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こんにちわ、マリア Je vous salue, Marie  作者: すずめのおやど


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痴女宮よいとこ一度はおいで・4

そうなのですよねぇ…。


(ごちゃごちゃいのっておるひまがあったら働け、そして感謝しろが聖母教会のおしえなのですわよ…)


(と、初代様も言ってるから、とりあえず本宮視察班のみなさんはどうぞ)


で、お越しになったのはマダ…マドモアゼル・タナカこと田中雅美・内務局長。


このわたくしテレーズですら、既におなじみさんという程度には顔見知りでございます。


でまぁ、田中局長と室見局長、そして田野瀬副局長に案内されて本宮21階へと向かう、わたくしたち。


「ここ、あたしでも予算申請に行きますとか言って事前連絡しないと通してくれないのよね…」


「雅美さんに同じ。ついでに言うとベラちゃんやまりりはもちろん、アレーゼさんやマイレーネさんですら制限がかかる模様」


ぬぬ…どれほど厳しいのでしょうか。


で、私たちが目指す、その厳しい場所。


言うまでもなく、痴女皇国財務局のお部屋です。


「田野瀬です、戻りました…支部長会議出席者で、本宮内見学会参加者の引率の田中局長以下もお越しです」


(承知した…入れて差し上げなさい)


で、扉をくぐると、また扉という風に、関門が現れます。


門番こそおりませんが、そう簡単には突破させてもらえないようです。


で、その扉を開けますと…目の前に壁が立ちはだかっております。


どれほど、中を見せたくないのか。


「あ、これはですね、この壁伝いにこっちに進むと、地下の出納部…今は財務3部への直通のエレベーターがあるんですよ。つまり出納部に用事のある人たちはこっちに行くんです」


で、田野瀬様いわく、今は地上1階から直通する道もあるが、かつてはいちいちこの21階で出勤の点呼を取っておった名残りでもあると申されます。


で、わたくしたちは田野瀬様や田中様、室見様について壁の左手に進みますと、低い仕切りで仕切られた机と椅子の列…そして反対の壁際に並ぶ小部屋が設けられた大部屋に案内されたのです。


その、机の前に向かっている女官、全員が白い長袖とずぼん姿…アオザイとかいう編笠民兵国の民族衣装をもとにした財務局関係者専用制服なのだそうですが、とりあえずは痴女皇国でももっとも色気がないと言われる服装の方々が、何やらぱそこんを操りながら、どこかとやりとりをしておったりするようです。


(このお部屋は既に、外部との心話制限がかかっている区域です。そこで、みんなヘッドセットというものをつけて、音声でやり取りしているのですよ…ただし、遠隔地の支部や聖母教会との通信のために、音声を心話に変換する処理をどこか別の場所でやっている時があるという程度に覚えておいてください…)


つまり、このお部屋の中でこそ他人の考えが読めたり心話が使えますが、部屋の外におるものには考え事が漏れない仕掛けが働いておると。


で、見ておりますと、窓がないのですよね、ここのお部屋…。


その代わりに、壁一面に地図やら何かの数字やら文字が映し出されておりまして、数字によっては刻一刻と変わっていたりします。


「ここは通商局の管轄している資源生産の成績や、厚労局の精気管理を即時情報として表示させいるのですよ。で、そうした情報を基にして各地の支部や罰姦あるいは東方聖母教会への予算承認や人件費枠を決めたりしております」


そう、このお部屋が、痴女皇国の国としてのぜに勘定をしておるところだそうです。


わたくしテレーズの知るところでは、ルーブル宮殿内の財務総監室や、そこの管轄の財務官僚どもが詰めておる部屋をもっと進んだ仕掛けで補っておる印象ですね。


「で、先ほど支部長会議で出た問題の一つがここなんですよ…女官の報償金支給に関わる財務2部の場所、このお部屋じゃないんです…」


なんと、女官や罪人の給金を決める仕事もあるため、厚労局の事務室の中に財務2部が間借りしておるのだそうです。


そればかりか、一部の部員は警務局刑務部の中に駐在して、罪人報償金の勘定に関わっておるとも。


(うむ…元来ならばこの部屋でやりたいのだが、人が増えてな…勢い、女官や罪人の報償金にに関わる者たち、近しいところに配置せざるを得ないのだよ…)


と、私たちを招いたデルフィリーゼ局長様のお机のところでお話を伺うことに。


「この状態の何がまずいかというと、お給料の情報が漏れかねないということなんですよ。例えばですね、エマネさんとロッテさんはまだしも、ロッテさんとイリヤさんの毎月の特別報償金の金額、事前に漏れたらどうなりますか」


「ふむ…奴よりも私の方が支給額が多いとなったら、まずは喧嘩になるだろうな…」


「まぁ、おばさまの性格じゃ絶対に挿入器具(くすこ)市の行政神殿にロッテさん訪ねて押し掛けますし、そこで(らち)があかないとなると、絶対に本宮に来ようとしますね…」


「だからあいつを連邦世界のメキシコに行かせたのは正解だったと思うんだよ…」


と、青紫色の肌と銀色の髪の毛が特徴的な…どう見ててもこの世の方には見えないのですが、私ともそれなりに顔を合わせておる淫化(いんか)…南米行政局のアスタロッテ副局長様なのは存じておりますので、お聞きの通りに普通に人としての会話が成り立つお方であるとは認識しております。


むしろ、今お話に上がりましたイリヤ様という方の方が、どっちかっちゅうとフラメンシアの如くに手が早…痛いやんけ。


これフラメンシア、わしは真実を述べたまでやぞ。


おのれ、イスパニアで生まれたのはまだしも積年のイスパニア暮らしで心根までもイスパニア人になってもうたんか。


そんな女をフランス人とは認めぬ、認められぬのやぁっ。


(というよりフランス人も手は早い方と思うわよ。マドモアゼル・ブリュントレーネはともかく、そのご先祖様のシャルル突進公とかさ、今、ここで罪人頭やってるナポレオンっておっさんとかさ)


(あのボナパルトは行動が素早いだけでしょ。あと、あまり人の言うこと聞かんくらいで)


(それ、充分にダメ人間の部類に入っちゃう気がするわよ…)


で、もうひと方。


短い金髪で、特徴的な斜めにとんがった耳の御仁。


この方も淫化の副局長の地位にお就きであるエマネ様なのは存じとります。


つまり南米行政局、アルト閣下のような方がいらっしゃらない状態ですけど、わしらフランス支部と似たようなもんなのです。


副局長を複数配置して、その合議で行政の取り決めをやっておると。


(これは、月乙女という半ば魔族化した神官と、その年齢に達していない太陽乙女という神官に分かれているせいもあるんだよ、淫化の行政女官…)


(で、私エマネが太陽乙女を仕切っていまして、ロッテさんに月乙女の監督をしてもらってるんです)


これも、以前、その事情をお聞きしましたが、淫化特有の魔毒汚染に対応した決まりで、何もしなければ数え24歳くらいで月乙女になるか、さもなきゃ還俗を選ぶかの二択となるそうなんですよ、淫化の女官の方々…。


ただ、魔毒汚染が激しくない俗地と呼ばれる海岸沿いの低地や、有全珍(あるぜんちん)のあたりでは通常の聖母教会によって政事をなさっておるともお聞きしております。


(南米行政局に編入された尻出(ぶらじる)帝国もそうだよ。あそこは海綿菓子国から尻出支部の管轄を引き継いだ際の体制、ほぼそのままでやっているからな)


でまぁ、南米行政局の方々については、新たに管轄に加わった尻出支部の奥地からの道や鉄の道の整備の予算やら計画のすり合わせで、国土局の方に大いに用事があるそうですね。


そんな訳で、次に視察させて頂く場所は…ええ、昇降機に乗せられ、地下深くへと案内されます。


「ただ、昨今の出納部、以前の両替処のように貨幣を大量に扱う業務より、地下の大金庫から貴金属を払い出す業務の方が多くなっているんですよね…」とは、田野瀬局長の談話です。


そして、しべりあの奥に続いて、欧州と米大陸のそれぞれに、分散留置しておく場所を算定中だと、内緒の話を教えて頂きます。


で。


私はバラさざるを得ないのです。


ええ、あわやフラメンシア、あの金庫室の金塊、それも髑髏の絵図が鋳込まれたものを手に取って金嫌いになりかけた件を。


手に取るなと田中局長と田野瀬副局長から厳命されていたにも関わらず、早速やらかしよったのです。


まるで、オヤクソクと言わんばかりに。


私、テレーズは申し上げたいのです。


このフラメンシアめは、今後、マドモアゼル・中井・ウッカリ・ティアラを絶対に笑えないと!


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てあら「テレーズ殿下、私の名前…」


てれこ「マルハレータ殿下がそう申されたのです…」


まるは「間違うてへんと思うんやけどな(にやり)」


てあら「ええとですね、こんな女と私がこのような関係であるとは一切思わないで頂きたい、私はそんな思いなのです」

https://x.com/725578cc/status/1860222591065293020


てれこ「わたくしとふらこがそういう関係である噂も全力で否定したく」

https://x.com/725578cc/status/1860221100577435837


ふらこ「おのれテレーズ許すまじ」

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