表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こんにちわ、マリア Je vous salue, Marie  作者: すずめのおやど


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

167/296

ふたりはビューティー? R15版美少女姉妹ものがたり・5

(そうですねぇ、今回の撮影でも実のところ、かなり危ない筋に利便を図ると見せかけて相手を乗っ取る訳ですから…)


(その対象に資源国家が多いのもあって、警察庁は元より、政府も黙認するそうです。いえ、させますよ)


ええそうです、今回の撮影、依頼者については元来、バレると国際的に困ったことになる外国の著名財界人だけでなく、政界人…特に王族とか言われる人々が依頼代理人たる犯罪組織の背後にいるのです…。

https://novel18.syosetu.com/n0112gz/230/


そして、日本政府関係者や商社他とのお付き合いの関係もあって、迂闊に失脚させるとまずい人たちであるとも。


(この犯罪組織も、ジョスリーヌさんとベラちゃんがよーく知ってる人たちだからね…)


(こるしかマフィアやシチリアまふぃあの商品のお子様どうがやお子様そのものをお求めの顧客らしいですわね…)


(御徒町の近所にショールームがあるリアルな人形だけで飽き足らないのか…)


(アジア系の児童誘拐組織とまで繋がってるってどんだけ闇、深いのかと思うけどねぇ…)


偶像崇拝禁止のはずなのにエロ人形買うのもどうかと思いますが、そこの顧客とカブっているらしいのです、「本物」を求める方々の一部…。


ですから、若様がこの別荘の地下を含めて、痴女皇国の使用…特に撮影を認めているのもこの辺の工作を黙認という形で協力頂いているとお考え頂ければ…特に今回、先ほど申し上げました、本当ならば偶像崇拝を禁じているはずの「宗教」に繋がっている人々という問題が絡むのです…。


この問題については、紛争地域の児童を誘拐したり、女性を誘拐して子供を産ませたりしていた自称宗教国家団体だけでなく、その宗教系の少数派民族や欧米に移住した違法難民が手がけていたりなどなど、掘れば掘るほど関係者が如何に危険か知ってしまえる類の情報に接するのが困りもの。


かと言って、野放しには出来ない話であるのは私も同意します。


ええ、反社作戦の際に判明しましたけど、私やスザンヌが連中による誘拐候補者リストに載っていたのが判明しておりますから。


従って、私の楽しい東京での一般人ライフに横槍を入れられるどころか厳重警備を四六時中施されるような困った事をしてくださる団体には、出来れば消失して頂きたいことこの上ないのです。


そして、この宗教についても政教分離どころかその国の法律の原典であったり、教義が立法の更に上に来る上に…1番の問題は、その宗教の教義や戒律が片端から「聖母教会や慈母宗、ひいては痴女皇国そのものと真っ向対立する」事に尽きると思うのです。


(あたしらの格好そのものがアウトみたいだし…)


(外出時に目以外隠せとか無理無理むりむりかたつむりですわねぇ)


(浮気密通は死罪とかもAUTO(あうと)よねぇ)


そんな訳でこの宗教を信仰する一切合切については「痴女皇国に敵対する場合は排除する」方向で行かざるを得ないとも言われておりまして…ですが、問題は信仰者の人口。


(人口で言うと18億人に登ります。これだけの人数を処理するにはそれなりの期間を要しますね…)


(堕天使さん達にも改宗を依頼してるわよ。ただ…人数もさりながら固まって暮らす上に、あの宗教は改宗禁止でしょ。性別限定型駄洒落菌が一番効くんじゃないかって話もあってさ…)


雅美さんの話にある駄洒落菌ですが、リーゼ姉が言っていた「24時間もあれば散布地域は無人に変わる」という鬼細胞強化仕様の変種ですね…。


(もともとの女性には一人卒女官種化を促すんだけど、男を片端から偽女種に変えるものが開発中。で、この変種は特定人種または信仰を対象として繁殖するようにもしてるみたいよ。痴女皇国世界で実験してるけどね…)


これを撒かれた後の惨劇も容易に想像がつきます。


若返るか成人体型となる上、体質的に性欲を亢進させられる偽女種に若い女性を与えるのはまさに、鶏小屋に肉食動物を放つようなもの。


しかも、散布された土地の水も土も植物も駄洒落菌媒体となるのです…。


(まぁ、あれ使うのは最終手段だと思っといてくれ…)


リーゼ姉がこういうからには、あの躊躇のない姉すら投入をためらう代物だと思って頂ければ。


そう…文字通りの絶滅兵器として使えるのですよね、駄洒落菌…。


(かーさんが戦略物資扱いしようとした理由がよくわかるわね…今更だけど…)


(マリアンヌ…しかし、なんとかとお箸は使いようですわよ。マルハレータさん…マドゥラでは一定の成果を挙げられたでしょう?)


(スザンヌ様…あれは島っちゅう環境もありましたから…)


(マリアンヌさん。駄洒落菌について僕も詳しく知っている訳ではありませんが…あれが繁殖しなくなる条件はマリアさんから聞かされています。確か、駄洒落以外の知的平和活動に伴う脳内生理反応を観測した駄洒落菌は、自らが繁殖する宿主ではなくなったと判断してその人体での繁殖活動を停止すると言うのが元来の駄洒落菌の生態じゃなかったのでしょうか?)


(若様…それで合ってるよ。で、変種によって差異はあるけど、セイフティは設けているんだ。今回の特定宗教信仰者に対する試験株については、現在はシミュレーションを含めて試してる最中だけど…聖母教会または慈母寺を訪問した痕跡があるか、さもなくば既に痴女種女官身体化しているかで繁殖を決めるようにしようとしてるんだよね…)


(マリアさん…それは…痴女皇国関係者と濃厚接触するか、さもなくば聖母信仰に転向しろということでは…)


(もちろん。だから彼ら…仮に預言者信者としておくけど、あの預言者の書いたのを信じることをやめるか、あたしらに協力して向こうの連中の国内を痴女種に闊歩させるかなんだよね…)


(あの宗教の教義的にはほぼ不可能な話ですね…)


(まぁ、スザンヌが言ってる通り、こっちの世界のマドゥラ島での散布種に近いもんにして、偽女種化しないタイプの駄洒落菌にしてもいいんだよ。これに偽女種化株を混ぜると…偽女種の性欲を発散するためにヒャッハーする奴が続出して、最後は感染者全員が偽女種になるわ身体制御ができなくなって自己発火死亡ってことになるんだけどね…)


(智秋先生、あともう一つ手がありますわよ。十月会議と懇親会のおぶざーばー参加者には預言者様もいらっしゃいます。その預言者様に、次の預言者をご指名いただくのですわ。あの宗教の研究者や学者が教書をあっぷでーとできないならば、できるものを指名してもらうまでということも考えてみてよいと思いますの)


(スザンヌ…簡単に言うけどさぁ…)


(預言者様に義体をお渡しして、あの黒い石の神殿か何かに降臨していただくだけでもききめはありますかもしれませんわねぇ。奇跡とやらの一つふたつを演出してもようございますし)


で、このスザンヌの発想ですけど。


スザンヌは元々が聖院金衣の血統の子です。


従って、出生直後から周囲の人間の意識や記憶を読み取って…いえ、クレーゼおばさまの胎内にいる時から既に、それを開始していたのです…。


従って、リーゼ姉が産まれた時もそうだったようですけど、私と違って出生直後から他者との会話…心話が可能でした。


そればかりではなく、制限を外せば聖院金衣としての指導指揮能力の制限も外れますから、自動的に「統治者としての頭」でものを考えるのですよ。


じゃあ、この私、マリアンヌはどうだったのか。


一言で言いますと、スザンヌが私を()()()()()くれていました。


ただ…その代償に、私たちは2人1組で活動する方がより強力な金衣能力を発揮できるようになったみたいなのです…。


(マリアンヌは普通の子として育てるつもりやったんやけどな…まぁ、家族会からも申し出あったし、あの淫蟲下着の乱の件はともかく、一応はあんたらの能力を認めての措置やということでうちも納得せざるを得んかったからな…)


ええ、うちの母親の意向は今も、本当はこれ…出来れば私やスザンヌは普通の人間として一生を終えさせるべきという主張なのです…。


で、スザンヌとニコイチなのも実はかーさんのこの意向があればこそ。


これがなければ私、アルトさんやアレーゼおばさまの後継めいた銀衣の立場にされていたそうなので。


(それどころかあたくしの力を全て使える立場ですからねぇ…)


そう、力のマリアンヌ・技のスザンヌという状況です。


もっとも、私はそこまで力押しというわけでもありませんがっ。


------------


さてさて、私たちの乗る車の一団、いろは坂を無事に下った辺りでパトカーに囲まれた状態で、日光宇都宮道路なる高速道路に入ります。


「何かこう、物騒なことになっているようですが…」


(このパトカーの手配はあたしじゃないぞ…)


(昨日、高知東警察署から連絡がありました件ですが…群馬ナンバーのハイ◯ースが国道439号線で脱輪したという事故が発生したそうですね…)


えええええ。


で、若様のお話によりますと。


(駆けつけた警察官が運転していた男性から事情を聴取したところ、沼田市内を走っていたはずがここにいたという主張を繰り返していたんですよ。でまぁ、レッカー車を手配して車を助け出した後で、そこまで言うのならと近くの駐在所に寄って頂いて詳細事情を聴取したそうです)


そう、リーゼ姉が言っていた「あのダンケ号の見た目だと絶対に」はぁそうですかと信じては貰えない話となったようです。


(で、その駐在所の所轄警察交通課にも応援の話が行きまして、くだんの群馬ナンバーのハ◯エースがどこをどう走っていたのか警察の交通追跡システムに照会して走行状況を再現したところ、確かに国道120号線を走行していた情報と439号線を走っていた間の経路が不明だったこともさりながら、そのハイ◯ースがマリアヴェッラ陛下の乱暴ルギーニと、マリアさんの葬儀社のハ◯エースの前を走行していた事実が発覚しまして…照会を受けた群馬県警が外交官ナンバーかつ宙兵隊関係者が運転していた車と事故寸前の危険行為があったということで危険運転車両としての通報を受理して手配が入っていたそうです…)


(そんで、あたしら絡みの車の事故やトラブルがあると自動的に皇宮警察に情報が流れるようになってんだよ)


(で、連絡を受けた加藤さんと八十川(やそがわ)さんが高知県警の上の方とお話をした結果ですけど…確かに不審ではあるが、だからと言って神隠しに遭ったなんて調書に書けないし、高知県警もどう処理したものか悩んでいたようです)


(でさぁ、危険運転の事実は証拠としてベラ子の車のカメラからあたしがデータ取り出して提出してた件から話をしてさ、高知の警察の人には「詳細な調査をすればイタリア大使館の外交官ナンバーを装着した車両を運転していた連邦宙兵隊関係者の車に危険な割り込みを仕掛けたと」いうことで、日本の法律であおり運転として処罰するどころか横田での軍事裁判となり、車は証拠品として没収された上で同乗の女性ごと宙兵隊警務局に身柄を移送されかねない話にもなるがどうする?という話に持っていってもらったんだよね)


な、なんという権力の横暴。


しかし、第三次世界大戦以降の今の時代はこれが通ってしまうのですよ…。


(上位互換法条約を結ぶ必要があるほど、各国の治安が悪化した時期があったと思ってください…)


とは智秋先生のお話ですが、日本以外はかなりひどかったようなのです…。


それはともかく、高知の方の警察の方がその◯イエースの所有者男性に「あなたの主張を調書にする事は出来るが、それを行うとあなたの危険運転についても我々は事件として処理しなくてはならない。つまり今ここであなたたちの身柄を確保する話になってしまうけど、どうしよう」とお聞きしましたところ…グンマーのご自宅までの道を聞いて来られたそうです。


幸いにもくだんのダンケ号は左の後輪が道のない場所に入ってしまった程度でダメージがなかったのが幸いして、普通に自走できたようです…。


(まぁ、この話を広めるようなら今度こそは消えてもらうか)


と、犯罪組織の人間のような不穏な発言をするリーゼ姉ですが、実のところは同級生の吉田遼子のお姉さんに絡んで悪事を企てていた連中、そっくりそのまま黒薔薇騎士の分体と入れ替えてしまうこともやっていましたから、まんざら不可能ではないんですよね…。

https://ncode.syosetu.com/n6615gx/159/


(パトカーによる伴走も揉めないためだと思って下さい…)


ええ、東北自動車道に入る際には交代して、別のパトカーが前後について下さいましたから。


それも黒塗りのものが…。


(若様、これ大袈裟すぎね?)


(僕の分も含めてだそうです。これ全部警視庁のSP仕様だそうですよ)


(国家元首の来賓じゃないんだから…ってベラ子とマリアンヌとスザンヌがいるか)


(マリア様…私も一応は)


(乳上はちょっと除外しておこうか)


(それはあまりに悲しい話。いくら連邦世界のハンガリーやルーマニアが王政を捨てておったとしてもですねぇっ)


「でもさぁレオノールさん…今後のカリブの統治がどうなるかはともかく、よ。今のこの連邦世界ってさ、ある意味では人が好き勝手にやってきた結果なのよね…」


「確かに、私どもの教育というものは聖母信仰あってのものだね。そして聖母教会を介した統治を進めようとしておられる理由は速やかに理解できます。あの無法なくるまの持ち主のような(やから)や、サクミ様に仇なそうとした女どもの如きは痴女皇国には不要でしょう」


「まぁまぁ…レオノール司教、今から申しますのは私の考えですよ。確かにあのような身の程を知らぬ若造を叩き伏せるなぞ、我々女官であれば造作もないでしょう。しかし、私たちの元来の世界と違い、この連邦世界では()()()()()私たちが統治者ではないのです…」


連邦世界での活動経験が豊富な乳上の言葉だけに、この発言には車内の全員が押し黙ります。


「しかしながら、私たちに叩き伏せさせた方が良いと考える為政者も次第に増えておる昨今。彼らの要請に応え我らと協調して頂くためにも、男たちの欲望を萎えさせることなく私たち女官に従順な生き物とする試み、キュラソー…いえ、カリブ全域で試しておると考えるのです…」


(偽女種化はまさにその手法模索の一環なんですよ…)


「だけどさぁベラちゃん…偽女種に変えて行くってことは、偽女種の相手をする女性も含めて、老人が連邦世界からもいなくなるって事になるんだよね…その反発、案外、大きいんじゃないかな…」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ