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こんにちわ、マリア Je vous salue, Marie  作者: すずめのおやど


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小作は木を切る・尼僧尊(あまぞん)林業ものがたり・2.1

皆様こんにちわ。


皆様の世界では恐ろしく古くて汚れ放題な学生寮で有名だと思うのですが、連邦世界では毎年2月に時事ネタ溢れる創立者銅像まがいがどこからともなく掲示されることで有名なぶぶ漬けタウンの某国立大学生が分体の身分。


そして本体は痴女皇国国土局局長として土建屋さんの親玉まがいをやっておりますわたくし、室見理恵。


なぜか今回は、痴女皇国世界だと独立国家どころか淫化(いんか)帝国の領土の一部となっているエクアドル…いえ、絶頂悪取(いくあどる)の山の中にお邪魔しております。


で、お邪魔している理由は後でお話ししますとして、お邪魔しているのが私だけではないのです…。


では、どのようにお邪魔しているのか、ちょっとだけお話しさせて頂きますね…。


---------------------------------


んでぇ。


私と、もはや夫婦仲と言ってよい相棒にして、痴女宮離宮の部屋も同じ同居人の高木ダリアリーゼ・痴女皇国統括騎士団長、私の隣ですげぇ困った顔なのです。


だいたい、このペニペの村の開村準備とあっては、私はまだしもダリアを呼ぶ必要などあるのか。


ええ、それを私は今、怒っている最中なのです。


で、一体誰が痴女皇国・警務局という警察と軍隊を兼ね備える組織のナンバーツーで実質的には頂点で、それなりに警務局の日常の業務を取り仕切る立場のダリアを遥か南米の淫化帝国にまで呼んだのでしょうか。


ぶっちゃけリオバンバ支部またはペニペ村から、痴女島南部の痴女宮まではド直線で測定しても1万8千キロは離れておるのです。時差で見てもマイナス13時間。つまり、ペニペの朝7時は痴女宮だとその日の晩の20時…午後8時過ぎなのですよ?



「ダリア。あたしはまだしも、なんであんたまでもが…忙しいのはわかってるのに…」


で、当のダリアに「誰があんたをここに呼んだのか」を尋ねましたところ、即答されまして…。


「クレーゼ様のあれに逆らえるようなら逆らってますがな…」


ええと、ダリアの目線の先を見ますだに、このペニペ村の責任者であるグレモリー司教やセーレ助教と打ち合わせをしておられるらしき緑色の作業服…国土局の提供したそれを着用なさった、クレーゼ通商局長様がいらっしゃいますね。


実はこの室見、痴女宮では女官寮舎の上のオフィスフロアで隣り合わせの部屋な事もありますし、通称局とは連携してお仕事をさせて頂く事も多いせいで、クレーゼ局長とは顔馴染みで、下半身でも馴染んでおる仲ではあるのです、あるのですが。


で、今や十億卒となったダリアであれば、さしものクレーゼ様であろうと、文句を言うどころか泣かせる事は可能なのでは。


ええ、ステータスでは同格またはクレーゼ局長よりも上となりますね。


Claireze Takagi 高木クレーゼ Hundred million Suction(Limited Billion)一億卒(限定十億卒) Slut Visual 痴女外観 Minister of International Trade and Industry, Imperial of Temptress. 通商産業局長 Imperial lineage of holy temple. 金衣皇統


Dahlialiese Muromi Takagi. 高木ダリアリーゼ Billion Suction 十億卒 Slut Visual(ogre mode). 痴女外観 Commendatore, Order of knights, Imperial of Temptress. 痴女皇国統括騎士団長


ですが、泣きそうな顔のダリアいわく。


(逆らえんからうちがここにおりますんや…)


むろん、逆らえない…というか、揉めたくない顔をしている理由、私は知っています。


はるか聖院時代からの腐れ縁の上司と部下。


それが、ダリアとクレーゼ様の仲だからです。


(正直さぁ、アルトさん来させた方が良かったんじゃない?)


(確かに、アルトさんに辞令を発令するん、うちでも出来ますけどねぇ…)


そう。アルトさんも、クレーゼ様の部下…それも、直属部下だった経歴があります。


そして、私もちょっとだけ…このクレーゼ様という方がどういうお方であるか、知っていますし…。


聖院金衣系譜で申しますと、ワースト3に絶対に入る。


これが、私の高校時代からの悪友にして痴女皇国上皇高木マリアリーゼまたはマリアリーゼ・ワーズワースの名を持つ女…更には、件のクレーゼ様の実の娘である高木まりあが、事もあろうに自分の実母を評価した言葉です。


(だって家族会総意の評価なんだから仕方ないだろ…むろん、クレーゼ母様はこんな評価をよしとはしていない。そればかりか、あの肖像画を焼き払うとか破壊しようとする企てを目論んだ事は一度や二度じゃないんだよ…)


(確か今、財務局の出納部の出金係の人たち、あの肖像画の近くを通って金塊とか銀塊運んでるんだよね…)


(ああ、その中に紛れてやらかそうとした事もあったな…)


そう、財務局の地下金庫、痴女宮本宮の地下、ほぼ最深部の地下24階にどでかいものが存在するのです。


全て合わせれば東京ドームくらいの広さがあるのですが、その中はいくつかに分割されています。


で、奥の方には、うかつに触るとお金を汚らわしく思うようになってしまう呪いのインゴット化された物件が集中的に収納されているのも知っております。


この金塊自体、なぜか財務部出納部長時代のクレーゼ様が直接には触れないようにされていたのは伺いましたが、その手前にある金庫室への通路…懲罰具倉庫という特殊物件格納庫になっているのです。


これ、一種のセキュリティ措置でしてね…。


この懲罰具倉庫に仕舞われた物件、内務局皇帝室秘書課管轄となっております。


なんで知っとるのかと申しますと、私がかつて痴女皇国の女官長だった時期があるからです。


そして、毎年の盆…まりりこと上皇マリアリーゼのもう一人の実母であるジーナさんが持ち込んだ風習です…の際には、主な女官が参列して焼香する儀式を取り仕切る立場だったのです。


現在はこの儀式、厚労局とその局長である二代目様…かつては初代様ともどもこの墓所に祀られていた立場です…が内務局と合同で担当していますが、当時は痴女皇国の組織も未整備でして、今より遥かに人も部署も少なかったのです。


で、この地下24階の墓所の備品倉庫を兼ねているその、懲罰具倉庫。


凄まじい瘴気を発する物件が多数格納されているため、外道ちゃん…外道丸(しゅてんどうじ)設備部長や、その前任で外道ちゃんの実の弟の茨木童子(ぷらうふぁーね)さんでないと懲罰具を触るどころか、庫内に立ち入れなかったのです。


さすがにこれは後年、ジーナさんから皇帝室秘書課長を受け継いだ雅美さんの代の時に整理箱などに細工をしてある程度は緩和されたのですが、これとてある程度のステータスランクを備えた者の同行がなければ、焼香台やら折り畳み椅子やらの備品類を取り出したり仕舞う事すら困難なのです。


ぶっちゃけ、私でも百万卒になるまでは外道ちゃん…一応は組織的に痴女宮設備部、国土局管轄となりますので名目的には私の部下扱いなんですよ…の同行がないと絶対にこの懲罰具倉庫へ単独立ち入りが難しかったのです。


まぁ、あの女郎蜘蛛(えろめすかまきり)だけは、復讐の女神(ねめしすさん)に密かに取り憑かれて加護を受けていたのが後年に発覚していますが、そうとは見えない変態淫魔の雅美さんはあの中のものを自由に触るどころか使えるそうですけどね!


(黒ブラギガスを出庫してあげるから、痴女宮に戻ったら秘書課に来てね、理恵ちゃん…後宮で使ってあげるわ…)


(っていうかあれ雅美さんとかジーナさんが無茶な使い方するから本宮地下から持ち出し禁止でしょうが。後宮地下の懲罰具倉庫分室の黒ぷっちょが今は実質的な懲罰具の最高峰でしょ?)


(というより、あの懲罰具倉庫を通らないと大金庫室に行けないんだから、必然的にあそこの中の金属資源を出庫する際には出納責任者の同行か、出庫伝票を外道ちゃんか悦吏ちゃんに見せて入れてもらうかの二択でしょ、今…)


そして、クレーゼ出納部長がその役職にも関わらず、なかなか下へ行きたがらなかった理由。


財務局長のデルフィリーゼ様は、クレーゼ様の実のお母様で何代目かの聖院金衣。


そしてですねぇ、クレーゼ様に聖院金衣を譲って自分は退位されたのですが、聖院金衣の引退イコール、身体内部の老齢化が進行して「そろそろ危ない」となった時に行われるのだそうです。


従って、金衣に就任してからなるべく早急に次代金衣となる子供を産めなどの色々な一子相伝のための決まり事もあるようですけど、ここではクレーゼ様が金衣を引き継ぐことになっただけに留めますね、話。


(でないとアレーゼおば様とクレーゼ母様のややこしい関係も説明する羽目になるだろ…)


と、デルフィリーゼ様から見ると孫娘のまりり、申しよります。


(それはいいんだけど、あの墓所の肖像画…あれ、痴女宮がある限りはあそこに飾るつもりなの…?)


(あれをどける権限はあたしにも…いや、エマ子単体でもダメなんだわ。まぁ、時々の絵の補修とか清掃のためにあの場所から一時的に下ろすことはできるよ、外道ちゃんなら)


つまり、あの絵には痴女皇国開国時草創期の患部勢揃い懲罰服写真…こちらはまりりが撤去を企んでいるものです…同様に、比丘尼国出身の痴女皇国出向者でないと触れないような呪いの仕掛けがあるそうです。


で、なんでそんな事になっているのかというと、クレーゼ様やまりりにとっては、はなはだ都合の悪い記録だからです、絵も写真も。


絵の方は、石造りの寝台にうつ伏せに倒れ伏している少女と、その傍らで真っ白になって燃え尽きた表情のボクサー…いえ、デルフィリーゼ様の姿が描かれたものです。


しかし、その倒れた金髪の少女がクレーゼ様であるのはなぜなのか。


(聖院金衣はその最後にあたっては今、離宮がある聖炎島で息を引き取る決まりがあったんだよ。で、その島にあったコロシアム状の構造物、あたしらの皇族住居の一階部分に転用してるのは知ってるよな)


ええ。


痴女宮設備部の上に来るのは国土局です。


そして、女官長経験者としても、知らないとは言えないことなのですよ…。


(んで、りええも知っての通り、うちのジーナかーさんとクリス父さんの葬儀が、あそこで行われた最後の金衣葬儀になるんだけど、あれ元来は金衣なら死期が来れば勝手に自己発火燃焼するんだよ。で、金衣の場合はその際に出る炎が桁違いに大量で高温だってんで、後を引き継いだ後継金衣がその炎を空間防御壁で真上に向けて花火のように噴き上げるよう誘導するんだ)


(それをめんどくさがったクレーゼ様が、発火する前にどうせ死ぬのだからとデルフィリーゼ様を焼いていいかと尋ねたのを怒られたって経緯は聞いた。確かに、自分の親を焼くって事になるんだからなんて罰当たりなって話にもなるわよねぇ…)


(ああ。あたしが同じ立場でもクレーゼ母様をしばいただろう…そして、実際に母様はしばかれたんだ…それも、その葬儀のために必要な金衣能力を出すからって、白金衣を着てた母様を往復ビンタ数発で寝台に沈めたんだぞ…葬儀衣装のおばあさま…)


ああそうか、まりりから見ればデルフィリーゼ様はお祖母様になるのよね。


つまり、めっちゃ強いお人なのです、デルフィリーゼ様。


そして蘇生した際には、問答無用でまりりが財務局長への就任を要請。


そう…かくも確執のある親子関係、聖院本宮から改装されたこの痴女宮にそのまま、引き継がれ持ち込まれているのです…。


そして、クレーゼ様は、しばかれるような事をしていた人です。


なにせ、アルトさんとダリアがその行状をつぶさに知る当事者…当時の部下であり、本当はクレーゼ様の復活に反対していたのは内緒、内緒のお話で…。


ええ、ダリアが見張ってないと、今もまさにこのペニペ村の実質村長のグレモリー司教とか、堕天使族のセーレ助教にマウントを取ろうとする可能性が高いのですよ…股間のあれで!


-------------------------------------


りええ「で、このお話、実は闇堕ちマリアの↓の幕間に該当するのです」

https://novel18.syosetu.com/n0112gz/260/


だりあ「つまり、そっちを読まないと一体何が起きてるのか分からない可能性もあると…」


りええ「あとねぇ、ダリアが来た理由なんだけど、グレモリーさんやセーレさんをシメるためでもある模様」


だりあ「うちに黒薔薇のあれ(せいぼうこう)をしろと言うんですか、いまさら…」


りええ「更にはあたしも黒薔薇(がんつ)服を着る可能性があんのよね…」


マリア「と言うわけで、毎度すまないが未成年諸君は読まないように。決して寝ている親御さんの指紋や顔でスマホのペアレンタルロックを外すとか以下略)


りええ「天の声に年齢制限なしで書けとか言う方が早いかも知れないわよ…」

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