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こんにちわ、マリア Je vous salue, Marie  作者: すずめのおやど


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淋の森うらばなし…理恵ちゃんは見た!・4

な、何をさらしとるんじゃい、あの皇帝はぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ。


…失礼しました。


なぜ、わたくし室見理恵が、痴女皇国二代目かつ現在の皇帝であるマリアヴェッラ陛下を、こうもボロクソに言うのでしょうか。


いくらベラちゃんが私の高校の後輩であると言っても、一応はベラちゃんの臣下の立場であるこの室見。


更には、血縁的にもなぜか縁戚となるのです。


(いや、これはりええが絶叫しても仕方ないだろ…)


と、ベラちゃんの実の姉となる上に先代の痴女皇国皇帝である上皇マリアリーゼは申します。


で、彼女…通称まりりが、なぜ私が怒っていることを支持するのか。


それは、まりりにとっては正真正銘実のお父さんであるクリス・ワーズワース氏の現在のお仕事に理由があるのです。


クリスさんの会社…ファインテック・ケミカルズの茸島支社は、半生体素材研究所と自社工場、そして子会社かつ半生体繊維素材製品の縫製・再生を生業とするファインテック・アパレル社の茸島工場を併設しています。


で、この工場の現在の製造品、例の超強力肥料たるチ◯ポネックスやエロカロイド物質と呼ばれる脳内催淫物質製剤などです。


当初は淫棒茸(いんぽたけ)栽培場の管理と、採集されたインポタケの加工製品化から始まった茸島におけるファインテック社の工場事業。


しかし、この工場設備は、ある微生物の発見によって大きく拡大を遂げることになります。


連邦世界の日本における中国地方の片隅に総本山を構える仏教宗派の一派である駄洒落宗。


…冗談や駄洒落ではなく、本当にそういう名前の宗派なのです。

https://ncode.syosetu.com/n6615gx/50/


この駄洒落宗の保有する山や、駄洒落宗の総本山である駄洒落山駄洒落院の経営となる私立中・高等学校とある事が契機で縁が出来た痴女皇国。


そして、駄洒落宗の信者を増やすために人工的に誕生させられたとしか思えない新種細菌の駄洒落菌の発見に至るのです…。


しかし、ベラちゃんとまりり姉妹の共通の母親であり、NB本国ではクリスさんの妻…そしてまりりとベラちゃんの実母として戸籍にもばっちり記載されているジーナ・ワーズワースことジーナ・高木さん。


このジーナさんは現在でも連邦宙兵隊の将官身分から降りることを実質的に拒否されていますが、当時…NBが開発した変態輸送機のスケアクロウの免許、それも連邦世界の地球の空を飛んでも無免許扱いにならないような部類のライセンスをベラちゃんに取得させようと飛行訓練を受けさせていた時期も将官…中将の地位にありました。


で、駄洒落菌の発見と同時に、その駄洒落山一帯を危険生物繁殖地域に指定してしまった事があったのです。


後に駄洒落菌の感染対策が発見されたことや、駄洒落菌そのものが無害という判定が「出たことにされた」件もあってその指定は解除されましたが、この処置は連邦政府のごく一部…痴女皇国の親派となっている首脳や高官以外に「大したことがない」と思わせるための…いわば、偽の報告だったのです。


そう、この駄洒落菌、ジーナさんがその危険性を一瞬で見抜いていたのは決して間違ってはいなかったのです。


エマちゃんこと痴女皇国国土局建設・建築部長が、真の姿であるインマヌエル型救世主兵器M-IKLA22となってクリスさんたちと共に解析した結果、この駄洒落菌は恐るべき性質を有していたことが判明したのです。


この駄洒落菌、性質としては感染者に寒い駄洒落を口走らせる症状が判明していました。


しかし、その作用プロセスがとんでもない…地球上に存在する微生物の常識を完全に凌駕する超生物である事が、エマちゃんの分析で判明したのです。


この駄洒落菌、なんと身体サイズを数百分の一から数千分の一…つまりウィルスサイズに縮小してしまうことで、人の脳に血液を送り込む際の不純物遮断関門である脳血栓を難なく通過してしまうのです。


更には、鬼細胞との関連性や共通性が確認されています。


つまり、他の生物の細胞に対してウィルスが増殖するがごとく、自分の遺伝子情報を転写してしまうのです。


で、オリジナルの駄洒落菌は一定時間後に死滅する短命型微生物ですが、感染者に駄洒落を言わせるカラクリたるや、駄洒落宗の鼻祖である僧侶の思考を感染者の脳に復元しようとする行動によって引き起こされるそうなのです…。


(ジーナかーさまが危険生物にしたのはほんま、正解でしたで…要するに駄洒落菌は「駄洒落を口走るのが日常だったお坊さんの脳構造が正しい人の姿であるとして、その坊さんの脳構造に「復元しようと」試みるわけですねん…)


(で、理恵ちゃん…あん時にうちが、なんでヤバヤバやねんと思ったか。…それは、この復元作用に尽きるんや…例えば、某宗教のように日本は滅びますぞな坊さんの主張と思想が正しいと思った人が正しい人間の姿であるとした駄洒落菌変種を作るとするやんか…防げるか?)


風邪の特効薬を作れ、こう言われたようなものでは。


そう、駄洒落菌はウィルスサイズに身体を縮小するのみならず、感染者の体外では真核生物の生態を模倣するのです。


そして、その自己転写増殖性、人間だけでなく、およそ生物というものの全ての細胞に対して作用することが期待された新種の開発に成功…してしまったのです。


オリジナルの駄洒落菌は、人体細胞にのみ感染する性質がありました。


そして、体内で通常の微生物…菌の姿を取り戻して増殖を始めてから、72時間程度で死亡するそうです。


更には、駄洒落を口走らせるべき素養のある人間の脳細胞内のみで繁殖する性質がありました。


この短命さと増殖条件故に、今までは駄洒落山とその周囲でのみ生息が確認された…いえ、大した騒ぎにならなかったようなのです。


(駄洒落宗が迫害されて駄洒落山の周囲に落ち延びた歴史も幸いしたようなもんやな…ほれほれ理恵ちゃんが開発で視察したソルトレークシティ、あそこに某教団が町を構えた経緯と似たような事が起きたと思い)


つまり、駄洒落ばかり言う寒い人間とは話にならないとばかりに、駄洒落宗の一派は西へ西へと逃げ延びたようなのです…さながら平家が落ち延びたように…。


しかし、ジーナさんの発言に閃いたまりりは、駄洒落菌の戦略物質としての可能性を探るべく、即座に行動を開始しました。


その結果、駄洒落菌改良種を使うことでインポタケ以上の催淫物質や、人を女官や偽女種に「復元する」性別人種変換薬の開発に成功してしまったのです…。


その究極は、鬼細胞の性質を移植された駄洒落菌液体製剤とでも言うべき究極肥料たるチ◯ポネックス。


特にチン◯ネックス・ボッ◯ダスと呼ばれる強力型は散布地域の地質すら変換してしまう恐るべき性質を発揮します。


これがどういうことになるかと申しますと、人体に有害だったり、はたまた田畑にできない地質の土地でも耕作が可能な土にされてしまうのです…。


ええ、たとえ鉄や銅やウランや、果ては金銀プラチナが埋まる土地だったとしても…。


更には、人が食べられないけど必要な作物まで枯らしてしまう性質も発揮するのです…。


そうです、こんなものを撒かれた日には、例えば石炭の炭田がそこに存在する露天掘りの鉱脈だったとしても、石炭が畑地に適した地質に変換されてしまうことになってしまうのです…。


ええ、このチン◯ネックス・ボッ◯ダスのテスト散布によってユーカリの木が一瞬の内に枯れてしまい、耕作可能な土に変換されるのを遠隔映像を通して見られた当時のオーストラリアのライオネル首相が恐怖されたのは私にも伝わっています。

https://ncode.syosetu.com/n6615gx/156/


仮にピルバラ鉄鉱山にこのチン◯ネックス・ボッ◯ダスを散布すれば、世界最大級の埋蔵量を誇る鉄鉱石鉱脈、翌日には鉱山としては使い物にならなくなっていることでしょう。


そればかりか、指定した植生以外を枯死させてしまうことすら可能であると、まりりからは言われています。


駄洒落菌と組み合わせれば、貯蔵されているはずの飼料や食料…小麦の貯蔵サイロにでも使われたら、その国の食糧事情すら壊滅させてしまえるでしょう、一瞬にして。


ええ、そればかりではなく、逆に麦や稲や芋に豆といった、特定作物を枯死させたり、食べた者の性別を強制的に変更したりなどなど。


まさに、一発の銃弾を撃つ事もなく戦争に勝利するような事すら可能と言えるでしょう。


(実際には散布用のミサイルとか使う必要はあるけどな)


(迎撃したところで、中身を完全に消滅させないと大気中に撒き散らされるのよな…)


更には、まりりやエマちゃんの持つ能力で、宇宙服や宇宙船の中ですとか、完全な閉鎖系環境だったとしても空気を呼吸する生物…つまり炭素系生物かつ知的生命体であれば、駄洒落菌をそこに転送してしまうだけで、全てが決着するとまで申しよります。


(相手が有機生物である限り、駄洒落菌だけで勝てるんだよな…)


何に勝とうとしているのかはともかく、そんな危険な微生物である駄洒落菌。


その研究開発の根幹に関わっているクリスさんが茸島に封じられているがごとき生活を強いられているのも、実は駄洒落菌の新種変種を研究所外に持ち出さないように配慮された結果なのです…。


ええ、そんなクリスさんを、よりによって淋の森に連れ出すということが、どれだけ危険か。


(あのぉ、理恵さん…それとマリアねーさん…言い出しにくい話なんですけどな、それが危惧されたからこそ、クリス叔父様の分体作成、ベラ子かーさまに依頼されましてな…多分、淋の森でうろいつてるの、ベラ子かーさまの本体とクリス叔父様の分体のはずでっせ…)

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