父母不在家庭で育つ娘の悩み・乙女の花園な部活立ち上げ編
こんにちわ。高木まりあです。
すったもんだあった末に、学校に通えることになりました。
しかし、やはり色々と出てきます。
時には権力や力で解決します。
ええ、力は全てを解決する時があるのです。
決して、力の前に「暴」という漢字を挿入してはなりません。
した人はマイレーネパンチシミュレーションの刑ですよ。
こんにちわ。黒サイドの高木まりあです。
朝起きたら父親も母親もいなくなっていました。
しばくぞ。
娘を放置してどこで何さらしとんねん。
仕方がないので学校に行きますよ。
と言うか無茶苦茶じゃないですか。
あたしまだ卒業しとらんぞ。
(すまんあたし、頑張ってくれ)
(だってとりあえず白マリ側はこれから入学なのよ!あんたは既に学校決まって通ってるじゃない!)
(まーそーですけどねー。というよりこっちのマリアンヌほったらかしてどうすんの!)
(安心しろ。マリアンヌは現状を認識している。あと、黒とーさんと黒かーさんに繋いでいる)
(マジかよ…母子家庭どころか父母なし家庭って洒落にならんぞ…)
(マグレガーさんとかクレーゼ母様にも事情は伝えた。スザンヌと一緒に面倒見てくれる)
(あとなぁ、サリーとしほ子どうすんのぜ。あれらと三人でこの部屋で暮らせと?)
(まぁそう言う事だ。ちなみに君たち、ぼーいふれんどとかそういうものはいるのかね)
(しほ子とサリーは下手に作れんだろうて…あれらはいずれ聖院戻しでしょうに)
(まりあくんはどうするのかね。一応ちみはこの世界固定なんだが)
(確かにおめ○やり放題男連れ込み放題…できるかあああああああああああああ。無理)
(なぜじゃ。マリアンヌがクレーゼ母様んとこ行けばちみは1人なのだよ?1人)
ちな、現状では旧クレーゼ母様の部屋はサリー、菅野さんの部屋はしほ子に割り当てられているからね。
(かーさーん、くろまりがいらんことふきこむー。つーか聖院か痴女宮行けばとりあえずち○ぽありつけますがな。別にええわ)
(そこまで言い切るか…自分ながら…自分ながら…)
(確かにあたしでもこれされたらやさぐれるわね…)
(わかってんならはよ戻せよ、とーさんとかーさん。事情はわかるがせめて大学受験前までには頼むで)
(すまぬ…すまぬ…まりあ、強く生きてくれ…)
(大体かーさんもかーさんよ!なんぼあたしの頼みでもそこは断れよ!)
で、この会話。
実は電車の中です。
遅れそうだったので技を使いました。玄関から直接駅に行っちゃいます。
上本町から姫路行きに乗ってます。
とりあえず突貫工事で修復したついでに尼崎の近所まで深いトンネルの中走りますし、なんばも日本橋も桜川も駅は出来上がっていますが、除染工事が済むまでは封印だそうです。幽霊駅として動画も上がってます。
あと、別に慌てんでもあとの三宮行きに乗ればいいんですけど、領事館からは「できるだけやめて」と言われています。
そうです、1時間に六本くらいある三宮方面行きで、あたしが乗れる電車が限られているんです。
まず7時30分発の姫路行き特急に乗ってくれと。
それも、号車指定されています。最後尾1号車の11番くらい。でけぇ座席です。この車両だけそういう用途で使うからと防弾耐レーザーガラス使ってるそうです。そのガラスがはまってる窓がその席番と。
さらに、その前後の席をおっさんかおねえさんが固めてます。日替わりですが大体見慣れた顔が数日おきに来ます。
別にええやんと思いますけど、とりあえず日本政府としてはこれくらいしておかんとあかん子らしいんです、あたしら。
ちなみにサリーもしほ子も同じ電車に乗りますが、入学に際して複数の学校からぜひうちにとか言われたらしいので、行く学校は違いますよ。なるべく公平を期すためと日本政府の文科省からも文書で依頼が来たらしいです。内閣総理大臣と文部科学大臣の連名で。
あと、天皇陛下のお子様でもそこまでしてないか、いっそ車で送迎じゃないですかね。
車で通うことを提案しましたが、領事館曰く、近○南○の本社から頼む乗ってくれと言われたそうです。
まりあさんがこれに乗ってるのは事実上世間に知れ渡ってるし、我が社の看板列車のPRにもなるからと。
普通は姫路行きに入らない赤いやつだそうです。
だめな鳥の愛称がつく列車としては三代目になるそうです。あたしらが灘で降りたあとは姫路に行ってから折り返し賢島行きになるそうです。
なんか折り返しの列車の指定を押さえて11番A・B・Cの座席をくんかくんかされそうですが、あたしが降りた後で速攻でカバーかけて使えないようにまでしてくれるらしいです。
もちろん、車両のど真ん中の席なのに、なぜか何をどうしようとしても指定が取れない、飛び乗りでも座らせないそうです。
まぁ、そこまでされたら仕方ないか。
ちなみに遅刻する場合とか、直接学校に「飛ぶ」場合は必ず領事館か専用の電話番号に連絡しろと言われました。あたしたちに通学の自由は許されないようです。
とりあえず◯◯駅で降ります。あたしの場合は駅から川沿いに歩いて10分もかからん場所に学校あります。
最初は車での送迎を提案されましたが、流石にそれはあまりにも仰々しすぎです、むしろあたしが金衣モードに入った方が安全ですと言い聞かせた上で、領事館の庭に行って、あたしに発砲したらどうなるかをですね、母親に貸与されている短機関銃のワンマガジン分を実際に撃ち込むのを見せて理解してもらいました。
下手に跳ね返すと変なところに跳弾して困るので、その場に精子、いえ静止させるのが面倒でしたが。
で、すけべいな単語が混ざりましたが、実は学校の選定にあたり、学校側もものっすごく困ったことが予想されまして。
ええ、あたしは分体ですがマリアリーゼそのものです。
最終的には聖痴女国聖帝太政官女教皇とかすっげぇ偉そうな名前にしましたが、要は聖院のトップです。更に黒マリに至っては痴女皇国女皇帝、痴女の帝国を統治しています。
そうです、あたしの存在自体が18歳未満禁止、何をどう隠して過ごしても他のクラスメイトとの会話で、否応なく「出身地や関係する場所」への話題は避けて通れないと。
校則で禁止するのも考えたそうですが、これには連邦と日本政府が待ったをかけました。
注目の場所の事実上の統治者そのものの話をリアルに聞けて情報収集できるし、事によれば利益誘導が可能な機会をつぶすのかと。
それに、本人は現状でも「時々聖院や痴女皇国絡みの仕事で密かに入れ替わったり戻るのを承知の上で通わせてくれる学校がありがたいです。いくら注意していても、あたしと会話するだけで自動的に未成年には好ましくない話題が出てしまいますから」と、各校の担当の方を招いての逆説明会の席上でもはっきり言い切りました。
「こちらとしても教育上よろしくない話の流出は注意しますが、その中にも政府の方や聖院あるいは痴女皇国の事業に参入されたい方々の情報が含まれているかも知れませんよ」とも。
例えば例として「まりあさんは向こうでどんな格好なんですか?」はい、これだけでアウトです。18禁になるの、わかりますよね。
あの聖院のジューンブライド衣装見せるだけでアウトもアウトっすわ。
そしてこれはもう、見なかったふりをするしかない「既婚者」ええ。アルトリーゼの存在です。
戸籍上は日本の戸籍謄本には絶対現れないので公式データ上は独身です。ただし報道などで知れ渡っています。当然、乙女の会話、特にコイバナなんぞしようものならいくらお嬢様連中だからと言って絶対に聞きたがる奴は出るでしょう。実際、聞かれたし。
それに痴女皇国。あれこそ超絶に頭痛です。
あれの存在でやはりうちにはと言われた神学校系私立の方がいらっしゃいました。
ええ、仕方ないとは思います。黒マリが暴走して趣味に走り倒した結果とは言えど、あの国の存在自体がいえめん宗教に対する冒涜です。
なお、宗教的には英国国教会の傘下となっているNBの見解。
「痴女皇国も聖院も、トップの人間ただ一名が本気を出しただけで惑星に居住する人類の生命エネルギー全て吸い尽くされ絶滅することになる。従って軍事的には降伏せざるを得ない相手に宗教的道義や倫理観を押し付けるのは不可能だろう。むしろこちらが頭を下げて「どうかなにとぞ当方への文化汚染を控えてくれ」と頼む立場でしかないのでは?」というですね。首相のパブリックコメントが出てましてね。
ええ。その首相の孫娘が下着メーカー経営してて、痴女皇国とか聖院仕様のレプリカモデルとか売りまくってるのを見て見ぬふりしてて更に英国経由で連邦でも売りさばくわ、某島国とか経由して着用使用例無修正動画を有料配信してぼろ儲げふんげふん。これぞ元祖二枚舌。
ええ、実際には痴女皇国広報局が聖院も含めたその手の文化的流出を一手に管理していて局長の名前がクリス・ワーズワースなので対策はばっちりなのですが。ほぉーっほっほっほっ。
更に連邦世界の方の情報流出管理を担当する部長に田中雅美さんと山下博子さんがそれぞれ就任しています。もともとこっちの人だったので、主に利益的にNBや聖院・痴女皇国が不利益を蒙らないようにするのは簡単っすね。
肝心かなめの淫蟲、これの製造と管理維持はあたしたちでないと絶対無理なようにしてますから、形だけまがいものを作ったとしても肝心の部分と機能の再現は困難です。
どっかの朴李が得意なところが作ったとしてもいつの間にか「その時、不思議なことが起きた」結果潰れてたりしますので。
ま、話を戻しましょう。
あたしへの規制は不可能。
これが今通ってる学校のトップの結論。
そして、名門校。
卒業生は言うに及ばず、在校生ですら有名どころの子弟子女うようよ。
むしろ「聞く側喋りかける側」に注意をしておくべしということに。
更に、制服で通わなくてもよいという生徒の自治を認める校風なので、生徒会でもまりあ事案について、一つ生徒側で協議をしようとなさいます。
あたしも出席して当事者を交えて対策会議をしたいという事なので快く出席させて頂きました。
でね。ここからがうふふなお話。
まず、もう皆様、あたしが実質彼氏どころか旦那持ちなのを知っております。
なんせ日本でも大々的に結婚式の内容、「あの」シーン以外は流したそうなので。
更に海外、特に英国が流した「修正なしノーカットバージョン」すら見てるやつも。おいこら未成年。
で、まりあサイド、ぶっちゃけあたしの意見。
「恋愛については別にあたくし申し込まれても野暮は言いません。そんなん言うてたら痴女皇国どころか聖院ですらAUTOです。そして、あたし自身が皇配がおると言うだけの話で、どっちに行こうが最低でも一日に一回は旦那以外とやり…事案が発生します。これは職務上不可避です。淫行と言われても困ります。更に旦那も職務上、同じく妻以外と一日に一回は事案が発生します。日本人の倫理観で考えてもらうと困るのが本国での立場なので、むしろそういう手順を経験させてくれる殿方大歓迎。ただし、本気とか結婚とか絶対言い出さないでくだしあ」
ええ、これ、特に黒マリの経験を女の子の生徒会役員「だけ」に見せて説明しました。更に白マリの分も。
日本では報道管制が流石に敷かれていましたが、そう言うのなしのノーカット無修正な壮絶な状況に最初は興奮していた先輩や同学年の子たちも頭抱えてました。
「ままままっままままりあさん、ほんっとーにこういう日常なんです…?」神崎さんでしたっけ。2年の先輩が言われます。もう、信じたくなさそうな顔です。ええ、赤とか紫騎士団の日常とかね。乳上と弟のあれとか見せましたから。
「信じたくないのはわかります。ええ。正直、あれは黒いマリアの大暴走の結果で、うちの母親がシメに行きました。しかし、事情も事情なので、公的にはできる限り聖院側を一般の方に報じようとしています」
しかし、その聖院側も人材不足の問題が出てきており、隙あらばと痴女皇国幹部に白い衣装着せて公務をさせて相互乗り入れしているのは黙っておきましょう。乳上とか雅美さんの白衣装見たら一発ですけど。
特にこの二人、痴女皇国の赤衣装の白バージョンなんです。
本人たちも聖院では流石にまずいだろうと自粛を申し出たそうですが、女官連中が全員一致で「何卒あれで来て欲しいです。業務への意欲が全く異なります!」と泣いて直訴に及んだ結果です。仕方ないのです。
女官の福利厚生への配慮も女教皇の業務。
あ、女教皇についてはうちのクソバ…母親がいらんこと言い出しまして。
「まりあの誕生日どうするー?聖院暦と連邦暦とNBは西暦やけど、七月七日で登録しとくでー」と出生当時に適当に出生届作って出したらしいんですよ。
七月七日、蟹座です。そう、蟹座。
なんとか玉入れってばくちの機械で勝ち進むと、蟹が教皇になって女性数名はべらせて偉そうにしてる「ありえない絵」が見れるそうなんですけど、特定の金色のマンモス憐れな何かのせいで蟹座というとものすごく悪いイメージがあるって後で知りました。
絶対、あのババ…お母様は狙っていたと思うんです。
日本名をまりあではなくのりことかいう、しゃぶしゃぶが大好きで一説によると淫紋が入ってそうな場所に蝶のタトゥーが入ってそうな名前にマジでしようとして父様が全力阻止したと聞きましたから。
更に白マリてめぇ。あたし自身ですけどしばくぞおまえ。
あたしはその、蟹座が悪評になったきっかけが生まれた国の学校に通うんやぞ。
なんで教皇みたいな役職名乗りよったお前。
完全にあれを連想されるやないか。あたしの中の小宇宙完全燃焼するぞこら。
そして黒マリ。
君のその衣装、黒を金に変えたらどう見てもその星座の聖なる鎧にしか見えんのだが。お前ら…。
ええ、話がそれました。
生徒会長も、女子役員陣の姿で問題を察したようです。
ですが、受け入れは学校、引いては日本政財界どころか連邦側の決断と言っても過言ではない決定事項。
なんせ、別の話で出ていましたが、本当は東京の学校の方が更に良い環境だったって思うんです。
なぜかというと、政財界トップの子弟が多数居住してる上に、そのお子様方が通ってる学校ありますよね。
極端な話を言うと、皇族がお通いのあそこ。
ですが、これにも問題が。なんせ地球上の全人類を一瞬にして絶滅可能な代物なあたしをですね。
あの、神聖にして不可侵な千代田区の兼業農家のご一家もお住まいな帝都にですね。
更に、連邦の一部や一部国家にとって不倶戴天の仇敵というか面子おもっきし潰しまくった奴がですね。
「日本を連邦傘下とはいえ国際問題に巻き込むのはいかがなものか。皇族への悪影響も考えられるからなんとか院は絶対だめ」と言い出したのがおりまして。
当の皇族方面は大いに乗り気だったそうですが。
まぁ、こちらが如何に皇統には負けますけど、それなりの統治実績がある超国家組織のトップで皇帝を名乗っていてもですね、その統治内容があんまり過ぎるという事で公式交流は流石に…と宮内庁が説き伏せたそうですけど。うはは。
ただし、政財界も流石にこのチャンスを逃すのもまずいと言うことで、あたしの入学に伴い、何名かが入学または転入の形で送り込まれてきました。全員把握しておりますが。
そして、いくら将来の日本を背負って立つ優良サラブレッドが集まり学ぶ場所とはいえど、巨大な権力の前に「やっぱり僕達私達ではまりあさんは無理です」とは言えません。それしたら自動的にNBの学校に行きますからとあらかじめ言い切ってますし。ちなみにNBではこれらの問題は特例で全て解決しまっせと。
で、まずは男子陣。
色々と情報も仕入れているようで、あたしが爆弾も爆弾、歩くルドゥタブルだと改めて思い知ったようです。
学校秩序などあたしの前には吹き飛びかねない危険な存在で、しかも表立って注意しようものなら「親元にもんのすごいカミナリが落ちる」のが分かってますから。
「まぁまぁ会長。親衛隊とかそこまでしなくても大丈夫ですよ。あたしが金衣状態で「みんなの考えてることや毎日の行動全部筒抜けっすわー」と言うだけで恐れをなしてくれますから」
(そ、プライベートまるみえー。例えば同じ教室のなんとかくんが昨日あたしの結婚式の完全バージョン見て二回自家発…とか全部わかりますーこまったねー)と棒読みな心話でみんなに語りかけてあげます。
何人かが青ざめた顔で目に涙を浮かべましたが、見ないふりが優しさです。ただ、女の子も混じってたのはなんだよ。おいこら。
(で、金衣の力を封印前提で通学も考えましたよ。そしたら日本の防衛省とか内閣からやめてそれやめてSPの負担が増えるからと。連邦の法務局や宇宙軍や宙兵隊からも、下手な護衛つけるよりまりあさんが金衣でいる方があらゆる意味で安全だからと言い切られてまち…)と駄目押し。
と、そこで叡智を発揮した方。
風紀委員の田野瀬さん。女子。
「逆にその力を活用して、学校秩序に寄与してもらうことはできませんかしら」と。むむ。
「要は風紀上よろしくない生徒も見える、というか悪意やよこしまな邪念は感知したくなくても花火を打ち上げるように分かってしまうんですよね?まりあさんには」とのたまわれます。
「良いことに使っていると公言すれば、逆によろしくない生徒はまりあさんを自然に避けるでしょう。そして、まりあさんが公然とそれを言うと角が立ちますから、非公式の噂として生徒に流せばいいのでは。で、文句言ってくるのはわたしに回してもらうと「まりあさんに協力してもらってます。教員公認です」で終わる話かと」おおおおお。やるー名案!
そして更に田野瀬さん。
「この学校の中にも情報収集を目的として入校された方がいらっしゃるとも聞き及んでおります。学校側にはお話を通しているようなので、風紀としては学業を妨げない程度であれば目くじら立てないつもりでおります。しかし、まりあさんにあれこれお話を聞きたい方は多数いらっしゃるはずです。そして可能なら交流を結ぼうと考えておられる方も多数いらっしゃるでしょう。当然、そう言った方々が押し寄せればまりあさんも学業や学生生活どころではないかと」この田野瀬さんの発言に、皆さん確かにそうだと合意。
「で、これは学校側の合意と了承を必要としますが、当のまりあさんから対策案としてユニークではありますが、興味深い提案を頂きました。これに付きましてはまりあさんご本人に説明頂く方がよろしいかと」
「分かりました。では、まりあさん、お願いします」
「失礼します。では、聖院統治者たる教皇の顔でお話をさせて頂きます。公式的には当国広報部を通じて聞いてくれ。しかし、それではあまりにもあまりですよねー、みなさん」と、合意を求めます。
それならそもそもこの場で話してるの、九割は無意味になりますし。
「で、しのごの言わずに体験してみてくれ。これが統治者の顔でのわたしの提案です。で、なんでそういう話になったか。単純に言うとうち、今人手不足なんです。ぶっちゃけ痴女皇国から幹部人材を借りてます。これは痴女皇国が悪いので、あたしから女皇帝に文句を言っておきますから許してください。で、猫の手も借りたい。そこで提案。クラブ活動の名目で放課後数時間、聖院に何名か来てくれたら実態を体験してもらえると思うのですが」
これには流石に皆さん、その手があったかと瞠目されています。だが、問題も。
「ええ、と…。伝え聞く話では女官の方は男性と…」
「その、向こうでの姿はあれでなくてはならないのでしょうか…」
「はい、来て頂く場合は文官見習いとして事務業務を主体として予定。あと女官寮管理室の雑用。これはですね、「あの」マイレーネ女官長の管理になりますから、そう言う間違いはあり得ません。断言します。そして服装。向こうめちゃくちゃ暑いです。下級女官でも体の周りは常時50度以上を放熱しています。だからこそあの巨石構造と水冷システムです。ぶっちゃけうちの制服とか私服だと30分もしないうちに汗と水でずぶ濡れの可能性、ありますよ。下院ですら下手したら速攻で脱水症状です」
「それと、男子の方。なんであたしが情報流したり感覚共有しないか。それは、聖院の環境だと女子の方より男子の方が悪い方の影響が大きく出るのがわかっているんです。ぶっちゃけうちの女官でないと困る状態になったら、将来のお仕事や結婚生活に悪影響出ますよね。なんのために我が校に通ったのか本末転倒となるでしょ?」
「つまり、高木さん、もしも話が決まった際は女子学生限定をお考えですか?」会長さんが静かに告げられます。本心は「まーしゃーないねー」ですね。
「ええ。これはわたしを含めた広報部の統一見解です。成人だろうが未成年だろうが、国家首脳級または当方が特認を出した方以外の男性の訪問は基本的に断っています。これは、本当にうちの国が男性には危ない要素に満ち満ちすぎているからなんです。うちの祖父の会社に入社して頂くか、英国経由でNBに移住してもらうと男性でも道は開けますが、まぁ…うちの会社は運送業ですし、NBの場合は軍籍かつ厳密に選抜しています。そして、現状ではNBへの移住は片道切符です。つまりこのルートだと日本政財界に貢献できません。あはは」
「ですよねぇ。で、女性ならその辺は緩和できると」田野瀬さん。
(たのたのー。正直、会長も来たがってるクチー。だから微妙に食い下がってんのよねー)
(皆まで言うでない。把握しておるぞよまりまりー)
ええ、そうです、実は田野瀬ちゃん、入学当初に目をつけまして、あたしのダチになってもらってます。
実はあたしは一年生。ですがもう実力的にはこの高校に入る人間の最大目標たる、どこぞ大学への入学試験なんざとっくに問題がない状態です。
ですので、授業の方は上の空でも不問にすると。ただし授業中に他の学生の邪魔はしてくれるなと。
「そうです。というか男性だと真剣に危ないのです。色々と。一例を挙げましょう。うちの父のクリス・ワーズワース、ご存知ですね?」
「はい、あの僕たちと見た目はあまり変わらない方ですよね」
「父が聖院や痴女宮内を移動する際には、対熱保護場の構築を兼ねて、必ず金衣騎士または女官以上が同行する内規になっています。これ、実は熱問題よりもですね、うちの父を狙うアホ対策の方が遥かに多いからなんでして…」あたしは苦虫噛み潰した顔で会長他全員を見渡し、肩をすくめます。
「あああああああ…つまり、そういう…」天を仰ぐ男子諸君。わかったか。わかってくれたか。
「ぶっちゃけ女子学生だとそういう問題はまだ、回避しやすいんですよ。そもそも手を出されませんから」
(ここで女官どものち○ぽ装備問題、絶対に口を差し挟ませるでないわよ、たのー)
(了解じゃ、まりー)うん、田野瀬麻里子さんには詳細は既に伝えております。彼女はかなりの実情を把握しております。ふっふっふっ、既に手は回しておるわ。
「しかし、仕事となると、アルバイトに…」
「うちの女官は無給です。無償奉仕あっての聖院ですので」きっぱり。「ただし、お小遣いくらいは渡しますよ?あたしはともかく、普通の人は飲み物とか軽食は必要と思いますから」
あ、そうそう。お弁当や学食を必要としない体質も驚きの的でした。しかし納得してもらうしかありません。
「それは向こうのお金でしたっけ」たのたのが助け舟を入れてきます。
「えーっとね、これが聖院で使ってる聖環というメディアウォッチ互換の腕輪です。これ一つで一種の電子マネーとして機能します。ただし聖院内でしか通用しないのと、聖院外活動でお金が必要な場合は両替処で必要とされる通貨を入手できます。ただし、現時点で聖院地球以外の通貨はNBポンドしか対応していません。日本国で流通している紙幣貨幣への交換手段はありません。向こうで使い切らない限りは、貰ってないのも同然になっちゃいますね」と、腕輪を見せてご説明。そして、たのたのに目配せ。
「会長、これが何かわかりますか?」左腕にはまったそれを田野瀬さんは皆に見せます。
「!」
「田野瀬さん、それ!」
「ええええええ」
「たのっちだけずるいー!」
「まーまーみなさんお静かに。吸うで」あたしの一瞥と一言で皆が黙ります。いや、実際に一度試してあげたら、かるーく吸うだけで、恐ろしさをすぐ理解してもらえましたから。
「でぇ、田野瀬風紀委員につきましては、NB政府並びに連邦政府外務局と司法局の許可を得て、あたしの通う学校の風紀部門の長ということで現地の秩序や統治実態に関する簡単な視察を行ってもらいました。その際に聖環を支給して、実際に使い方を体験してもらっています。つまり、学校どころか日本政府すら飛ばさせてもらってます。正直、この学校「すら」本日で廃校にしかねない権力がOKを出しているのは皆さんならお分かりですよね?」脅しの意味を込めて、みんなをじろーり。あたしを怒らすとまずいと認識させとかんとね。
「で、なんで連邦政府がOK出したか。皆さんの秩序ある学校生活に波紋を投げかけるデメリットを差し引いても、連邦の利益になる色々を知ることができるからです。しかも聖院側の提供するデバイスをこっちに持って来れるから、画像映像を含めたデータを持ち帰れる。逆にこっちのペイウォッチやマルチメディアウォッチといった電子デバイスは、聖院対策がなされた機器でないと熱問題などで早期に故障するのが判明していますから持ち込みは物理的に不可能に近いですし」
「そうですね。高木さん自身がそこのトップだし、向こうでは常時2〜300度の熱を出して執務してるとか言うのを実際に体験すると…会長、改めて断言します。向こうの内容を知りたいのなら、高木さんの指示に全面的に従う以外に方法はありません。何をどう言おうと、聖院側の指示に従わないと普通の人間は生存不可能なんです、あそこ。行って10分でそれを痛いほど理解させられましたから」
「田野瀬さん、あんな熱帯なのに、聖院内部、虫一匹いなかったでしょ?しかも風通しすごくいいのに」
「ええ。ごきぶり一匹、かたつむり一匹入り込めません。数十秒で乾燥して死ぬの見ましたから」田野瀬さんの発言に、みんな青ざめます。
「それと、定期的に聖院内各所は高熱消毒をかけています。御影石でできてるのはそのせいなんです。その熱気については上級女官ならあって当たり前で熱防壁を常時出していますけど、下院…下級女官の生活区画や執務区画の総称ですね、ここの場合は必ず事前に通知が「心話」で来ます。この心話を受信できない者は…黒焦げです」これまたきっぱり。ま、黒焦げは話を盛っていますが。
「で、部活にするメリット。希望者を選べます。こちらが。つまり、連邦や日本はもとより、当校にとっても都合の悪い人物の入部は断れます。そして…断った人間の背景や背後は、学校や日本政府はもとより、関係各所に通達しようと思ってます。ぶっちゃけ、NBのイアン・フレミング記念情報研究センターに流します。ここが実質的にどういう施設かお分かりですよね?主要職員には殺人許可証を支給していますし」
もう、たのっち他、数名のあたしの協力者以外は汗だらだらです。
いくら俺達私達でも国際諜報戦とか謀略の場の最前線真っ只中はごめんだ。顔がそう言っています。
「とりあえず生徒会役員ではない私ですが、当校の学生ということで聖院研究部としてクラブ設立の届出は出させて頂こうと思います。当面は女子学生に入部を限ろうと思いますが、情報分析要員として男性でも優秀な方であれば入部を歓迎しようかと。これ、生徒会の許可は必要ですかね?」
(断れば皆様のお父様やご親族の経営企業や運営団体にどう言う圧力を連邦並びに政府がかけるか、よくお考えくださいね)とダメ押しを心話でして差し上げます。
「…こ、顧問は…」絞り出すような声で誰かが呟きます。
「誰も手を挙げないなら校長がなさるそうです。ま、いなくても強行しますけどね」
「聖院の統治者が安全を保障すると明言しているのに断る先生、流石にいないでしょう…」副会長もこれには同意してくれます。「しかし、高木さん…よくあんな組織、運営できてるよねぇ」とも。
「ほほほ。あたくし、先祖の記憶と知識、そして父親と母親二名のそれを全て受け継いでますから。世を忍ぶ仮の年齢は六歳としても、わかってるだけで千二十六歳ですよ、あたし」
(うわー…つまりおばちゃんどころではないと…)誰かが口にせずに浮かべます。
「おおおおおおおおおおおばちゃん言うなーっ!」ええ、生徒会室が爆笑に包まれました。
「てんきゅうたのたの。おかげで何とか生徒会黙ってくれそうよねぇ」
「なんのなんのー。あんなおもろい場所行かない選択はねーよー」
「むろりー。あんた入部届け出すんかい?」室見理恵。生徒会副会長。会長にメモで入れ知恵をしたり発言を抑制しておりました。
「そーねー。うちの親父は渋い顔しとるけどねー。そりゃ上から圧力かかったらどうしようもないよねぇ」
「うっふふふ、長年の男子校たる我が校で、女子がでけぇ顔できる千載一遇の機会を逃すものかよ。ここは一つまりまりを支援すべきであろう」
そうです、男子陣は正直関わりたい。
けれど将来を考えると直接接触は避けた方が無難という程度には自制が効いているのです。
そしてこうしてツレ付き合いをガンガン推進している一部女子学生に羨望と嫉妬の目を向けているのです。
「だから男でも頭回るやつは来いと言うておるに…」
「来ないならこっちで見繕ってコナかけるべ」
「よしよし、部活推進団の結成記念になんか食うかと言いたいが、うちは買い食いとか校外での風聞に差し障る事をするとうるさいからのう。のう、たのー」
「そうよー、あたしがしばく事案作らないでよー」
「とりあえずあっちの方のうち来るか?」
「あいー」
「異議なしー」
で。
「まりあー。あんた友達連れて来んのは良いけどさー。呼ぶなら天王寺にしとけよー」と、母親の説教というか愚痴を聞くわけで。
「うるせぇ娘放り出してこっち来やがって。あたしどんだけ苦労してるよ」
「ここが聖院ならまだ良いのだが…」ええ。最上階のペントハウスです。それも痴女宮ですよ、ここ。
「だって聖院だと白マリとアルトの愛の巣やん。しかも隣はアレーゼおばさんだしっ」
「あー、まりあ陛下。とりあえず試作品ですけどあれにしときます?」と、給仕役を勤めてくれるメル子ちゃんが人数分のコップを持って来ます。
「うん、あれにしといてー」と、奥に引っ込むメル子ちゃんのお尻を眺めながら。
「でもお母様、ものすごい体型してらっしゃいますよねぇ」と、たのがうちの母を褒めます。お世辞抜きに。これは今おる女子高生全員の統一見解。
「かーさん執務中でなかったのかいな」
「そりゃ、友達連れてくるっつーからさぁ」さてここで露出狂のエロバ…大胆な格好が似合う本日のマイマザー、どんな姿か。
ええ。【執務中】というのが丸わかりな紫色の女王様風味ワンピースエナメルレオタード。
どんな執務かは語りますまい。
ほっそいほっそい水着の日焼け跡も眩しい小麦色のケツをむき出しにしております。
Tバック部のクロッチも細いです。
足元は紫色のロングブーツに同色のグローブ。
髪の毛は最近、伸ばし気味なので大体腰くらいまであるストレートロングを軽く束ねてます。
もちろん自毛の金髪です。
「そーそーかーさん、黒マリに頼んだうちの試作部活服、サンプルが近日中に届くと思うのじゃ。ここで保管して頂けるとありがたいのですが」
「しゃーないのー。やっぱあれか。あれで行くのか」
「だってみんなデザイン案見たらさぁ、あれが良いって一致するんだよ?仕方ないじゃん」
「まぁ、うかつな性癖さえ刻まないならいいけどねぇ」
で、試作品というフルーツジュース。これ、旧・南洋王国特産果実プランテーションの産物を使った輸出品にしようと開発中なのです。なんせ来客用の飲料からしてこっちで開発して調達できるようにしようという方向なんで。
「では!聖院研究部の実質発足を祝って、かんぱい!」
「かんぱーい!」立ち上げ部員の声が響きます。
さて、どういう研究内容になるのやら。
たのの「誰が野郎なぞあの世界に連れて行くものか」
りええ「そーよー。田淵会長、よほどあそこに自分が行けって言われてんのかしら」
まりあ「いや、あれ自分の意思。親からはなるべく怒らすなと言われてる模様」
たのの「その割にまり公ガチギレ寸前の地雷を踏んで踏んで踏んでるようですが」
りええ「あたしが散々筆談でそこ突っ込むなとか書いてんのによう」
たのの「まぁ、たぶっちーの任期一年は我慢しませう」
りええ「あと一年あれの守りかよー。泣くぞわしー」
まりあ「部活出来たら副部長にしちゃろうかえ?たのの部長で、わし研究対象。で、部活が忙しいから役員辞退。部活の重要性を鑑みると生徒会との両立は不可能とか」
りええ「本当なら任期満了したいんだけどねー、進路に響くしー」
まりあ「まー、その辺は色々やってからでも遅くはあるまい」
たのの「しかし、あの風紀的にまずい服でもおとなしいとは…」
まりあ「ぐへへ。密かに痴女皇国仕様へのモードチェンジ機能を実装させておるぞ」
たのの「まじかよまりり有能すぎ。いよっさすが教皇っ」
まりあ「ぞのいいがだはやめでぐでえ」
りええ「さて、部活服がどんなのか。次回で明らかにする予定です」
全員「と言うわけで評価よろちくび!」
ジーナ(この子たちが、雅美さんの後輩としてダメ出しされないか不安だ…)
まさみ(問題ない。聖院の話はなかったが、あたしらん時も大体こんなもん)
ジーナ(これでいいのか進学校!)




