ああ無情にもパリは燃えているか -Il ordonna impitoyablement l'incendie de Paris.- 4
みなさまボンジュール、フランス人なのにスペインで生まれたせいでフランス語が多少おぼつかないフラメンシアです。
まぁ、それはともかく。
私の真の父親たるジョルジュ・バタイユはもともとフランスの法服貴族の息子でした。
しかし、ランスの学校に通学していた当時、寄宿舎ではなく現地に住まう縁戚の家から通う話となりました。
ですが、その遠縁の家の娘たるシモーヌ・エドワルダも同じ学校に通う立場。
更には、悪徳と背徳を好み淫行に耽る悪癖があった、非行生徒にもほどがある超絶問題児だったのです…。
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当時に発生したランス中後期高等学校集団妊娠事件や、その後の発禁小説事件の煽りで、父を含む一連の事件関係者はフランスのお尋ね者となり、スペインへの亡命を余儀なくされたのです…。
ですが、拾う神あり。
変態限定ですが、その文才を見込まれた父は南欧支部管内で変態小説や助平演劇、更には助平活動写真の脚本執筆に邁進してよしとされたのです…。
で、父はその過程で我が悪母にしてイスパニア女王かつ痴女皇国南欧支部長であったイザベル・ド・ヴァロイスを孕ませたのです。
いえ、子種を仕込まされたと申し上げるべきか。
ええ、その結果産まれたのが私、フラメンシア・ド・ヴァロワ。
フランス王国ヴァロワ王家ならびにスペイン王国ヴァロイス王家の王女の地位を持つ私ですが、父親が発禁小説家であり助平脚本家という揺るがし難い出生の秘密かつ事実があるのです…。
ただ、痴女皇国においては制御可能な変態ならば価値があるとみなされます。
発禁になるのもむべなるかなと誰もが思うような変態行為を綴った変態助平小説を書いても発禁にするどころか、もっとやれとけしかけられたのです。
しかも、あまつさえ彼の著作に多大な影響を与えたドナシアン・サド侯爵もイスパニアに夫婦で亡命する羽目になったのですが、諸事情でサド男爵の妻だったルネ夫人を自身の後妻に迎えながら、我が母イザベルの誘いにほいほい乗ってしまいよったのです、我が父たるジョルジュ・バタイユ。
とどめにこの不肖の父、スペイン王国で男爵位を叙爵されていますが、王宮はもちろん痴女皇国関係者の間では。
變 態 男 爵 というだけで故・ドナシアン・サド男爵または我が父ジョルジュのどちらかまたは両方を自動で指し示すまでに認識されております。
イスパニア王家の末娘は変態男爵との庶子であるのはまだしもですね。
そもそもうちの母親、痴女皇国では助平女王認定されております。
そして、父が変態男爵。
ええ、人は父母を選べません。
いわゆる、おやがちゃとやらに負けて変態王女と呼ばれてしまう可能性に日夜怯えて暮らす女がわたしフラメンシアだと認識頂きたいのです。
ただ、救いは我が母イザベルの身も蓋もない勅言。
「あんな変態の話を書くわ変態女の尻に敷かれている変態男爵の娘だからこそ、痴女皇国南欧支部でもある我がスペイン王国の未来を任せるべきでしょう」
ほんまに、これを言い切ったのです。
しかし、私は申したいのです。
…變態男爵の娘だからってですね、ろくに何も見ない聞かないうちから、変態王女だって決めつけないで頂きたいんですよ…いやもう本当に。
しかし、ルイ王家の王子王女は人間が出来ておりました。
「フラメンシア殿下はお強いかわりに、助平をしなくてはならない立場。だからこんな風に男も逃げ出す大きさの逸物をお持ちなのよ…」
これは、私が風呂の使い方を教えに行った時に王妃様に庇われた際のお言葉です。
そう、彼女たちがバレエやフラメンコを習う際にはなるべく私も顔を出していたのです。
「では、マルハレータ殿下はいかにして」
「テレーズ王女様、ワイ…いえいえ私も痴女皇国幹部ですよ。有事に皇帝親衛隊である黒薔薇騎士団に組み込まれる資格は二人とも持たされておりますけどね」
ええ、マルハレータ殿下も黒薔薇資格者です。
しかも殿下、球根詐欺国の第一王女。
祖国の統治は妹君や息子さんたちに任せているようですが、宮廷作法やら諸々を教え込まれていた立場には変わりありません。
で、この風呂はバレエ教室の後で北翼棟改め東翼棟となったベルサイユの東の端にある王宮演劇場の楽屋に新たに設けられたもの。
そして、王妃殿下やお子様方のバレエ練習に合わせて痴女皇国幹部も習いに来ていたりするのです。
と言っても、欧州地区の幹部の方々は王家や貴家の出身も多い上、講師から遠隔で学習すれば迅速にいろはを吸い上げて覚えて行かれますので、ほぼ日替わりになるのです。
そして、王妃殿下やお子様への土産と称して、菓子や飲み物とともに舞踊漫画や演劇漫画のフランス語版を置いていかれるのです…。
更には、王子様方や、最近では貴家の有志が送り出した息子連中までもが数名、来ております。
実はこの際に風呂の噴水すなわちシャワーの使い方を間違えると危ないという名目で、痴女皇国女官が付き添うことにしております。
そして、楽屋の風呂というにはご立派な大きさ…それも、なぜか比丘尼国や痴女皇国本国の工房の工員たちが使うような日式風呂とやらに改装されておるのです。
で、男児の練習の見守りやら入浴方法の指導やらと様々な理由をつけてお越しの幹部、これまた一定数。
…密かに偽女種化用聖水製剤を持ち込むとか、挙句、ここの湯沸かし器への水道管にどうにか入れようとする幹部については懲罰動議、起こしますからね…。
それでなくても、うちの河原くのいちとかヴェルサイユ詰めの女官やら警備の騎士とか、あげく、これまた理由をつけて少年少女のバレエの練習はもちろん入浴までもを眺めにくる連中で私ども、非常に困ってるんですからね!
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べらこ「見ましたけど、確かに風紀の乱れは甚だしいですね」
じょすりん「と、率先して風紀を乱す皇帝が」
ふらめ「田中局長に乳上にメーテヒルデ殿下。仕事はいいんですか…」
まさみ「フラメンシアちゃん。はっきり言うけど、王子様たちに虫がついたら困るのはあるのよ」
あるて「女の裸を見せて慣れさせておくのが一つ。そして、練習に来てる王子様以外の男児にはね」
くれーにゃ「まぁ、比丘尼国の家光さんと松平信綱さんみたいに、王子さまとお小姓の関係を結ばせたいのもあります。ほもはだめですが」
べらこ「つまり、選抜された貴族や富豪の少年たちは遊撃騎兵隊に入る候補の可能性があるのです。ぐふぐふ」
まさみ「言うなれば頭が玉葱ヘアじゃない親衛隊選びもしているわけでね、ぐひひ」
あるて「ちなみに少年たちのバレエ衣装は…うふふふふ」
くれーにゃ「のくた事案とやらのようですが、卑しい笑いを見せる方々の面子だけで卑猥な姿だってのをお察しください。うへへへへ」
全員「ふぉほほほほほ(青唐辛子畑にいる顔)」




