新人女官・ブンヤ喪女の悩み・2
いきなりとんでもない事になりました。
ええ、通信社記者の山内博子です。
わたしの勤めている会社、皆さんの世界のそういう会社より多分野多部門化していまして、皆さんの世界の日本の新聞社とテレビ局とラジオと通信社とネット放送局をミキサーでかき混ぜたような業務をしている企業です。
ですが、独身でもてないイケてない女でした。
イケてる子はさっさと結婚するし。特殊な仕事だから世間一般のように休めないし。
ああ、あたしの人生に救いはあるのでしょうか。
「なんかすごくのうが理解を拒みます」ええ。今のマリア様の説明で。
まず、アルトリーゼさんですか。マリア様の旦那さん。
そしてクレーニャさんは昔のアルトさんの秘書さん。
何かこう、修羅場か愁嘆場のどちらかの絵図しか思い浮かばないのですが。
なのに、クレーニャさん抱きついてます。
キャッキャと大喜びです。
どこをどう見ても感動の再会です。
マリア様も「こっちのアルトの方が良かったか?まぁアルトはアルトなんだが」とか言っておられますし。
「うむ。とりあえず博子さんの研修だ。アルト。木簡を」アルトさんがどう見ても木には見えない短い棒を差し出します。その棒をわたしの聖環に重ねると…ええ。数字が緑色になりました。ついでに棒にも178181 60と緑の数字が出ます。
「で、これで博子さんとアルトの数字が合致した。そうすると博子さんはアルトの手を引いて、だ。こっちにあるエレベーターに乗ってくれ」さっきと違う、奥まった場所にあるエレベーターを案内されます。
「実はこっちのは下層階の客用なんだわ。で、このエレベーターなんだがな」ニヤリと笑うマリア様。
「ちょっと前に改装してな。懐かしい感じだろ?」これ、普通のエレベーターじゃないですか!
「うんそう。ただ、ちょっとこっちでいじってなるべくメンテしなくていいようにはしてる。女官なしの方がいいって意見があってな。うちの下級女官ならまず人間は勝てないし」
「で、今からはクレ子…クレーニャに実演やってもらうが、ほれほれ乗ってくれ。ま、こういう事だよ」こともなげに十階のボタンを押しながらマリア様が言いますけどね。
更に脳が理解を拒んでます。
アルトさんの股間にあれ。
そしてその前にひざまずくクレ…クレ子さん。
「R15だから詳しく解説せんが、即なんとかってやつな」
「ここここここここここんなに事もなげにするもんなんですか?あああああ」
「なんでーウブよのー。嫌なら密着イチャラブで誤魔化してもいいのだよ。ほれ」言いながらマリア様が体を寄せてきます。ぎゃあああああ。というかこのパンツ、なんでマリア様が手を近づけただけで変な状態になるんですか。
「ああこれ、NBのファインテックとあたしらで共同開発した鬼のような素材。痴女が上司や客や恋愛関係対象と認識すると、反応してこうなるんだ。なお、痴女化阻止ナノマシンが浸透して細胞が変わった人でもこの機能は使える。いやー、NBじゃ下着はおろか水着にもこれ採用してバカ売れでねー。しかも熱帯の会員制ビーチリゾート、島一個丸ごと使った上に防諜ドローン二十四時間上空巡回してるやつもあたしに経営させてくれててねー。うははははは」
ああ、またしてもなんとか人民共和国の上層部はあほと言いたくなりました。お互いの国の恥部というか陰部というかを満たす商売までやってる間柄に、よりによって食い込もうとしたんですか。
(ちなみになぁ。アグネスさんの水着なぁ。これ採用してるから。ききき)とても悪人な顔でマリア様が吹き込みます。あたし、これ、何としてでも写真系の週刊メディアに売りたくなりました。
「ふふふふふ。まぁあのビーチ、実は租借占領時間をあと十二時間延長していてねぇ。どうだい博子さん。ブンヤ魂がうずかないかね。ふふふふふふふふふ」
「ぐううううううかめらありますしねぇうううううういきてえとりてええええ」
「そうだろうそうだろう。沖縄に戻った際に詳しい話をしてあげるから、まずはこの二人を見学するのだ」
「はっ陛下」ええ、確信しました。この人、恐らくアメムチのアメの内容と、アメを与えるタイミングがものすごく上手いのではないでしょうか。単なる暴君ではないと完全に確信しました。人の記憶や心が読めるというのを最大限に活用していますね。
ええ、あたし、どっちかというと人がしてるとかいうの覗く方が興味あるんですよ。
ええ、十八歳未満の人にもできそうな内容で話をするとね、大学の頃ですね、夜散歩してる時に、今あたしがしてるような格好の男の子がいましてね、人気のない公園に。で、隠れてうかがっていますとね。
うん。英語の勉強、ちょっとだけしてね。Jerkって単語。あとSima*azeとか何か組み合わせてね。以上。
そうですよ。ちょっと歪みましたよ。こじらせましたよ。
そして恐らくマリア様、あたしがこじらせたのわかってます。多分、このあと、餌くれます。確信です。
なもんで、アルトさんとクレーニャさんの主従の再会の一部始終も上の空です。まぁ、お二人とも綺麗なので見とれてはいましたけどねぇ。
で、事が終わって片付けて、棒は部屋の置き場に放置していくとか聞きまして。
そして、退出手順とか習って。
「マイレーネさん、もしかしたらクレーニャと博子さん、外泊になるかも。白マリ事案なんだけど、連絡行ってるかな?ああ来てるのか、重畳重畳。そしたら部屋から直接沖縄行くわ。じゃ」
そして、わたしたちはまた光に包まれます。
…地獄ですか。それとも天国ですかここ。
なんかすけべいなキャバクラとかみたいな感じで、ポールダンスのポールとか舞台あるんですが。
ええ。わたしと同じ格好の乳上様がしくしく泣きながら雅美さんにお酒注がれてます。
ダリアさんがアルトさんに押し倒されて…え?アルトさん二人?
ジーナさんが白マリさんにヘッドロック決めてます。酔ってますね。
クリスさんとダリアさんはなぜかいいムードですし。
「おう来たかブンヤさん。どうでした?聖院」とジーナ様が尋ねられますが、なんかすげいとしか。
「だよねー。ちなみに黒マリんとこ行ったらもっと頭が理解拒むから。あそこの二人も自分のホームグラウンド戻ったらそりゃもうね」と目線を向ける先には、乳上と雅美さん。
ああ、乳上はともかく、雅美さんはなんかわかります。作業服姿ですら、ジーナさんとこの会社のおねーさん、百戦錬磨っぽい人まで妖しい目線で見てましたから。
「で、山内さん…いや、博子さんだね。出家したし。そして博子さん。こいつらと似た体になるまでに一週間かかるから、その時点で白マリか誰かで施工して上級化してもらう。今なら千人卒以上だっけ?」あたしに椅子を勧め、自分と白いマリアさんがその向かいに座ってお話。頷く白いマリアさん。
「その時点で特殊任務をお願いしようと思っています。具体的には聖院の広報担当官。どうかしら?」な!なんですと!受けない話はありません!
「よし。やる気はあるね。で、その際にはちょっと特殊装備を渡そうと思うのだけど、その前に、今でもそれなりの能力が使えるから、心話の練習かたがたやってみよう。今から口で喋っちゃだめよ」
はい。頑張ります。
(で、さっき黒マリから、あたしたちの制服とか、はたまた市販している水着や下着の特殊機能の説明を受けたと思います。そしてねぇ。さっきの会見の時に同業者だった共合通信の田崎ってのいたでしょ。あの兄ちゃんとおっさんの間の。あれはある情報を掴んでいるはずなのね)
(ふむふむ。どのような情報が漏れているのでせうか)
(なかなかノリいいよね。ほほほほほ楽しみだわっ。かーさん)
(うむ。実はワーズワースのおっさんとアグネスさん。既に子供おんねん。だが、今回はあたしの天王寺のおうちで預かっとんねんわ。そう。そして、アグネスさんが着ていたあの結構過激なシースルーっぽいやつ。NB本国であんなもん着てるの見られたら絶対カメコ来るようなやつ。もう、導かれる答え、一つしかあらへんやん。そして、あの砂浜はあと十二時間NBに占領の名目でレンタルされておる。ま、今、田崎がどこにおるかわかるやろ?)うんうん、絵面が見えますねぇ。
(ちなみに記者会見の後で、わざわざあいつらの前で「ねーおじーさまー今晩あたくしたち那覇でご飯にしますけどどーされますー」「ああ、ちょっとアグネスと星が見たくてね」「おっけー、あと12時間占領延長お願いしときますー」どんな占領よって思うけど、まぁともかく、あそこはNBの領土ですが、密入国しようとする奴は絶対複数いるでしょう)
(通話でも写真週刊誌系を緊急で呼び寄せてるの、いたよな。しかも系列の報道ジェットまで繰り出して。ようやるわ)
(で。もういっこ。「じゃー、あたしたちも後で行くー。だいぶ離れた場所でなんかいるけど気にしないでー。あとハブちゅういー」と、かーさんとかあたしたちも行く予定。ぐっふう、青い林間学校よ、リンー○ン・ナ○ゲーターよっ)
はぁ…そりゃ痴女の集まりですものねぇ。で、ジーナさんも。
(さて、こっからが本題。実はあたしとクリスはわざと被写体になる予定。それも、かなり恥ずかしい状況を敢えて撮らせようと思う。というのも、あそこで話を聞いてるのはNBの連中。それも系列にゴシップ系を抱えてるのもいるわけよ。そしてNBも一応は選挙があってね。ま、来年に本国から大公に叙爵されるし、そもそもの選挙区がくっそ鉄板も鉄板なので盤石だけどね、やはりね、漏れるとねぇ)
(むむむむむ。で、ジーナさんが目くらましというか、敢えて囮というか観測気球というか)
(そうそう。ワーズワース夫人とのいけない夜の浜辺を狙っていると、なぜかあたしとクリスの絡みが)
(しかもマリア様までなんかなんかなんか。んでそこらの連中も、はっきり言えば、アルトとクレーニャのあれ見てるっしょ。もちろんあたしもなんだけど)股間を…あ、これが痴女種だけで増える理由と。
(そうそう。この中で痴女化できないのは、完全に体質が変化しきってない博子さんと、かーさんとクリス父様だけ。あとぜんぶ、きのこのやま)ものすごいわかりやすいです。うっはははは。
(で、こっからは恥を忍んでばらすで。博子さん。実はくりすくんね。君の性癖を歪ませるようになった趣味とかね。更にね。積年の粘菌研究生活とか、あたくしたちのプライバシー保護方針もあってアウトドア派でね。しかもね。あたしとのきろくをのこしたりね、あたしをとりたがるのね)げげげげげ。そんなんバラしていいんですかあたしに。
(ひーろーこーさーん。これはあなたが聖院に忠誠を誓う試験でもあるのです。首尾よく行った際には、高木夫婦やあたくしとあるととか、さまざまな事を記録してもらうかもしれません。実はNBでは聖院や痴女皇国の実態がかなり知れ渡っています。そしてですねぇ。できれば映像でそれを見たいという需要がかなりすごくてですねぇ。今回、あなたの会社を通じてなんとか人民共和国がうちに来たがってんのはそういうスキャンダルな映像とかも収めてゆするネタにして、ついでに闇市場に流してうはうはがっぽがっぽと。許せますか)
(今のわたしにはゆるせません。というか、そんなのされる前に、こっちで売ったら目論見丸潰れじゃないですか。ええ。あたしもはっきり言いますけど、あんな種馬みたいなのよこすより、日本語が通じてあたしの趣味理解してくれる男よこせやと思ってましたから)
恨みを込めて伝えます。この方々が心を読めるならば、私の本音だと気づいてくれるはず。あ、あとこれ、確かに隠し事できませんけど、言い換えれば本音が伝わるので状況によってはすっごい便利ですよね。
(ふふふ、その調子で使いこなしてくれたまぃ。で、どーせなら公式じゃないんだけどさ、日本のその手の映像制作会社あるっしょ。大陸の横のちっこい島にも支店あるとこを使って、無臭なものを流出させてやろうかな、と)
(更に言うと黒マリいわく、あたしは今日、マリアンヌと名付けられる予定の我が実子をここで仕込まないとならんらしい。黒マリは今のあたしたちの数年後の世界から来ておるが、このマリアンヌが次世代のNBと連邦の架け橋として必要な人材らしいのである。よって、敢えて下半身の恥を晒すチャンスは今しかないのだよ)
(ははあ。その本気なんとかを)
(更に言うと、今回の流出であたしとクリスは一時的に株を下げる。しかし、これは聖院技術の提供であたしも妊娠できる体になれました聖院ありがとう、とマリアンヌ出産の経緯を公表することで穴埋めは十分に可能と見ておる。で、これはその田崎のおさーんに一部始終を記録させてやろうと思うわけよ。田崎には幸いなことに、沖縄の系列通信社の手引きによって連邦の流出品の中古ポンチョが手に入っておる。無論旧式だから今の連邦の装備でも十分に見破れるたぐいの、簡易光学迷彩ポンチョなんだがね)
(ほうほうほう!なるほど、ジーナさんの描いた絵図がくっきりはっきりと)
(で、くりすくん曰く。こう言うのは素人くっさい撮り方のほーが需要あるらしー。で、田崎を御用にしてボッシュート。更に、君は同業大手がお縄になるのを尻目に自分の趣味を堪能しまくっていいのだよ。アグネスさんとワーズワース卿のさえ撮らなきゃOK。どうかね、乗るかね!)
(のりますううううう)手を握りあうあたくしたち。
(で、NBのカメラマンは何人か派遣するが、これは半分ヤラセだ。と言うか盗撮カメコを装ったワーズワース卿の護衛で、女性で選抜している。更に、痴女皇国の方のダリア配下の黒蛇騎士団十三名を派遣。彼女たちと黒マリで、音はおろか夫婦の姿すら隠しておるのだよ。で、その代わりにNBのガチカメラマンにはこれを撮れやと。そして、撮ってる最中になんか怪しいやつがああああああああ)
(ぬふうううううううううう了解でありますうう)
「よし、ここからは音声です。みなさん集合!」白マリさんが声をかけると、全員が白マリさんの周りに集まります。そして、アルトさんに似た感じですがきちんとした騎士風の女子高生みたいな年の…痴女さんですよね。はい。あと、雅美さんに似た感じのこれまた騎士風の日本人っぽい女の子、と言うか痴女。
そして白マリさんがそれぞれの役目をご説明。乳上と雅美さんも、いつの間にか、本来の騎士装束…もんんんんんんのすごいどエロな姿になっています。記者会見の時のあれですね。あれ密かにカメラ向けられまくってましたし。
そりゃ、あれ見てうずかない男性いないと思いますよ。クリスさんもアロハ羽織ってられましたけど、男の娘仕様とかいう、あたしでもグっとくる水着でしたし、奥さんのジーナさんとか、皆さん揃ってえげつない水着か衣装で…おとなしめだったのは白マリさん黒マリ様コンビくらいだったんじゃないでしょうか。
ええ。このすけべい水着が欲しければ開国せぇと。痴女が欲しくば開国せぇと。
黒船外交ならぬ痴女外交ですか。NB恐るべし。
そんな訳でカメラをビデオモードにして、現地へ向かいます。と言ってもマリアさんたちによる転送。敢えて今晩だけは警備手薄にしているそうです。テンプレスも沖合へ。
(白マリ。田崎確認。本命画像や映像は写真系のプロカメラマンに撮らせて、自分は趣味の撮影という段取りの模様。対ハブブーツといい、用意いいわねー。送れ)
(こちら黒ダリア。黒蛇騎士団配置完了。ワーズワース卿とアグネス奥様確認。砂浜にて座っておられます。こちらの配置完了まで待機して頂けるのを心話で確認。送れ)
(こちら白ダリア。NBカメラマンを意識操作、誘導開始。今しばらく接近させずに待機しておきます。送れ)
(こちらクライファーネ。雅美様と配置につきました。いいムード演出中。タイミング受信待ち。送れ)
(こちらサリー。タザキ監視位置につきました。送れ)
(こちらしほ子。サリーの至近にて監視中。送れ)
で、ガチの軍用光学迷彩に身を包んだ一団が海中から密かに上陸し、黒蛇騎士団の囲みの外側の位置につきます。本来ならどちらかだけで充分らしいのですが、どうせならと潜入作戦演習みたいな感じで訓練したいと言ってこられたそうです。ついでに作戦用スーツの内側はくだんのマリア様&マリアさんの会社のどえろ水着だとか。作戦終了後はごほうびに黒蛇さんたちと親交を深めるそうで、その撮影もあたしの仕事になっています。
(こちらNB・SASサリアンです。黒マリア様応答願います。上陸班は配置完了。NBカメラマン同行護衛担当は全て配置完了。兵員各位への心話常時接続は継続願います。送れ)
(こちらジーナ。クリスと散歩中を偽装。クライファーネ目撃。砂浜に伏せて覗き中。彼女らを見て以下略演技を継続している。タイミング指示待ち待機。送れ)
もうみなさん、なんか目で見ているのと実際に心で喋ってるのがぜんっぜん違う状態なので驚きます。この手の軍事作戦に近いこと、実はちょっと前にイラクに該当する地域でアルトさんのご実家を助けたり、地元の領主の悪行を暴いたりした時にも行ってたそうです。この手慣れた様子からも、この方々が何度もこうしたことを密かにやってきたのがわかりますね。
(こちらスケアクロウ011。所定空域で旋回監視中。対象エリアでの人工飛翔体運用は現時点で認められない。引き続き上空に滞空する。無人飛翔体撃墜または飛翔妨害指示受命維持中。送れ)
これ、あたしびっくりしました。なんか中東作戦と称することや、聖院世界の違法植物分布地帯への処理活動とかで送り込まれた飛行機のうち一機が上にいるそうです。
ガンシップという攻撃機と、特殊部隊を送り込む輸送機を兼ね合わせたもので、秘匿装備とかでもんんのすごく高価なためにNBでも10機くらいしか持ってないそうです。万一、ドローンなどを使われても誘導や撮影を邪魔したり撃墜する命令を受けているとか。更に下でややこしい事が起きた際におろすための特殊部隊の人たちも乗っているそうです。
で、この飛行機、話によると可変展開翼を装備していて、主翼を目一杯伸ばすと幅は100mくらいになるそうです。そして、フクロウの飛行みたいに音もなく滑空したり滞空できるそうでして…。
当然、下の様子が丸わかりなのですが、黒マリ様の力で「なぜかジーナ様とクリス様とワーズワース夫妻は見えない」様にしているとか。んで、聖院組のは見れると。そして、マリア様いわく「いまのじょうけんならひろこさんのぎょうむようかめらでないともーどにしてとったくらいのがしつでにまんめーとるうえからとれる」そうです。実際にはもうちょい下の方らしいですけどね。
あと、宙兵隊については「今更あの連中のあれこれ見てられるか。一部兵員は散々色々見たり知ってる。というかママの店で散々はしゃいで暴れて色々やってるのを至近距離で目撃してるから不要。IFF識別信号さえちゃんと出してるなら、あの辺は軍用管制空域だから無灯火飛行してても知らぬ存ぜぬなんか飛んでましたか」という話で。
ええ、なんか宙兵隊の闇を見た気も。
(よし総員始め。かかれ)白マリ様が号令の心話を飛ばします。
あたしは白ダリアさんという黒人と白人のハーフみたいなモデルさんのような方に付き添われて赤色コンビの側に。同時に、側にいるジーナさんとクリスさんの方に向けるサブカメラの役目です。責任は重大です。目の前の信じられん光景よりも、きちんと記録して報道する、社会の木鐸たれという高尚な理念が勝っているのが自分でも信じられません。
ええ、あたしは頑張って真実を記録しました。
ええもん見せてもらいましたけど、それがちゃんと撮れているかの方がずっと心配でした。
更には目的や用途がわかってるだけに、指向性マイクとかで波音などのノイズが乗らないようにとか、なるべくその、日本向けよりは外国の方向けの映像を記録しろというマリア様の指示に従い、アングルを変えたり色々してたんですけど、大丈夫かなぁ。いい絵撮れたかなぁ。
お役に立てたのでしょうか、あたし。
「オッケーおっけー上出来上出来ぃ。うん、すげぇよこれ。な、白マリ」
「おうーないしゅーこれなら仕事任せられるねん」
「むむう、こんなんとかあんなんまで。いや、博子さんのサブカメラを意識してたのは事実やけどさぁ。これ、田崎の奴のより使え…っていうかあのカメラマンプロやろ。しばいたろか。黒マリー、くりすー、これさぁ、博子さんの映像編集分メインの方がええんちゃうか?なんぼなんでもあいつらこんなんで茶ぁ濁す気やったんかいな。ムカつくからNB本国の裁判の判決、債務者収監施設懲役十年くらい出すように求刑させようぜー」
「まぁまぁ、とりあえず所定通りテンプレス内で略式裁判して、英国との条約に則ってフェアフォード辺り経由でロンドンに送って英国官憲に引き渡しで。それよりこれのコピーって今、頂けるのでしょうか」
クリスさんが言うには、連邦地球のNB扱い事件が起きた場合、百光年先の本星にいちいち送るのも面倒なので、英国本国で起きた犯罪事件と同等の扱いにして捜査や裁判を行う条約や協定を結んでいるそうです。で、捕まった二人はイギリスに送られて裁判と刑に服すため、共合通信社がこいつらを取り返したければロンドンに来いと。
流石に盗み撮りという恥ずかしい状況…しかも、撮影中にですね、興奮してね、まぁ、カメラマン二人は男性でしたから、大体想像がつくことをね、してる一部始終が証拠として法廷に提出されただけでなくですね、どこからともなく、盗み撮りしながらじー行為をしている姿がネットに放流されましてね。
で、日本をはじめとする連邦側世論も、こりゃ同情できないわという訳で、執行猶予はつくそうですが数ヶ月あっちに拘留。しかも英国軍情報部+連邦宙兵隊とNBと聖院の合同取調べの結果、共合本社にも家宅捜索や強制捜査が入りまして、背後にいた国とか全部芋づるで引っ張り出せてあー大漁大漁だったそうです。ついでになんとか人民共和国の割いてた執行予算が日時より共合の方が多かったとかで、日時の社長が拘置所で怒り狂ってたとか。
ええ。撮影したものの詳細は後日、もしかしたらのくたーって擬音で教えてくれるかもしれません。
それより、このあたしです。
一週間のはずだった聖院下院の研修も少し縮めてもらえました。
何より。
これがあたし。
身体はすげぇです。
天の声から「でぃーおーえー にょてんぐ」という声が降ってきた気がします。
ええ、衣装が「ひがしのほうのしゅーてぃんぐげーむにでてくるからすてんぐのぶんやでしゃせいまるとかなんとかふうみ」なのはこの際気にしません。というかいいんすかこんなど助平なの。
どうも、痴女皇国仕様で作ったそうです。普段は聖院仕様で大人し目にしておいて、例の可変穴開き機能の応用で、装着者の意思で一発で痴女皇国モードに変更可能と。むむ。
「そしてこれ。バックパックというか背負子。ここに翼ついてるでしょ。これ、一種のハンググライダーみたいなもんでね。スケアクロウの可変伸張翼の機能とか、フクロウの羽根やボルテックスジェネレータみたいな…音や気流を制御する機能があってね。金衣相当の跳躍力でジャンプして上昇気流をつかむ。そして滑空できる。で、聖院にいてるときはともかく、いずれは痴女皇国派遣時に恐らくこの機能をガンガン使ってもらう事になるから」と黒マリ様が説明なさいます。なんか単独潜入もとい取材のようなことを考えておられるようです。
元々黒蛇という騎士団があって、この方々が潜入調査を担当しておられるそうですが、精鋭攻撃部隊を兼ねているのであまり人数を増やせないのだとか。で、もう少し平和的に潜入して偵察したりスキャンダルをつかむ部隊を考えていたそうです。そして、パブリックな場所での聖院の活動を連邦やNBに広める部署兼…例のえちえち系映像管理流失部門を聖院側に作り、本体は痴女皇国をベースにした広報兼情報戦部隊としたいのだそうで。
更には、この高度情報化社会で腐っている同僚部下などの女性限定で、密かに聖院行きを打診せよとの仰せも。こちらは、人さえ指定したらスカウトは赤蛇さんがしてくれるそうですけどね。
ええ、あたし、なんかすごく充実した日々を送れそうな予感がします。
これなら頑張れる。これなら自分に嘘誤魔化しなく生きていける。
事実を、真実を届けて喜んでもらえる。
そんな気がしました。
テスト飛行ということで、聖院の建物の最上階からジャンプして羽根を展開した時の、聖院湖の透き通った青さや、眼下に広がる海の青さは忘れられません。熱帯特有の澄んだ海。
きっと、ここがあたしの生きるべき世界だったのでしょう。
嬉しさに涙すら出ます。聖院世界は宗教を否定しているそうですが、何かに感謝しましょう。
白マリアさんと、黒マリ様に。
ひろこ「ああ、お父さんお母さん、産んでくれてありがとう。でも仕事の内容はめっちゃ言えない気がするの!」
黒マリ「まぁ痴女皇国に組織の本体が置かれる時点でな、お察しになるよなぁと」
白マリ「いちおー、うちも今後は対外向けの広報活動とか、報道陣受け入れもいるからねえ。博子さんだけじゃ早晩パンクするんだよね」
黒マリ「実はNB特殊部隊で、浜辺に上陸してたのが来てただろ。あれ全部女性だったじゃん」
ひろこ「そーですよねー、なぜか」
黒マリ「あれもNBの特殊任務志願兵でね。聖院世界への永久派遣があり得るという事を前提とした懲罰部隊なんだよ。構成はNBの女子刑務所に収監されていた女性犯罪者」
白マリ「つまり、人間やめてもらう代わりに…つらい刑務所生活や、できるかわからない社会復帰の問題を解消してくれるかも知れない話があると」
黒マリ「そうそう。そしてビビってる博子さんに朗報だ」
白マリ「痴女皇国の方には、詳細はノクタな忠誠宣誓システムが存在するわ」
黒マリ「最悪、例の懲罰服もあるしな」
ひろこ「ほうほう」
白マリ「あとね、あまり関係ないけど、例のバックパック。金衣相当の生命力なら、一部の渡り鳥以外は無理らしいヒマラヤ山脈を悠々と越えられるのよね。最高到達高度はにまんめーとるくらいいくのかしら。とりあえずデスゾーンって言われる場所くらいよゆーよゆー超よゆー」
ひろこ「あたしは何をさせられるのでしょう。ふあんががが」
白マリ「ま、話は膨らむかもねぃ。とりあえず博子さんについては、今後はノクタ方面が主体になるようですので、よろしくお願いします」
黒マリ&ひろこ「よろしくー」
ジーナ(今回もあたしメインじゃなかった…)
クリス(僕らも頑張ったのに、恥ずかしかったのに…)




