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こんにちわ、マリア Je vous salue, Marie  作者: すずめのおやど
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行ってみたい異世界願望生徒会長と行かせたくない乙女軍団の悩み

みなさん。

学校から部活をできれば避けて欲しいという無言のぶぶ漬け食らって泣いている高木まりあです。


どないしまひょ。

「で、何かね。野郎は来たのかね」


「来た来た。しかしこれを見せると皆逃げる逃げる」


「ぬぬぅっ根性なしめぇっ」


で、生徒会室にいる3名。


聖院世界研究部長・田野瀬麻里子さん。2年生。生徒会風紀いいんちょ。


聖院世界研究部長副部長・室見理恵さん。2年生。生徒会副かいちょ。


聖院世界研究部対象者兼部員・高木まりあさん。1年生。もと帰宅部。


とりあえず、3名の外観について説明しよう。


たのの。178。でけぇ。うちのババ…若くお美しいお母様に迫る。


で、メガネ装備。南米出身のたーみねーたーめいどみたいなかんじと。


父親の職業は某広域都銀役職者で東京本店勤務。実は都内某高校から転入組。


りええ。166。ひんぬー。ちひゃー。いじょ。


実は聖院関係者が「体をいぢれる」というのを知って以下略。うむ。


父親職業は某車両系メーカーえらいさん。放出(はなてん)新車センターぶっ壊された某社の再建に資本提携で出向中。


まりり。わし。165。外観どないなとなるという証明に、毎日姿変えたら校門でたのにおこらえました。


なもんで、仕方ないから容姿固定。ほんまは聖院仕様の170にしたいのだが、まぁこっちでは少しチビめにしておくか。父親は見た目ショタ。母親は例の露出狂のエロBBA。


そして、これ。


部員募集要項。


・部活動時間は16時〜17時(ただし現地に長時間滞在してもらう場合がある)


・記録装置持ち込み不可。どうせ一日保たん。潰れる。


・聖院女官とむふふ禁止。死ぬか日本人やめる事になるぞ。


「正直あたしらだけで進めていいんじゃないかな」


「いや、そう言うわけにもいかんっしょ。女子の反応はどうなの」


「様子見。牽制しあってる。例の生徒会の話が漏れてる。行くとヤバいから親の話を断ってる子が多い。なもんで政府としてはどうするか考えあぐねとるね。だったら当初の予定通りなんとか院で行けやわれと」


そして、顧問の問題が。


部活に従事する部員五名を確保せよ。


顧問はそれからじゃと。うぬ。わし、マジNBに行ったろか。


「まぁ何となくわかる。高校側としてはおとなしくしててくれってとこでしょ」


「だがしかし、ここで妥協すればまず確実に有象無象が押し寄せるであろう」


「正直、男と女で温度差がある。男は行きたい。しかし行けば帰れぬタクラマカン砂漠」


「そんなすごいの?」


「たのの。風俗業について知っているかね。あれは指名料とやらを取るのだ」


「ほう。それはなにゆえに」


「例えばあたしがりええを付けられて気に入ったとしよう。次からはりええを呼ぶためには余計なゼニを払わねばならぬ。嫌なら店に任せろ。ただしどんなのが来るかは店任せって感じ。写真指名とかで絶対にこれを取る店もあるとはママンの知識より」


「にゃる。つまり、口説きたいとかハマった奴から毟ると」


「そうである。そして聖院は指名を受け付けぬ。恋愛感情を巫女さんに抱くアホがおるか。これが理由ぞ」


「指名料取ればいいじゃん」


「疑似恋愛というむしり技があってのう。それをやると聖院では女官管理室に呼び出されてマイレーネさんの説教確定なのじゃ…男の進む道を狂わすなと」


「言い換えれば、普通の風俗なら当たり前にやる事っちゅうわけね」


「そーそー。あと、門前町に色街が存在してね。口説きならそっち行ってくれ。これは聖院の一人勝ちを防ぐためでもあるのだ。なんせうちらは別嬪さんばかり。特に指名せんでも普通にええのが出てくるのぢゃ」


「ということは、店側で規制せんとハマる。ハマり防止のためにも、地域共存のためにもハマりそうな客は来て欲しくない」


「うむ。流石はりええ。やるなお主」


「しかし、需要あんの?そんなんで」


「ある。色街は…そうよねぇ、日本の物価に換算して説明するよ。最低1万円は必要。これでおおむね30分。だが聖院は千円でも喜捨として納めさせて頂く。そして数秒で死なぬ程度に吸うのだ」


「あ、なる。安い銭でもとりあえずは客にしちゃうわけだ」


「あくまでも喜捨だしね。だが、それだけですらハマるには充分なのだよ…」


「そんなすげぇの…」


「ああ、だから、あまりにハマりそうな奴は何ヶ月か出禁を言い渡したりしているのである。それでも我慢ができずに色街に通う奴までは面倒見切れないがな」


「…そして、ハマって色街を潤す奴もいると…」


「ま、ハマるだけの財力を持ってる奴もいるけどさ、そういうのは全く別待遇になるし」


と、その時。ノックの音。


「はーいどーぞー」


「あ、失礼します。三年○組の智秋敬(ちあきたかし)と申します。聖院研究会への入部申し込みはこちらと聞きましてお伺いさせて頂いたのですが…」


(うほぉすっげ逝麺んんんんん、こんなんうちにいたか?)


(なにこの男子力みなぎるさらぶれっど)


(ちょいまち。この子偽名。本当の名前は○○敬。日本のどっかの温泉宿の息子さん。何とか院からの転入組。ほんまもん。超サラブレッドって言ったりええの眼は本物だよ。あたしが相手するわ)


ああ、ほんまもんもほんまもんですわ。そりゃ偽名名乗るわ。


その温泉宿が平安時代から延々と続いてる名湯で、地域一体どころか、その自治体の数分の一の土地を持ってる上に隣の県も大体同じ。皇族の別邸がその土地の中にあるわ、御料牧場とも深い関係があるウマ何とかな御仁とくれば、ね。


そう、直接に接触できないその筋が派遣してきた使者兼密偵。


ガチの実質華族クラスの超大物の息子。こいつの実家に逆らえる奴、多分…今、校長や理事長含めて、学校にはいない。それどころか、この子の家に逆らえる奴なんざ、日本に十人いりゃ上等な部類だ。延々と続く皇臣の血統だぜ。


その事実をたののとりええに説明してやると、真っ青になってた。


だが、あたしが本当に接触したい奴はこういうのなんだ。日本という国家の意思の代弁ができるやつ。


だから、あたしは本当はどっか院に行きたかったんだよ。


このクラスのばけものでないと、我が聖院や痴女皇国の事案をその場で決裁はできない。


事実上の日本国の青少年大使だ、この子。


「うふ。初めまして○○敬様。ただのしがない平民軍人と、平民無職の娘の高木まりあです」と、いきなりどストレートパンチを放ってやる。


こっちゃ、あんたより更に上のえげつないのが祖父にいるからな。


星一個の支配者が。


こっちだって世界最大の大帝国を築いた血統にも繋がってるばけものの孫娘だぜ。負けてられっかよ。


「おお、これはお聞きした通りですね。ただ…内密に願いますよ」その両手を合わせてにこにこしながら懇願する様がまたねぇ、憎たらしいくらいに上級種の血統なんだよなぁ。


「いえいえ、平民のあたしごときでは到底おたくさまのご実家には勝てませんわ。ほほほ」


「痴女の帝国を築いたり、千年以上続く巨大宗教国家の皇帝やってこられた家筋のお方がなにをおっしゃいます。僕なんてしがない馬主の息子ですよぅ」


ああ、その馬がやんごとない筋の馬を公式レースで何度も負かす大不敬を働いても何のお咎めがなけりゃな。


そして、その馬飼ってる牧場がどっかの狸将軍の子孫の御料牧場を接収して、日本最強の神聖にして侵すべからずな兼業農家の家長様のおうちの牧場だった過去があったりしなきゃな。


「で、皇帝としてはですね。応援を呼びたいのですが、よろしくて?」


「ええ、生徒会の許可さえあれば。ここは生徒会室ですし」ですな。


「おーい、たぶっちゃーん。かもーん」りええが声をかけると、扉を開けて田淵生徒会長が姿を現した。中の物騒な空気を読んだか、入るに入れなかったのをあたしが察してりええに教えてやったのだ。


「会長。ちょっと一人、卒業生をここに呼びますけど、よろしい?りええ。ドアに鍵かけるよ。遮音操作もするけどいいよね?」返事を待たずにあたしは家臣を呼ぶ。


「まっさみさーん、ちちうえとまりーとメーテヒルデと一緒に来てー。美少年見れるよー」その呼びかけに全員爆笑。


で、光とともに現れるうちの痴女軍団。


そして、あたしも黒マリにちぇーんじ。


「初めまして智秋さん。痴女皇国女皇帝、マリアリーゼ・高木・ワーズワースだ。よろしく。我が家臣を紹介しよう。こっちの紫色が雅美。聖院と痴女皇国の合同広報局第二部長だ。そして赤いのが狼公女の二つ名を持つアルテローゼ元公女。白いのがマリーで元某王国王女。で、赤いの二人目がメーテヒルデで、元某公国の通称猪公女だ」クレーニャがもんのすごくぶんむくれたが、気にせずに続けてやる。


「さて、せっかくの超大物な御仁のご来訪だ。こっちも可能な限りロイヤルにしたぜ。これで駄目ならうちの広報局長の美少年と、広報第三部長のクソババ呼んでくるが。うっはははは」流石のサラブレッドもおめめまんまる。


そりゃ、あたしの後ろに控えさせてるのは痴女皇国騎士団正装だもん。


雅美さんも紫色だが赤蛇同一仕様。


白いマリーも白蛇騎士団の正規武装仕様だ。


返答次第じゃ今から地球人を滅ぼす布陣くらい用意しとかねーと、折角の大物のご歓待にゃなんねーだろ。そう向こうに教えてやると、肩をすくめて怯えたふりしやがるし。


「いえいえ、これだけで僕には充分な大サービスですよ。ワーズワースご夫妻までは結構です。あはは」


「じゃ、せっかくだし全員で記念撮影と行くか。田淵会長もどうぞ」そして黒板をバックにみんなで並んで記念撮影。若様には後ろに乳上とマリーとクレーニャを配置してやった特別サービスカットもおまけだ。


「で、この画像の報酬には何を望まれるのですか?陛下」若様が皆を代表して聞いてくる。そう、この場は実質、あたしVS若様の外交戦だ。


みんな見とけ。国家元首級のガチの外交戦ってやつはこうなんだ。


そう心話で若様を含めて教えてやる。


(親切なのですね)


(そりゃそうだ、学友の上に、せっかく、我が聖院研究部の門を叩いてくれた将来有望な若者たちだぜ。そうそう、卒業生を紹介するって話だったな。ここの雅美さんなんだが…)


(皆様初めまして…でもない方もおられますけど、当校の第○○期卒業生の田中雅美と申します。よろしく)


(ええええええ雅美さんって卒業生だったの?たのの知ってたの?)


(うん、向こう視察した時の案内役の一人。紹介された時に教えてくれたじぇ)


(ほう。田野瀬さんは向こうのご経験が)


(ちょっとだけですよ。未成年の教育には「危なすぎる」場所は見せてくれませんでしたけどっ!)


(そりゃ墓所とか上級向けの褥処(しとねどころ)とか見せられっかよバッキャロ。あそこは智秋さんならOKさ、お布施納めてくれりゃ、この子達を全員つけることも出来るぜ。ご希望があれば。日本円での決済も対応しよう。うはは)


(ええーちあきさんだけずるーい!)


(ぶるんじゃねぇりええっ。あそこは本物の王侯貴族対応エリアなんだ。たののが行った時も二人いたしな、客)


(へぇ、そのような場所があるのですか)


(ああ、大サービスって言っただろ。まりあから聞かされてあたしゃブルってさぁ。無理言って交代させてもらった。なんせ今こっちゃ、何とかブルグ大公とか何とかストリー帝国とかさ、目丁稚とかいう豪商やら毒盛り大好きな美青年貴族と謀略戦真っ最中だ。どうだい。楽しそうだろう)


(ほほう!ぜ、是非その辺の話を!話を!)


(すげぇ食いつきだな。ふふ。近々串刺しが大好きな奴が自陣営に加わるしさ、その時に実地見学させてあげるよ。家元の許可さえ出してくれりゃ、な)


(…あぁ、あの大公。時代が違いませんか?)


(よく気付いた。満点だ。うちらの方は歴史も地形も100%、こちらをなぞっていないんだ。それに気付いたからこそ、こっちの危機に気づけたんだ。そして若様。あんたの派遣の真の理由、あんたが嫌だって言ってもバラさせてもらうぜ。連邦世界の地球がこっちに引きずられた場合の日本への影響調査。そして聖院世界とこっちを遮断するかどうかの判断材料情報収集だ。そうだろ?)


(あー、それ言わないでくださいよー)


(ばっきゃろ。こっちゃこっちゃで世界の存亡がかかってんのさ。なりふり構ってらんねぇんだよ。だから使う手は全部使う。いいこと教えてやる。MIDI06ってわかるかい?)


(ああ、あの無人超兵器ですか)


(あれな、今、痴女皇国にいるんだ。そして…起動できる人数、揃っててな)ここで悪役らしくニヤ、と笑ってやる。


(若様ならわかるだろ、この意味。あたしの前に立ち塞がるやつ。そして、あたしのお祖父様を邪魔するなら…使用に躊躇はねぇ。最悪、ア・バオ・ア・クゥすら呼んでいいと合意も貰ってる。あれの管理者、エオンにもな。な、わかるだろ、この布陣の意味)会議用に配置した長机についてるうちの騎士を示してやる。


(僕にそこまでの価値はありませんよ!あはは)ちょっと冷や汗かいてるのは黙っといたろ。


(いや、あんたの背後にさ。ちゃんと伝えてくれよ。単に日本だけなら、それこそ雅美さん一人でもOKなんだが…色々と繋がってるのを考えるとなぁ)


(やはりあの官庁を黙らせてでも、まりあさんを東京に来させるべきでしたよねぇ…)


(全く、あたし、というかまりあの価値を理解してないアホどもこそ縮退砲ぶち込むか、次元の彼方に吹っ飛ばしてやりてぇよ。そうだ、いざとなりゃ日本だけでもカリバーンで切り取ってNBに持ってけるぜ。オプションプランの一つとして検討しといてくれよ。うちの家、昭和なお方と平成のお方にはひとかどならぬ恩義がある。義理は通すよ)


(…凄い話ですね、ま、伝えてはおきますよ。間接的ですが、内裏にも話は行きます)


(でさぁ、さっきから話について行けずに呆然としてる我が学友たちのためにもさぁ。ちょっと話をスケールダウンしてぇんだが、いいかい?)


(こちらは大丈夫ですよ。お聞きしたい大筋は伺えました。あとは家元の判断です)


(了解。じゃ、説明しよう。我が部発足にあたる条件はお聞きかな?)


(何やら五名の部員候補を要するとか。でないと顧問教師を用意することも出来ないと)


(ああ、頭いてーんだよ。どうしてくれようか)


(田淵生徒会長が入部に合意して頂ければ人数は揃います。よね?会長)と、にっこりとお笑いの若様。うん。田淵くん。その笑みに含まれた威圧感を感じてくれ。これがモノホンの威圧感だ。これと相対してテーブルの下で足の蹴り合いをすんのが外交ってもんなんだ。


(そして、皆様に朗報があります。臨時教師として一名、近日中に本校に着任します。できれば部の顧問に、その人を指名して頂ければと)


(にゃるほど。部活内容、学校にすら詳細報告する気、ねぇな?)


(全て知る必要って、果たしてあるんですかね?)


(ねーな。むしろ余計な知識ってもんさ。こういうことに関する話、長生きするには忘れておくとか墓の中まで持って行く類もあるからねぇ)そうだ、学校側が何を恐れたか。


これなんだ。このクラスの話がぽんぽん出ることなんだ。


それに学校が噛むととんでもない大失態なんだ。


エロ尼寺や痴女の帝国を見て青少年が悪影響を受けることなんざ、些事些末なんだよ。


(みんなに言っとく。今、してる話だが…「この学校の生徒全員を犠牲にしても」動く話だ。それすら前提にして来てるぜ。この若様。だろ?智秋くん)


(マリア陛下には敵いませんね…ま、本校の生徒は未来の日本を背負うべき、優秀で有能な人材です。その認識は僕の上も持ってはいますよ?)


薄く笑う若様。


その笑みがみんなに語ってるんだ。あたしが言ったこと、本当だよ、って。


一人あたり何億、下手すりゃ十億の大台に乗るくらいの費用もかけて。かーさん流に言えば、戦闘機パイロット一名を養成するくらいの経費を投じて、それぞれが進むべき業界の頂点レベルに立つような人材だ。その犠牲すら躊躇しない覚悟が、既に箱根の東では出来ているって。


そして智秋くんが三年で転校してきた。この意味がわかんねぇ学生さん、いないよな?


そうだ、大学進学に必要な諸々を整えてこの場に来たんだ。


もう、この子の将来は確約されているんだ。


だから、余計な心配をせずにこの外交戦に全力を投入できるんだ。


嬉しいくらいの布陣だよ。


それも、智秋くん以外のみんなに教えてやる。


もう学生組はあたしと智秋くん以外は真っ青通り越して真っ白だ。無理もねぇか。


(後輩のみなさん。マリアちゃん…マリア陛下の日常はこんなのばかりなんですよ。このくらいの応酬は日常茶飯事なんです)


(ああ、私、アルテローゼも証言しよう。もっとも、私の場合、祖国があまりに馬鹿なので陛下がやり取りを楽しむ前に滅びかけたが。で、意趣返しに串刺しと喧嘩真っ最中だ)


(へいかー。うちの実家めっちゃめちゃ怒ってますよー。絶対痴女皇国か聖院の差し金だって皇帝にちくって征伐してしてっておねだりしてますー)


(なめとんのかあのクソ帝国。切り取るぞ。薩摩の軍勢放り込みたいぜ全く。まぁ、毒盛り次第だねぇってのはこっちの話だ。で、若様。あなたにお聞きしたい。あなたは何が欲しい?用意できるかわからんが、要望はお聞きしよう)


(とりあえず、実情を拝見したいのです。聖院と痴女皇国。できる限りを見せて頂きたい。それが…意志です)誰の意志かなんて聞くの、野暮よのぅ。ほほほ。


(オッケー。いいっしょ。じゃ、物騒なのは下げる。雅美さん以外はすまんが配置に戻ってくれ。ありがとう)


(御意)


(帝国しばく編成、絶対あたし入れてくださいね!約束ですよ!)


(うう陛下、我が騎士団の編成、はよ満たしてくださいいいいい)


なんか合意したのか恨み言を直訴したいのかわからんが、とりあえず雅美さん以外を帰らせる。


「どうする?あたしもまりあに交代しよっか?それとも…」


「そうですね、折角ですし」


「オッケー。じゃ、存分に歓談してくれ」


で、選手交代。


白マリと…おい、なんでアルト連れてくるっ。


(いいの。とりあえずおぶざーばーなのっ)


(ちっ、仕方ねぇな。あと頼むぞ)


(おけー)


で、話を交代しました聖院金衣女聖、マリアリーゼ・ワーズワース・高木です。よしなに。こちらは我が夫君の将軍アルトリーゼです。お目汚しを失礼いたしますわ、若様。


(いえいえ、本当なら…あそこのお家、最低でも御所にお呼びするような方に続々登場頂くと、僕で話がまとめられるのかと、はっは)


(まとめて差し上げますわよ。雅美さん、田野瀬さん以外の全員分の聖環、お持ち頂けます?とりあえずは痴女皇国環互換モードでお渡しする方がよいかと)


(どうぞ)で、お一人お一人に手ずから腕輪をはめて差し上げます。


(たのっちー。ちょっと使い方レクチャーきぼーぬ。たのめーる?)


(いきなりまりあ口調に戻らんでくれー、気ぃ抜けますがな)


(ほぇほぇ。ま、とりあえず嵌めといてくれたらOK。ちなみにあたしか雅美さんとか、さっき来てた幹部や、それとアルトにしかこれは外せません。つまり、皆様の行動は今より我が聖院の監視対象となります。ま、これはたののは承知の上ではめてくれてますし、逆に皆様がよろしくない連中に付け狙われる可能性を考えて渡しています。はっきり言えば、今からお一人お一人に対する悪意や憎悪など敵対行動や計画を検知して、どの時空、どの次元にいようと対象への警戒情報を送りますよ。活用ください)


(そう聞くとすげーよねぃ。例えばあたしの上履きに画鋲放り込もうとしただけで警報出してくれるんだよね?)


(いえーす。だから田淵会長のプライバシーも見えますけど、見ないふりは出来ます。むしろ、わたしと接触した事でとんでもない勢力が現れる危険があるんです。若様みたいにSP何名も付けられるなら話はべつですけどねぇ)


(んだんだ。あ、アルトさんお久しぶりですね、田野瀬です。その節はお世話になりまして)


(いえいえー。まりあさまが暴れてないか心配で心配でー。本当ならダリアの一人もおつけしたいんですけどねぇ…)


(白ダリアちゃんすら、例のなんとかスター帝国、じゃない伍長帝国絡みで貸し出してんのよねぇ…)


(消し飛ばせば解決しません?)とサラッと言われる若様。いやそれが出来ないから難儀してんすわ。


(だめー。きゃっかー。あそこの人材やら資源は温存しときたいのー。だから平伏させるか切り取り切り取りで分裂させたいんですよ、黒マリは。向こうの欧州戦略本部長にマイレーネさん配置する大作戦なんですぅ)


(しかし、本当に楽しそうですよねぇ、黒いマリア陛下でしたっけ)


(ですからあちらを支援頂きたいんですよ、当部としましては。あたしはまりあでもありますから、まりあとして接して頂いても支障はございませんわよ)


(へぇ。もうご三人でリアルタイム共有ですか)


(いえ。実は、この間にも聖院なら聖院の女官の上申決済とかガンガンやってます。これでも結構多忙なんですよー太政官って)


(…うちの父に教えたらその方法、死ぬほど聞きたがりそうですね。内緒にしとこ…)


(とりあえず、研究部情報はまりあと皆様と、雅美広報第二部長と、ですね…)


「ほいお邪魔。イケメン若様ってどなたかしら。あ、初めまして。連邦宙兵隊嘉手納基地予備役教導少佐、ジーナ・ワーズワース・高木です。本当はジーナ・ワーズワースなんですけどねぇ」


「うわー空気読まねー痴女来たぞ痴女。かーさんさー、その格好で来る?」


「やかましー。黒あたし来させる訳に行かねーだろ。あ、これ、広報部の対外面談時の制服なんですよ」と、一回りして見せるバ…おうつくしくてひやけがびっちかんみなぎるおかあさま。


「日焼けのくだりは余計じゃくそぼけ。懲罰服着せるぞ懲罰服パート2」


で、怒ってるババアの本日の装い。例のスケスケパープルワンピースハイレグTバック仕様。


ただし…「痴女皇国モード」で来やがりました。ええ、スリングショットまがいにしてやがります。


どうしてくれようかこのババア。


「ま、智秋さんでしたっけ。本当のお名前はともかく、本来は聖院広報第三部長としての格好なのですけどね、敢えて連邦の役職階級をお話しした理由はおわかりいただけますよね?」


「連邦の立場と利益に配慮する。そして、日本でのお名前を名乗られる事で、日本国の立場にも配慮いただける。これで正解でしょうか」


「おっけーえくせれんとです。正解のプレゼントに広報第二部長を伽役に派遣しましょう」


「それ、ご褒美という名のハニートラップ洗脳って言いませんか?」


「はっはっはっはっはっ、見抜かれたよマリ公。どうしよう」


「マリ公やめてよー。なんでしたら…と言いたいんですけど、今、うち、本当に頭痛のする状態でして、ああ、はよ返してください状態なんです。で、ここからはあたしから、智秋さんにお近づきのぷれぜんと。比丘尼国の神官が数名、応援で来て頂いています。神楽隊と言われる元伊勢配置親衛隊からの選抜チーム。ゆくゆくはお引き合わせしましてよ」言外に「協力頂ければ、ですが」と匂わせて。


「それと智秋くん。まりあと同居してるサリーとしほ子。この子達も通学先で研究部を起動してる。ついては合同チーム編成をしたい。ヘッドは実質まりあだけど、あなたには参謀役を頼みたい。可能かな?」


かーさんが有無を言わさぬ表情でおっさいます。うん、ひっさびさのママン本気もうど。


「了解です。家元からは学業なぞどうでも良い。全力で部活に専念せよの言質を貰っています。存分にお使いください。頑張ります」


「いよーし。ええ子ええ子。で、指揮系統を説明しやう。雅美さんプリーズ。全員の聖環に組織図を出すから、それ見ながら聞いてね」


で、配置。


研究部顧問。桜田隆夫先生。偽名。なんとか官房系。元桜田門。うわーガチだ。


研究部長たののと副部長まりり。これは変わらん。


男子管理部長。智秋くん。


情報整理担当。ぶっちー。ず○ネタ提供の意味もある。福利厚生に配慮が聖院の国是です。うはは。


そして聖院側。


研究対象にして連邦側の統括調査部隊隊長。わし。マリ公。もうマリ公拒否は諦めたよママン…。


聖院並びに痴女皇国広報窓口は第二部長、田中雅美さん。こりゃまぁ妥当だよね。


そして現地移動手段はスケアクロウ優先使用。


ただし、出来る限りはジーナ皇祖母操縦で。


あれめっちゃ癖あんねん。


開発時に無人状態とはいえ試験機と量産先行機が一機ずつ墜落しとんねん。


具体的に言うと、外翼伸張・収納時の高度と速度の指定が厳密で、守らんと回復不能なくらいのスピンに陥りやすいねん。


主翼伸張時の揚抗比やアスペクト比はともに20以上、ロッキードU-2を大型化したような壮絶に困難な操縦性があって、マイマザー曰く「高高度巡航状態に達するまで、暴風下でハングライダー飛ばすようなもん」と言わせるほどやねん。


ICD/Gによる力技の強制安定を含めた電子制御アシストがないと1mも滑空しないうちに絶対落ちるような難物やねん。


更に、ステルス能力強化を必要とする秘匿飛行時に機体尾部、いわゆるテールを引き込んで全翼機として飛ぶんやけど、この際の変形高度と速度も指定されてるねん。


ちょっと航空力学かじった人なら、この説明だけで、なめとんかこのクソ飛行機言うのがわかると思うねんと、母親(おばはん)の口調を真似してみました。


ちなみに今日のババァの髪型、もでるのまぎーにもうちょっとむねをもるか、かしゅのべにとかそうぞうしたってくれと天の声。


「では、顧問着任と同時に、まずは聖院に訪問頂いた上で初期研修。その後痴女皇国の広報部のお仕事を手伝って頂きます。皆様、お手を」雅美さんは円陣を組むように皆に指示します。


「聖院研究部の成功を祈って、えい、えい、おー!」皆でえいえいおー。



うん。性交じゃないよ。間違えないでね。

アルト「なんでわたくし、連れて来られたんでしょ」

白マリ「もち、あたしの護衛よ!」

まさみ「ごえいとかいておめ○の相手と読む、と」

たのの「うあああああああ先輩が痴女皇国に順応しまくってる!」

まりり「できれば見たくないというか怖いもの見たさというか…」

たかし「報告対象です。例え何があろうと見てこいと厳命されています(キリッ)」

まこと「ううううう、田淵誠と本編で言ってもらえてない…」

ジーナ「ま、このシリーズではあるあるや。諦めて強く生きなさい」

まりあ「そーいえばアレサンドラおかー様と、貴洋さんどーなったのさ、あとひろみも」

まさみ「その辺のメンツについては次話以降に言及があるかもしんないわね。正直、物語の大筋には絡まない模様」

ジーナ「雅美さんにとっての裕美さんもそうだろうが、あたしもできれば貴洋とおばはんについては忘れて生きていたい…」

まりあ「おばはんがおばはんゆうとる」

ジーナ「お前、次回は懲罰服な」

まりあ「やめてくださいしんでしまいます」

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