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こんにちわ、マリア Je vous salue, Marie  作者: すずめのおやど


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ふたりはビューティー? R15版美少女姉妹ものがたり・3

んで。


その丸沼とかいう湖も同然の美しい池というか沼ですが、ここら一帯を含めて、実は若様こと智秋敬(ちあきたかし)さんのご実家の所有地らしいのです…。


(リーゼ姉曰く「グンマーとトチギーのそれぞれ三分の一は若様の実家所有だぞ…」だそうですわよ…)


で、この沼ではマスの養殖もしていたそうです。


(普通は湖や沼で許可なく養殖はできないんだよ。だけどさ、そこの沼、若様のご実家の所有地の中にあるじゃんか…つまり私有地の中の池で養殖してる上に、研究者を入れて地域産業の振興のために実験してた訳だからな…)


(あ、そこの沼、一部を電力会社に売却した後でダムを造られたとかありましてね。家が保有していた時期とは沼の形が変わってますよ)


などなど、リーゼ姉経由で色々教えて頂く事に。


しかし、この立地を考えると4月から11月末までの営業というのがつくづく惜しい気も。


(冬場は丸沼高原スキー場から先の国道120号線の栃木側…金精(こんせい)道路を中心に冬季通行止めになってしまう事も影響しているのですよ。そのホテルを建設した当時、とてもじゃありませんが冬場の雪を何とかしてまでお客様を受け入れられるものではない、となりまして…)


(丸沼高原スキー場が営業できるくらいに積もるんだぞ、その辺…上高地の帝◯ホテルが冬場に閉めてるのと同じ理由だよ。昭和初期の日本には、ここまでの道を民間で除雪する機械も資金もない…一番手っ取り早いのは鉄道を敷くか馬車走らせるくらいしか手はなかったと思うぞ…)


(そこまでの需要があるかというと難しかったでしょうね…確かに、湯治宿の中には冬場に食料を持ち込んだお客を泊めるような営業形態のところもありました。しかし、そうした場所はあくまでも長期療養のための施設として、宿泊設備は必要最小限ですし、快適かどうかは疑問だったでしょう…)


これ、確かに若様のお話を聞いているだけでも納得出来ますが、伊香保のご実家の旅館と、勅使河原さんのご実家を知っているとなおさら納得出来る話ではあるんです…。


施設としての設備は、今や痴女皇国伊香保保養所となった元・旅館でもそこそこいいセン行ってると思いますけど、その建物を旅館やホテルとして運用するために働いている人を含めれば話は全く別になるでしょう。


この旅館でもそうですけど、ある意味ではプロ中のプロたる仲居さんやフロントの方々、ベッドメイクや客室清掃担当に至るまで、払ったお金に相応しい接客が出来る人物を養成することも考えますと、旅館経営の難しさも見えて来ようというものです。


(そう言えばシーツや寝具、ファインテックのリネン管理システムで洗濯できるようにしようかって話をしたことあったよね、若様)


(あれ本当に有り難い話だったんですが、いきなりそれを推進すると、リネン業者とのお付き合いの問題が出るのですよ、実家的に…)


そう、若様のご実家の格からすると、その業者さんとの取引を切るのは地域に対する一種の不義理になりかねないのだそうです。


で、我々は湖のボート遊びをしておりますが、その一方でベラちゃんと乳上はホテル周辺のロケに。


その間、私とスザンヌがレオノールさんご一家とアユさんの接待役、という訳です。


▲=森、△=草地、□=空地、■=建物、◇=丸沼


▲▲▲▲▲▲▲▲||▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲

▲▲▲▲▲▲▲▲||▲--- 丸沼高原▲▲

▲▲▲▲▲▲▲▲|||駐車場|湖畔荘本館他

痴女皇国専用▲▲|||駐車場|■■■■■■

湖畔荘別館&別荘||■蕎麦屋  |△△△△

△■■△▲▲▲▲||| 駐車場  ----

△△△△▲▲▲▲|| --  ------

-※- ▲▲▲▲||□□||□国道120号→

◇※◇|▲▲▲======←森の中を別館へ

◇◇◇|▲▲▲▲||□ボート置き場□□□□

◇◇◇ ----↑小川---------

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

◇◇◇◇  丸     沼  ◇◇◇◇◇

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


※=スケアクロウ接岸用桟橋


で、この丸沼、電力会社と若様のご実家のグループ会社所有地内の湖ですから、許可なく湖岸に接近する以前に近づける場所すら限定されています。


つまり、ジェットスキーやボートの類を丸沼に持ち込むためにはヘリか何かで空輸するか、電力会社の発電所敷地内またはこのホテル前の砂浜に牽引車を乗り入れて降ろさないと浮かべることすら不可能なのです。


(ただ、マリアさんのリクエストで、スケアクロウだけは黙認です。どこぞ地図よりも別館前の入江が深くされていますが、これは本館の方からスケアクロウが森と岬に隠れるようにしている配慮でこうされたと聞いています)


ええ、エマちゃんがその、別館付近の地形を若干いじったり、スケアクロウが水上機状態で桟橋に接岸できる深さに辺りを浚渫したり…あの飛行機で直接、この別館に来ることも出来るようにはされています。


(実は若様とホテルの支配人さん以外に、リーゼ姉がこの別館の鍵を持ってるのは内緒で…ただ、清掃はホテルに委託してるから使用後は連絡しないとダメらしいんだけどね)


そして、スケアクロウで来れるようにした理由…。


なんとこの別館、痴女皇国関係者の完全な専用だけではなく、ロイヤルなご利用も想定しているようなのです…。


(むろんお忍びです。スケアクロウなら夜陰に乗じて、無音でこの丸沼に着水して密かにあの神聖不犯でおかみ様の子孫の兼業農家ご夫妻または奥様をご案内できるのです…)


ベラちゃん、まさか今回、そのご夫婦までもが来ないわよねっ。


(さすがに今回は撮影が目的ですからね。あと、冬季でも別荘だけを利用可能なようにとのマリアさんの配慮です。転送してもらうかスケアクロウでないと行けませんけどね、ははは)


(普通の水上機では丸沼と大沼の長さが短いので着水も離水も困難ですね。スケアクロウ以外だと自衛軍の救難飛行艇または着水可能なヘリコプターまたはVTOL機かTAPPSでないと厳しいです…これもあのご一家や若様ご夫婦のプライバシーを守るためなのです…)


(うちらのプライバシーは)


(痴女種なら自分で守れるでしょうっ。本当ならあそこの周りの林、全て効果淫か絶林檎に植え替えようかという話もあったのですよっ)


(ベラちゃん、それさすがにやめとこうよ…)


それはそうと、私とスザンヌとアユさん、それからレオノールさんご一家の乗ったボートですが、電動機のついたレンタルボートをお借りしています。


(釣り客向けの貸しボートをやっているんですよ…ただ、別館付近は禁漁区設定をしていますから。あそこに近づくととんでもなく大きな音で警報が鳴るような仕掛け、マリアさんがつけていますよ)


(あと光学偽装で別館と別荘を隠してる。それに警報を我慢して桟橋にボートを着けたところで、今度はめじぇど君がうろうろしてるからな…)


ああ、あの無人警備機を置いてるのね…。


しかし、サリム君が操船しているようですが、とにかく彼にしてみれば珍しい物事だらけなようです。


それとレオノールさんには、サリム君に関する懸念があるようです。


(トキーオへの興味があまりないようなのです…とにかく、人の多い都会だというだけで片付けているのですよ…むしろ、この(ラーグ)で獲れる魚や、このあたりの自然に興味があるようで…)


ああ、視察旅行名目ですから、レオノールさんにしてみれば日本の街並みや人々に対して知的好奇心をかきたてられて欲しいのでしょう。


(ただ、あたしの感じたことですけどね、サリム君ってずっとスメネプだったんですよね)


(そう…ですね。いわゆるきちんとした街で住んだのはオラニエスタット…キュラソーが最初です)


(ねぇスザンヌ、どっちかっちゅーと田舎のネズミと町のネズミとの違いに思えないかな、サリム君の思考)


(ですわねぇ。そりゃ、スメネプ以上に人だらけ建物だらけ。面食らうのも無理はありませんわ。しかし…レオノール様にあえて申し上げるなら、サリム君には無理からに東京慣れさせずともいいと思うのですわよ)


(そーよね…レオノールさんなら、将来はキュラソー以外の赴任も考えられなくもないし、都会慣れしておく必要はあると思います。でも、サリム君は船乗り志望でしょう。おまけに今いるキュラソーも、カリブ海沿岸の寄港地もおおむねは自然豊かな場所じゃないですか)


(なるほど…お二方の申されたい事がなんとなく。付け加えると、サリムは痴女皇国世界ではまず、自分達が食べるものを自分で調達することが基本の家に生まれた子ですからね…食べ物とは「買うものだ」というより「獲るもの」だというのが根底にあると思います…この子の自然への興味はまず、そこが出発点ではないかと)


ああ…貨幣経済慣れしてませんよね…。


(ですからマリアリーゼ陛下がスメネプ他でやっている「こんびに駄菓子屋」やえろほん自販機。あれ、実のところは金銭で得るものがあるという概念を彼の地に植え付ける高尚な目的もあるでしょう。サリムたち、スメネプの子供にしても、あの自販機と駄菓子屋の存在によって金銭を持つことの意味を知ったことは大きな進歩だと思っています)


(確かに、あの町で手に入らないものが置かれていたのはなんとなくわかりますわね。わたくしたちがスメネプにお邪魔したときはおみせは閉まっておりましたけど、リーゼ姉があれ置こうこれ置こうとか考えていたりした結果があれかと、おみせのなかを痴女種視覚でちらっと覗いてなっとくはいたしました)


(ただ…あそこで売られていた快感王を使ったお菓子の原料の生産に関わるとは夢にも思っておりませんでしたけどねぇ…)


(お茶売るなら普通のお茶置いてやれよって思いましたよ…効果(こか)茶売るかとか…)


(それを言うなら漁師町の食堂も、汁物にはインポタケをお出汁に…)


そう、漁師の皆様は日中に出漁するだけではありません。


従来は各家庭で食事を作っておられたのですが、ここで問題になったのが奥様方の慈母寺アルバイト徴発。


農夫の方々とはまた違う生活サイクルで暮らす漁師の皆様の奥様方に、慈母寺のお手伝いをお願いしても百姓村とは噛み合わない時間帯になってしまうのです…。


それに、奥様方の負担を和らげるためもあって、漁師町では寺営食堂をやっているというのもマルハレータちゃんとレオノールさんから聞かされていましたし。


では、二人の娘さんのラウシュミさんはどうなのでしょ。


日本を、そして東京を見て何か思うことは。


(まず、ここは涼しいのが信じられませんでしたね…私が普通の人間の女だったら絶対に寒いって言ってたと思います)


あー…確かに、ストラスブールで採用されたレオノールさんはともかく、サリム君もラウシュミさんも熱帯生まれの熱帯育ち。


で、この丸沼湖畔一帯、平地よりは確実に涼しいのです。


どのくらい涼しいか。


ホテル湖畔荘の客室、冷房が備わっていないそうです…。


(夏でも夜は15度から17度です。ですから窓を開ければ涼しい風が入ってくるのですよ…網戸は閉めて頂きませんと虫が入ってきますけどね)


(痴女島の智秋記念牧場より涼しい環境だとは…)


(あそこでも夏の夜は20度以上ありますわよ…)


ただ、私としては…もっとド田舎がまだまだ多数の土地を知ってますからね…。


ええ、他ならぬNBがそうです。


このお話でアメリカ合衆国のことがあまり取り上げられていない理由の一つなのですが、あそこに移民した人もそれなりにいるのです…アメリカからも。


ただ、アメリカに輪をかけて自然が残っている環境下ですし、テラフォーミングの必要性のある大陸などもまだまだ多いのです。


ですから、はっきり言えば日本のこの群馬県ですら都会に思える光景、向こうでは決して珍しいものでもないのですよ…。


(そのNBに何年か赴任してフレデリック君と仲良くして子作りしろとか言われている件で、あたしは鬱なんだけど)


(マリアンヌ…こればかりはこうたい出来ませんわよ…ルルドで言われておりましたでしょ…あたくしはあたくしで、れんぽう世界にいなくてはならない期間が存在するのですから…)

https://ncode.syosetu.com/n6615gx/60/


で、私は本来、スザンヌと違って「どこでもいい」とは言われてます。


ただ…フレデリック・ワーズワースという少年と、子作りだけはしろ。


これ、リーゼ姉から厳命されとるのです。


で、その作業のためには最低1回はNBに行く必要があります。


そして、行ったら行ったではい戻りますとは言えない状況、おそらく待ち構えているのです…。


(マリアンヌ様も色々とおありなのですね…)


(まぁ、なんの事情もなく生きてる人間はいないと思いますよ…)


(マリアンヌ…ましてやあたくしもあなたも、そしてレオノールさんご一家も、それなりの数の人々の運命を左右する存在ですわよ…ひとさまの生き方にえいきょうを与える運命なのをいい加減自覚)


(スザンヌとちごて、できればあたしは普通の女として生きたいんじゃっ)


ええそうですよ。


前にも申しましたが、痴女皇国で無理からに天下を取ったとしても300年ほど経過すれば「重大な責任」がのしかかって来ますし、その時にスザンヌと私が生きているならば、絶対確実に痴女種または痴女皇国の要職を押し付けられているのは確実でしょう。


要は、その時に()()()()()()、私もスザンヌも責任重大なことに晒されるのです。


そして、これ…痴女皇国の全員が逃げられない話なのですよね…。


(ただ、その時に先立って自分じしんを成長させておくひつようはございますわよっ)


スザンヌは真面目ではないのですが、こういう時に気負いますからねぇ…。


ただまぁ、ここな柳瀬鮎さん。


この方まではそれに巻き込むべきか。


普通の女性として人生終わってもええんちゃうん、という方もいらっしゃいますしねぇ。


だからもしかすると、痴女皇国としては「その時」を前に役職や人員を整理しているかも知れません。


(それこそ、皆にはないしょの話ですわよっ)


へいへい。


などと話しておりますと、夕食の支度が出来たとの連絡、ベラちゃんから入ります。


(この辺のてんかいはR18版とR15ばんで変わるかのうせいがあるそーですわよっ)


(レオノールさんたちも、とりあえずはボートを返却して大沼亭に来てくださいね…)


----


んで、山菜や猪だの鹿肉のジビエだの鮎にマスにと山の幸の和食、ホテルの大部屋で頂きます。


ええ、飲酒組がポン酒の魔力に負けていました。


あんたら撮影あんのに、ええんかい…。


(谷川や尾瀬の水で仕込んだ地酒、結構揃えてるんですよねぇ…僕の実家にも送ってもらっていますけど)


(そう言えば若様のご実家って、東京にもお屋敷があるんですね…)


(そうそう、知った時びっくりしたわよ。ベラちゃんも本郷キャンパス通う時は近いんじゃないかしら)


(それはマリアンヌちゃんとスザンヌちゃんもでしょ…)


(お嬢様大学行かせてくれーっ)


(マリアンヌ、それ言い出すとえぬびー送りか英国行きにされますわよ…)


ええそうなのです、私ら、あそこ大学行けとか言われとるのです。


で、あそこの駒場は池尻大橋に近いからいいのですが、本郷、少し遠いんですよね…。


(お二人とも…もし、受験する時にもその手の学校に通学したいご希望をお持ちならば…そうですね、なんなら妻の出た学校、あそこにお通いになりますか?)


え。


それ、アユさんが今通っている、あのロイヤル系大学…。


(ええもちろん。マリアさんには僕から話しておきますよ?)

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