弥助の大冒険 -少年は巴里を目指す- 7.49
弥助くんに駆け寄ろうとするプラウファーネさんですが、その動きを止める人物が。
アルトさんです。
どうも、暴れかけた弥助くんの体を、鞘から抜かない状態の愛刀リトルクロウで叩いた模様。
その一瞬の動き、恐らく同じ強さのまりりかベラちゃんでないと見られなかったと思いますよ。
(このかたなでたたくと、おににかわることを止めることができるのです…ぜつりんごのどくで、おかまをとおりこしておにに近いことになりかけたようで…)
そして、アルトさんは弥助くんを一旦ドレインして動けなくしたと告げます。
「おそらく、らんぼうをもったおかげで、おかまじょうたいとのからだとのつりあいがとれていないのでしょう…え?…よめ…ちょっとやすけくんをみてあげたほうがいいのでは…」
「なんだよ、そりゃ強毒型絶林檎の瘴気に当てられただけじゃないのかよ…って…あー、なるほど」
「よめ、ここはべっそうのもんであってこうもんではありませんよ…ではなくて、やすけくんはもともとびくにこくのおかまでしょう」
何よなんなのよ、と言いかける私を含めて事態をいまひとつ、分かっていない者たち。
しかし、ベラちゃんが呼んで来た人物が、弥助くんを今すぐにでも運んだ方がいい場所があると申されるのです。
そう…クリス・ワーズワース、ファインテック・ケミカルズ最高経営責任者。
言うまでもなく、まりりの正真正銘のお父さんです…見た目は16か17の少年状態ですが。
そして、もともとこの方は日本人基準にしても低めの身長160cm。
私にその趣味がないにしても、魔法学校の生徒役で出てきても良さそうなくらいのアングロサクソン系の少年の姿には、アメリカ人でなくともアラアラと行って、いえ、言ってしまいそうになります。
(ショタ的な行動やショタ好みを示す形容詞になっちゃってるらしいな、あらあら…)
(ジェニファーちゃんがまさにそれよ…)
ともかく、つい直前まで何をしていたかの姿を隠そうともせずに白衣を羽織った状態で、まりりにスキャニングらしいことをしてもらっている横にしゃがみ込むクリスさん。
気を失った状態の弥助くんですが、確かに、その股間のふんどしの盛り上がりは明らかにちょっと異常な大きさになりかけているのです。
で、下された診断ですが…。
「簡単に言うと、比丘尼国巫女種を元にした偽女種に乱棒を持たせようとしたための弊害だね…実際に乱棒装備の状態、つまり偽女種に変わりかけたせいで血流や思考制御がおかしくなりかけたんだ…わかりやすく言うと、鬼に変身しそうになったのを、アルトさんが止めたんだよ」
ええ、アルトさんが自分で言った通りでした。
「マリア、この弥助という少年、乱棒を引き続き装備するなら乱棒に対応した身体にしておく必要があるんじゃないかな…つまり、痴女皇国の指導偽女種の体質に変化させておく方がいいかもね…」
で、ここで乱棒について再度説明しておきますと…はい、ベラちゃん。
「なんであたしが…まぁともかく、乱棒というのはラスプーチンちんを上回る凶器でして、アメリカの男優ディック・ランボーンの全盛期の棒そっくりな全長40センチ、直径5〜6センチの器官です」
で、この乱棒。
じょんほーむずとかいう物件やラスプーチンちん以上の大型凶器でして、実際にこれほどの大きさの主砲を天然で持ってしまうと、主砲発射状態になる際には大量の血液を必要とするのは、保健の時間で男性の生殖器の変形作用を習った方ならお分かりでしょう。
つまり、貧血になってしまうのです。
ええ、大きいと言われるフランス人の平均ですら20センチを下回るのに、その2倍はある大型主砲を小柄な少年に装備させてしまうと、正常な血流や人体の活動に必要な循環血液量を大きく損ねるのは私にもわかりますよ。
なんせ、完全体痴女種になると、サイズはともかく形状や機能としては同じものが股間にぶら下がることになるのですから…そして、痴女種の場合、幹部以外は完全な女性形態で普段を過ごすことが結局は推奨されているのも、この血流阻害の問題があるそうです。
これは、大真面目な話なのですが、男の場合は主砲を使用状態にするために弾丸…つまり精子を発射状態に近づけることが自動的に行われます。
そして、不随意筋によって支配されている等の主砲の血流を意図的に阻害することで、主砲が屹立するわけです。
なんでこの話をするのかと申しますと、完全体痴女種の身体の場合、股間の部分を含めた下半身がそっくり瞬間的に「戻る」自動操作によって主砲が使用可能な状態になるという仕様があるの、まりりから聞いているのです。
ですが、奉仕偽女種や懲罰偽女種の場合は「見た目を女に見せかける整形手術めいた処理の結果」として女官種同等の性能や特性の身体と、股間以外は女まがいの姿になっているとお考え頂きたいのです。
で、比丘尼国の偽女種は巫女種をベースにして懲罰偽女種や奉仕偽女種の特性を持たせたがために、乱棒が装備可能な体ではなかったと…。
「乱棒装備には指導偽女種になっといた方がいいんだったよな…」
(ミズ・マリア…それはまずいのでは…指導偽女種は神学部教程と選抜試験を経て任じられる職種でもあります…)
と、茸島分校神学部のリンジー学長から待ったがかかります。
つまり、偽女種は元来は懲罰や痴女種への服従を企図して用意された人工性別です。
そして、その肉欲や本能的な悪性面をカイゼンして聖母教会や慈母寺の幹部職員としての業務を行う指導偽女種になるため…寿命を伸ばしてもらうためには、試験や審査の後で行うことが建前。
それをすっ飛ばして無闇に指導偽女種にしてしまうと、もともとは女を憎悪して乱暴する性質がある偽女種本来の性格や本能のままで、より強力かつ寿命が伸びた身体を与えることになってしまいかねないというのがリンジーさんの主張です。
では、弥助くんの乱棒を諦めなくてはならないのか。
「ちょっとまずいわね…クリス・ワーズワース…この弥助はそもそもあまり凶暴凶悪な部類ではないようだけど、聖母教会か慈母寺の職員の知識や行動理念を教え込めばその、レダンデ・トラニにならないのかしら…」
ええ、スクルドさんは今後の弥助くんの身の上に起きることを考えると、弥助くんが乱棒を持っていた方がいいと言われるのです。
「とりあえず、ファインテックの第一遺伝子管理部に搬送しよう。あそこなら指導トラニー化の処置は可能だし…」
で、クリスさんが手配した救急車代わりのダンケ号に乗ったファインテックの方々が駆けつけて来られましたので、弥助くんをそれに載せて運ぶことに。
「室見理恵、あんたも同行して欲しいんだけど…ほら、ナンムの力を時間限定で使える服、着れるでしょ…」
えええええ。
スクルドさんにそう言われては仕方ありません…。
で、私もクリスさんの別荘と、皇族別荘の共通の足として置かれている無理ティプラの後ろに乗ることに。
それも、まりりとアルトさんに挟まれて。
というのもこの無理ティプラ、前に3人後ろに3人をなかば無理矢理に詰め込んで座らせる変態仕様のイタリア車な上に、ベラちゃんが強硬に主張して、クリスさんの左隣に…助手席に居座っているのです。
https://x.com/725578cc/status/1841597459048603831
しかもベラちゃんは、身長180センチのデカ女。
前に3人乗れ、と言われても…なのです。
そこで、私を矯正前の体型である身長160センチ程度のクリスさんくらいの体格に戻してもらいました。
で、私を戻したまりりも、同じくらいの身長になって、170センチ超えのアルトさんをクリスさんの後ろの席に押し込むことで解決。
「ベラ子、あと1段でいいから座席を前に出せねぇのか…」
「いい加減膝曲げて乗ってるんですよ…?」
ええ、この無理ティプラ、ダンケ号がちょっと大きすぎるとか、そこまで長い車を必要としない場所やなるべく多く乗せられる小型車が必要な聖母教会などで重宝されているのです。
とりあえず、クリスさんの運転で、ダンケ号の後をついていく無理ティプラ。
(初代フィアット600の方の無理ティプラにしようかって話もあったんだけど、あれ、痴女皇国の女官には狭すぎるんだよな…)
(さすがにあれはちょっと、茸島専用車にするにしても…)
(エアコンとかついてないよね…)
そう、熱帯に活動拠点が多い痴女皇国では、エアコン装備の方が良いとされたのです。
(ダンケ号とぱちもん号を撒いたのもそれが大きいんだよな…)
それよりも、弥助くんよ弥助くん。
まりり、ちゃんと処置できるんでしょうね…。
「処置自体は簡単なんだよ。ただ、リンジーさんが言う通りでさ、然るべき理由があった方がね、後でなんで弥助くんだけ特別扱いとか言い出すのがいるからね…」
「それなら案がありますよ、ねーさん。そもそも乱棒は身体能力が高い黒人系でないと指導偽女種になっても使いこなせない欠点があるじゃないですか。言い換えればあれ、黒人のための特権めいたご褒美に使えるって…」
「つまり、乱棒を装備させる必要がある子には指導偽女種になってもらう必要もセットでついてくるってことか…だけどさベラ子、それでも結局は、乱棒を持たせる理由を考えてあげないとならないじゃん…」
「まりり、ベラちゃん…とりあえず今回はさ、比丘尼国から派遣された大使の随行員ってことで、現地での接待のためにも痴女皇国型の指導偽女種になってもらうことで特認にしておく方がいいんじゃない?たまたま茸島に寄った際に弥助くんが辛くなって事態が発覚したせいで、救命行動も必要だったって事にしてさ…」
ええ、この室見にも閃くものがあったのです。
霊感か、ヤマカンか…あるいは第六感なのでしょうか。
とにかく、弥助くんに乱棒、持たせておいた方がいいように思えたのです…。




