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こんにちわ、マリア Je vous salue, Marie  作者: すずめのおやど


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痴女宮よいとこ一度はおいで・7

結構広い地下の道ですが、実はこの道、生まれてすぐに大人になった上に研修で歩いたと、アフロディーネ女官長とペルセポネーゼ警務副局長が申されます。

https://novel18.syosetu.com/n0112gz/82/


ただ、今ではこの道から本宮の下を通って女官寮や罪人寮にまで行けるようになっておるとも、注釈が。


で、我々は一旦、本宮の第一女官管理室の中に設けられた扉から地上に上がります。


「リミルシューネさん…先に行っておくけど一人以外は純粋な懲罰服じゃなくて、ただのコスプレだからね…」


「あー、識別点、聞いてますよ。完全な懲罰服仕様だと、アレが隠せなくなるんです」


と、偉いさんらしい席に座って室内全体の状況を監視しているらしい方が申されます。


え。


見れば、やたらもじもじしておるフラメンシアの姿が。


あー…こいつ確か、ラスプーチンちん互換とかで、結構でけぇの持たされているんですよね…。


なるほど。


(ふほほほほほ、大きいのも時と場合によっては色々弊害があるんじゃのぅ)


(てれこ…懲罰が解けたら覚えとけよ…)


(ふん、触るなというものを触る奴が悪いんじゃあっ)


と、言い合いをしとるわたくしテレーズですが、私たちは第一女官管理室前の改札を通過し、本宮奥の女官用昇降機乗り場に向かいます。


ここが、いよいよ本宮研修を受けていない者にとっては未知の領域。


本宮当番となった女官が、私たちが今まさに通過してきた道順で進めば、女官管理室に出勤を把握されるそうです。


(前は女官管理室に出頭してお部屋の割り当てとか受けてたんだけどね、昨今は要所要所の自動改札を通過するだけで出勤確認されるようになったから…)


それと、重要事項があります。


以前はこの神事室を利用する者は一般の、お布施を払う客の方が多かったそうなのですが、昨今は罪人の慰労をここで行うせいで、客用の広間を行き交い客用下足処に向かう者は圧倒的に罪人が増えたとか。


その代わりに、出入りの船員やら近所の村の連中に門前町の住民などは、宿坊を案内されるか、さもなくば直接に淋の森を利用するか…はたまた、ジュネス門前町店にいってめぼしい女を連れ出すことが推奨されておるそうです。


(おかげで淋の森の貸し出し椅子が不足するとか、割と洒落にならないことも起きたのよね…)


(今の貸し出し姦淫椅子って、スーパーのカートみたいに聖環でロック外して車輪で押して行けるんですね…)


で、淋の森の方角を痴女種視覚とやらで見てみますと、森の入口にちょっと大きめの車椅子まがいが何台も連なって保管されております。


そして、一台ずつ引き抜けるようになっておる模様。


なるほど、あれを押してめぼしい場所で広げれば…というものですね。


言い換えれば、淋の森の利用がそれだけ多いがために、神事室を減らして財務局や厚労局の事務室に充てるという構想も出て来ておるようです。


(いくつかの案は出ているんですけどね、今のところ有力なのがこれ。ただ、今までと違って階と階の間を空けておくわけにもいかないから、どのみち建て替えは避けられないのかという話にもなっててね…)


頭が痛そうな顔をしておられる室見様ですが、その辺はよしなに計らって頂きたいとしか。


お気の毒ではありますが…。


まぁ、実のところ、この神事室でやっておることのあらましは、私にも想像がついておりました。


既に、適当な階を選んで降りて見学しておる最中にも、そういう声がするのです。


おまけに、部屋によっては扉が透明になっておって、中の様子が丸見えなのです。


その光景は、到底、大人ではない方にお話できない部類なのです…。


で、昔はなんと、ここの10階から上は上級女官…今で言う千人卒以上の住まいを兼ねておったと聞かされます。


つまり、上級女官は居室に客を招き入れ、「神事」を行っていたということですね…。


(ただ、上級女官や騎士を相手するには単純に言ってお布施が下級女官の倍額となったそうです。ですから、誰でも彼でもというわけにはいかなかったそうです…)


(あと、当時の女官は女官種ですから、上級だと体の発熱がすごいことになるので、なおさら誰でも彼でもいかなかったんじゃないかしら…まぁ、今は本宮神事室をあてがわれる人自体が基本的に百人卒未満だけどね…)


つまり、今は高級娼婦のように自分の部屋に上客を招く形での接客は行なっていない、と。


(そういえば女の部屋に招くって感じだったのよね、昔は…あ! 理恵ちゃん、一応これ、改築計画の立案に盛り込んでおいて…)


(めんどくっさい話ですね…まぁ主旨はわかりますので立案だけは出しておいてくださいよ…)


(はいはいはいっ)


で。


その、昔は下級女官と上級女官の神事室の境目になっておったという10階。


今はそこに、隣の女官寮との連絡通路が存在するそうですが、そこを通過して女官寮の部屋を見学すると言われます。


で、警務騎士と警務罪人という男女の組み合わせが立っている自動改札を抜けると、女官寮側はいきなり部屋が現れる訳ではないそうです。


理由は、この階に女官の居室で使っているシーツや拭き布の部類の洗濯済みのものを置く倉庫が存在するとか。


(で、各階の女官監督室を担当する教導・指導役に指示された指導補助女官が、ここで各階のリネン類の支給分を受け取ったり、使用済みの返却リネンの一部を返したりしています。前は一階の第一女官管理室に一括返却だったらしいんだけど、さすがに人数が増えてくると大混乱の元になるので、今は各階の監督室で日用支給品を受け取ったり返却品を返す流れになってるそうよ)


まぁ、ベルサイユの用人や侍女たちのように自分のものは自分で洗え!とやると、それはそれで干す場所やら何やらが必要になるでしょう。


それに、この痴女島はそもそもパリよりもはるかに多く雨が降る場所。


現在のように茸島の工場に衣類を送って、魔法まがいの手順で事実上の新品になって返ってくる仕掛けでもないと、大変なことになるのは私にもわかります。


(それがね、聖院時代はこのダムでせき止めた水を動力にした大型洗濯機を何台も動かしてたのよ…だから洗濯役だけでも100人以上の女官や罪人を毎日のように専属で働かせないとだめだったようなの…)

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