痴女宮よいとこ一度はおいで・3
で。
以前、綿花やら麻やら羊毛やらの生産についてはっぱをかけられた経験者のマルハレータ殿下、その時を思い出してか、どよんどよんとした顔になっておられます。
https://ncode.syosetu.com/n6615gx/149/
https://kakuyomu.jp/works/16816927860203867915/episodes/16817330661379195287
https://novelup.plus/story/361723636/483810873
「いや、あの時も無茶を言われましてな…」
で、ここは本宮女官寮の2階にあるというカフェですが、店名が「純喫茶珈琲淫」。
大人の階段を登り切れておらぬ御仁に申し上げておきますが。
ここの珈琲淫豆、茸島の金玉高原特産という金玉珈琲淫豆を始めとする各地の珈琲淫豆を取り揃えておるのが自慢だそうですがね。
飲んだが最後、何が起きるかはご想像にお任せします。
「というかワイらにはあんま、効かへんのですけどな」
「ほら、マルハレータ殿下、黒薔薇資格者でしょ、普段からエロカロイド物質に晒され慣れているから…」
「つか、ここの珈琲淫、一応は南洋行政局管轄なんですわ…金玉高原慈母寺荘園の産品でして…」
https://x.com/725578cc/status/1859867704985079906
つまり、マルハレータ殿下にしてみれば、以前から親しんでいた部類の飲料だそうです…聖院第二公用語の金の文字を◯で囲んだ商号らしきが刷られた紙の容器の中身。
で、ここの勘定について。
わたくしどもの目の前にお座りの、タノキチ様こと田野瀬副局長の処理可能な経費でお持ち頂けるそうです。
と申しますのも、商業会計の分野で、今後はそれなりに支部でも処理可能なものは出来るようにして行きたいという意向、かねてから財務局内でも出ておったそうです。
まぁ、我がフランスにしても、他国にしても、自国の徴税やかね勘定を他の国に委託するとかいう発想、そもそもは出て来ないものですし、本来ならばそれが当たり前のようなもの。
ただ、未来の技術を使えば、例えばストラスブールの街中のパン屋で買うた分の会計、秒瞬わかたずに、はるか痴女島で処理されたあげく、わしならわしの聖環に入っておる財布の中身が目減りするも同然のぜに勘定が出来てしまうのでしょう。
しかし、サンチーム硬貨をじゃらじゃらさせて銭袋で持ち運ぶ必要がない代わりに、わたくしどもがやっておるはずの金勘定を何処かで誰かがやっておらねばできぬ話でしょう。
で、こうして茶を奢って頂く理由なのですが。
実は、マルハレータ殿下はまだしも、わしとフラメンシアの2人、本宮研修を受けておらんに等しい立場なのです…。
その事実が発覚したのも、昨今のフランス関係のごったごたで私が急遽痴女種化されたり、あるいはフラメンシアがそもそもイザベルおばさまのわがままで、あの変態男爵のバタイユと子作りしてフランスに嫌がらせをするつもりで産まれた子だったりとか色々ありまして。
(そして例月の支部長会議とやらにこうしてお招き頂けた時に、ひょんなことから「フラメンシアちゃんとテレーズちゃんはまだ本宮での研修やってない状態で幹部に昇格していた」のが発覚したんですよねぇ…)
(たの…おキヌちゃんが貴賓食堂に食事を依頼する際にさ、端末に人数入力した時に警告が出たのでわかったのよね…あそこの注文処理機、開催会合に合わせて出席者のIFFステータスチェックする機能があるから…)
つまり、本宮の貴賓食堂…正規の利用者の資格任命条件を点検するからくりがあるそうです、予約の申請寺に。
で、本宮研修を受けていないことが発覚した私たちのために、まかない扱いで正規の料理を出すという裏技をマリアリーゼ陛下が支持したどころか、不足した食材を急遽エマニエル部長が調達しーの、なんと、わしらの分はマリアリーゼ陛下が臨時に調理頂いたとかいう騒ぎがございましたことも…。
(あなたたちだけ別のもん食わせるわけにいかないからね…)
(しかし、流石は陛下。あの気難しいカレームがなつきよるわけですわ…)
(そーいや、ヨシフミもマリアリーゼ陛下には絶対に頭が上がらないって、ティアラもミユキも言ってたわね…)
そう、マリアリーゼ陛下、料理には一家言をお持ちで詳しいばかりでなく、実際に包丁を握れる方なのです。
そして、料理人を厚遇することでも知られておりまして…うちの母のわがままが通ってフランス王立料理アカデミーが設立の運びとなったのも、陛下が料理というものをことさら重視しておられたが故とも伺っておりますし。
で、今回は貴賓食堂も手狭と言うことで、さながらベルサイユの王立演劇場の1階客席の床を持ち上げて宴会場に早替わりさせた時よろしく、地下大講堂でそのまま食事となったのですが、ここのところ支部長会議の出席者も多くて、この措置を取らざるを得ないというのも、痴女宮の増改築の話が出ておる一因だともお伺いしました。
ええ、我がベルサイユ宮殿でも、あのシンカンセン1本くらいの長さが祟っておりましてね、保温ワゴンとやらを使用しないと、南翼棟改め西翼棟地下の厨房でこしらえた料理、鏡の間に持ってくる時ですら生ぬるいか、冷めてしもうとったのですよ…。
(あんたら小トレアノンの厨房か西館住まいやったやろがいっ。それよりはよ、わしをグラン・アパルトマンから脱出させいや…マルハレータ殿下が王妃の間に移られたおかげでわし1人あそこやけどよ…)
(やかましい。フラメンシアにフランス女王の野望ある限り、あんたは王妃にふさわしい場所に住んでもらうのがわしの決定じゃあっ)
ええ、フラメンシアめがフランス出張の間、わしは絶対にあの、夜毎の夜会でかつこつドシンバタンと靴音が響きよるわ、あげく物陰でお子様によろしくない嬌声や汁音しきりのあの鏡の間の真下の1階に所在する、ルイ14世曽祖父様の指示によって作られたという王妃専用隠し部屋たるグラン・アパルトマン以外の居室を奴に与える気は毛頭ないのです。
(しかも楽団のナマ演奏つきとか、おまえらどんだけ贅沢こいとってん…)
(やかまし。イスパニア王室かて似たようなもんやろがぃっ。オリエンテ宮殿かて痴女皇国が建てて拠点化しとらんかったらくっそ贅沢な仕様で贅沢三昧やて聞いたぞっ)
で、何度も掲示された図ですが、この回を真っ先にお読みになった一見の方のために天の声が載せろとか言いやがりますので、再掲します。
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ベルサイユ宮殿略図(差し渡し総延長400m超)
↓中央翼2階が鏡の間
⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎→1階が大アパルトマン
→2階は⬜︎ ⬜︎→2階は国王私室他
王妃関係⬜︎ ⬜︎↓付け根に礼拝堂
⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎ ⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎⬛︎
ここに王宮歌劇場↑
↑南翼改西翼 ↑北翼改東翼
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左右の細長い宮殿と中央部の細長い宮殿を、2階が王妃と国王の居室が主となる通廊で連結した姿が、我がベルサイユ宮殿のおおざっぱな造りの説明となりますが、この中央部の2階が、それはそれはもう、高級品たる鏡を壁と言わず柱と言わず、大量に張り巡らせて作られたのが長く広い廊下「鏡の間」なのです。
で、あまりに長く広いために、ここで夜会や晩餐も開いておるのですよ、パパンどころか、お祖父様や曽祖父様の代から。
https://x.com/725578cc/status/1859953000099586102
それにな、お前。
ベルサイユ広しといえど、あそこが一番広うて造作も凝っとるんじゃいっ。
一番ええ部屋、おのれに渡しとんねんぞ。
https://x.com/725578cc/status/1859953000099586102
それに、おのれも大概、おおよその夜会に出席する立場やろがいっ。
(まったくもって、あんたの母親に苦情を…あー、あかんわ。イザベルおばさまも自分用のサルスエラ宮殿、建てとったな…)
「あの母親の性格も大概だからね…なんでよりによってあれの子種で私を産みよったのか」
「ならサド侯爵との間であんた作ったらどうするつもりだったのよ」
「愚問よ、てれこ。評価は同じかそれ以下。変態男爵なのに違いはないわね」
「と言うかわしの名前、あんたも間違えんな…」
ちなみにわたくしテレーズの本名、ブルボン王家流に書きますと前回の通りでくっそ長いのです。
Marie Thérèse Charlotte de franceとなりまして、ふら公めの本名であるFlamencia de Franceより長いのですっ。
Flamencia Bataille de Valois フラメンシア Hundred thousand Suction (Limited million) 十万卒(限定百万) Slut Visual. 痴女外観 Purple Rosy knights. (Black Rosy Knights)紫薔薇騎士団 South-Euro Branch, Imperial of Temptress. 痴女皇国南欧支部 Asesor administrativo de la familia real borbónica フランス支部行政顧問
あと、こいつは紫薔薇騎士団の扱いですが、その理由たるやフランスに変態歌劇だの変態小説だの変態映画だのを流行させて当時のフランス王国の内政を揺さぶる役割が与えられておったからです。
しかし、その揺さぶっていた当の本人が今度は、フランスの政治経済の安定を図る役目に回るとは、なんたる皮肉。
では、このテレーズはそういう当初の痴女皇国の戦略を恨んではおらぬのか。
これは、ある資料を拝見したわたくしどもブルボン王家一同、やむを得ない措置だったと納得しとります。
いえ、納得せざるを得ませんでした。
痴女皇国の重要学術研究部門であるという、歴史差異研究室が作成したという「私ら痴女皇国が手を入れなかった場合のフランスがどうなったか」を調べ上げた画像や映像付きの資料、たっぷりこってり見せられたからです。
特に、連邦世界での我が父母の末路同様、パパンやママンや目立った親族に侍従のことごとくがギロチン送りにされた可能性が極大だったという件につきましてはですね。
ええ、我ら4姉妹兄弟、フーシェとロベスピエールの今後の末路について、どんな悲惨な事が起きても一切の同情も憐憫の情も、ございません。
ちなみに聖母教会って、救世主教と違って感謝を聖母にこそ捧げど、何かの願望成就を延々と願う場所ではないそうですね。
と申しますのも、延々と叶わぬ望みを聖母に祈ること自体が無駄、という、ある意味では恐ろしい教義だそうです。
つまり、悩みや望みや願いを抱えて訪れたが最後、何かの対策を現実に行うのも、教会をあっちこっちに建てている理由であるとベラ子陛下に教わったことがあります。
これ、私が痴女種になってから、心安らかに理解できました。
なぜなら、何を目的として聖母教会に来るのかという本音を迅速に知ることができる体になったからです。
そう、普通の人は女官に隠し事が一切できなくなり、本音だだ漏れも同然の状態になる、あれです。
要は、うだうだ悩んだり困ってる案件を延々と抱えたまま暮らさせるのは、聖母教会の元来の目的である男女のアレに人の心が向かわない原因になる。
そして、聖母教会で病気やケガを治すのと同じ事で、心の病もさっさと治すのが基本だからだそうです。
ですから、聖母教会を訪れるのであれば、聖母への感謝と、アレを捧げるのがいちばんの奉仕になると。
ですから、救世主教と違い、聖母教会の礼拝はごく短時間で終わりますし、日曜のミサの内容も、司祭なら司祭の説話と…その後のアレが主な内容。
現在はベルサイユ聖母教会の責任者となったオスカーも、その教義と教会の実態を知った時は呆れ果てたそうですけどね…。
「ま、宗教っぽく見せかけてるけど実際には精気徴収組織兼、統治のための役場なのよ、聖母教会って。だからこそ、聖母教会の尼僧候補として支部で現地採用した女官が増えても、なるべく本宮に呼んで教育した方がいいと思うのよね…」




