ふたりはビューティー? R15版美少女姉妹ものがたり・4
ぬぬぬぬぬぬ。
確かに…あの大学なら、くだんの兼業農家ご一家から、お一人が後に通学なさるはず…。
(それ、皇太子殿下と申される方になるのでは)
(スザンヌ…年齢的にクラスメートになる可能性、あるわよ…)
そう、その…若様のご妻君の弟さんで、仁という字が名前に入ってる方、確か私たちと年齢が同じじゃなかったのですかね…。
そしてスザンヌ。あんたの同級生ということは、よもやまさかぁっ。
(こ、これはあのルルドでのご託宣の通り…いえ、万が一にもそうならなかったとしてもですわよ、そもそもあのだいがく、あそこ大学と違って立身出世をねらう官僚や社員の頂点を育成するわけではなくですわね、いわば生まれながらに銀のおさじをくわえておられるような方々…ある程度の将来が約束された方ばかりが在学しておられるのではないでしょうか…)
(もしくは、そういう人と学生のうちに近付くための学校ですね。あたしも行かそうかって話もあったようですけど…)
(ベラちゃん…どうかな…特にスザンヌの場合、若様のお申し出ってさ、あの運命の女神さんたちのご託宣にそぐう話になるんじゃない?)
そう、スザンヌはここ…連邦世界の地球にいる方が良縁があるようにも受け取れるご託宣を貰っているのです…。
https://ncode.syosetu.com/n6615gx/60/
そして、その…苗字のない弟さんの地位からすると、その…千代田区の一等地に広大な敷地を構えておられる「おかみ様の直系子孫となる」兼業農家のお世継ぎになられる可能性、極大。
何かのはずみで急逝なさらない限りは、確実に…将来はそれなのです…。
しかし、スザンヌをその方の奥様の位置につけて、果たしてよいものか。
確かに奴は日本国籍、得てはおります。
一応は高木義夫…私から見て義祖父の位置にあたる人物と、クレーゼおばさまの子供ですし、日本人として出生した記録も残っております。
そして…聖院金衣イコール、痴女皇国の皇帝としての継承者の資格も満たしているのです。
いわば、連邦世界で言えば王女の地位にあるといえばあるのです、スザンヌ。
(無難なのはその男性がアユさんとくっつくことなのです…)
(しかしアユさんだと、年齢的にかなり年上女房になるわよっ)
(ぬぬぬ…)
まぁ、ベラちゃんの唸りはともかく。
そして撮影の件なのですが、これはっきり申し上げまして「R18」つまり大人の話題です。
ですから例によって、詳細を語れません。
まぁ全く何も申し上げないのも何なのでかいつまんでお話ししますとですね。
・少年の集団に、私とスザンヌがいてこまされる
・そして悪堕ち闇堕ちする
・ところが悪堕ちの度が過ぎて逆に悪の組織を乗っ取ってしまう
・世界はうちらのもんや
とまぁ、こんな話にするためのシーンの一部を撮影したとお考え下さい。
ううううう。
そしてベラちゃんはアユさんの慰労役兼撮影・監督役らしいので元来の悪役の親玉の声優としてナマ出演することはちょっと待ったという話になったと。
(いえ…少年軍団を使役するための適役が存在したのです…)
(乳上が来た時点で色々読めたもんがあったけどね…)
あとまぁ、ベラちゃんが私やスザンヌにいてこまされ返されるのが嫌だったというのもあるようです。
とりあえず、予定していたカットは撮れたようです…。
で、翌朝早朝。
スケアクロウで帰る聖院学院の男子生徒を見送る我々です。
今回は痴女島の聖院空港に帰るとかで、離水するとすぐに姿を消してしまいます。
で、我々もホテルの食堂で朝食を頂いた後、早めにチェックアウトすることに。
理由。
「日光を回る場合、渋滞が予想されると若様にコンシーリョを貰ったのです。特に国道120号線の金精道路区間からいろは坂に至る栃木県側が観光地となっているそうですので…」
なるほど、それでスケアクロウに車を積み込んで我々も途中まで乗って帰るという案、ベラちゃんが却下していたんですか…。
「あと、華厳の滝のエレベーターは朝一で利用する方が良いとの話も頂きまして。で、営業前に特賓として利用させて頂けるらしいので7時半過ぎには乗り場に来て欲しいと」
そんな訳で、空いているならば約1時間で到着できるとの話をお聞きしておりまして、朝6時半にホテルを出発。
ホテルからの道を戻り、国道120号線に合流する辺りでベラちゃんが派手に阿部んたを滑らせていましたが…。
(この車は小回りが効かないので滑らせるのが一番早い曲がり方なのです…)
(京都府の有名なド鋭角交差点なんか絶対1発で無理よね…)
https://twitter.com/725578cc/status/1699628656266727666?s=20
(あそこは何で行こうと危ないのでは…)
でまぁ、日本の道路トンネルとしては一番標高が高い場所なのだそうですが、金精トンネルを抜けて栃木県側へ。
ええ、その前の山道でベラちゃんが飛ばすこと飛ばすこと。
あっという間に乳上運転のダンケ号ですら追いつけないほどの速さで視界から消え去ります。
(ベラちゃん何キロ出してんのよ…)
(ふほほほほほ、400メートルあれば高速道路の制限の3倍近くまで加速するのですよ、この阿部んた…)
ですが、トンネル途中で我々を待ち構えるかのごとく、減速に入っている阿部んたの後ろ姿が見えます。
(この先、竜頭の滝の看板を越えて少し行って中禅寺湖畔に出た辺り、湖観光のための駐車場が道路の両脇に並ぶので要注意なのです…)
(なるほど、あまり派手にぶわんぶわん走れない道になるのね…)
(もう少し山道が続きますので、乳上は下り坂に注意してください…メテオラからカランバカに下るのとあまり差がない道が続きます…)
でまぁ、トンネルを抜けた先も暫くは山道が続くのですが、下り坂ということでダンケ号の方が運転が難しいこともあると。
実際に横で乳上の運転を見ていますと、左手がしょっちゅうハンドル横の棒に伸びています。
そして、かなり早く大きくハンドルを左右に回しています。
ですが、その割に車が大きく揺れたり傾いている印象はありません。
「ダンケ号を運転するコツがあるのです。この車はそもそも大きめなので、早め早めに速度を加減して曲がるようにしているだけなのですよ」
まぁ、乳上は山がちな管轄地域で道を整備してもらったり、それ以前にあの高収入求人仕様ですけど、軽トラを早々と支給してもらっていた立場です。
つまり、痴女皇国関係者かつ現地採用者…痴女皇国世界の出身者としてはかなり早くから自動車の運転を学ばされていた部類ですし、痴女種の高速学習や知識共有能力をフルに活かしてリーゼ姉やジーナかーさんの運転技術を吸収学習していたようです。
「ブダペストに整備工場や運転試験所がある理由、単にマジャールが四方に開け街道が通じているだけではありませんわよ…」
そう、自動車の運用実績多数かつ広範囲の担当区域を任されている東欧支部だからこそ、他支部に先駆けて自動車や運転関係の部署を設けてられていたのです…。
あの反社作戦の当時、痴女皇国に拉致された自動車板金修理工の逆谷さんも、今や離婚したはずの奥さんや子供さんを呼び寄せて再婚し、三河監獄社の現地修理拠点の役職者に任命されてブダペストにお住まいになっているお話も出ていたかと思いますが、自動車…特にダンケ号と、おっさん自動車が製造する類似品の通称ぱちもん号の稼働台数、もはや痴女皇国全体では一千台では利かないそうです。
更に、この手の車が必要な環境にあるNBでも現地生産工場が立ち上がっており、汎用貨物車として売れ行き好調と聞いては呆れる他ありません。
そりゃ、盗まれ2号をポンと寄贈されもしますよねぇ…。
(最近では壊され号も頂いておりますが、やはり荷物が積めるダンケ号の使い勝手には敵いません。中東支部では砂漠の環境が増えますから壊され号の方が向いているようですので、向こうのダンケ号と当支部にあてがわれた壊され号を交換したこともありますわよ)
(マリー先生のところはフランスの道路事情もあるから、さなえ号とか初代雅美さん号のような小さい車を敢えて使うこともあるようですね…)
(はよフランスを侵略制圧して欲しいのですけどね、あそこは下準備が必要だからと…)
でまぁ。
近隣の宿泊施設や日光方面からの観光客らしい車が既にちょこちょこ存在する道路脇の駐車場を横目に、観光地!という印象の中禅寺湖畔を走ると、ベラちゃんの阿部んたが「ここやで」という感じで駐車場への車線に移ってウィンカーを出しています。
で、そのまま奥へ進むと、どうも待ち構えていたらしい警備の人や制服姿の職員の方が「こちらへ」と職員用または来賓用らしい駐車区画に車を誘導して下さいます。
(一般のお客様は栃木県営の駐車場に駐めて少し歩かされるそうなのです…このエレベーター乗り場前に車を駐めさせて頂けるのは若様のご好意なのです…)
というか、その若様ご本人がそこに。
「いや、ちょっと案内に来て欲しいと連絡がありまして」
「ご出勤前にご苦労様です…」
聞けば、官舎から庁舎まで自転車5分なのだそうです…出勤時間。
で、若様の案内で…和風の駅舎めいた建物の中の券売機で切符を買おうとするベラちゃんを制した若様、そのままそのままと改札の中へ私たちを通しておしまいになります。
そして、慣れた手つきでエレベーターのボタンを押すと、2台あるうちの左側のエレベーター扉が開きます。
このエレベーター、なんと1930年から営業しているそうです。
大きさは…そうですね、聖院…そして痴女宮の墓所に存在するエレベーターと箱の形は違いますが、大体同じくらいで定員、30人なのも同じ。
そしてここから100m下に下りたその先にあるトンネル通路を少し歩けば滝の正面に出ることになるとご説明を受けます。
ええ。
展望台から望める、どどどどどと流れ落ちる滝。
有名な光景らしいのですが、とりあえずはその滝をバックに、全員で記念撮影となりました。
若様が撮影役となって、あとで皆に画像を送って下さるとなった後…。
「で、ここからどうやって東京まで帰るのか、ですが」
「リーゼ姉が飛ばしたんだよね、ここまで…」
ええ、ネクタイを締められる前の状態です。
そして一応はダンケ号の最後尾座席を片付けて誰かがそこに避難すれば、若様が乗れなくはありませんが。
「じゃあ、僕の車、マリアさんに送ってもらうようにしますよ」
次の瞬間、はいよとばかりにエレベーターの駅舎前に忽然と現れる黄色い小さな車。
https://twitter.com/725578cc/status/1699804857836953723?s=20
「実は栃木の実家に置いていたものでしてね。元は父や兄の車だったのですが…」
このナンバープレートまで黄色い車、栃木県にも工場が存在する会社の製品だそうですね。
「製造は子会社の狭山または四日市工場だったそうですけどね。ただ、企業自体は栃木にも馴染みがある上に…マリアヴェッラさん」
「マリアンヌちゃん…もてぎチャンネルの撮影場所の茂木サーキット、その自動車メーカーの子会社が運営しているのですよ…栃木県の振興のためということでとちぎメディアと栃木県産業労働観光部が企画した番組に、おっさん自動車とスパナ社が連名で協賛しているのです…」
(毎回毎回、サーキット走行シーンでカメラカーまで映ってて、しかもおっさん自動車のGTRとスパナ社のNSXの2台体制なのもこれが理由なのです…)
(私の時に、カメラカーが撮影対象の車を追い抜いてしまうだけでなく、カメラカーなのにその2台が全力で一周してしまうハプニングもありました。で、次回収録時、そのカメラカーのドライバー氏2名に懺悔をさせるセットが組まれて、本物の懺悔の神様が呼ばれたこともありました…)
あーそれ見ましたよアユさん…神父さん役が司会役のドリフトの人だったんですよね…。
(最初はベラ子陛下に聖母スタイルをしてもらおうという恐ろしい案もあったのですが、流石に倫理的にまずいとなりまして…)
まぁともかく。
いろは坂を若様の車の先導で下る私たちですが、若様のお車って…屋根、開くんですね…。
そしてその小ささに似つかわしくない速さでカーブを抜けて行かれます。
(官舎に持ち込んで品川ナンバーにしてからは、なかなかこの辺りで乗れませんでしたから…)
流石にベラちゃんの車は楽について行ってますけど、ダンケ号では無理ですね。
(降りた辺りで待ってますから慌てずに降りて来て下さい…レオノールさん、サリム君が辛そうなら言って下さいね…)
そう、この中で人間そのものか、人間に近い三半規管の持ち主、なんと若様とサリムくんだけなのです…。
あとは痴女種ですから耐えらえるのです、車酔いを起こすほどの急ハンドル急加速急ブレーキ…。
しかし、さすがにお土産のお菓子にダメージを与えるわけにもいかないと、乳上は比較的大人しく坂を下っています。
(レオノールはまだしも、サリム君とラウシュミにはこうした四季のある地域の光景は貴重な経験となるかも知れませんからね…景色を眺めさせてあげたいのも人情です…)
そう、二人は熱帯生まれの熱帯育ちなのです…。
特に、山があっても低いマドゥラ島で生まれ育ったサリムくん、滝というものがまず、珍しいのです。
第一いろは坂からは幾つもの滝や砂防ダムから流れ落ちる水流が眺められることもあり、目は窓に釘付けになっていますね。
(レオノールせんせぇが是非ヤパンを見ておけと言われた理由がよくわかりました…マドゥラとはあまりにもちがいますし、人がべんきょうしたり修行した結果、こうした道やまちやむらを作るようになるのですね…)
(サリム。ただ…上の湖のほとりの土産物屋でもそうなのですが、何かで縛らないと無計画に街を作ることになりかねません。ああいうお店は必要と言えば必要ですが、かと言ってあれだけの数があると湖の眺めを害していたでしょう。更には、くるまの出入りで道の流れを妨げることになるのはこの私にもわかります。痴女皇国の世界で私たちがやっているのは、人の営みを連邦世界のように自由にしすぎた場合の反省のようなことなのです…)
そう、行きの国道120号線のロードサイド店舗の列もしかり。
欧州にあるような景観規制条例が日本ではまだあまり一般的でないこともあって、街並みの保存よりは商業活動が優先されたような光景を見せて色々と考えさせるのも良いとレオノールさんは思っていたようです。
ええ、レオノールさんも、サリムくんもラウシュミさんも…そして他ならぬ乳上も、痴女皇国世界の出身者です。
それだけに、単純に文明の発展に目をくらまされる事がないようにと、乳上はラウシュミさんとサリムくんに言い聞かせていました。
「サリム、ラウシュミ…確かに、文明の発展による恩恵は目を見張るものがあります。しかし、この連邦世界では痴女皇国世界をはるかに上回る多大な犠牲や徒労の上に、この文明社会が成立した経緯があるのです…。私たちが痴女皇国世界でやっている事は連邦世界の人々からすると無茶なことこの上ない話ばかり。しかし、私たち…ひいてはマリアヴェッラ陛下やマリアリーゼ陛下が推進している事どもは「しなくて良い苦労はしなくて良い」という論拠に基づいているものばかり。彼らのみならず私からしても狂っていると思うことは多々ありますが、しかし論理や倫理よりもまず、種族としての人を存続させるための一点に於いては極めて合理的合目的なのです…」
(そうですね…僕からも一言。痴女皇国世界では基本、死刑をなくす方向だと聞いておりますし、それに痴女皇国が支配しているならば、そこでは殺人などの凶悪犯罪、犯そうにも犯せない状況になると思うのです。これを言うと恐らく、どんな人権派でも口をつぐむと思いますよ)




