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こんにちわ、マリア Je vous salue, Marie  作者: すずめのおやど


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がんばれペアーズ・おねショタ布教軍創設ものがたり・3

それは良いのですが、なんでまた少年少女を連れて来たのでしょうか、この方々はぁっ。


言っておきますが、淫化(いんか)帝国にも少年少女はおるのです。


低地の俗界も含めれば、淫化本来の領土だけでも十万人以上はおるはずなのですよっ。


まぁとりあえずですね。


我々がいるサクサイワマン神殿、実は結構な大規模建築ではあるようなのです。


で、今回来られた方々にお入り頂いても余裕な広間も存在します。


(連邦世界のサクサイワマン遺跡とはかなり違いますけど、大きさは似たようなものですね)


そして、タノセ様とオリューレ様、そしてヒルダさん主催で受け入れ者の説明会を始める事に。


「はい皆さん、本日は南米行政支局開設準備室の募集に応じてお集まり頂き、誠にありがとうございます。さて、お集まり頂きました皆様。まずは急な人事告知に対しての応募、御礼(おんれい)申し上げます」


と、タノセ様が皆さんに対してご挨拶を。


「さて…皆さんに引率されて来た少年少女たちですが、只今は皆さんに先駆けて淫化への身体対応処理並びに、教育処理の最中となっております」


この少年少女たち、何故に連れて来られたのか。


(実は聖院学院神学部における罰姦(ばちかん)聖母教会()()()過程終了間際の生徒から選抜しました。この生徒さんたちは淫化への定住を打診され応諾しています)


と、タノセ様から心話が。


ぬうっ。


確か、修道士や尼僧なる身分を志す者でも、その学業成績によって助修士を目指させる場合と、修練士を目指す過程に分かれると。


(その通りです。そして現在では助修士となって送り出された少年少女で、修練士や修道助祭過程に進むに至らなかった者については、卒業後も教会の下働きの地位に甘んじるか還俗の二択でした。最近は教育効果も進み、聖院学院本校とパレルモ並びにモンアーレでは助修士過程止まりは全生徒の2〜3割となってはいるんですけどね…)


で、その…いわば、将来を危ぶまれた少年少女たちが生活と地位を保証されるとの甘言に釣られた結果がこれだと。


(かかっかかかかか甘言だなんて!)


(い、いえいえいえいえいえいえそんな騙すような仕打ちはぁっ)


あのですね。女官受け入れの研修中に何をうろたえておられるのですか、オリューレ様もタノセ様もぉっ。


ええ、少年少女たち、今、仮死状態にされた上で、ロッテ主導でマチュピチュに運ばれております。


それも、苗床培養槽と名付けられた地下の池に。


んで、何でそんな事をするのか。


(助修士過程から先に進めなかったとは申せど、ある程度の教育を終えた子供たちなのです。ただ…聖院学院福祉部課程を嫌がって神学部に進もうとした男子生徒であったり、あるいは卒業後の還俗または一般女官コースを嫌がった女生徒なんですよね。端的に言えば楽しようとしたんです)


ふむ。


(聖院学院本校だと、福祉部を卒業した男子は罪人工場でそのまま働くか、あるいは比丘尼国他の罪人労働場に行くか還俗するかなんですよ。成績が良くて本人が希望すれば大学に該当する教育部に進めますけど)


(で、田野瀬さんの話に付け加えますと、神学部でも試験、ありますよ。そして修練士に進めない子には還俗か教会の下働きですし、聖母教会だろうと慈母寺だろうと成績行状のよろしくない者は偽女種化されます。つまり、長寿ではなくなるのですよ。それが嫌なら一般の罪人扱い男性として働くか、還俗して希望の任地か故郷に送られる道を選べとなります)


むぅっ、結構厳しいんですね。


そして従来であれば、こうした少年少女たちの中には聖院学院や聖母教会での集団生活に馴染めない者たちが若干存在しており、教会や痴女皇国の管理下を離れる者も皆無ではなかったそうです。


(これがね…問題なのですよ…正直、痴女皇国の制度下で生きるのを嫌がった子たちでしょう。しかし、連邦世界でもそういう、いわゆる落ちこぼれた子たちの末路が問題になっていますけど、この痴女皇国世界ではもっと問題になるのです。まぁ大体、二年から三年以内に何かをやらかして御用になり、今度は罪人女官扱いか罪人寮入りですね…)


つまり、犯罪者を養成してしまう結果になっているのも困りものなのだそうです。


が、しかし。


ここで注目されたのが苗床。


苗床の維持にはなるべく魔毒に汚されていない人族の細胞が不可欠です。


ですので、従来はレオノール大司教にお願いしてキュラソーから送って頂いておりました。


つまり、今回連れて来られた少年少女とは類似の子たち…落ちこぼれの部類の少女の身柄を貰い受けて淫化の神官候補、すなわち太陽の処女として再生していたのです。


ええそうです、この少年少女たちの基礎知識を苗床に移植して、太陽の処女や侍従少年の新たなる()()()にしてしまう為なのです、タノセ様とオリューレ様が少年少女たちも手配された理由。


むろん、この少年少女、死んでしまう訳ではありません。


こちらの需要に応じていずれは苗床で再生され、処女または侍従少年として戻って来るのです…淫化の地に、ではありますが。


で、一方で女官の皆様にも、苗床入浴コースが指示されます。


ええ、私たちがあれをしても良いのですが、人数が人数です。


そして、私とかロッテとかチャスカはもちろんのこと、淫化のアレ持ち女神官がアレを使ってあれをするのは神事であり、誰を孕ませるかとか色々な取り決めごとがあります。


(めんどくさいからこの候補者の記憶とか知識も苗床で一気に抜いたれというのはこの際内緒で)


(まぁオリューレさんならそういう思考に走ると思いましたけど、確かに淫化の神事すっ飛ばしてちゃっちゃと色々済ませるには苗床フル活用が無難ですよねっ)


ええ、タノセ様とオリューレ様の腹黒さも伺える内緒の心話、聞かなかったことにしました。


(合理的な考えではあると思うぞ…それに、参集した女官の方々、いずれもアレ持ちじゃないか。ほら、千人卒以上という処置の方々ばかり。即ち、たとえ小さい教会やオテラであろうと、聖母教会や慈母寺を任されていた方々ばかり。それにあの教会やオテラでは子供を教える塾の運営の他、手紙やお金も扱う仕事があったと聞く。まさに我らが淫化、いや南米に欲する人材そのものじゃないか)


そう…この女性陣、一旦は苗床で溶けてもらいます。


そして淫化向けの身体に再構成されて出て来る事になるのです。


その際に、痴女皇国女官や尼僧としての知識も苗床に移植されるのです。


言うなれば、この説明会は言外に、その、恐怖の苗床入浴を匂わせる内容で進んでおります。


(えろえろと美味しい上に幹部登用の可能性も高い淫化出張に釣られて手ぇ上げたんだから我慢させますよっ)


(そうですよオリューレさん。しかも私まで浸かるんですよっ)


(私は来た時に浸かったから…)


何でしたらもっかい、浸かりますか。


(っていうか淫化にいる限り数日に1回は絶対に浸かるか、イリヤさんかロッテさんかチャスカさんとのアレ必須じゃないの…イリヤさんも意地悪だわっ)


ええ、時々泣かせております。


なんせ私、()()()らしいので、女が泣いてても大体の場合、はぁそうですかで終わるのです。


またぞろロッテに嫌な顔されますけどね、魔族との戦いの際に討ち死にした同僚や部下の惨状に涙するヒマすらなかったのですよ、私は。


(まぁイリヤさんは実戦で鍛えた戦士ですから、仕方ありませんよ…)と、流石に黒薔薇としての実働経験をお持ちのヒルダさんには庇って頂けます。


んで。


導入研修とやらが済むと、苗床送りを財務局の方々にも経験して頂きます。


これをしないと淫化の魔毒に適応した身体になれないのです。


そして、今回はある程度の実務経験女官の方々ということで、マチュピチュとワイナピチュ双方の苗床の養分をご経験頂きます。


即ち、別々の場所で1回ずつ浸かって頂きます。


嫌がる人は黒薔薇能力を解放して無理やりにでも漬けます、と宣言した上で。


そして、人の嫌がる事をするからにはと、私たちも浸かります。


ええ、チャスカとロッテ、それからオリューレ様にも付き合って貰いました。


あのですねオリューレ様、だいたい百万卒以上は苗床も溶かすの、嫌がるんですよ。


ですから触手の侵入程度で済んでるのです。


ちょっとくらいは、我慢を。


(これ…苗床入浴を遠隔地の神官にまで定期的にやらせるのは弊害あまたなので、少年侍従で代用する話になっておるのです…皆様も辛抱を)


ええ、映像や画像資料で見るだけ読むだけなのと実際に経験体験するのは大違いって、やつですよ。


皆様から泣き叫ぶ心話が一斉に届きましたが、それを聞く耳、このイリヤは持ち合わせておりません。


しかも、おいしい侍従付きの神官生活がこれから始まるのですよ。


これくらいは耐えて頂きませんと!


-------------------------------------


ろって「マチュピチュはわかるんだけど、ワイナピチュの苗床に浸かる必要はあるのか」


いりや「年増園専用苗床ですよ、ワイナピチュのは」


たのの「それ、私たちの年齢対応…」


いりや「真面目な話、太陽乙女として一定期間を過ごした後は月神殿での勤務となるんです、淫化の神官」


おりゅーれ「ふむふむ」


いりや「まず、太陽の処女候補は神官としての教育をマチュピチュで受けます。最初はクスコからサクサイワマン経由で通いますけど、最終課程ではマチュピチュの寮で泊まり込みが現在の教育課程になってますね」


ちゃすか「これは前帝のアヤ母様時代だと痴女皇国との接触前はサクサイワマンで教育していました。マチュピチュは太陽に近い場所として、えり抜き処女を遣わして太陽神を崇めさせていたのです」


ろって「で、同じく月を崇め死者を埋葬する場所としてワイナピチュを使っていたと」


ちゃすか「そして痴女皇国とのお付き合いが出来て、更にイリヤ様やロッテ様がお越しになってからは、それぞれの居所として改装されたのです。苗床の設置もこのためですね」


ろって「で、太陽乙女としての勤務を終えた神官は還俗するか、月乙女とされると」


いりや「ですから、年増園とされる方々の知識や記憶はワイナピチュの苗床に対して必要なのですよ」


たのの「財務担当とか、文官系の女官にはワイナピチュの苗床の方が向いてるのは理解しましたけど…」


いりや「マチュピチュにもワイナピチュにも女官の知識を流し込む必要があったのです」


おりゅーれ「必要性があってやったのはわかります、しかし…(涙目)」


たのの「私とオリューレさんは溶かされはしませんでしたけどぉっ(泣き顔)」


べらこ「ふほほほほほほほほほほほ」


たのの(何をした…)


べらこ「生意気なたのきちとオリューレさんをしばいたまでなのですっ」


おりゅーれ「あ…」


いりや「解説しましょう。私もロッテも、黒薔薇資格を頂いておりますね」


ろって「うむ、私は紫薔薇騎士団の扱いらしいのだが」


べらこ「という事はぁ、これで操れる訳でぇ(黒薔薇指揮官用の黒蛇剣を見せる)」


ろって「そして私はワイナピチュの苗床を操れる(イリヤもある程度できるんだけどな)」


いりや「そして私はマチュピチュの苗床に言う事聞かせられます(ロッテも一応できますよ)」


たのの「つまり、お二人を操っていらんことさせたのね、このエロ皇帝…」


おりゅーれ「汚いさすがベラ子陛下きたない」


べらこ「おだまりっ。皇族特別報償詮議に付議書をつけますよっ」


たのの「それ、あたしの手口でしょ…」


べらこ「前にも話が出ましたけど、皇族になる人はたいてい、かなりの地位に上がってるか、その候補です」


おりゅーれ「私なんて南洋王国国民だけでも百万人じゃ効きませんからね…」


べらこ「あたしなんて皇帝ですから、億人単位になります。で、単純に人数で精気授受成績を弾き出すと…はい、たのきちの得意分野よっ」


たのの「ええ、まりり…上皇マリアリーゼもそうですけど、とんでもない金額になりますよね」


マリア「あまりにもらい過ぎてしまうからな。で、代わりにその月その月の皇族の業務を査定して、まぁこんなもんかなという金額を特別報償金として支給するようにしたんだ。言うなら、やきう選手の年棒査定を毎月やられてるような感じだと思って欲しい」


べらこ「で、報償詮議付議書というのは、皇族報償の査定担当者が所見を書いて添付する書類で、必ずしも書く必要がないものなのです」


マリア「例えばあたしの報償詮議の内容で、ベラ子がこれおかしいと思った場合、具体的に何がおかしいかを指摘する際に書く書類なんだよ。つまり、報償金の金額の根拠になった皇族業務に異議がある場合に書かれる異議書だから、この付議書がつくだけで、例えばあたしならあたしの報償金査定をやり直して欲しいという希望表明になるんだよな…」


べらこ「これを悪用してバンバンと付議書を乱発しやがるのです…」


たのの「事実を指摘しとるまでじゃあっ」


マリア「でまぁ、実のところは皇族用特別報償金予算枠ってのがあってな」


べらこ「えええええ」


おりゅーれ「ありますね…」


マリア「これに近いものを読者の方の世界や連邦世界で探すと、桜田商事の超勤手当が該当するっぽいんだよな」


たのの「これは桜田門様の管轄ですからあたしも正確に断言できませんけどね、まぁ七曲(ななまがり)署なら七曲署、湾岸署なら湾岸署の所属職員の数に応じて残業手当の予算枠を決められてると思って下さい」


マリア「これ、某・ナニワな金融漫画にもその一端が書かれてたけどさ、どうも残業を50時間したからといってまるっと50時間分の超過勤務手当が支給されない場合があるようでね…」


たのの「で、会計担当の人が署長の交際費を捻出するために超勤手当を削ったってからくりが描写されるんだけどね…警察官の超過勤務手当って民間の時間外手当とは色々と違うところもあるのよね(言葉尻を濁す)」


マリア「で、ここで言いたいのは、桜田商事さんちの内部の汚職じゃなくて、痴女皇国の皇族手当の考え方だな」


べらこ「まず、年額や月額の予算枠が決められてるんですよ。そして、その範囲内で皇族認定が出た人に配分してるんです」


マリア「つまり、予算の範囲内で配るから、前月と今月の仕事内容がだいたい同じだったとしても、特別管理手当は前月と同じ金額が保証される訳じゃないんだよ…」


べらこ「まぁ、ねーさんとあたしは割とこれの割を食ってるんですよ…他の人に配る分があるからちょっと削らせてって打診があったり…」


マリア(実はこの辺の穴埋めに、あたしの小遣い稼ぎ=証券投資とか、ベラ子の芸能活動なんかが認められてるんだよな…)


いりや「きっちり決まってる印象の反面、やることやったのにご褒美がもらえない不満が出るかも知れませんね…」


マリア「その辺は査定がかかるし、例えば北方帝国攻略戦従事者に配ったような時みたいに、これ出しておかないとなっていう場合には追加予算請求をするようになってるから心配ないよ」


ろって「そもそも、今のマリアリーゼ様のお話をスッと理解出来る知能を持った神官を養成しないと、財務管理とやらは困難ということになるな…」


いりや「ええっ、それは私やロッテも財務の教育を受けろと言う話になるんじゃないの…」


ろって「そりゃそうなるだろ(えい、と血の池にイリヤを突き落とす)」


いりや「てんめぇええええええええ(根性で這い上がってアスタロッテを苗床に引きずり込む」


べらこ「いいのでしょうか、仲間割れの現場を見た気が」


たのの「ベラちゃん。これを拒むとさ、イリヤさんたちに何が待ってると思う?」


べらこ「まさか」


マリア「ベラ子、財務局長はデルフィリーゼお祖母様から別の人に交代しているかな」


べらこ「おばさまのままです」


マリア「まぁ、クレーゼ母様は通商局に行ったけどな…で、支部や支局幹部向けの財務局研修って担当は誰かな。はい、オリューレさん」


おりゅーれ「田野瀬さんかデルフィリーゼ様。または、連邦世界からお越しの外部講師様ですね」


べらこ「つまり、あのデルフィリーゼおばさまがお教えになると…」


マリア「オリューレさんと、たのに聞いてみよう。苗床入浴と、どっちが楽かな」


オリューレ「口にするにも愚問ですね」


たのの「あたしは苗床をパスしたいのだけど…」


べらこ(つまり、オリューレさんはおばさまが厳しいのを知ってるから苗床の方がまだマシであると)


マリア(逆にたのは、苗床の触手責めや溶解処理が嫌だからお祖母様の講義を選んでるんだよな)


べらこ(二人の性格の違いがよく出てますね。ちなみにイリヤさんとアスタロッテさんとチャスカさんは)


いりや(苗床ですかね…)


ちゃすか(苗床にしておきます…)


ろって(私は苗床慣れしてるから苗床だな)


マリア「という訳で、実際に浸かった女官連中の感想は次回で明らかにされるだろう」


おりゅーれ「苦情の嵐が吹き荒れる予感がします…」


いりや「コンジョウのない人は修行させますよ…剣の」


ろって「今回の女官の方々、文官ばかりらしいから余計に苦情殺到の悲劇を生むぞ…」


いりや「では次回も、淫化からお送りします…」

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