がんばれペアーズ・おねショタ布教軍創設ものがたり・8
つまり何ですか。
この、男子生徒寮への太陽乙女の乱入。
サクサイワマン南神殿の乙女学校はもちろん、北神殿勤務の太陽乙女たちが自発的に…というよりは勝手にやっとると。
私、これ、止めるべきなんですかね。
一応、この子達…太陽乙女って、マチュピチュ神殿の管轄…つまりは、私の配下となる存在なのです。
で、サクサイワマンの南神殿は後宮兼乙女養成学校としても、北神殿にも太陽乙女、神官として何名も配属されておりますよ。
しかし、彼女たちは揃って、元来はマチュピチュの所属なのです。
サクサイワマン神殿には、いわば貸し出してる状態。
ぬぬーん。
今からでも寮内に乱入して、制止すべきか。
しかし、制止すると、彼女たちが精毒=精子を得る作業を中断させてしまう事になります。
更には、ベラ子陛下が興奮して心話をぶっ込んで来られた「精気授受成績の値が上がってるからそのまま、そのまま」という件っ。
しかも、オリューレ様までもがじっと、寮内の状況に耳を澄ましておられます。
(精子を制止するのはちと、待った方が良さげですよ、イリヤさん…)
(オリューレさん駄洒落菌)
(へーか、今、生徒寮はシリアスな展開なのです…真面目なふいんき、ぶち壊したいのですか…)
(あぅうううううっ)
ぬ。
見れば、太陽乙女と、防寒服らしきを着込んだ男子生徒の組が。
そして、男子生徒を抱き抱えた太陽乙女…南神殿の乙女学校こと、聖院学院淫化神学部サクサイワマン分校生徒、羽根を出して夜の始まったクスコの空に舞い上がります。
どこに行く気や。
しかも、飛んで行く生徒は一人ではありません。
何人もおります。
(ふむ…どうもこのクスコの俗人浴場、混浴なのは良いとしても月乙女と成年俗人の利用がこの時間は多いようですね…)
(イリヤ。どうも俗人浴場は子供には利用しづらいようだな…)
(一応、寮にも風呂はあるはずですが…)
(その寮の風呂も大浴場形式だろ…)
な、何と。
で、お風呂が混雑して困っている少年について、なんと乙女学校の生徒たちや北神殿の非番神官たちが手分けして、クスコやマチュピチュの近所の温泉地に連れて行っておるようなのです。
(マチュピチュの奥のコカルマーヨの他、ワイナピチュに来る手前で北に向きを変えればマチャカンチャやラレスに行けるからな。飛行時間も、片道10分とはかからんだろ…)
そう言えば、神官たちが言っておりましたね、温泉プールが整備されたと…。
(勅使河原です。ペルーって温泉、結構多いので淫化についても温泉開発の下調べはついてるんですよ。さっきアスタロッテさんが申されてた温泉地も、淫化皇帝や貴族の利用のほか、地元民の湯治に使われていた場所です。連邦世界のペルーならバスや乗合タクシーで行きますから往復1日仕事になっちゃいますけど、淫化の女官の方なら飛べばすぐですからね…)
おや、オキヌ様から。
(女に温泉は効くのです…で、今言われた温泉、源泉加熱設備はもちろん、温泉プールとしての体裁、結構早くから整えてもらってたみたいですよ。ただ、クスコから50キロくらいの距離はいいとして山道が続きますから気軽な利用は難しかったのです。しかし、淫化の女官の方ならば全員じゃないでしょうけど、飛べる人がいますからね)
そう、クスコの近辺の温泉、簡易保養所めいた内容に改築されたと。
そして、通常の俗人の場合は神官の飛行…最高速度の半分程度であっても、対策をしないと寒さと空気の薄さに身体が耐えられません。
ですから、月乙女たちが一般人の身体の大人の男たちとクスコ市内の風呂を利用する一方、偽女種化前提の神殿侍従候補の男の子たちを温泉に連れて行って風呂に入れておる棲み分けがなされていたようです。
(男子生徒寮には偽女種化されていない学生もいますから、その子たちは生徒寮大浴場へ行くようです)
ううむっ。
そんな事情があるならば。
そして、夜の温泉でいちゃいちゃうふふ。
(クスコ温泉混浴湯煙模様とか、エロ本もありますね)
(ペルーの温泉同様に水着入浴が基本なんですよねぇ…)
(しかし、痴女皇国の保養所ですから、当然浴室というか、露天風呂温泉プールではあれが出来ると)
(もともとアレの場所のために整備したようなものですから。まさかクスコのお風呂が混雑してるからって、近くのスーパー銭湯に行くノリで使われてるとは思いもよりませんでしたけどね)
で、この…テシガワラ様やリリアン様、そしてリミルシューネ様の話を聞いた我々。
(カルノ…クスコ滞在時は温泉を制覇するわよ…)
(フユキ。私は何としても日中に時間を空けますっ)
ええ。
そんなおもしろ美味しいあおかん…いえいえ娯楽の場所、私らが未経験だったとは。
是非にも、使わしてもらおやないかい。
このイリヤが使ってないか、存在は知ってたり利用しても、そんな使い方があったとは辛抱なりません。
もう一つ。
太陽乙女の始めたことやったら、このわしに話をしとかんかいっ、と。
(チャスカです。どうやらイリヤ様に知られると、独占されたりその場であれをあれされるとかこれされるとかあって、何とかして隠そう隠そうと生徒どもが口裏合わせておったようですね。ただ…いずれはバレる話でしょうがとも。あ、私も何とか皇帝湯治の理由をつけ、ハルキを伴いましょう)
おいいいいいっ。
どうも、チャスカも私が行けば荒らすと思ってたのでは。
ああ、信用されてはいないのでしょうか。
大人しく湯に浸かる程度でと言われたら守る程度の規範倫理はありますよ、私も。
一応は剣聖として一軍を率いて軍紀を守っていたり守らせていた部類ですよ、このイリヤとて。
そして、女生徒たちは何も、混浴に連れて行くばかりではありません。
肌も露わな私服…それも月乙女の熟女たちに対抗するかのごとくですね、下着まがいや下着そのものの姿で、先に風呂を済ませていた男子を連れ出し、夜のクスコの街に消えて行きます。
しかも、その子たちはあれを…アレをさっさと始めるのではなく、門番衛士たちや労役者などの利用があるからと開いておる焼きとうもろこしの屋台だの、珈琲淫や効果茶を売る珈琲スタンドだのと言った店に男子を伴って行きよるのです。
中には、太陽乙女寮や月乙女寮の購買で手に入る菓子を入れた手提げを持つ女生徒すら。
で、街区と大通りを隔てる水路の手前に置かれた座席代わりの石に腰掛けて菓子を振る舞うとか、二人でとうもろこしを分け合うとかですね。
リュネではいくさ人生だった私が、思わず嫉妬の炎を聖剣から出してしまいそうな光景がですねぇっ。
(リュネ時代の剣聖様はですね、王宮敷地内の剣聖官舎だけでなく、フユキ引っ張り回して王都の人気のない場所に)
(レヴェンネ…何を今になって暴露しやがるのですか…)
そう、高地にあって涼しいどころか夜は寒い時すらあるこの挿入器具市内。
暖かい茶や珈琲を振る舞い、軽食を分け合う姿はまさに青い恋。
見れば、熟女たる月乙女と成人も、とうもろこし酒やら淫化麦酒を出す酒場にいるのが数組。
(積極的に市中で扱わせておらぬだけで、酒を嗜む俗人の男はおりますからね…更にはリャマ乳の酪乳飲料などを飲む風習もありましたし)
つまり何ですか。
乙女神殿の神官たち、単に擬子餡とやらに耽るだけではなく、良い雰囲気に持ち込んで男どもをその気にさせ、隙あらば籠絡していたと。
(イリヤ、学生でも羽根ありがいたろう…卒業後は千卒神官以上の位として、地方神殿を仕切れる実力者が既に在学しているという事だぞ…)
むうっ。
そして神官扱いと言うことは、神官向けの報償金俸給、出てるということですね。
なるほど、それで奢れるくらいには金回りが良さげなのか…。
(深刻な悩みを抱えておったり、将来に不安のある男の子や成人労役者を指導したと認定された場合、使った飲食費は経費で落ちますよ…)
と、オリューレ様にも言われる始末。
しかし、ええことを聞きました。
フユキとこうして飲み食いしたら、経費とやらで。
(イリヤさん。同じような事を茸島のバーで企んだ腐れ皇帝ですとか、懇意の少年に金玉珈琲をご馳走した内容で経費を申請してきた行政支局長がおりましたが、どうなったか。はい、オリューレさん)
(何のために精気授受手当を上乗せしたり、はたまた皇族扱いにして特別管理手当を払っているのかと財務局長や財務部長に叱られました…)
(せめてね、ベテハリ君とベラちゃんとか、ベテハリ君とオリューレさんだけじゃなくて、もう一人誰か女官が混ざってたら部内対策費の枠使って貰えたんですけど、二人分って明らかにデート代やんけと指摘させて頂きましたが何か)
(オリューレさん。これを財務部長の意地悪とせずに何とするのか。当時のあたしやオリューレさんはこの、喪女たのきちの心ない仕打ちに涙で枕を濡らしたのを覚えておられる事でしょう)
(ベラちゃん。根も葉もない中傷誹謗やめい。それにあんた、あろうことかファインテックの社外取締役の地位を悪用してジョアンナさんに頼んでたでしょうが…痴女皇国の経費で落ちないからって、ファインテックの社内経費枠で落とそうとするか?普通)
(クリスおじさまの支社長兼CEO経費枠でも)
(余計あかん事しとるやろが!ファインテックの経理にチクるぞっ)
(たのの。あたしもファインテックの役員なんだけどよ。本社経理部に精査頼んでる。ただ、父さんの枠だと通るんだ…それに、社長の経費使途、監査役ならまだしもあたしが目くじら立てると父さんの経費使途が厳しくなるしな…)
(がるるるるる…まりりのわからずやっ)
まぁ、痴女皇国で王族や重臣に該当する人には、何かこう、自分の財布以外から金を引っ張る方法があるようです。
そして、偉い人ほどそういう利得に預かれる幅が大きいようですね。
(あまりそう言う事で変な悪知恵をつけない方が身のためですよ…私は財務省時代、徴税官署で勤務した経験もあるので、正にそういう不正を調べるコツ、知ってますからね…)
(たのきちはマルサの女なのです…天井裏や床下はもちろん、禁断の下着タンスの引き出しだとか、女の秘密の隠し場所まで遠慮なく調べる女なのです…)
(ベラちゃん。麻薬の密輸人じゃあるまいし、変な場所に変なものを隠したり隠そうとしないように)
そもそも、そうまでして秘匿を考えるようなものがあるのか。
しかしまぁ、エロ本の中にも恋愛ものが結構な数で入っているのも理解は出来るようになりました。
このような、いきなり女が男を押し倒すのではなく、こうして連れ回しながら次第にその気にさせていくというのも…いや、男女の役目が逆ではないかとも思えますが、差し当たって我々、ウサギ1号に戻ります。
そして、男女の組み合わせが散って行った夜のクスコ市内を一巡してみることに。
(私の知っている範囲では、このような行為をさせているのは東欧支部のカランバカ。そしてキュラソーのウィレムスタットですね。灸場のハバナと、我が南洋のジョクジャカルタでは一般労働者世帯を作らせようとしていますから…)
ふむふむ。
(もちろん、カランバカでも元来は世帯を持ちたがるように誘導する場所なのです。しかし、あそこは司教への道を進む尼僧候補をメテオラ修道院ともども鍛える場所でもありますから…)
キュラソー、というのはよく、皆様のお話に出てきますね。
(ウィレムスタットは逆に、優秀ではなかった女を少女化して優秀な少年に拾わせようとする街です。グァンタナモで優秀な者はそもそもハバナに行きますからね)
そして…ウィレムスタットの今は、カリブ海沿岸の快感王農場地帯に一定の規模と人口が定着したことから、地域に売春女官や偽女種を派遣する売春要員基地としての性格を備えた都市ではなくなってきているようです。
どちらかと言えば、この淫化同様に他地域へ派遣するための少年や少女を教育する町に変貌しつつあると。
(レオノール大司教はその辺り、厳しいですからね…マルハレータ)
(ですねんわ、あの女、自分がスメネプでサリムを捕まえた癖して、キュラソーでは恋愛法度にしよるから…)
どう言う事でしょうか。
(これ、レオノールやキュラソー関係者には遮断してる心話ですから、内容を漏らさんといてくださいよ…)
いつになく真剣なマルハレータ陛下の声。
(端的に言いましょう。あの女、ウィレムスタットで教えるのは失恋やとしとるんです)
えええええっ。
(まぁ確かに聖母教会尼僧と言えど、痴女皇国女官。つまり職務上の恋愛は原則禁止ですわ。しかしね…)
聞けば、ウィレムスタットの少女たちと違い、男子生徒は下手をすると南欧支部本国、すなわち大海原を越えた先のスペインなる国の本国から送られて来る優秀な…もしくは将来有望な少年だそうです。
そして、その有望な少年たちですから、よほどの事がないと非行傾向のある少女たちでもメロメロになるのだそうですけど…。
(で、あの女の悪い癖がね…昔、それでエエとこの男をカモメに魚をさらわれたが如く、横からかっさらわれたとかで…まぁ、優秀な少年と落ちこぼれ少女がええ感じにくっつきかけたら、司教室に二人を呼んで互いの目の前でレオノールに奉仕させたり、部下の司教に犯させたりしますんや…で、聖母教会の博愛精神を説くっちゅう建前でやっとるからねぇ…)
な、なんという残忍残酷なことを…。
(ただね、聖母教会の職員ちゅうことは、連邦世界のいえめん宗教と違うて、不特定多数とのアレが義務ですやん…しかも、今でこそ聖母像が勝手に精気抜きしてくれるけど、配分については上司から精製精気を頂戴しなくてはならん場合も結構多いはずですやんか…レオノールの行為は部下虐待になるかならんか、ほんまにギリッギリを突いてきよるんですわ…)
ま、まぁ確かに、私もフユキも、痴女皇国に厄介になってからは、相手を選べなくなっています。
むろん、淫化の特情がありますし、私とフユキは一応太陽神の化身またはその従者なので、誰でも彼でもアレをしない定めがあるにはありますが…ええ、二人だけの愛の世界とやらを築いてそこに閉じこもる訳にもいかないのです。
ロッテにお口の恋人になってもらう件は抜きにしても…いえ、相手がロッテでも、やはり我々は先帝アヤ・マンコの志を受け継いで淫化の地に人の幸福を根付かせなくてはならないでしょう。
そして痴女皇国女官の立場としては、私を性欲の対象として見てもらわなくてはなりません。
例え私がお相手できなくとも、私の部下たる神官たちを性の対象にして頂かなくてはならないのですよねぇ…。
(ま、レオノールの件についてはワイの管轄やし、いずれ一回は絶対にシメますとして…キュラソー配属の少年の話をさせて頂きますと、あの子たちは特上の優等生やおまへんけど、それなりにパルマ分校やモンレアーレ分校の生え抜きですねんわ…)
ふむ。
優等生を回す訳にもいかぬ事情があると見ましたが。
(実のところはですな、罰姦聖母教会でほんまに優秀な男子は男のままで、ローマかミラノで枢機卿向けの教程に入れて教育しますねん。せやから偽女種として働かなあかんキュラソーには、そういう子を持って来られへんか、あとで男に戻す必要がありますねん…)
これ、優秀な男子を偽女種にする東方聖母教会や慈母宗とはかなり違う教育姿勢なのだそうです。
(理由は、罰姦の教皇選出選挙…根比べに出馬出来るのは原則、男に限っとるからなんです。罰姦の教義では、偽女種いうのは欲の道に堕ちた男とされてますけど、実際にはチェーザレ猊下のほも嫌い偽女種嫌いの実情がありましてな…)
そして、現在の教皇であるカエサル1世なる男性の後継者は、血累血統で世襲させるのではなく、優秀な枢機卿かつ立候補者から密室選挙で選ぶとされているそうなのです。
(この選挙制度はマリアリーゼ陛下の勅言ですから、陛下が撤回せん限りは回避できまへんねや…)
そう言えば、東方聖母教会というのもありましたね。
(あっちは逆に、男は全員偽女種にされます。そして罰姦の教皇に該当する全地総主教は女性が望ましいとされとるんですけどな…)
と、ここで言葉を濁されるマルハレータ陛下。
(実のところ、全地総主教の位、長らく空位やったんですわ。そして乳上やらシェヘラザード様やらナディアフィール様が暫定総主教を兼務しておられたんですけどな、美男公の娘御のマリア・ヴォイキッツァ様を初の全地総主教に祭り上げる予定らしいですわ…ただ、これもちょっと反発があって、シェヘラザード支部長の娘さんの高木シェリーさんはどないかという話が乳上方面から…って、美男公の娘さんの話、皆さんに伝わってませんでしたんか?)
(マルハちゃーん、それ初耳でーす…)
(いくら缶詰女王だからってそういう話を缶詰にしたままってのはよくないわよこの缶詰っ)
(やかましいわうっかりティアラめっ)
(それはいいとしてさ…あれ、いつの間に産ませたのよ…)
(しかも母親不明…)
(ピョートル1世の娘さんで今の皇帝のエリザヴェータ帝らしいんですけどな、おそロシア帝室から詳細の公開だけはやめてくれと要請来てますねん…ワイも球根詐欺本国の絡みで美男公の経営しとるターコイズブルー商会ありますやん、あの毛皮商の…あそこと付き合いがなかったら流れて来なかった話ですからな…この件を知った人、あんま広言せんといてくださいよ…)
(マジか…あの美男公に娘って…)
(話の出どころがマルハちゃんだけに確度高すぎるしね…)
(ほら、うちの国…昔、ピョートル1世陛下を船大工見習いの触れ込みで造船所で雇ってアルバイトさせてましたやん…それもあって北方の帝室の情報、流れて来るんですがな…)
どうやらマルハレータ陛下の生国たる球根詐欺なる国、商いと船を出すことでそれなりに情報と金を集めるのが主な生業のようですね。
そして、その集めてくる噂話はそれなりに信憑性のあるところから得ているようで…。
(それよりも美男公がバイだってのが…娘さんがいる事で実際に女も相手出来るの、証明されてしまったわけですしねぇ…)
ふむふむ。
ほもで美男子というのがそのラドゥ三世であると。
(で、エリザヴェータ帝の方針で、美男公とは正式な婚姻とはしないが、美男公については北方貴族に取り立てられた上で痴女皇国北欧支部・ノヴゴロド分室長を任じるという話になっています。それと、エリザヴェータ帝は北方帝国攻略戦の結果、痴女皇国の軍門に降って前帝ピョートル一世から帝位を受け継ぐことを承認される代わりに、痴女皇国おそろしあ支部長を任じられるに至りました)
な、なんという説明的なベラ子陛下のセリフでしょうか。
(仕方がないのです…本当なら天の声は北方帝国攻略戦の回をちゃんと書くべきなのです…)
(イリヤさん。美男公はかつて、政略結婚とはいえベラちゃんの皇配だった経緯がある人物なのです…)
(たのきち。それを覚えてる人は今、何人くらいいるのでしょうかっ)
(ベラちゃん。聖母記念銀行の、ノヴゴロド支店のトルコ石商会への振替実績リスト読み上げていいかな)
(ラドゥ殿下も言うとりましたな。あの商会の設立経費、ベラ子陛下とマリアリーゼ陛下が出してくれたし、私はあの姉妹に一生頭が上がらんと)
(上げさせるつもりはありまへん。だいたいあの娘を作らせたのも北方帝国に対する戦略的政略プリン…ってマルハちゃん!)
(これはベラ子陛下の自爆…ワイは話を広める気はありまへん…第一、美男公の店が潰れたら、せっかくあそこに投資して毛皮取引市場に食い込んでがっぽがっぽしてるんが水の泡ですやんか…)
(マルハレータは鉄砲玉や弓矢や剣の代わりに金貨で戦争を仕掛けますからね…)
(メフラウ。世の中ゼニや、ゼニですのや…淫化の人らも国家の資産資源はきっちり貯めなはれや…ワイの祖国、ほんま海に沈みかけとる土地以外には何もないような国やさかい、船出して商売するしかなかったんですけどな…)
そんな守銭奴のような印象のマルハレータ様ですが、オリューレ様の蓄積した南洋行政局の資産、守り抜いたばかりか流刑地大陸や羊島を開発してさらに増やしたという手腕には驚くばかり。
(ほんっっっっっっまに、あのアホの愚妹のためにグラスベルク鉱山の分の金、使わんで正解でしたわ…)
で、淫化支部も。
この少女女王様には元来、あまり頭が上がらない立場だそうです。
海賊なる集団出身の船乗りたちにも顔が利きますので、効果の輸出についても現在は安全かつ高速な航路が確立されております。
淫化南部〜中部で栽培された効果の葉、海岸沿いの商都たる離魔に集められて一部は効果淫に精製されますが、そこから直行船に載せられて大洋を渡り、痴女島の聖院港に届けられるのです。
一方、淫化北部から南米行政支局扱いの地域で栽培された分は陸路または空路を経て摩羅櫂穂なる港に集積されます。
そして、快感王やバナナ、椰子の実など地域の特産品と共に海賊共和国の船に積み込まれた後、いくつかの秘密ルートを通って欧州に持ち込まれるんだそうでして…。
(痴女島に行った分は研究用でもあるのですわ。いくばくかは茸島北のふぁいんてっくの聖父様の研究施設に持ち込まれて改良のための分析に使われたり、実験投与のためのくすりを作るのに使われると聞いてますけどな、ただ…メフラウ)
(茸島に配達された分の一部は皇族用別荘に届くのです。なんで効果淫が必要なのか、マルハレータはくれぐれもベラ子陛下を問い詰めないように…)
(あのねぇオリューレさん。太平洋分の効果淫、陸路デンパサールに輸送された後でどこに配送されているか言いましょうか。今、茸島から海底トンネルが出来てますから南洋島にトラックで運べるんですよねぇ…その特別便、スラバヤ貨物駅でトラックごとボロブドゥール行きの貨車に乗るってお聞きしてるんですけど)
(南洋慈母寺はアニサの管轄。きっと、慈母宗の儀式で用いるのでしょう)
(ジョクジャカルタで降ろされた小包、ディードリアーネさんが直々に受け取ってジョクジャ宮殿に持って行くそうですね。イリヤさん、後でオリューレさんの宿舎の部屋の引き出しを点検するのです…効果淫の反応がオリューレさんの聖環からでているのです…)
(へーか。人をヤク中のように。そもそもジョクジャ宮殿西の人造湖畔の麻畑、マルハレータが連れて来た日本人の栽培専門家が水耕栽培とやらを試して精魂込めて育てている特産品大麻と対麻なのですよ。何も効果に頼らずとも。それにタマン・サリのプールサイドの植木鉢の花、チ◯ポピーにしろって言ったのは陛下でしょうが)
(オリューレさん自爆。南洋王国でも◯ンポピーや対麻の栽培は盛んなのですね…)
(チン○ピーや対麻くらい、痴女島で栽培させてくださいよ…せめて茸島で)
(そもそも茸島の淫棒茸、自生地を保護したのみならず、インポタケ畑を作ったのは誰ですか…)
(ファインテック茸島支社の要請です。しかし、一部の干しインポタケ、茸島分校の貴賓食堂に搬入されてベラ子陛下とクリス様のお食事をお出しする際の専用調味料に)
(ワイも大概やけど、メフラウも大概、ベラ子陛下のわがままに応えてはりましたんやな…)
(アニサです。なんで効果淫がボロブドゥールに配達されて来るのか。そしてボロブドゥール分校生徒が面倒見てる聖院学院専用のチ◯ポピー畑が寺院北側に広がっているのか。ベラ子陛下が毎月7日のカルノとベテハリの起床日に合わせてボロブドゥールに来るからです)
(カルノ。陛下がどういう人物か、淫化の方にお教えしなさい)
(えええええっ…いいの?オリューネ…)
(カルノ、私からもお願いします)
(はい…アニサ母様…。僕はあまりベラ子陛下のお相手をすることはないのですけど、ベテハリ父様はベラ子陛下のお気に入り。これは間違いないのです)
(マルハ、あんた知ってるでしょ。汎用卵子とは言え、南洋慈母宗の尼僧、ベラ子陛下が産んだ子がそこそこいるのよね…父親も汎用精子が使える立場だけどさ…)
(あのなアニサ。自分の息子の子供、偽女種にして慈母寺に撒いたん誰や。大体カルノの淫化行きの理由、その辺で寿命がっつり削られたせいで延命処置になんかええのないかと試すためやろがいっ)
どないなっとるのですか、南洋行政局。
(イリヤさん。そこの行政局長に聞いても誤魔化しますからあたしが教えましょう。人類の禁忌を全てぶっ飛ばすような、仏飛んだ特殊仏教国家に仕立てたのはそこのオリューレさんです)
(イリヤさん。これはボロブドゥールの慈母観音像。この恥ずかしい姿、どこかの痴女皇国皇帝に似ていると思えませんか)
いえその。
淫化って像を建てて崇拝するようなことはしてませんし。
そして、私は誓いましょう。
仮に私やロッテやチャスカの像、こんな感じで作って祀られたら、私は聖剣を抜いて破壊して回る自信があると!
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いりや「正直申し上げますが、むちゃくちゃですね」
おりゅーれ「ううううう」
あにさ「一応申し上げておきますと、これでも国としては破綻してないんですよ?怖い話ですけど」
でぃーど「南洋王国の場合、マドゥラ族の活用が効いてるのよね…あの人たち、職務に忠実だから…」
ひるだ「ワルト母様が言われてました。黒薔薇騎士、私以外に誰かついて行政アドバイザーやってるのかって」
べらこ「ハバナの立ち上げにも加わってたワルトさんが呆れるって、相当なものですよ」
ちゃすか「イリヤ様、しかし、淫化でもこのくらいやっとく方が神界(=高地)では良い気もしますよ。俗界(=低地)は人としての色々を捨てた政治、やると怒られるとは思いますけど」
いりや「そうなのよねぇ、俗界だけなら効果淫、あまり必要はないのよ」
まるは「ええ〜絶頂悪鳥名物快感王、快感王のショコラーデはいらんかえ〜」
あにさ「売るなよ」
べらこ「いくあどる産の快感王豆のショコラータは効果抜群なのですよ…」
あにさ「茸島の金玉高原でも金玉快感王、栽培させてるのにこの上必要なんですか…」
まるは「なお、金玉珈琲に金玉チョコを添えると効果抜群」
べらこ「そう言えば淫化の北側、珈琲淫の山地にも近いんですよね…」
いりや「淫化に流入する予感がします」
まるは「安心しなはれ。多分流入しとる」
他全員(既にしてたのかよ…)




