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こんにちわ、マリア Je vous salue, Marie  作者: すずめのおやど


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弥助の大冒険 -少年は巴里を目指す-・1.5

りええ「呼ばれました」


いばらき「呼びました」


りええ「で、なんでプラウファーネさんに呼ばれたのかと申し上げますと、大人向け…ぶっちゃけ、アルトさんの枠で始まっているパリ絡みのお話の件だと言うことですね」

https://novel18.syosetu.com/n5728gy/357/


いばらき「そうなのです…で、問題は、私が江戸へお邪魔した時と同じなんですよ」

https://ncode.syosetu.com/n6615gx/134/

https://kakuyomu.jp/works/16816927860203867915/episodes/16817330660551060182

https://novelup.plus/story/361723636/914415402


りええ「つまりですね。プラウファーネさんが大江山の領域外に行くときは、かつての聖院時代のように能力を制限しておくか、さもなければお付きの巫女さんを随伴させる必要があるんですよ」


いばらき「これが大江の里なら相手選ばないんですけど、例えば先代弥助の嫁とか…あわわ」


りええ「その辺の話はアルトさんの枠の次回のお話で種明かしをしてもらうとしましてですね」


いばらき「で、私と小僧の弥助は、巴里(ぱり)を目指すことになったんですけど、問題は行き方」


りええ「転送ゲート一発で」


いばらき「なんと旅情も身も蓋もない…それに理恵さん、比丘尼国から直接には巴里に行けなかったんじゃ…」


りええ「ええと、確かにそうですね。大江→痴女宮地下墓所→ノートルダム寺院のルートになりますので、最低でも痴女宮がワンクッション入ります」


いばらき「しかも、何やら痴女宮の改築工事も入るとかで、墓所とげーとを離す話も出ているそうでして…」


りええ「で、比丘尼国の大江山の朝廷から来てた依頼はっと…弥助少年とプラウファーネさんと、あと比丘尼国に送り込まれている罪人女性数名のパリまでの移動手段確保ですね、要は」


いばらき「それと、随伴する罪人女の数、旅程の日数によって変わるそうなのです。これも、私が長期間大江を離れる際の弊害みたいなもんでして」


りええ「了解了解。で、今のところ、大江山と比丘尼国の主要都市を結ぶ交通網の整備状況ですが、まず道があります。これは丹後ちりめんや他の産物を陸路、京都に届けるための街道に近いルートか、または国道317号線や478号線、あるいは由良を回る国道178号線に舞鶴を通る27号線などと、国道9号線の関係に近い整備がなされています」


いばらき「しかし、江戸の幕府の御代とは申せど鉄の道もありますし、今さら延々と街道を走るのも…」


りええ「ちなみにプラウファーネさんや大嶽丸さんとか外道ちゃんが本気出したら黒薔薇騎士に匹敵する速さを出せますので、街道沿いや通過地域の被害さえ考えなかったら1時間で江戸まで行けるそうなんですよ。ただ…」


いばらき「やると怒られるじゃすみません。ま、鈴鹿御前に抱えてもらって飛んでも同じくらいですから、それが一番速いですね、私たち化外だけでなんとかするなら」


りええ「しかし、今回はプラウファーネさんの同行者として弥助くんがいます。ですので、淫化のイリヤさんとフユキくんのような感じで移動してもらうにしても、大変は大変でしょう」


いばらき「よろしくお願いします…」


りええ「まず、この時代の宮津や舞鶴、そして天橋立と京の都から江戸に至るまでですが、比丘尼国に鉄道を敷く、となった時点で早期におかみ様から伊勢神宮同様に依頼を受けています。つまり、大江から江戸への路線建設は既にこの時点で既定事項だったのです」


いばらき「うちのおかみ様が無理を言ったようで…」


りええ「まぁ、京都朝廷だけでなく大江山朝廷が存在する事情がありますから、その辺はまりり…上皇マリアリーゼからも優先事情として欲しいと聞いてました。んで、実際にプラウファーネさんはこのルートで一度東京に来てもらったことがあると思うんですよ」


いばらき「ええ、急行出雲號の車内であれをして怒られた時の件ですね…」


りええ「で、今回はその轍を踏まないようにってことで、特殊な専用車両を用意しますた」


いばらき「おおおおお」


りええ「ただ、これは元来ならばおかみ様専用というか、京都と大江と江戸に1両ずつ配備したものなんですよ。つまり、おかみ様とその時の今上陛下や皇族用、そして征夷大将軍御一家用として各1両。今回はそのうちのおかみ様用として用意された1両を使います」


いばらき「まぁ、なるべく汚さぬようにと…」


りええ「それと、この車両なんですけど、おかみ様用なのにも関わらずですね、なぜか大坂の宮原客車基地か向日町または吹田(すいた)車両基地に置いてるんです。はっきり明言しない理由は機密扱いなのもあるんですけど…それ以前に、宮津界隈で使っている車両は西舞鶴に基地があります。じゃ、なんで西舞鶴にその、おかみ様専用車をおいとかないのか」


おかみ「わしがゆうた。舞鶴の首領(どん)()()()ゆうおっさんがおるやろ。あんなもんまいづるのまちなかに置いといたらさいご、おれにつかわせてくれとかゆうてねだってきよるのんが目にみえとるからな…」


りええ「という事情だそうですが、プラウファーネさんなら、これだけでわかってもらえると思います(きっぱり)」


いばらき「あの首領(どん)が絡んだ話なら、仕方ありませんね…」


おかみ「しちやのおっさんはぜったいに、自分の情婦(いろ)をのせてだいみょう旅行させろとか言い出すにきまっとる」


りええ「で、その首領さん…瀬戸の凛ちゃんとはまた違う系統の人魚族の海やくざの頭目らしいのですが、とにかく、その人に目がつけられない場所に普段は置いておこうとなったのです、おかみ様専用御料車」


いばらき「では、普段は京か大坂のどこかにそれがあるとして、どのように大江に持ってくるおつもりで」


りええ「で、ここからがプラウファーネさんをどうやってパリにお連れするかという問題に繋がるのです。まず、比丘尼国では江戸幕府水軍の運用となる三笠級戦艦の三笠と金剛を保有しております。この船は連邦世界で英国ヴィッカース社が製造した高速戦艦金剛の就役時状態ではなく、改装を終えた姿…一部の方には「デース」と言えば通じる状態の外観となっています。ただ、蒸気タービンと精気発電機を組み合わせた複合発電システムに推進系を換装している上にですね、例のヘリカル水流ジェットエンジンが格納式で外装されました…最高速度は通常推進系で35ノット、水流ジェット使用時で55ノットになります…」


いばらき「速い、ということだけは伝わります。それと、船慣れしない者が乗ればたちどころに酔うだろうことも想像できます」


りええ「っちゅうわけで、国防のためにも虎の子の軍艦でパリへ向かうのはちょっと待ってぇなとなったのです。で、第二の手段は、今、幕府が保有している外航練習船の咸臨丸(かんりんまる)。と言っても連邦世界の咸臨丸そのものじゃなくて、かなり近代化されたスクリュー推進式の全鋼製船が存在すると思ってください」


マリア(まぁ最悪は痴女島まで来てもらえたら欧州配置にしたスケアクロウIT013号機か、聖院空港に置いてるIT011号機のどっちか動かしてもいいし、テンプレスかテンプレス2世のどちらかでもいいしさ…あと、今回は吸不(すえず)運河が使えないっていう条件があるからな…)


りええ「つまり、比丘尼国から痴女島を経由する話になると思います。んで、問題は東京駅か大坂駅まで、どないして二人を連れて行くか」


マリア(そのお召し車両かなんかを使うつもりだな…)


りええ「それ以外になんかある?まぁともかく、その御料車を使う理由はもういっこあってね、宮福線内の行き違いが最大6両だったかな、とにかく制限される上に、専用編成をいちいち仕立てて突っ込むには制約が多いのよね…」


マリア「それでりええのお父さんやエマ子に無理言ったのかよ…」


りええ「緑文字社がこれをスクラップにせずに保存してくれて大助かりだったのよ?」

https://x.com/725578cc/status/1860323752837546353


マリア「菊の御紋まで再現してるもんな…」


りええ「おかみ様が乗る時以外は外せるわよ、原型車通りに。んで、クロ157だと通常は電車でしか引っ張れません、本当なら」


マリア「悪い趣味を出したな…」


りええ「あたしは国鉄時代の急行みやづを再現しただけじゃっ。で、この御料電車は痴女皇国世界だと宮福線に該当する大江山線の入線と走行を前提に作りましたので、当然ですが界隈の一般向け旅客列車と繋ぐようにしております」

https://x.com/725578cc/status/1860328015751950845


マリア「悪い予感がするぞ」


りええ「で、この界隈って観光地じゃない。おかみ様の好きな温泉も久美浜とか出石(いずし)とか城崎にあるし」


おかみ「ほれ、民草も旅行させたらどないやとか、毒もりのにいちゃんもいうてたやないか」


りええ「つまり、大坂や京都からの観光需要も見込んで列車、設定しました。形式名や数字について言いたいことはありますが、とりあえず説明が先です。この、大江関係者のために最悪の場合でも1両で本線運転可能な御料車であるキクイ801形気動車いえもとい精気動力御料車なんですが、外観はクロ157の類似品だとお考えください」


⬛︎=御料動力車キクイ801 ⬜︎=準急用精気動力車キハ111


準急橋立號・舞鶴號中間連結時

城崎・久美浜・宮津・福知山←⬜︎⬜︎⬜︎+⬜︎⬛︎⬜︎+⬜︎⬜︎⬜︎→大坂・西舞鶴



いばらき「菊の御紋が入ってるくるまが⬛︎ですね」


りええ「で、普通は他のくるまの間に挟んで運転することになっています。単独で走るのは入換の時か、よほどの非常事態ですね」


マリア(ああー…それで普通の列車に挟み込む仕様にするとかしつこく主張してたのかよ…)


りええ「で、大坂に向かう時は単純に準急橋立號…浜坂または城崎発の中間に挟み込んで走らせればいいんだけど、問題は京都行き」


いばらき「なるべくなら舞鶴を通らせたくないんですね…」


りええ「そうです。で、大坂行橋立號なら天橋立駅で前3両の舞鶴號を切り離せばよいのですが、京都行きの場合はどうするか」


マリア(ややこしいことになりそうな…)


りええ「実際にややこしいのよ。で、宮津駅で⬜︎⬛︎⬜︎を置いていきます」


マリア(ふむふむ)


りええ「で、菊の門いえ紋を胴体に掲げた⬜︎⬛︎⬜︎は大江山線に入って、大江山内宮駅で乗せるべき方を乗せ、福知山から綾部へと向かいます。一方、⬜︎⬜︎⬜︎だけになった舞鶴號は東舞鶴または敦賀発の⬜︎⬜︎⬜︎と西舞鶴で連結して、綾部を目指すのです」


マリア(なんとなく読めた…読みたくないけど読めた…)


りええ「で、綾部で大江山線と福知山を回って山陰本線を走ってきた⬜︎⬛︎⬜︎は、西舞鶴から来た⬜︎⬜︎⬜︎+⬜︎⬜︎⬜︎の後ろにくっついて京を目指すのね。つまり、いわゆる多層階建て列車。天の声みたいなおっさんには急行さんべ、っていうとわかりやすいかも知れないわね…」


橋立號・舞鶴號分割・併合表


天橋立・宮津    西舞鶴   東舞鶴

⬜︎⬛︎⬜︎+⬜︎⬜︎⬜︎→→→⬜︎⬜︎⬜︎→←←←⬜︎⬜︎⬜︎

        ↓     ↓

        ⬜︎    ↓

  大江山内宮 ⬛︎    ↓

        ⬜︎    ↓

        ↓    ↓

       福知山  綾部

        →→→→⬜︎⬛︎⬜︎+⬜︎⬜︎⬜︎+⬜︎⬜︎⬜︎→京


マリア(ここまでして質屋のおっさんに見せたくないのか…)


りええ(あたし、キハ58とクロ157のNゲージ模型、父さんのコレクションから借りて編成作ってさ、おかみ様の目の前で実際にどうなるか説明するはめになったのよ?)


マリア(プ◯レールでもよかったんじゃないか…?)


りええ(とにかく、そういう苦労の末に動かす列車でプラウファーネさんと弥助くんは港を目指すそうなのです…)


てれこ「わたしらの痴女宮見学も忘れんといてください!(泣)」




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