がんばれペアーズ・おねショタ布教軍創設ものがたり・6
ふむ…要はこのエロ本自動販売機なるからくり…今まさに実演を頂きましたが、前に立つ者が興味を引かれるであろう見本を並べてくれる上に、購入釦を押すと即座に紙に絵なり文字なりを刷って簡易な本に仕立てて下の受け口に出してくれるのですね。
なるほど、白黒だけでなく鮮やかな多色刷りはもとより…更には漁師や旅人の慰みとしてでしょうか、水に濡れてもそう簡単には破れない頑丈なものも買えると。
個人的には、魔族とのいくさに明け暮れていた当時のリュネの戦士たち。彼ら彼女らの慰労として、防水版とやらを与えてやりたくはなりました。
しかし、本当に色々な種類のエロ本があるものです。
見本として出されていた何冊かのエロ本、見せて頂きましたが…漫画と申すのですか、ぽんち絵のエロ本や、更には挿し絵や写真付きの物語風味のものまで売るのですね。
即ち、本当だと書庫を用意せねばならぬほどの幾千のエロ本の種類はあれど、一度に全てを並べてさぁ選べとせずとも良いようなカラクリなのでしょう。
「これが出来る理由が…聖環なのです。聖環は装着者の精神状態を常時監視しています。そして痴女宮厚労局側では性的興奮時の状況を分析することで性癖傾向を把握しているのです」
この、オリューレ様の発言に驚く者もおります。
「なるほど…この腕輪の持ち主の諸々を見ているとは思ったが、こういう使い方もできるのだな…」
感心したように聖環を触っているロッテですが。
「少年ものが多いのも女官の性癖傾向を示しているのです。痴女種になれば筋骨逞しい男にはあまり食指が向かなくなるとはよく言われておりますけどね」
ああ、確かにそれはありますね。
聖剣授与後の私もそれでしたから。
しかし、それにしてもなんたる事でしょうか…もちろん、エロ本の内容です。
そりゃ、皆のアレ、撮影されてるはずですよ。
要は私なら私のアレ、撮られてただけでなく、エロ本の制作用素材にされていた訳ですね…。
「更には、実は業務報償金査定の対象になるのですが、性癖データと精気授受量を本宮は把握しています…誰と誰がアレをした際にどれだけの量の精気が放出され回収されたか、移動量も一目瞭然なのです…で、あの自販機もその性癖データベースという人別台帳を参照して在庫データの中から、まずはおすすめのエロ本を表示するのですよ…イリヤさん。これは痴女皇国女官なら誰しも辿る道なのですっ」
拳を握って力説なさるタノセ様ですが、その興奮を押し留める発言、オリューレ様の口を突いて出ます。
「…田野瀬さん。お言葉ですが、あなたのは流石に、元の職場への影響が甚大なので配信や製本は禁じられていたかと」
「オリューレさん…あの女…ベラちゃんがそんな甘い事をすると思いますか…デジタル処理で顔とか声をごまかして配信されてるんですよ?」
ええ、タノキチ様が泣きそうです。
しかし…これ、問題にならないのでしょうか。
いくら痴女種が頭の中、筒抜けになるのであっても、あまり人様のあれこれを映像記録にしてしまうのは。
「これも痴女種…と言うよりは、聖院時代から、女官になることで得られるさまざまな利得恩典の代償の延長なのです。そもそも聖院時代から、本宮の個室の中でやってる事、上級女官であれば丸見えなのです…壁を透過して見えますからね…」
そればかりか、実際に男を相手している際の手抜きや余計な報酬の不当要求などを防止するためにも重要な事であったと、オリューレ様はきっぱり毅然と申されます。
「そして、マリア様が痴女皇国を建国する前から、密かな外貨稼ぎ…即ち、NBと聖院が連邦世界での活動資金を得るための試みの一つに、聖院本宮の中はもちろん、色街旅館街や淋の森…後にはクラブジュネスで行われている事どもを裏ビデオ裏動画として売りさばく事が含まれていたのです」
え。
更には、その方面の販路に明るいマサミさんが痴女皇国開国後に加わった事で、加速的にそうした流出が行われており、痴女皇国の浸透にも一役買っているそうです。
(イリヤさん…これはワイら女官にも全くファディンステがない話でもおまへんのや…例えば、ワイがイカホの保養所を利用する際、ついでに経由地となるトウキョウの視察を思い立ったとしましょう。ほな、現地で使える金がない場合、どないなります?)
と、マルハレータ陛下が、そのトウキョウなる都の賑わいを聖環に表示させ、自分の視界に入れてこられます。
どうやら、お金があれば衣服や装飾品、馳走を得る事が出来る場所を徘徊しておられるようですね。
(ここはギンザとかいう、比較的裕福な者を集める商売人が集う一帯ですわ。そして、興味を惹かれる衣服や菓子、装飾品を買うて痴女皇国での産業の参考にしたいと思うたとしましょか。そこでそれらを購うには当然ながら金が必要になりますわな?)
ですね…。
(その際に必要なゼニですけどな、痴女皇国世界の南洋ルピーは素直にここで使えんのですわ…)
むぅ、なんたる不便。
(仮に金塊や銀塊、宝石や装飾品を持って行っても、向こうの身分手形がないと素直に換金もしてもらえんのです。ですがぁっ)
(なるほど、読めた。イリヤ…はなから向こうで商いをして得た金なら、ニホンなる国で使えるのだ。従って、向こうで売れるものを売って向こう用の金を持ち、必要な時に向こうに赴いた女官に用立てておるのだろう…)
(アスタロッテさん、正解です。テンプレス・セキュリティというダミー企業の社員証が法人クレジットカード…金銭を兌換する代替支払証として機能するのですよ…マルハちゃんならマルハちゃんのカードで使用限度額は設定されますし、公費や経費承認が出ない場合は後でマルハちゃんの報償金口座から天引きされてしまいますけど、それにしても使えるのです。ただ…日本円という日本国の通貨か、UGHドル…連邦ドルという連邦世界共通通貨のどちらかを、テンプレス・セキュリティが従業員の支払い決済用資金として保有する必要があるのです)
(その外貨を稼ぐために、痴女皇国はトウキョウ支部やパリのヴァンセンヌ娯楽館など、いくつかの連邦世界に設けた拠点を通じて様々な事業を手掛けておるのですわ…)
(犯罪スレスレや犯罪そのものの裏稼業で稼いでる事もあるけどね…マルハちゃんとウィレミちゃんのロリヤ事案動画とか…)
(田野瀬次長。わしの手掛けとる海面下大麻売春国の裏ベドレイフについてはマリアリーゼ陛下の承認もろてますからな…)
(痴女皇国世界の南洋で対麻ならぬ本物の大麻を育ててオランダで売るとかする?普通)
(ふっふふふふ、チ◯ポネックス・ボッ◯ダスで育てた上にヤパンでスカウトした植木職人の次元の技能の素人に剪定栽培さした野菜でっせ…最上級の品質とか言われてますねんからな…)
どうも、欧州方面の犯罪者を片端から捕まえるわ、さもなくば大麻を対麻に変えてまともな商品にならなくした上で、良質の大麻を事実上、痴女皇国の専売にしてしまったようです…。
(名目上は医療用大麻成分の供給ですからなっ。それに海面下大麻売春国は売春も大麻も合法ですからな)
ふぉっふぉっふぉっと笑うマルハレータ陛下。
この方、本当に見た目と中身が違う御仁ですね…見た目は本当に、私のようなお嬢様というべきか。
(イリヤ。その脚や腕の筋肉は何なのだ)
(ロッテ。あんたも人の事言えた義理かいっ)
(まぁまぁ、だいたい合法非合法なんてもんは為政者が決めるもんですがな。例えば、大麻を吸うてたら働く気力を無くしよる上に、おかしな行為に走って危ないから、売り買いはもちろんの事、大麻やってる奴を捕まえてくれという請願は聞いてやってもですな、よっしゃ売り買い栽培使用を取り締まるわいう決定出すかどうかは、その時点で権力握っとるもんの権利やとワイは思いますのや)
(まぁ、マルハちゃんは球根詐欺と南洋で王権持っていますし、それに商売人だからね…)
(加えて、対麻ならいざ知らず大麻みたいなもんに溺れる奴に生産性とか税収、求められますやろか。あれは人を堕落さすもんですわ)
と、はっきりきっぱり申される少女女王様。
そうですね…マルハレータ様は、言うなればそこいらを胸先三寸でお決めになれる反面、精気収集の成績や金もうけを考えねばならないお立場です。
(いずれは淫化でもそれ、言われますからな。ま、話を大麻に戻すと、あれは必ずしも貧乏人ばかりが手を出すものでもないんですわ…)
ふむ。
(大麻以外にも色々と危ない何かはあるんですけどな、向こう…連邦世界でも持ってるだけで捕まる薬物をやる奴は、まぁそれなりの金持ちもおりますねや。で、金持ちという身分なればこそ、平日の昼間からリゾート地やら自分の本宅や別荘でそういうお薬をキメる時間の余裕がある訳だけの稼ぎや蓄えがないとできん事をしとる訳でしてな)
ぐふふ、とお笑いになるマルハレータ様。
(プランセス、そこからは私が言っておこう。セイント・イリヤとマダム・アスタロッテ…それからエンペラトゥール・チャスカ、ボンジュール。黒薔薇騎士団欧州分団長のジョスリーヌ・メルランだ、よろしく…マダムとセイントはモンド・デ・ルーンでお会いしていたと思うが)
ああ、ジョスリーヌ様は黒薔薇騎士団長をお務めでもありましたね。
(私がフランス共和国で席を置いている組織、正にそうしたいかがわしい収入を得ている富裕層を把握するのも任務のうちなのだよ。で、痴女皇国に敵対するか、さもなくば我々の管理下に置く方が相応しい企業や組織の長であれば、我々がそっくり乗っ取って差し上げるわけだ。プランセスが大麻や違法薬物の取引を行なっているのも、こうした連中を痴女皇国が乗っ取って利用させて頂くためなので、そこは誤解のないように願いたい)
(ああ、コープシェフ・ジョスリーヌは警察っちゅう組織に身を置くこともありますけどな、それは悪人を捕まえるために働いてるんとちゃいますのや。あくまでも脛に傷のあるいかがわしい連中の首根っこを掴んで、こっちの思い通りに働かせるためですからな)
(ほれ、プランセス…イザベル陛下の母君がフランスで組織していたEscadron volant…遊撃騎兵隊。宮廷出入りの高級娼婦たるクルティザンヌもそうだが、戦争によっては女を上手く使えば正面から戦うより多大な戦果を挙げる事も可能でな。セイントの今後の淫化統治に役立つかは不明だが、場所によってはこうした籠絡戦を繰り広げる方が有効なのだよ)
(ふむ…イリヤ。リュネ時代に、夢魔族がリュネ王家を狙った作戦で実施しなかったものがあってな。お前たちの宮廷に、リュネ人に化けられる淫魔ないし夢魔を派遣し、王妃に有る事無い事を夢で吹き込んだり、王や有力戦士を籠絡する計画もあったのだ。ただ…やり過ぎた結果になると判断されて実行することはなかったがな)
な、何ちゅう事を。
確かに、男の好色さや女の猜疑心につけ込む卑劣な作戦ですけど、実行されていればそれなりに被害が出ていたかも知れませんね…。
(セイント、人を寝返らせたり裏切らせるのも戦術や戦略のうちなのだ。大量の兵士を運用すれば運搬や食料手配など、様々な経費を莫大に消費することになるし、大規模な作戦での被害はそれだけ大きくなる。となれば、女の一人や二人で片が付く方が経済的とは思わないかな?)
ジョスリーヌ様から送られて来ましたが、例えばリュネならリュネの王族や上級軍人の醜聞を撒き散らしたり、誰それは魔族について寝返ろうとしているという偽情報を流すなど、いくらでも撹乱する方法があるそうですね。
いやはや、恐ろしい戦いもあったもの。
(ただ…事実を調査する能力や、人の心の本音を見透かせる痴女種には全く通じないのだ。それ故に純粋な欲望…金を儲けるとか性欲に訴える話以外に痴女種を動かす方法はない。しかもそれは信憑性がなくてはならないのだ…今やセイントも、そうそう簡単には他人に騙されないだろうしな)
あ、これちょっと訂正を。
実はリュネで犯罪を裁く際に使われていたものがあったのです。
それは、偽りの天秤というもの。
要はごまかしたり嘘をついた時に、天秤が動く仕掛けです。
これを持ち出して裁くほどの事件は滅多と起きませんでしたが、天秤の裁定で偽りを述べたという判定が出たとしましょう。
私も、罪人を処分する立場になる可能性があると、裁きの場に立ち会う事があったのですよ…ただし、大抵はほぼ最高の刑罰である船刑または海岸刑、すなわち罪人を小型の箱舟に詰め込んで魔大陸の方に流すか、魔大陸が目で見える対岸の岸辺に鎖で繋いで放置する刑が言い渡されておりましたが…。
ええ、実際に遠視魔法で見ていると、船だろうと海岸だろうと、数星刻で兵隊魔族が飛んで来て罪人の身柄を攫っていきましたね。
それと、簡単ですが、看破魔法というものも存在しました。
ですので、お気遣いは恐縮なれど、ジョスリーヌ様やマルハレータ様の懸念されるような事態、多少はリュネ側でも対処は可能であったかと存じます…。
(なるほど、そちらは魔法なる力、使えましたね。で…話を女官の性癖に戻しましょう。私は茸島にいた際でも本宮でも、私に知れた場合、対象女官を取り締まるか監視すべきであった事が一つありました。すなわち…恋愛です。失礼…二代目様、女官が罪人や茸島の少年に懸想した場合、聖院規範で見ますといかが取り締まるべきか)
(わたくしに聞くまでもなき事。元来は女官の色恋は法度でしてよ)
でぇえっ。
そ、それはすなわち、恋愛禁止…。
(あっちゃあああ…わし、恋愛もんの戯曲とか小説、祖国を通じて文筆家どもに金渡して書かせてましたんやけど…)
(まぁまぁ、マルハレータ、そしてイリヤとやら、よくお聞きなさいな。では、法度破りが出た場合は如何しましたか、オリューレ)
(女官管理室呼び出しの上、別れて女官の勤めを続けるか、もしくは還俗して添い遂げるかを尋ねる決まりでした。理由なく特定の男に贔屓するのは害あまた。しかし、恋心に揺らぎなくば還俗を選ぶもやむなし…でありましたかと)
(さよう。女官の立場で罪人なら罪人、生徒なら生徒をえこひいきすれば、後々必ず揉めます。わたくしが金衣であった代に実際に揉めたからこその聖院規範なのです…あの聖院規範、わたくしの代で基本を定めたのですよ…)
(イリヤさん、女官の場合は普通の女性よりも遥かに色々な事が出来てしまいます。そんな者が恋愛以外にも迂闊に人を贔屓すれば、それこそ世に弊害あまた。ですから女官であれば、色々と縛らざるを得なかったのですよ…金衣と銀衣以外、上長の許しなく孕めばその時点で還俗詮議ですとかね…ただ、二代目様が言われる通り「女官だから」厳しくされているのであって、世間の女たちの行動までをも厳しく取り締まっていた訳でもないのですよ)
(オリューレの申す通り。世俗の女たちの色恋の是非まで、我々はいちいち問いません。むしろ、その営みを支えてやるべき立場であるでしょう…ですからマルハレータ、女官のままで色恋に悩むとか、人の悩み苦しみを伝えるものであれば私も内容をとやかく申しません。むしろ、そのえろほん、昨今は絵付きしゃしん付きの読み物仕立てが人気なのではございませんこと?)
何で、エロ本の内容までをもご存知なのでしょうか…。
(厚労局には新刊が献本されます。むろん、本音は広報部…内務局からわたくしへのご機嫌取りですが、何も賄賂としての意味だけで渡されるわけではありません。その内容が女官に相応しいかを厚労局でも点検して欲しいということで、見本が送られて来るのです)
(で、エロ本の目的は少年たちを性に目覚めさせるとともに、女官でなくばできん変態行為などの道に進ませたり、あるいは売ってる場所によっては正統派の恋愛ものを読ませるなどなど、要は読者の性癖傾向を痴女皇国の利益にかなうように誘導するためなのですわ。せやから、置いた場所はもちろん、買おうとして前に立った購買者がどこの誰かで陳列、もうそれこそガラっと変わるんですわ)
これを聞いて、私には一つ、試してみたい事が出来ました。
そう…フユキが前に立った場合、陳列されるエロ本の種類、どうなるのかです。
しかし、おりしもフユキはハルキやスカルノ陛下たちと共に、開設予定である少年学校の授業を試しに受けておって、問題洗い出しのための作業に協力している真っ最中です。
そこで、夕方のワイナピチュの日没儀式の後で、クスコの俗人街で稼働している自販機を試す事に。
普通はワイナピチュからはフユキを抱えてちょっと飛べばマチュピチュ神殿に戻れるのですが、ワイナピチュの転送ゲートを使ってサクサイワマン神殿に向かいます。
で、オリューレ様の運転するくるま…ウサギ1号とやらで、クスコの町に降りて行くことになりましたが…ほんっとにこの車、狭いのですね…。
まぁ、カルノ様とフユキが小さめなのが救い。私はカルノ様の後ろ、フユキは御者役のオリューレ様の後ろに座ります。
まぁ、クスコの街はそんなに大きくはありませんし、そもそもサクサイワマンの南北神殿の間の広場から伸びる立派な神殿参道を少し走って丘の下に下れば、そこはクスコの町。そして神殿参道は街の外周や中央の大通りに繋がっております。
https://x.com/725578cc/status/1724372038696292554?s=20
で、前にも略図込みでお話申し上げましたが、このクスコの街は大きく4つの区画に分かれており、身分と職業で住まう場所が変わります。
https://ncode.syosetu.com/n6615gx/170/
そして、各街区は大通りとを隔てる絶林檎の並木、そして透明な水を湛えて流れる水路で囲まれておりまして、要所要所に黄金騎士団から派遣された衛兵が詰めている門が存在します。
(頑丈な柵などで区切っておらぬ理由は、将来、街区を拡張したり移転する事を考えて敢えて簡易な作りにしておるからだと…)
(建物自体は石造りのものが多いのですね)
で、ウサギ1号は太陽乙女が住む区画と、月乙女が住む区画に挟まれた大通りを進んで行きますが、途中で円形の広場と、そして西を向いた行政神殿の建物が前方に見えてきます。
この黄金広場の周りを円形の道が巡っておりますので、黄金広場と行政神殿を避けるその円形路を走って行きますと、再び道は東西の大通りとなり、大通り左手が貴人街、右手が俗人街の街区配置となります。
で、俗人街に入る門、私が後ろの椅子に入る扉から顔を出して「わしやで」と黄金騎士団の神官衛兵に顔を見せて通らせてもらいますと。
平屋であったり、2階建てや3階建ての石造の住宅…というのですかね。
とにかく、何人もの人をまとめて住まわせる長屋が立ち並んでおります。
その長屋の1つの前で止まる、ウサギ1号。
なるほど…日が落ちて人通りがめっきり少なくなった中、煌々と灯りに照らされている大きな箱…エロ本自販機の姿がそこにありました。
おお。
おりしも、販売機に近づく少年が。
しかし、何やら随伴する人影もおりますよ。
(あれは俗人少年寮を管理しておる寮監役の神官ですね…見れば、エロ本の購入方法を指導する様子)
ええと、ちょっとだけご説明。
この俗人街、夫婦者の住まいや独身用人・奴隷たちの寮に加えて、淫化神学部初等科の少年寮もここに作られる事になりまして。
で、独身者の管理をする寮監役の神官、常時数十名が寮棟ごとの詰所に別れて詰めております。
んで、ですねぇ。
ここから私の口調がざっくばらんになってしまう理由。
クスコの夜、言うなれば神官も用人も奴隷も羽目外しタイムとかいうものだからですっ。
しかし、その羽目外しの相伴に預かれるものは成人に限られるのです。
あぁ、挿入器具市の二つ名は伊達ではありません。
このクスコの俗人街に住まう男ども、基本的には独身となるように移転や配置転換を順次進めておりますが、要は俗人の男どもは街の名の通り、奴隷どころか器具扱いされるのです…日没から日の出までの間。
ただし、妻帯者は免除されますよ。
で、どんな風に器具にされるのか。
用人や奴隷の部屋は個室です。
なんと贅沢な、とか申してはなりませんよ。
はいっオリューレ様っ、どんな個室なのかどうぞっ。
「何で私なのですか。まぁ…単身の俗人で、にしなりのどやでせんごひゃくえん以上のお部屋、奴隷身分なら、どくぼうまたはせんえんみまんのねるだけの立てるかぷせるほてるまがい、これが天の声の申しやがる、独身男の住まいの待遇なのです」
(俗人だと三河監獄国の囚人の部屋くらいですね)
と、タノキチ様からも注釈が来ました。
で。何で贅沢ではないのか。
この独房というか部屋の鍵、神官の聖環で開くからです。
で、朝夕の神殿儀式で少年の精毒にありつけない下っ端の神官ですとか、持ち場の関係で儀式に参加できないか参加しても精毒のお相伴に与れない神官が大半なのです、クスコ。
じゃ、魔毒を抜くための精毒、どないして入手するのか。
ええ、今から見ておればわかりますよ。
ほら来た。
この俗人街区、敢えて…本当に敢えて、街灯の数を減らしております。
そして街区内にも植木がそこかしこに…って、栽培実験中の高地対応型効果の木か、あるいは絶林檎がここにも植えられております。
その木の茂みに隠れて、潜むがごとく俗人街区に侵入してくる人影がいくつも。
で、その人影、何と寮舎の治安を守るはずの寮監たちの手引きで、寮舎内に侵入して行くではありませんか!
これはええのか、ええのんか。
では、御者席のオリューレ様…こんな行為、見逃してええのでしょうか。
お答え…どうぞ。
(ふふふふふ、これを今回試したかったのです…逆夜這いってやつを!)




