表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こんにちわ、マリア Je vous salue, Marie  作者: すずめのおやど


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

247/296

弥助の大冒険 -少年は巴里を目指す- 7.2

「で、なんであたしが乗ることになってんのよ」


「りえさんにおなじく。なんであたくしまでもがぁっ」


と、傍のまりり…マリアリーゼ・痴女皇国上皇に文句を告げる、わたくし室見理恵と、アルトリーゼ将軍閣下。


私は私で、痴女皇国の国土局長の仕事がありますし、アルトさんはアルトさんで、単なるお飾り将軍だけではなく、痴女皇国の警務局長という職務についている立場です。


(あたくしのおしごと、はんこつくだけなのです…)


(でもないでしょう…ほら、精気授受とか昨今では延命処理とかっ)


ええ、アルトさん、言うまでもなく千人卒どころか、百億卒の完全体痴女種。


痴女皇国の女官としてはほぼ、最強級と言っていい存在なのです…ご本人の行状性格、そして周囲からの評価はともかくとしまして。


(りえさんまでもがこのあたくしを、きけんぶつあつかい!)


泣いているアルトさんはともかく、そのお仕事の中には未成年の方には詳細をお伝えできない「男役」「女役」の行為、つまりはアレするのが少なからず入っております。


そして、昨今では痴女種の延命対策兼・謀反防止のためにと、定期的な上役とのアレが義務化されとるのです。


以前は、ピラミッド型の精気授受システムが組まれていた聖院の「食料」供給構造を継承した痴女皇国ですから、当時は金衣と呼ばれていた、今はまりりか妹のベラちゃんことマリアヴェッラ・ボルジア・ワーズワース二代目痴女皇国皇帝を頂点に精気を吸い上げられる代わりに、精製された栄養精気を下へ下へと送り込む管理制度が存在しました。


その、精気授受という行為は、言うまでもなく未成年の方には絶対に詳細、お話できない内容です。


そして、この室見理恵とて、女官長の地位についていた時は積極的に、その精気授受の流れの過程で要職にあったのです…私のお尻や、女には元来、絶対にあってはならぬ邪魔な股間の器官をベラちゃんや、そのお母さんであるジーナさんが知っているのもこれが理由です。


(あたしが忙しい時はベラ子やアルトとかジーナかーさんに渡せ貰えって制度にしてたんだよな…)


ええ、ジーナさんが幹部連中と妙に親しかったり、あるいはアルトさんが下級女官に至るまでよく知っていたのも、この精気授受制度のせいなんです。


しかし、聖母教会や慈母寺に設置されたベラちゃんまたはジーナさんを模した聖母像、あるいは慈母観音像という、これまた全裸のベラちゃんやジーナさんの特徴を股間に至るまで写実的に模した聖像に、精気授受アンテナの機能を付与することで、精気授受ピラミッドと言われたアレの流れを必ずとも経ずによくなったのです。


しかし、今度は偽女種(おかま)の問題が出てきました。


偽女種というのは、見た目こそ痴女種完全体に似ていますが、股を広げた場合、例えばこの室見理恵に備わっている「子供を出産するための器官部位」がないのです。


要は、整形でおっぱいを備えた男性…シーメールとかトラニーとかいうそうですが、いわゆる男の娘の完全体を痴女皇国の技術で実現したものとお考えください。


その根底にあるのは、私の目の前におられる比丘尼国鬼族の長である、茨木童子という方の体です。


この方は八百年近く、聖院の地下で墓守めいたことをされて来た経歴がありまして、プラウファーネという聖院女官名もお持ちです…いえ、聖院や痴女皇国の関係者の間では、プラウファーネさんのお名前の方が通りが良いくらいに、ある程度の経歴を持つ女官からは知られた存在なのです。


で、現在はプラウファーネさんのお姉さんである外道丸ちゃん…ょぅι゛ょというか少女の外観ですが、本来の鬼の姿になった時には酒呑童子と呼ばれる鬼の(かしら)であり、比丘尼国最強の鬼さんです。


で、その外道丸ちゃんがプラウファーネさんと交代して痴女宮地下24階の墓所の守りについておられます。


(誰もポーランファーネという出家名で外道ちゃんを呼んでいない件)


この、比丘尼国の鬼さんが聖院の本宮地下…現在は痴女宮の地下に居られる件ですが、その墓所と横の倉庫には、神霊的に大変まずいものがいくつも収納されています。


そして、現在のプラウファーネさんの本当の職場である大江山の元伊勢大神宮・大江山朝廷地下の穴蔵にも、同様に「迂闊に開けたり人間を近づけるだけで大変にまずい物件」が収納されているそうです。


そして、大江山には釣鐘童子という向こうの名前をもらっている男の子がいます。


この出家名ベルテファーネこと、アンドラーシュ・イシュトバーンなる少年。


アルテローゼ・イシュトファンという本名よりも乳上の方が通りがいい、痴女皇国東欧行政局長の実の弟さんです。


そして、痴女皇国と比丘尼国双方の協定によって、お互いの危険物件倉庫を相互に管理し合うために派遣されています。


で、このベル君こと、ベルテファーネさん。


なんと、普段の姿は痴女種完全体である乳上と、そっくりの姿になっているのです。


言っときますけど、ベル君は元々少年ですよ、男の子ですよ。


そして、プラウファーネさんも、外道ちゃんの妹ではなく、弟さんです。


ですが、鬼族というのは完全体痴女種同様に、男性と女性、そしてその中間状態や「完全体」の姿に変われるのです。


(ただ、痴女種より変化の速度は遅いのと、生気…痴女皇国でいう精気をかなり消費します。私が今、弥助の為もあって痴女種形態のままなのは、元の姿に戻るのが面倒だからでもあるのですよね…)


んで、プラウファーネさんが言う、元の姿とは。


聖院に着任した当時、鬼細胞と呼ばれる極めて強力な再生増殖能力を持った鬼の体組織の副作用を恐れた聖院幹部は、プラウファーネさんの存在を秘匿したのです。


そして、ニューハーフとかシーメールと言うべき、一種の女装状態で長く過ごしておられたのです。


で、ご本人もその状態を気に入っていて、これが私の元々の姿や、と主張しておられます。


まぁ、痴女種になったところで、元から女に思われるような美貌とスタイルのプラウファーネさんです。


で、このプラウファーネさんのシーメール状態の体の特性や特徴を利用して、男性の精気放出能力を強化する試みが行われた結果、爆誕したのが偽女種という第三の性別とでも言うべき存在なのです。


(本当は、ベラちゃんがクリスさんを女装させるどころか、偽女種にして楽しむための不純極まりない行動が契機だったのよね…)


(男性型痴女種…つまり、男体化は、クリス父さんの完全体痴女種化同様に封印だ…りええ、あんたも男の体になりたいか…)


ええ、本当なら、痴女種も男になったり、あるいはまりりの本当のお父さんであるクリス・ワーズワース氏も完全な女や痴女種完全体になれるそうなのです。


しかし、それをやると、怒られるだけでは済まないと言うのも聞いています。


最悪の場合、マリリとベラちゃんの二人揃って丸坊主にされた上で、運命選定種の仕事をしてもらうと、運命の女神という職務についている北欧神種族出身者のスクルドさんという女神様…普段は担当地域であるNBにおいて、偽装身分をもらって向こうの政府の情報機関であるフレミング機関に勤務しておられます…が二人に厳命しているそうです。


Skuld. 未来策定神 Ten Million Suction. (Limit variables.) 千万卒-可変能力制限者- Slut Visual. 痴女外観 Special Advisor, Ian Lancaster Fleming Memorial Research Institute, New-British. イアン・フレミング記念情報研究センター特命顧問 Purple Rosy knights, Imperial of Temptress. 紫薔薇騎士団 Norse mythology Goddess. 北欧神種族 فَاطِمة 運命付与種


Eileen Yoshimura Dulles. (Skuld) エイリーン・ヨシムラ・ダレス Ten Million Suction. (Limit variables.) 千万卒-可変能力制限者- Slut Visual. 痴女外観 George Bush Center for Intelligence - United Galaxtica of humanity. (McLean, VA 22101 U.S.A.) ジョージ・ブッシュ記念連邦政府統合情報センター Purple Rosy knights, Imperial of Temptress. 紫薔薇騎士団


で、私が鉄道建設の際にNBへ派遣出張していた時に、スクルドさんご本人から聞いた話ですが、痴女種化すると、ただでも非力な人類が自分の能力を大きく超える「発想や発明」の思考を否定しがちな女性の保守的思考が更に強まるので、クリスさんの生物化学研究の才能を大きく削ぎ落としてしまうのが大きな理由だそうです、クリスさんの女体化を禁止している件。


そして、実のところは割に堅物が多い輸送業界…特に鉄道関係の男性との接触が多いこの室見としても、クリスさんの女体化には強く反対しておきましょう。


なぜならば、運輸関係者は妙なことで気が散ったり妄想に耽るとかされると、安全上は大変にまずい仕事をしているからです。


例えば、電車の運転士が色ボケ欲ボケして、仕事中に彼女なり何なり、女のことを考えたり思い出して注意力散漫になったことを想定してみてください。


そう…股尾前科(またおまえか)事案とも言われる、大事故を惹起する原因になりかねません。


ですから、生真面目な人は生真面目なままでいないと困る世界も、世の中にはあるのです。


しかし、その一方でど助平な男もいないと、痴女種としては精気がもらえずに困ることになります。


無論、八百比丘尼国の支配階級である巫女種も、痴女種とほぼ類似の生物ですから精気を必要とします。


そこで、鬼族のプラウファーネさんの痴女宮での男の娘形態が注目された結果、心はオナゴというべきニューハーフやシーメールが純粋な女性を憎悪し、あまつさえ犯したり危害を加える対象にすら見る性質も加味して生み出された新種の痴女種女官扱いの男性、それが偽女種だと思って頂きたいのです。


つまりは、真面目な男性に代わって、不純な行為に邁進してもらえる人材向きに最適化された特殊性別の身体、それが偽女種なのです。


で、その精気を余すところなく提供してもらうために、偽女種になると体力や性欲が旺盛となるようにされました。


その、生体実験を自分自身の義体で行ったのが、ファインテック・ケミカルズというNBに本社がある化学技術保有企業の経営者名義持ちのクリスさんなのです。


ですから、ベラちゃんが分体を出してまでクリスさん…ベラちゃんのおかーさんの旦那様なので、ベラちゃんはクリスおじさまと呼んでいますけど…に四六時中べったりくっついているも同然の愛人生活を茸島で送っているのにも、一応のちゃんとした理由があったりするわけです。


(おじさまの身体が暴走したりした場合の抑制役でもあるんですからね…)


ええ、何せ、その偽女種技術、プラウファーネさんの身体を解析して鬼の体力や性欲を反映させてもいるのです。


そして、鬼族は元々、人を自分たちの性欲の対象とするか、あるいは餌としか見ていなかった歴史があるそうです。


このことが、元は連邦世界の犯罪者を効率的に処理して資源化するために生み出された懲罰偽女種という種別の創設に繋がっているのですが…。


しかし、ここでこの室見理恵の頭には、ある疑問が浮かぶのです。


それは、プラウファーネさんのような極めて強力な鬼族をパリに派遣すると、鬼細胞に感染した人を現地に増殖させることになりはしないか。


更には、人類に対して優性種である鬼族を、繁殖させる意志があるのではという懸念です。


つまりは、プラウファーネさんに人類を侵略する野望があれば、今回のパリ派遣については、まさに絶好の機会というべき状態。


で、口にチャックができない部類の人間として悪評も立っているこの室見、あえてずけずけとプラウファーネさんに聞いてみることにします。


パリで、鬼を増やす気はあるのか。


(やりたいのはやまやまですが、理恵さん、ちょっと考えを変えてみてください。そもそも痴女種の原型である聖院女官、それ自体が普通の人と長い時間、同じ部屋に居ただけで相手が老若男女のどれであろうと女官に変えてしまう性質があったのを覚えておいででしょう。それを抑制していないと、世の中は女官だけになってしまいますよね…鬼も同じで、全ての人どもを鬼に変えてしまえば、私たち鬼は飢えて死ぬか、同族同士で喰らい合うことになってしまうのです…)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ