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こんにちわ、マリア Je vous salue, Marie  作者: すずめのおやど


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弥助の大冒険 -少年は巴里を目指す- 7.47

で、スクルドさんのこの助言。


弥助くんには衝撃だったようです。


まさか、父親の故郷で受け入れられるのもダメらしいとは。


と申しますのも、そもそも弥助くんをフランスに連れて行くって理由、本人が親の故郷を見たいという希望を述べたせいもある訳でして、その背景には「大江の里で浮いていた」のを知っておりますしね…。


ですので、受け入れられるならばその、お父さんの故郷であるモザンビークに住むことも考えてはいたようです。


まぁ、あそこは暗黒大陸地区本部の管轄です。


とりあえずは連邦世界のモザンビークでいう南の方に所在するマブートと言う港湾のある町に聖母教会も出来ておりますので、そこへ寄って現地の担当者にお話を伺うことにしております。


「ま、ちょっとは何かをしてあげましょう。アフロディーテ、エロス。今は具体的に何かを依頼する訳じゃないけど…そうね、この弥助がパリに行った後になると思うわ…」


(アフロディーテ様、対象がなくば僕も狙いが…)


(その辺はスクルドが何かしてくれると思います。恋の矢の使用について、具体的な対象が決まれば教えてください、スクルド)


そう…恋愛問題の解決役のお二人にも、何かひらめくものがあったのかも知れません。


で。


罪人寮の罪人さんたちを臨時で手配しての「燃料補給」に及ぶ華厳号と珠絹丸のクルーの皆さんですけどね!


「仕方ありませんわよ、室見様…この後、一番近い精気授受あんてな、茸島を過ぎれば次は須磨虎か、はたまた暗黒大陸になるのですし…」


「あかんぞりええ。この航海で使用する精気は比丘尼国持ちだ…燃料費を負担する代わりにうちの罪人から抜く仕事をやってもらうからなっ」


ええ。


(あのー、当番とか女官の予約とか決まってない手すきの罪人の手配だけでも大変ですんやけど…)


つまり、この寄港中にアレしてもらって抽出された未精製精気、この痴女宮直結埠頭の聖母像から吸い取られる代わりに、華厳号と珠絹丸の生体発電機に精製精気が補充されるのです。


もっとも、華厳号でも片道分、珠絹丸に至ってはマルセイユ往復分くらいの精気を蓄積しておけるタイプの大容量発電装置を搭載しているのですけどね…。


で、この臨時の精気補充のための罪人さんたちの指揮監督に来てくれたダリアとペルセちゃんですが。


「ふーむ、弥助くん言うんですか…確かに、うちもそうですけどな、純粋な黒人かというと」


と、昨今は赤薔薇騎士団の正規制服と書いてどすけべあみあみスケスケハイレグ服を着ている事の方が遥かに多いダリアの姿を見てどぎまぎしている弥助くんですが、少年状態なので乱棒ではありません…。


ちなみにペルセちゃんは黒薔薇騎士団服…ちょっと待って、こっちはこっちで離宮仕様と言われる紐系統じゃないですか…。


(ベラ子先生が側にいるから、自動更衣がかかったんですよね…ほら、黒薔薇はベラ子先生の処理係という建前で離宮にお部屋もらってますから…)


(ペルセちゃんの制服は普通の黒薔薇服に更衣可能にしておくとして、パイセンの見る場所に悪意と助平ぶりを感じますね)


(ベラちゃんに…ベラちゃんにだけは言われとうない!)


つまり、ダリアは純粋な黒人ではなく、フランス人の悪女な人物とエチオピア出身の若者との間にできちゃった子でして…カフェオレとか言われる部類の混血児なのですよね。


「そうですねぇ、アンドロメダーほどには地黒じゃないですねぇ、ダリア統括もヤスケくんも」


そう…ペルセちゃんもアフロちゃん同様、その正体はギリシャ神話…痴女皇国世界では神話半島神種族の神様です。


しかも、ダリアの遥かなご先祖様であるエチオピア王女アンドロメーダ姫…後に、自分を助け出してくれた神の子かつ英雄であるペルセウスの奥様になった人物を直接に知っていると言うのですから。


で、流石にと言うことで、普段の()()()服に着替えたペルセちゃんですが、あまり大差はない気もします。


しかも、黒薔薇騎士団の制服って、周囲にフェロモン…というよりは、絶林檎の林にいるような感じの瘴気を撒き散らす効果もあるんですよね…。


まぁ、弥助くんの処理は周囲にいる人にお任せするとして、精気充填が終わったら出港しますからねっ。


「あたしを茸島に連れて行く気はないのですか!」


「分体が茸島の別荘におるのになんでベラちゃん本体を…」


ええ、どうしても我々の茸島行き、もっと言うと皇族別荘視察を阻止したいようです。


乗せられないと見るや、エマちゃんに頼んだのでしょう…普段は茸島の倉庫に陸揚げして保管しているはずの乱暴ルギーニの豪華クルーザーである乱暴丸、引き寄せて来ましたから。


「ふほほほほ、乗せてもらえないなら自分で行くまでなのです…」


「っていうかさベラちゃん…それよりは聖院空港に置いてる飛行機、何か飛ばす方が速かったんじゃ…」


この、私の何気ない突っ込みに、凍るベラちゃん。


そして、ダリアがあーなるほどという顔をして、無邪気な追い打ちをかけます。


「確かにそうですわな、ロビナビーチの浜辺に仮設滑走路もあることですし」


むろん、ダリアは単に「あーそうよねその手があるよね」と思ったに過ぎません。


しかし、ベラちゃんに更なるダメージを与えたのは確実です。


そして、まりりの冷ややかな宣告が。


「乱暴丸は自分で操縦して茸島に戻せ…」


「ねーさん!せめて転送で飛ばしてくださいよ!」


ええ、再び崩れ折れるベラちゃん。


しかし、これは自業自得というもの。


ええ、中井ティアラちゃんの怨念でしょうか。


うっかり行為をやらかしたベラちゃんを、誰も庇おうとしないのですから!


-----------------------------------------


てあら「理恵さん、なんか恨みが」


りええ「思いついただけや」


まさみ「何気に地雷や爆雷発言を撒き散らす女、室見理恵」


りええ「雅美さん…あたしは単にうっかりしてるってことで連想しただけですよ…」


てあら「その連想がぐさっと刺さるんです!」


べらこ「まぁ、ティアラちゃんのうっかりは直ってないようですし」


てあら「しかもこのエロ皇帝はまだ、根に持ってるんですよ?私が男をくわえこんだことを!」


まさみ「理恵ちゃん…あなたの何気ない一言が核爆発のように波及している気がするの…」


すくるど「中井ティアラがうっかりティアラなら、室見理恵はぐっさりりええね」


りええ「スクルドさんの発言の方がぶっすり刺さります!(泣)」

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