが、あっという間に終わらせたようです。やる前よりはかなり揺れが減った感じです。
そして、宇宙空間ですかここ。
二万メートル以上の世界は地平線が丸いんですね。
ポン、と前のたのの席で警告音が鳴りました。
「カトマンズ。ロメルレーニャ」たのがなにかを読み上げます。
(ロメルレーニャ。降機)
(え?こんな高さで?)たののが驚いてますね。
(今回は片道だからカトマンズ上空に転送する上に、特殊な滑空装備も持たせてるから安心いたせ。それに上級の痴女種はデスゾーンどころか、宇宙空間でも一週間は生きてられるよ。うちやかーさんはもちろん、たのもえりも)
(いつのまにそんなうりとらうーまんに)
(なんか字が違う気がするが、まぁ次は45分後やでー)
その後もポン、ポンと鳴るたびに人を降ろして行っているようです。
(ジーナさんはそもそもなんで軍隊に行かれたんですか?)合間に聞いてみました。
(親父に泣いて頼まれた。再突入機…つまり、宇宙から地球に直接荷物を下ろせる飛行機の免許持ちが欲しいと。ただ、民間で試験に受かるのはものすごく難しいねん。はっきり言うと落とすための試験になってる。だから軍に行くしかない。で、弟はアホだった。しかし胸糞話があるのや)
(ぬぬ、家庭の事情が)
(あたし母のアレサンドラさんの再婚時、ジーナさんと言う連れ子がいました。んで高木義夫とお◯こして高木貴洋を産みました。で、義夫さんの会社は弟に継がせたいと考えた母は一計を案じて会社にいたその免許持ちの不祥事を掴んで追い出しました。あとはわかるな?)
(うわー。何ですか、鬼ですか)
(許せませんね…)
「確かに男子、しかも再婚相手に会社を継がせたいのはわかりますが、対話する気は…なかったんでしょうねぇ」
(で、後年、マリアやクレーゼさんを介して、なぜアレサンドラさんがあたしを嫌いいじめたかを探ってもらった事がある)
(簡単に言うと、かーさんは、アレサンドラお祖母様が望んで産んだ子じゃないのね。日本在留資格を得るために適当に産んだ。しかもどうも私より賢そうだと)
(鬼や…人の姿の鬼や…)
(すごい胸糞や…)
「よく了承されましたね。いや、正直に言います。ジーナさんに関する調査書、一部抜粋が回ってきました。忍耐力に感服する以外ありませんでしたよ」
「復讐は考えなかったんですか?」
(はっはっはっ田淵くん。大阪英国領事館と併設の物流センターあるやろ。あの土地は我が母の持株会社の所有にしてな。二束三文で売ってやったが、あそこは元々大変に高い土地価格だったのだよ。で、NBの技術で驚異的な速度で復興が進めば路線価格はどうなるかな?)
「上がりますね…固定資産税ですか?」
(しかもあの土地は「売れない」のだよ。売ったら英国かNBで裁判。最悪、例のNBの情報機関の人間が我が母と弟…持株会社社長だからね?を訪ねていただろう)
(うわージーナさんわるいー)
(えげつなー)
(これこれ人聞きの悪い。この絵を描いたのはな)
(あたしのおじーさまとおとーさまと、イアン・フレミング記念情報センターのみなさま。そしてまりあ。厳密に言うと白マリ。賛同者は大英帝国王室と政府関係諸機関)
「うわー、殺しにかかってるようなメンバーだ…」
「逆にジーナさん、それだけ必要とされて信頼を得ているって事ですよね。普通は他国でそこまでえげつない活動をしないと思うのですが」
(ま。一つ言うと、英国やNBにもアレサンドラさんは嫌われていたのだよ。あたしとクリスの結婚にもいちゃもんつけてな。メンツがあるからNBでやった結婚式には一応は来たが、正直、常に向こうの特殊部隊員が複数、そばにいた)
「守るためじゃないですよね?」
(若様正解。結婚式ぶち壊そうとしたら取り押さえる予定だった。実際やろうと考えてたらしいが、ワーズワース卿の悪知恵で目的は頓挫した)
「ふむふむ」
(具体的に言うと、当時クリスは十五歳。だから当然NBでも法律上アウト。だから年端もいかない子ども相手に何しとんねん不良娘とやる予定だったらしいと親父談話。ところが行けばみんな大歓迎でお祭りムード。喜ぶ話はあれど反対なぞおらん)
(確か、日本でもニュースになりましたよね。あんなのいいのかって)
(NBの首相主催の「婚約パーティー」名目でな。神父への宣誓はあるわ、指輪かわすわキスはあるわと結婚式にしか見えないパーティーだったが。うはは)
(で、あの警察が来てパトカーが…)
(おう。あれよあれ。新郎新婦の両親挨拶の時におばはんは叫んで暴れる予定だったらしいけどな、その前に司会のワーズワース卿が飛び入りゲストを紹介すると。で、逮捕状を持った警察署長が現れてなっ!可憐な美少年を連邦に奪われるのはNB国民としては腹立たしい。しかしながらみんなお祝いムードだし、肝心の新郎新婦が幸福そうなのに水を差すのも野暮だとスピーチしてよ。で、ワーズワース卿が特別プレゼントって言ってな、真っ白いオープンカーを指差してるわけよ。クリスが運転席にいてよ)
「はいはい、で、奥様は助手席に」
(うむ。首尾よくアークロイヤルまで逃げ切ったら我々は諦めよう、だが捕まったら…と言うからよ、クリスの運転で必死で逃げたわ!なんやあのカニ目かなんか知らんけど、全然走れへんやないか!)
「あ、あの車、雰囲気で乗るやつですから…」
(で、あのパトカー引き連れての逃走劇と…よく逃げられましたね)
(割とマジで逃げた。途中でなんとかうちが運転変わってな。ま、英国王室名での赦免嘆願書が来ているのは聞いとったから、捕まったとしても留置場に警官全員で来て祝いながら釈放する予定だったらしいねんけどさぁ…)
「で、結婚をぶち壊す予定が全然狂ってしまったわけですね。しかしNBの人もノリがいいというか何というか…」
(真面目くさった顔でアホやるのが英国流やからなー。ま、おかげでNBではクリスが成人するまでは前科者で犯罪者の将軍とは人類史初だろうからギネスに申請しようとかな…しかも未成年略取誘拐犯の将軍と言いたいがためにあたしを准将や少将に任じたとみんな言うし…ちなみに給与はちゃんと将官用俸給くれてるよ…あ、そーそー。あたし少将に任官されとるけどな、今来てるハーミーズおるやん。船。あれとアークロイヤルな、あの二隻は提督室が防諜防音仕様でな。あの中でクレーゼさんにお仕置きしても漏れんからな。あの中で起きた事がわかるのマリ公だけやいうくらい、それはもう安心してやね)
(言い換えればこの露出狂の…元気なお母様の元気なら一部始終はわしから丸見えやねん。この一週間、みんなにも中継しよかと)
(はっはっはっ。どうせ今週はご無沙汰確定しておる。どうという事はないっ)
(かーさん調整期入ってるぞ。アルト今呼びづらいぞ)
(えーまじー。誰でもえーんかー。あー女性限定でジーナさんとしたい人ゆーてなー)
(待て待て待てババア!)
(あたしジーナさんに食べられてみてー)
(あっしもー)
(…マリ公。ジーナさん伝説に従うべきやろか)
「何ですかそれ」
(うむ。世の中にはな、なぜか女にモテる女っちゅうのがおりましてな!そーやな、智秋くんと田淵くんに聞いてみるか。仮に君らがな、広報第二部長おるやん。例のあれと、今機長席に座っている広報第三部長…つまり、うちとのどっちかとエチしても良いという選択権を与えられたとしたら、あんたらやったらどっちいくよ。なお、両者拒否の場合、自分の好みのタイプを言うこと)
「正解にはならないと思いますが、妻君としてなら第三部長。愛人としてなら第二部長で」
(いやOK、流石によく特性を見てるなと。合格っすわ)
「父なら第二だろうなぁ。僕はまりあさんみたいなアイドル系がストライクゾーンなんですが」
(よし、ちゃんと正直に申告しているから合格である。で、あたし、見ての通り身長がある。若様より高い。しかもこのスタイルじゃ…ああ、あたしのこと、オスを見る目で見る女子に付きまとわれるのは中学生の頃から延々とですね!)
「わーかーりーまーすー」
(ああっ若様の棒読みに、なんかホモの象徴として見られた可能性の悲劇の影が!)
「しかも、ほら、僕、身長があるから騎手としてはあまり向きませんけどね、一応乗馬はさせられるじゃないですか…で、襲歩とかするとなんかこう、お尻のあたりに嫌な視線がですね。ええ。実家の勢力に感謝しました。流石に僕のお尻を狙う人はいないよなと!」
(その調子ではなんとか院でも狙われたな…)
「逆に僕から質問があります。女性同士って実際に多いんですか?いわゆる百合という分野ですね」
(ふぐぉっ、どストレートな質問が!)
(たのー。異性含めて風紀でやらかし取り締まった事例ってあんのー?)
(んーとね、あたしの知る限りではない。天の声の通学校の至近にある公立で、放課後の化学教室でやってて一発退学というのはいたらしいが。まあ、そこまでする分別のない人種は我が校にはおるまい。らぶほ代くらいは何とかなるおうちが圧倒的多数と思うしねっ)
(あと、副会長たるあたしの立場で若様にお答えしませう。あのいちゃつきはまぁ、性徴期故の過渡期症状と思っておいてください。三年になって冷めてる先輩同士いたし)
「逆に僕が聞いた話です。男子校。これが危ないとか」
(マジっすか?)
(えええー!)
「だから正直、男子側は気を使うんですよ。ま、SPが教室に待機しますから流石に…ですけどねぇ…」
(そーいや、あの医者の息子のホモ○っちゃんも確か高校時代に…)
(かーさん、うち、あれの時代は男子校のはずだ…)
(ぎゃああああああ不潔よ不潔!いや尊いかも!)
(ぬぬぬ、たの!ほもを探せ!どいつがほもか調べる、いや取り締まるのだ!)
「…ホモ話になってる…」
(女子がほもで盛り上がるのはこの話の宿命だ、田淵くん、諦めてくれ)
「そしてですね、特に危ないのがアメラグとか肉体系のスポーツあるじゃないですか。あれですよ…ええ。正直、その…流石にうちの一族にはいませんけど、交流のある学校とかの話がですねぇ…ははは」若様が思っきし汗をかいているようで、ジーナさんがゲストスーツのエアコン調節の仕方を教えていますね。
(智秋くん田淵くん。ところで君たち、ゴルフはするかね。恐らく田淵くんは必ずするはずだ)
「ぎく」
「…ええ、父からも今の内に覚えておけと、時々打ちっぱなしには…」
(さてここで問題でーす。ゴルフ場にはほぼ必ずあるものはなーんだ)
「ああああああああ危ないです僕は乗馬一本で行こう!多分やらされるけど逃げよう!」
「ぎゃあー!風呂!風呂!浴場!」
(え?…あるんですか)
(りええー。あんのよー。名門でなくてもゴルフクラブのクラブハウスにはシャワールーム以上の浴場がねー)
(そしてだねぇ、田淵くん。君の体型だとそんなの関係ないと思ってるね?だがあの世界にはだね、デブ専ってのがいてねぇ)
(そーそーぶっちー。さむそんとかあどんとかばらぞくとかたがめげんごろうで検索してみー)なんか母娘で思っきしほもの恐怖を煽っておられますね。
(うむ、ほものやみはふかいのだ)
(天の声いわく、昔々、てんろくというところにあったえいがかんでね、どう見ても知り合いじゃなさそうなおっさんが出会って10秒でね、白マリが結婚式でアルトをアルトしたような事をね)
(ええええええええそんなに早く話が進むんですか?口説いたり愛を語るようなことってないんですかおとこの人って)
(ものほんのほもはな、それがないらしいのだよ…発展場と言うのを知らずに入り込んだ天の声はもう、その光景に恐怖して速攻で逃げ出したらしいんだが、君たちも今ならわかるはずだ。恋愛と性欲を分けたりできるのだよ男性は。これに関しては男性二名のほーがくわしかろー)
「うぐぐぐぐ知らなくていい知識がああああ」田淵くんが頭抱えてます。ええ、知らない方が幸せに過ごせる知識がつくのがこの話の特徴みたいですし。
(更にはノンケ専とかゆー、スーパーなんとかの男版というか強かいや強珍マンみたいなのがな)
「ぎひいいいい」
(せーじかのせかいにもおるみたいやぞーびしょーねんしゅみー)
「ああああああ僕財界の方に行きたいですっまだ島○作する方がマシな気がしました!」
(○耕作の方がマシなのか…)
ええ、ジーナさんといると、ほんっとうに色々な知識が身に付きますね。知らないほうがいい知識も含めて。
でも、面白い人なのは間違いないでしょう。あたしのぱいぱいもおっきくなったし。
そして飛行機は目的地に近づきます。今回は機体の左右の翼からフロートという浮きを出して、レマン湖に降りるそうです。すごいことできるんですね。
ふわーっと鳥のように降りていって静かに着水。
湖の岸辺にある桟橋に機首を横付けして止まります。
この桟橋は聖院のスイス支部…すぐ向こうに見える、いかにもなお城に繋がっているとか。
さぁ、お仕事ですね。
あたしたちは出迎えの方の先導で支部施設に入ります。
とりあえず今日は休んでていいと言われました。
あたしとたのは下級女官寮の一室をあてがわれました。
痴女化しているので、あらかじめ習っていた特殊なトイレ兼風呂のお水で体を洗います。
で、例のマイクロビキニとアオザイはつけて入ってもいいそうです。水分を吸収して自己洗浄する効果があるらしいです。そして…。
「ぎゃああああありええー!」
「しー、静かにって言われたっしょ…どしたんよ…え」
「これさぁ、引っ込め方わかる?正直痛ひ…」
「まさかねー…ああ、うちもきのこのやまだ…」
「待てりええ。これは冷静に考えてみるのだ。わしらは二人部屋をわざわざあてがわれておる。そしてこの状況だ。これはまりりかジーナさんのわるだくみの匂いがする。やつらはきのこたけのこ戦争をわしらが始めるのを狙っているのだっ」
「ぬぬぬぬぬ鬼かぁあああああまりりめぇええええ」
「ふふふふふふ。だがりええ。回避策があるぞ。たぶちんにもわかさまの知識にもあったであろう。をとこはこういう時にせん○りをしてしずめるという」
「ぬう。おおっとナニーな事をしろと言うのだな、たのの」
「そうだよりええ。確かこのおぱんちゅはいんちうしようとかいって、きのこをきのこるげする機能があるはずだ。ちょっとやってみるか」
「うむ。でろ…ぬー。なんかこれさー、伝え聞くそれと違ってけっこーでけくね?」
「だな。あちきのもでけぇよ。こんなもんはいんのかよ」
「なんか飛行機の荷室でこのさいずぶちこまれた気がしてならんのだが、まぁよい。とりあえずし○ってみよう」
「わかさまかたぶぶにやり方聴きたくなるな」
「あれらに聞くのはまずい。わしらで何とかするのや」
「へい。ジーナさんやまりりに聞くのもまずいよな」
「あたりまえよ。絶対に語り継ぐ気満々やぞあの人ら」
で。
「…なんか腕がすげぇ疲れる…」
「やろうどもはどうやってんだよこんなもん…」
「なんかつかれてなえてるし」
「まぁよい、今後の課題にするとして今日は寝よう」
「うみゅ。何かに色々負けた気がするがねよねよ」
ええ、あたしたちのささやかな好奇心は満たせませんでした。
しかし、明日はきっと。
きっと。
出してみせます!努力の方向と対象が違うと思うんですけど、とりあえずこの、普通の女子にはありえないものが手に入ったのでいじってみずにはおられないのです!ええ、知的探究心です!
りええ「なんか荷室の中ですっげ気持ちええことした記憶があんだけど思い出せないのよー」
たのの「うちもせっせをせっせとしたような、えちな夢を見たかのような」
まりり「まぁ、溜まってんだし、男はそういう夢を見る傾向が多いと思いねぇ」
りええ「あとさー、このきのこなんとかならんの。普段じゃま」
たのの「男子はようもこんなえくすかりばーをち○ち○ぶらぶらしておれるものよ」
りええ「そーいえばうちのちちがちひゃーじゃのうなりました。たののには負けるが」
たのの「ほんまじゃほんまじゃ。この感触はほんまもんやな」もみもみ。
りええ「やたーこれでぱいず…いや何もないなんでもない」
たのの「ちなみにまさみさんいわく。乳上様くらいないとあれは厳しいらしいぞ」
りええ「今晩たののでためしてみよう。さしてくれ」
たのの「まーりええならええかー。わしはすまたとやらをだな」
まりあ(くくく、もくろみどおりあそんでおるわ。ほーっほっほっほっ)
ジーナ(まりこう。とつげきいちばんとかてつかぶとにがいとうする薄々は差し入れておけよ)
男性陣「ところでぼくたちは」
まりあ「おとこはそのへんのきのあなでもつかっておけっ」




