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こんにちわ、マリア Je vous salue, Marie  作者: すずめのおやど


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ふたりはビューティー? R15版美少女姉妹ものがたり・6

(こらこらマリアンヌ、そこまで急速に性別や人種をいじる気はねーぞ…)


(まぁまぁねーさん、マリアンヌちゃんは知識や経験の継承について…特に子育ての過程に関わることに警鐘を鳴らしたいんだと思いますよ)


(リーゼ姉…確かにマリアンヌが怖がる気持ちもわかりますわよ。あたくしもマリアンヌも、一応は即成栽培でなく普通に育ちましたでしょ…幼児からの経験がないままに大人化してしまうと、抜け落ちるものもあると言いたいのでしょう)


と、ベラちゃんやスザンヌから援護が入ります。


(その代替が知識や記憶共有だと思ってくれ…あたしだって、その危険性に全く気付いてないわけでもないんだからな…)


まぁ、老人の社会貢献については私もあまり直接的な知識はないのですが、実は天王寺のNB領事館に住んでいた時、NB籍の職員の方々の意識や記憶をスザンヌ経由で読んでいた事が大きかったと思います。


と申しますのも、即成栽培で一気に成長させる事が可能な痴女種と違い、通常なら子供は乳児から幼児の過程を経て大きくなりますよね。


つまり、子守りが必要な期間が存在します。


そして私はスザンヌと一緒にされてからはあまり手がかからなくなったようですが、それまでは10秒たりとて目を離せない状態であったと…そして人の子供はおしなべて、親が目を離せない状態が何年かは続くのが元来であるという知識が存在します。


(連邦世界の日本で少子化が進行したのは核家族化が原因だって話もあってな…)


しかし、痴女皇国世界ならば集約して育成も出来ますからその辺はなんとかなると思うのですが…連邦世界の日本の今後を考えると、全くの無策では人口に影響が出る話にもなると思えます。


(日本特有の問題であれば、正直なところマリアさんの手助けが必要な可能性は高いと思えます。貧富格差は以前高く、普段の僕たちからは巧妙に隠されていると言ってよい貧困層の増大や深刻な問題の解決策は未だ見えない状況ですし…)


ですね…進学校やお嬢様学校に通っていては見えない事実もこの世には多く存在するでしょう。


(日本は…そして人類は、例え民主主義を捨ててでも種族保存を選ぶ可能性を考える分岐に差し掛かっていると言えるでしょう。ですから、僕の上司や()()は…マリアさんとの接触を望んだのですよ…)


ですね…私たちも日本政府というより皇室との連携の重要性は事あるごとに聞かされる立場です。


(レオノールさん…あんたがキュラソーでやってる事を特に細かく修正していないのも、一種の実験のためだと思ってくれ。いや、キュラソーだけじゃなくてボロブドゥールやアトス、そしてグァンタナモもそうだ…あの処理施設は単に余剰人口を処理するためだけじゃない。人類の水準を強制的に引き上げるための試験区域でもあるんだよ)


灸場を見学した私としては、あの島を一つ丸ごと刑務所にしているような規模の罪人矯正事業を知っているだけに、リーゼ姉の話には頷かざるを得ません。


そして、キュラソーがレオノールさんのショタ趣味の狩り場になっている事も、言ってみれば少年たちを餌にして出来の悪い女官を売春に邁進させるための仕掛けの副産物めいた効果を享受しているようなものでしょう。


ある意味であそこ…キュラソーの聖院学院神学部分校は、都内きっての繁華街の立ちんぼ売春少女とホストの関係を強制的に作り出すようなもの…落ちこぼれ女子に対してなかば強制的に未成年ホストをあてがうような運営をしているのです…。


そして、少年たちを支配する修道院職員を管理指導する役目の人物たるレオノールさん、この人の上司であり実質的な主君のマルハちゃん…マルハレータ殿下はボロブドゥール寺院の慈母寺僧侶育成にも大きく関わっていた立場です。


そして、マルハちゃんは恋バナ大好きな自分の資質を最大限活用しており、レオノールさんや他の修道司教を経由して修練士の少年たちに疑似恋愛の教育を施しています。


(しかもキュラソーの少年たちは男娼ですからな…お互いの傷を舐め合わせることも勧めてるんですわ)


(ホストのように金を貢がせるよりタチが悪いとは言えるけどねぇ…)


ええ、後々に私とスザンヌがキュラソーを訪問した際に驚き呆れなかった理由は、この時、既にキュラソーでの聖院学院分校運営の実態を聞いていたからなのです…。


(過日のリンクとハイラの一件も原因なのですが、その後に計画の見直しが入りまして…)

https://novel18.syosetu.com/n0112gz/222/


(あのホストシステムってさ、結構エグくない…?)


(有り体に申し上げて私もどうかと思います。しかし灸場やカランバカの実態を参考に、今後のキュラソーの女官生産計画を考えますと、カリブ沿岸の農場への人口定着に寄与する人材を供給する方向を目指すべきかと思いまして…それに、文教局長様の承認も得ております…)


(いいいいい)


(マリアヴェッラ陛下。私は確かに陛下の承認印が押された教育計画案書を受領致しましたがっ)


(ベラちゃんが認めてんなら仕方ないわよねぇっ)


---------------


で、時は流れて数年後のキュラソー…そしてカリブ海沿岸の事情です。


闇堕ちマリアの方でも少しお話が出ましたが、ハリケーンの災害復旧と復興の一環として球根詐欺国…もっと言えばマルハちゃんがカリブ一帯の開発を委託された後、この地域には大きくテコ入れがなされました。


そして、復興の第二段階として、快感王や珈琲淫農園、そして精糖工場に従事する労働者の集落を町や村の規模に拡大する事が企図されました。


すなわち、闇堕ちマリアで語られたキュラソー島を売春基地としている状況から、更に事情が変わっているのです。

https://novel18.syosetu.com/n0112gz/232/


例によってえろえろな話が山盛りとなるために、ここでは詳細を語れませんが…。


ごくごくかいつまんでお話ししますと、灸場やカランバカ、そして南洋島ジョクジャ宮殿東側街の未成年同棲区画の直前状態を維持するような尼僧教育体制が取られています。


なぜか。


キュラソー分校は…言うなれば落ちこぼれ専門校の扱いとされたのです。


それも、女子向け。


で、キュラソー分校は完全な女子校ではないものの、女子生徒の比率が極端に増やされました。


カリブ一帯ではあまり偽女種やほも売春の需要がないという事もあり、この地域では少年教育を積極的に行わないとなったのです…ですが、女子生徒のやる気を出させ向学心を持たせるためにも、男子生徒の在学についても方策が採られました。


そう…他校の優秀な男子生徒や助修士を教育課程の一環として転校させ、女子生徒の学業指導補助に当たらせる案が出されて実行に移されました。


結果、このキュラソーは売春基地から地域向けの尼僧女官養成基地に性格を改めて行くことになったのです。


そう、近隣地域…球根詐欺国が開発を委託されたカリブ海の島々と沿岸一帯の農場経営、そして農場で働く労働者からの精気授受はその地域に建設された聖母教会が担うこととなりました。


で、その聖母教会に勤務する売春担当尼僧は修道助祭や修道司祭扱いとされ、業務に積極的に進むよう敢えて偽女種並みの短命にされたのです。


卒業旅行めいた形で訪問したキュラソーで、こうした話を聞かされた背景には…私とスザンヌが本宮から来た皇族なのを最大限に利用されたためもあります。


すなわち、教育を受けている女子生徒の中で優秀な人物を昇格させるという、一種の出来レース儀式に担ぎ出されたのです…。


でまぁ、その儀式でレオノール()()()がとんでもない人物であることが改めて浮き彫りにされたり等々あったのですが。


そして、我々はキュラソーを離れ、次なる目的地に向かっております。


実は、落ちこぼれ生徒の中でも成績の悪い者や、グァンタナモでも矯正困難とされた水準の元・犯罪者について、新たな出荷先が生じたのです。


そうした()()()を運ぶ輸送船ですが、ザラ級航空母艦のポーラが主に当たっているそうです。


(出荷先は海に面してませんから…スケアクロウか飛ぶ船でないと厳しいのです)


(…それに、運ぶのは月1回くらいなんですわ…なんせ向こうは山越えが大変ですから、あっちに届ける物資の輸送便も兼ねとるんで)


と、ベラちゃんとマルハちゃんに教えてもらいます。


しかし、我々は先を急ぐ身でもあります。


という訳で、マルハちゃんが来てくれました。


なんでも、マルハちゃんは飛行機の操縦を習っている立場。


ですが、スケアクロウの操縦にはまだまだ早いということで…うちの母の所有から、正式に宙兵隊の所属機にされたDA62-MPPとかいうプロペラ飛行機を飛ばしている段階だそうです。


(球根詐欺本国の統治もありますからな、講習だけに時間を割く訳にもいかんのですわ…)


で、ベラちゃんとマルハちゃんの操縦で飛ぶその飛行機で、キュラソーのハト空港を離れた我々。


次なる目的地は…出荷先の土地だそうです。


でまぁ、燃料と時間節約を図るためもあって途中経路をすっ飛ばして、アンデス山脈北部に沿って現地を目指すコースを取るそうです。


…ええ、目的地は…淫化帝国の首都、クスコ。


そして淫化はこの時、既に痴女皇国の支部にされています。


支部があるということは、支部長がいらっしゃいます。


その支部長ですが…アヤ・マンコ支部長…淫化帝国皇帝マンコ・カパック陛下がその任についておられます。


(なんでマンコ・カパックが女性なのよベラちゃん…)


(痴女種化してもらっているのです…淫化独自の延齢術では単に寿命を伸ばすだけで身体の老化劣化は避けられないのです…)


ええ、アンデス山中の拡張器具(くすこ)市に到着した我々の眼前に現れたマンコ支部長、見事に痴女種でした。


そしてですねぇ…その隣に、二人いらっしゃるお方が、どう見ても我々の世界にいて良い外観じゃないんですよ。


一人は耳がとんがってて、斜め上に伸びてる感じ。


どっちかというとエルフっちゅうのですか、あれに近い感じです。


しかも、ビキニアーマーとでも言うべき姿。


パツキンのエルフ騎士ですよ、エルフ。


ですが、もうお一人からすれば普通の人に見えるほどです。


アスタロッテと名乗られたその人物ですけどね。


普通の人間はコウモリさんみたいな羽根、背中から生やしてませんよ。


それだけならまだしも、肌の色が赤紫なんて一体、どこの世界のお方ですか。


「事情は説明したでしょうが…この方々は痴女皇国世界の住人ではないのです…」と、何事よと目を剥いている我々に怒るベラちゃん。


「いや、ワイも初めてお会いした時は目が飛び出しそうになりましたけどな…」


「いやはや驚かせたようで、申し訳ない…」


「確かにこちらの国の方々、羽根が生えるとか魔法、お使いになられませんからね…」


でまぁ、この方々、どういう存在なのか。


一言で申し上げると、異世界の住人。

https://novel18.syosetu.com/n5728gy/216/


しかも、魔法の使える世界だそうです。


「ただ…その魔術が深刻な害を(もたら)しているのです…」


「我ら魔族にも影響があったのが判明してな…一言で言えば必要な毒。特にこの剣聖女王イリヤ率いる人族には影響甚大なのだ…」


実は淫化帝国に埋もれていた古代技術の一つに、一種の転送装置があったとはベラちゃんから聞かされていました。


それは元来、淫化に先端技術を与えていた存在が使っていたようなのですが、ある時に交流が途絶えて以降、遺跡と化していたようです。


「で、どういう訳か本来の接続先と違うところから繋げられて、そっちの戦争を痴女皇国世界に持ち込まれかけたと」


これ、淫化帝国の王宮兼神殿であり、痴女皇国支部施設でもあるサクサイワマン神殿の一室で話をお聞きしております。


「なるほど、空中に漂っている媒介元素がないと魔法が使えないと」


「ただ、我々は術素とか魔素と称しているそれは人にも我らにも毒であってな…」


「アスタロッテの肌の色が人と大きく異なるのは、この魔素に対する耐性を獲得したせいもあると判明しております…そして、毒素の浄化のためにも、アスタロッテの種族は我ら人族を攫って食べる必要が生じ、そうはさせじと剣を取る我らリュネ人族と争うことになったのです…」


「我らの側でも人どもを根こそぎ食ってしまっては自らが滅びることとなるのでな。そこで、必要最小限の側近のみが普段は目覚めておるようにしたのだ。だが…私の前の先代になる魔王が、リュネ人の討伐と家畜化を企図した」


「苗床を使って王兵を大量に育てた先代魔王の軍勢は強大極まりなく、我らは善戦空しく滅びかけたのです…で、転移陣の存在を知っていた貴族が私とフユキを逃しましたところ、こちらに現れる羽目に…」


「で、追いかけろと言われた私たちも、そちらに捕まってな…」


ええ、その辺の話も思い出しました。


なにせこの方々の性質上、月間痴女宮に掲載する話とは出来ないとあって口頭または幹部のみの心話伝達でしたけど、報告を聞いた記憶はあります。


で、無茶な主君のいきなりの無茶な政策に内心頭を抱えていたアスタロッテさんを筆頭とする幹部連中が謀反を企図。


結果、アルトさんとアレーゼおばさまだけでもオーバーキルな気がしますけど、リーゼ姉までもが蟹服を着て暴れた結果、魔族とされる方々の政変と、剣聖とか言われる方々の種族の手打ちも成ったと。


「何せ我らは魔法なかりせば生活成り立たぬ立場ですから…」


「実は魔素の生産、こちらの土地でやっておるのだが…魔族側にも魔素を撒く必要があって…マリアヴェッラ陛下は既にご存じと思われるが、毒であるからと魔素産出を止めるわけにもいかんのだよ…」


これも要約しておきます。


毒性の大気成分がないと使えない魔法技術に社会が依存していた結果、この方々はそれぞれの種族の発展、詰んでいたのです。


んで、リーゼ姉が取った方策。


向こうさんの世界…仮にルーン文字世界としますが、魔法に依存しない体質に徐々に転換していく事を提案しよりました、姉。


「あれは魔族の地に生える濡れ草…こちらでは苔と申されるそうですが、その濡れ草や茸…ですね」


「うむ。繁殖のための粉を撒き散らす類が魔素となる毒を撒くのだ。そして…青く輝く石に近ければ近いほど、毒は濃くなる」


しかも、その変異種の茸やコケですけどね。


「人どもの土地にも生えておるのだ…なにせあれがないと魔力が伝わらないのだよ…」


「遥か前に魔族軍の侵攻に伴って、人の地にも生えたのです…毒の粉を撒く生き物…」


ああ、足にでも付着した胞子か何かで、人の地とやらも汚染されたのですね。


ふむふむ。


(その石は一種の放射性物質と見られています。那須の殺生石のようなものですね。で、放射線変異した地衣類やキノコが撒き散らす胞子が魔法を使えるようにする成分粒子の源のようなのですよ…)


(ファンタジー世界なのはともかく、魔素を吸引するとさ、水銀やヒ素みたいに体に蓄積して寿命を縮める類の毒の効果が出ちゃうのよね…自分達の生活のためには魔術が使えないと火を起こしたり水を浄化したりなどなど、いろいろと出来ないし、さりとて魔法を捨てたら人も生活できないと)


(更には、魔族という方々の増え方にも問題がありました。…アスタロッテさん)


「うむ…実のところ、我らは諸君らやリュネ人と違い、必ずしも完全に同じ姿ではないのだ。諸君らは男女の性別と肌や体格程度以上の変化が見られないようだが、我らは根本的に役割で姿が変わる。そして他者を攻めるかあるいは守る際には戦のための兵種、魔王が苗床を用いて産み育てるのだ…」


つまり、その苗床…私たちで言う女官生産プラントに突っ込むための原料が人間であると。


「そればかりではない。我ら施政種…今は私が魔王だが、その側について政務を預かる者共の延命にもその苗床を使うのだよ…魔素の毒を抜くためにも苗床に浸かるのだ…」

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