学校のまりあさん…マリアンヌのとりかえばや物語・3
で。
ここからは語り手を交代しろというお話ですので、私ことレオノールがちょっとだけ。
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さて、私にとっては懐かしい場所であるここ…南洋王国こと痴女皇国南洋広域行政局マドゥラ県マドゥラ島の東の端にあるスメネプの町。
今や、陸側の旧・スメネプ王都を開発して大規模な農場と街を切り開いている最中ですが、この岬の付け根の港町は相変わらずといった雰囲気です。
そして、駄菓子屋や港町初等部学舎に慈母寺…それと、エロ本自販機も相変わらずでした…。
百姓村慈母寺・村・田畑(漁師町からも行けます)
↑マルハ社宅(当時)→漁師町集落
↓ エロ本自販機↓
● ↓水練場 ●◇◇◇
□□□□ ■■■■ □港町□◇
□雑貨□ □学舎□ □慈母寺◇
駄菓子屋 □□□□ □□□□◇
↓スメネプ港・子供鉄道貨物駅
で、なぜ相変わらずとわかったのか。
田中内務局長の運転するダンケ号と、青い装甲車は当時、マルハレータ様がヤドカリ号と称する移動住宅を駐車していた駄菓子屋の裏手に現れたからです。
ここに現れると、否応なくエロ本自販機の光が目に入るのです。要は、夜の駄菓子屋裏手、それくらい暗いのです…。
で、あまりに暗いということで、学舎職員でもある教え子のアンジャニと現在の港町慈母寺の住職のジタが3つの建物の灯りをつけてくれました…。
Anjani アンジャニ Thousand Suction(Limited Ten Suction)千人卒(限定十人卒) Slut Visual 痴女外観Orange rosy kinghts. Mother budda denomination, Imperial of Temptress. 橙騎士団 education nun, Sumenep Mother budda temple, South ocean administrative bureau. Imperial of Temptress. スメネプ慈母寺教育担当職員
Gita ジタ Thousand Suction(Limited Ten Suction)千人卒(限定十人卒) Slut Visual 痴女外観Orange rosy kinghts. Mother budda denomination, Imperial of Temptress. 橙騎士団 Temple chief nun, Sumenep Mother budda temple, South ocean administrative bureau. Imperial of Temptress. スメネプ慈母寺住職
Nabira ナビラ Thousand Suction(Limited Ten Suction)千人卒(限定十人卒) Slut Visual 痴女外観Orange rosy kinghts. Mother budda denomination, Imperial of Temptress. 橙騎士団 Temple sub chief nun, Sumenep Mother budda temple, South ocean administrative bureau. Imperial of Temptress. スメネプ慈母寺副住職
そして、私の担当期に同じく女生徒だったジタとナビラ、男子生徒のリキとヘンドリが姿を見せてくれます。
「レオノール先生、何か大出世されたようで…」
「おめでとうございます…」
「サリムは相変わらずっちゅう感じだけどさぁ」
「おかげさまで私たちも慈母寺に職を得ることができまして…」
「こちらがサリムとの間の娘さんですか。先生にはお世話になりました」
などなど挨拶を交わしております。
「で…事もあろうに聖母教会の聖母様のお子様のご学友に無礼を働いたっちゅう不届者がおるとか」
「事情はアンジャニが教えてくれましたけど、これチャロックものですね、出来ればの話ですが」
「あたい…いやわたしにも、チャロックしかないよねぇって感じですけど」
「たださジタ、従来のチャロックだと死んじゃうからね、下手すりゃ…新しい方がいいんじゃない?ちょうどこいつら全員女だしさぁ」
「そうだよねぇ。とりあえずうちの寺だと在庫10本しかないんだけど、まぁ6人だってぇから足りるでしょ」
ええ、今から何をやるのかお分かりでしょうか。
実はこのマドゥラ島の出身者であるマドゥラ族、かつては復讐が合法だった時代があるのです。
しかし、その方法が極めて野蛮で危険であるとされ、痴女皇国が南洋王国を実質的に吸収して本格統治に乗り出した辺りで禁止されてしまったのです。
理由は…この湾曲したチャロックというマドゥラ族に伝わる独特の短刀を用いた決闘となるからです。
https://twitter.com/725578cc/status/1695678441558073791?s=20
そして、このチャロックを使った実力裁定行為もチャロックと呼ばれており、犯罪や名誉毀損の事実があったとされた場合は立会人を立てて名誉の回復を望むとされました。
ただですねぇ…仮に強盗殺人でもやらかしたとしましょうか。
その犯人は、遺族や死者に恩を受けた者たち、複数に囲まれることが殆どだったのですよ…。
もちろん、囲む側は全員、チャロックを手にしています。
つまりこの時点で犯人が生き残れる確率は極めて低いのです。
(命乞いしてもダメですね、戦って勝つしかありませんから)
とは、この風習を知る夫のサリムの弁。
ただ…聖院の不殺の掟と真っ向衝突することもあり、マルハレータ様とジョスリーヌ様が実施されたマドゥラ平定作戦の際、このチャロックは男子成人の証として刃を不斬処置した場合には家に飾ってよしとされ、普段の携帯を禁じられたのです。
ただしマドゥラに代々伝わる伝統の風習でもあり、慈母寺はもとより南洋行政局関係者、事あるごとに何とかならないかとマドゥラ出身者から言われることもあって、代替手段が考えられました。
で、先ほど申し上げましたマドゥラ平定作戦の際、鬼細胞製剤によってマドゥラ島住民は一旦、一人残らず若く美しい女に変えられてしまった事が事態解決の契機となりました。
「要はあれやん、名誉を損ねられたと思ったらチャロック抜くんやろ。それやったら名誉を回復するための道具にチャロックを使ったらどないやねん」
これは、その風習を知った初代聖母ジーナ様の発言です。
連邦世界の諸民族の風習、特に日本のサムライの名誉を重視する伝統をご存じだった初代聖母様の提案により、マドゥラに関わる…いえ、南洋行政局所属騎士または騎士資格者には、この名誉回復裁定に用いる特殊なチャロックを支給することで決着が図られました。
即ち、名誉を損なわれたとする者は最寄りの慈母寺に訴え出るべし。
そして慈母寺の尼僧も、突き詰めれば痴女皇国の痴女種女官です。
請願者の記憶を遡り、関係者からも証言の代わりに記憶を引き出す事が可能です。
そして請願者に理があると為された場合、通常の犯罪処理に加えて、被害者による、件の新型特殊チャロック使用が認められたのです。
そしてこの特殊チャロックを使用した新しいレグラに基づくチャロック儀式、日時を定めて公開で管轄慈母寺境内にて行われることとされました。
で、この特殊チャロックですが、実は私もサリムも、そして娘のラウシュミも携帯しております。
と申しますのも、聖院時代から問題になっております、いわゆる「ち○○剣」。
そう、剣の柄が勃起状態の男性そのものであるあれです。
あれは現在、剣に代わっての警務騎士通常時制式武装兼捕縛器具とされているはりせんムチの柄にも採用されています。
そして私を含めて、全員がこれやめようよと過去に何度も何度も何度も幾度も幾度も請願が繰り返されたのですが、しつこくこれのままという代物です。
しかし、主武装たるはりせんや剣で、この柄を想定された用途で使うと、騎士からは携帯する武装が存在しなくなるという問題も出ておりました。
それ故に何度も請願が出ていたのですが、そこで脚光を浴びたのがこの、チャロック。
このチャロックの柄を○○ぽ柄にして、騎士の副装備として携帯させるのはどうかという提案がありました。
この際、チャロックはその構造上、元来は頑丈な革の鞘に収めて携帯する事となっていたのが有利に働きました。
即ち、痴女皇国騎士の正規副武装または女官の隠し装備として採用された女官向けチャロック、なんと使い方が「普通の短刀としてのチャロックとは真逆」になってしまったのです…。
ええ、ここまで申し上げれば、その新型チャロックをどのようにして名誉回復に用いるのか、お分かりでしょう…。
(よう考えたらうち、南洋王国にはあまりご縁がなかったんですよねぇ…)
(黒薔薇騎士を大量に派遣してたから、ダリアが来るっての建国時のクーデターの時くらいで済んでたんじゃなかったっけ?)
(まぁ、仕事で来るような事がない平和な村やというのはわかりますわ…)
(あと3時間もすれば、操業していた漁船が帰って来ますよ。それから賑わいます)
(ああ、さかな号の発車時間に間に合わせるために大忙しですものね…)
(先生、今、牛列車は上から出してるんですよ…上にも駅が出来まして…)
ええ、アンジャニが示すのは旧・王都街。
お読みの皆様にわかりやすく申し上げますと、にゅーたうん。
これで状況をご理解頂けるそうですが…。
ともかく、慈母寺の裏口から、その緑色の死体袋とやらを担ぎ入れて地下の牢屋を兼ねる礼拝室に入れてしまう我々です。
この地下室、慈母寺を建てるとほぼ必ず設けられます。
どうしても地下室が作れない場合は、代替の別院堂が設けられます。
(慈母寺の職員は警務騎士…警官も兼ねますからね…)
(漁師町は気の荒いのが多いんで、ナビラもち○○持ちにされたんですよ…ただ今回、それが幸いしましたね…)
まぁ、田中局長やダリア統括団長、それにアンヌマリー様やスザンヌ様もいたので、さくさくと死体袋は地下への搬入、終わってしまいます。
(場所を借りるのですから我々でやってしまわないと…)
(姦淫椅子、足りますかね)
(もし足らない場合ははりせんムチで代用しまひょ…)
ええ、不穏な発言が皆から出る出る。
(いや、ここはあたいらに任せてはもらえませんか)
む。
(確かにチャロック自体は禁止されましたけど、わっちらの頭の中ですと「これはチャロックを抜く話なのか」と言う基準でものごと考える方が楽なんですわ)
(どうもお聞きするだに、このサクミさんとかいうお方がですね、仮にこの港町からパメカサンに学校変わるようなことをしたくらいで何を言うておるのかとゆう話に聞こえるのですが)
(私塾と申すのですか、かねを取って教え子を集めているのなら、教え子が集まるようなことを教えるのはもちろん、人様にばつを受けるようなことをするのもいかがなもんか)
(更にはこいつら、かねで学位を買うようなことをしていたのではという話もあるようやないですか)
ええ、サリム以外のマドゥラ族の五人は、チャーロック、チャーロックと掛け声を始めかねない有様です。
そして、残りのサリムも「せんせぇ…縛るのは強い人にやってもらう方が無駄がないと思いますけど、そこから先は…今、慈母寺勤めで一番えらいマドゥラのものはアンジャニですよね」
つまり、サリムはこの裁定、アンジャニに任せるべきだと言っております。
で、裁定の場が用意されました。
「さて…このチャロックの場を取り仕切らせて頂きます、スメネプ慈母寺の僧侶アンジャニと申します。で、ここに無理やり連れて来られたかのようにお思いの方もいらっしゃいますが…タナカ様。こちらの方々ですね、例えばマユミ・キシタさんですか。今、お住まいの場所におられるようなのですが…」
「そうですね。ちょっとお宅を拝見してみましょう」
で、普段はカーティカやアニサ様が遠隔説法をする際にその姿が映し出される壁の板に灯りが灯り、何かの光景が映し出されます。
瞬間、縛られ口を封じられているそのマユミとかいう少女、身をよじって叫ぼうとします。
そう…そこには、マユミとやらと瓜二つの女が、家族と談笑しているらしい姿が映されていたのです…。
「ふむ。ご在宅のようですね。では、レイコ・ノフタさん…それからアケミ・シラカワさんも…」
ええ、同様に画面に映ったものに口やかましく喚こうとします。
「ヨシコ・サンキさん、タツコ・モリカワさん…おや、キョウコ・カワさんはニホンではない場所においでと…ではタナカ様、ダリア団長、この方々は一体どこのどなた様でいらっしゃいますか」
「まぁ、どこの誰とも知らない女の子たち…って事になってしまうわねぇ…ふふふ」
「一応、うちの聖環は日本の警察の方にある程度準拠した動かし方もできるらしいので、ちょっと身元を照合しますよ。見ていてくださいね…」と、ダリア様が聖環を嵌めた手首を、マユミの目に近づけます。
「これは虹彩パターン言うんですか、身元を確認するための情報の一つで、同じもんはないに等しいそうですね…で、結果ですけどな…」
ぴぴーっという、明らかに何かの異常があったとしか思えない音、ダリア様の聖環から響き渡ります。
「あらぁ、木下さんじゃないどころか、UNKNOWN…つまり、身元を照合しても結果が返らない…つまり、あなたは連邦世界では登録されていない未知の人ってことになってしまっているわね?どうしたらいいと思う?」
と、意地悪く聞かれるマリアンヌ様。
「で、木下さん以外にも言うときますよ。皆さんの血液型や指紋、虹彩はもとより…遺伝子も木下さんなら木下真由美さんではない、誰が産んだかも不明などこかの誰かという判定になるんですわ、連邦世界のどんな特定手段を使っても…ほら、ご自身の顔、見てみなはれ」
そして、いつの間にか用意された鏡がこやつらに向けられます。
ええ、口を封じていなかったら6人全員が、絶叫していたでしょう。
(私は!私はどうなの?)
(えええええ!なんでよ!なんでなの!)
(ここはどこよ!なんか東南アジアっぽい連中ばっかりだし!誘拐されたの?)
「そうね…木下さん他…あなたたちはもう、日本に戻っても「どこの誰でもない人」なのよ…そんな不審者、普通に社会で暮らせると思う?」
静かに、口を開くサクミさん。
(吉田!吉田かあんた!)
(朔実が何でこんなとこいるのよ!)
「はーいお静かに〜。今から種明かしをして差し上げます、元・先輩方。こないだまで初等にいた高木マリアンヌと」
「わたくし、高木スザンヌが首謀者でしてよ。ほほほ」
「でまぁ、ここな吉田朔実さんの実妹の吉田遼子さんの頼みで、皆様の行状や身元を洗わせて頂きました結果ですねぇ…朔実さんへのいじめや嫌がらせの実態、ありましたんで」
「という訳で、わたくしども痴女皇国の協力者のご親族に害を為して頂くとですね、わたくしたちはひっじょーに困るわけでございますのよ」
と、まだ小さい子供のようなお姿で現れる、マリアンヌ様とスザンヌ様。
「おや、このようなガキにとか」
「はぁ、仕方ありませんわね、マリアンヌ」
瞬間、二人の姿が変わります。
確実に、今捕まっている女たちよりは年上の姿に。
更には、吉田朔実さんと遼子さんまでもが成長した姿になっておしまいに…更に、そのい姿は…ええ、茸島であれば聖隷騎士団院がこれに近いものを着用していますし、本宮勤務経験者ならばそのものを稀に見るのです…離宮と本宮上部の警備騎士である、白薔薇騎士団の制服。
そして、スザンヌ様が着ているのは…。
(聖院白金衣。このおかげでマリアンヌや他の女官に対してあたくしの力を全て貸し与える事も可能でしてよ。これを長時間着て、このように人様の見た目を操ることが可能なのも聖院金衣の力の証でしてよ)
ええ。まばゆい白地に金色の…豪勢そうな衣装で、田中様の装いとは対を為しそうなお姿です。
「でね。どこの誰かわからないあなたたちに、身分を与える方法が二つあります。まず一つ目は、吉田朔実さんに謝って頂くこと。できますか…一人づつ、会話が出来るようにしてあげます」
黒髪から金髪に変わり、これまた金色の装束をまとわれたマリアンヌ様が申されます。
(はい、まず木下さん。どうぞ)
(なんであたしがこうなってんのよ!)
次の瞬間、田中様のはりせんムチが飛びます。
ばん、と音がして倒れるマユミとやら。
(はい、まず木下真由美はダメ。ジタさん、この子今から痴女皇国適合処理するための下処理をするから、その後でこれお願い)と、橙騎士団騎士服に着替えたジタの腰の新型チャロックに意識を向ける田中局長。
そして、マリアンヌ様の服が少し光ると、手も触れていないのにマユミが全裸になってしまいます。
(ひいいいい!)
(なんでこんなことできんの!)
(理屈をあんたらに説明してもわからんでしょ。はい、裸じゃかわいそうだから服貸してあげる)
で、今度は黄色いひと繋がりの服を無理からに着せられてしまう、マユミ。
その服には白い文字がいくつも書かれています。
(一応、高校1年生なら「Livestock Pig」って書かれてたらわかるわよね?その服がどういう意味か)
(え…家畜…豚?)
(サリム、ラウシュミ…これは痴女皇国の痴女宮本宮で仮にこのマユミたちのような女が収監されると与えられる豚服というもの。ちょど良いでしょう。ジタにナビラ、この慈母寺の保管聖環、人数分の在庫はありますか)
(はいレオノール先生)と、ナビラが予備品の聖環を6本、見せてくれます。
(んじゃあたしが装着してしまいまっしょー)で、田中様が聖環をパチパチっとマユミの腕につけるついでに、今までマユミがしていた腕輪を外そうとなさいますが。
(あたしの時計返せよ!)
(何であんたにそんな事する権利があんのよ!)
(あるからやってるに決まっておりますわよ、マリアンヌ)
(ついでに見せてもらえばいいのよ。そのメディアウォッチ、今、役に立ってんのかな)
(ですわよねぇ、どれどれ…ええ、ばりばりにけんがい表示ですわね)
(ちなみにあたしの聖環をメディアウォッチモードにすると…はいどうぞ木下センパイ、バリ4っすね、アンテナ)
ええ、マリアンヌ様がご自身の聖環を見せておられますが。
「でね、この方…ご存知でしょうか」
浮き上がる画面に出たのは…白人の男性。
で、その男性と流暢なフランス語でお話しになる田中局長。
「ポワカール閣下、夜分恐れ入ります。この未成年少女たちは自分が日本人の誰それであると主張していますが、こちらでの調査の結果、普通に日本国内または海外での所在が確認されたのですが…で、生体データを参照しましたところ、毎度毎度の所在不明者なのですよ…」
『やぁマダム・タナカ。大変申し訳ないが、その少女たちが主張している氏名や住所、私ども連邦政府の日本支局に所在する高等法務事務所に難民申請者としてお送り願いたい。日本政府が調査してくれるだろう』
「ほほほ、かしこまりました…ところで娘さん達の研修もお進みの様子ですが」
『何分にも彼女達は元は共和国の一般市民だ。そちらの世界に行った際にはお手柔らかに願いますよ』
「承知いたしました。お手数をおかけしました、お休みなさいませ…」
そして切れる通話。
「で、さっきお話したのはミシェル・ポワカール連邦政府事務局長閣下。教科書に載ってるかどうかはともかく、少なくともニュース配信とかちゃんと見てたら絶対に一度くらいは顔を見たことがあるはずよ…」
「まぁとりあえず皆さんの主張される住所氏名は連邦政府に送って身元照会をしてもらうとして…真由美さん、あなた、今、身体を動かせるかどうかやってみなさい」
寝転がったままのマユミに冷たく告げる田中局長。
「まぁ、罪環モードで動いてたら、そりゃ束縛されますわな。えーと、サリムくんとアンジャニさん、この真由美さんについては罪を認める気がないっちゅうことで…ボロブドゥール送りの下仕込み、お願いしますわ」
と、ご自身も携帯しておられる太腿部の帯に収まったチャロックを示されるダリア様。
「そうねダリアさん。私たちの言う通りにお返事してくれない場合、どうなるか見せておくべきよね」
ええ、隅の姦淫台に自ら跨るマユミ。
(やめてぇっ!身体が勝手に動くの!助けて!)
(ならさっき聞いた時に、あたくしたちが求めている答えを返されるべきでしたわね)
やがて、ぎゃあああああという絶叫が地下室に響き渡ります。
その様子は未成年の皆様に見せられるものではないそうですが…。
「さて、次は野夫田麗子さんにお聞きしましょう。朔実さんに謝れますか」
(証拠もないもん、謝れる訳あらへんやないの!)
「おやおや、証拠が必要とおっしゃられる」
「ダリアさん、雅美さん…お願いしますわ」
「へいへい。相も変わらずこの手の処理で引導を渡すのは面倒ですわなぁ…」
「まぁ普通は信じないわよね、あたしたちが過去に遡って調べをつけられるの」
で、そこには…板とやらにいじめの内容をぼかして打ち込み、どこかに指示を送っているらしいマユミと…それを見て音声で会話しているらしきレイコの姿が。
『まぁ朔実の家ならヒロキが近いからさ、駅から家までの間にツレと一緒に後つけてもらうだけでええやん』
「隙があったら拉致るんは頼んどく?」
『アシつかねー車があったらやってもらう程度でええんちゃうん。父さんとこの会社の店で使ってるサクラの男の子らでその辺詳しいのおったはずやから、ウチも聞いといちゃるわ』
「とまぁこのように、付きまといと拉致の教唆をしておいで。さて、野方宏樹くんでしたっけ、その悪だくみのお相手…」
「あらマリアンヌ、さっき何かニュースが流れて来ましたわよ」
「本当ねスザンヌ…雅美さん、これ、そこの画面に出すこと出来ます?」
「はいはい…あー、崇徳上皇陛下の受け持ちにするっての、これかぁ」
そこには、ニホンジンの若い男の顔写真と、何が起きたかを教える文字が。
『復興ミナミの惨劇・薬物中毒者か?』
『26日午前1時過ぎ、大阪市新中央区心斎橋1丁目の路上で乱闘騒ぎが発生しているとの連絡があり、駆けつけた大阪府警南警察署の署員が路上に倒れている若者たちを発見しましたが、全員が心肺停止状態でした。倒れていたのは住所不定の無職・野方宏樹さん(25)他、野方さんと交流のあった20歳代の男性とみられています。野方さんからは薬物反応も見つかっており、違法薬物の過剰使用によって心身異常を来たしたものと警察は見ており、事件と事故の双方から捜査を進めています』
「あらあらご愁傷様…大変なことになったものですわね、マリアンヌ」
「白いもんをやるからよ、スザンヌ…」
「うちの国が効果淫撒いてるからって、何か怪しい合成系を使ったみたいねぇ…」
「ちなみにお車の提供をお願いしようとした方ですけど」
『乗用車同士の正面衝突・大阪府柏原市』
『25日午後11時20分ごろ、大阪府柏原市の国道25号線で乗用車同士が正面衝突する事故が発生しました。目撃者によりますと対向車線にはみ出したミニバンが大阪方面へ走行していた乗用車に正面衝突したとのことです。この事故でミニバンと乗用車の運転者2名が病院に運ばれましたが、ミニバンを運転していた大阪府八尾市の男性・八木良一さん(24)は心肺停止の状態だということです。警察では、見通しの悪いカーブで八木さんが先行する車を追い越すために対向車線にはみ出したとみて、事故車両の前後を走行していた車からの映像やロードカメラの映像、走行記録などを元に捜査を進めています』
「バリッバリに厄年ね…」
「雅美さん…絶対これ、聖子さんか兵衛佐局さんが大ハッスルしてるわよ…」
(それ宮法印。うちの新人で朕の寵妃の一人で村上源氏の出で三河守してた奴の娘)
(顕仁陛下…もう少し、記事にならない程度に…)
(これでも抑えたと申しておるぞ…やこうばすとやらに当てたかったようじゃが)
(やめてくださいおねがいします)
(絶対巻き添えで10人は○すつもりだったわね…)
で、私にも何となく「何が起きたか」は理解できますので、マドゥラの出の子たちにも心話で説明しておきます。
(要は田中様やマリアンヌ様・スザンヌ様のお知り合いに元・ニホンの皇帝でしたが無念の死を遂げてペナンガランやポンティアナックを遥かに上回る大怨霊と化した人物がいらっしゃるのよ。で、あまりに怨念が壮絶なのと生前の地位が影響して、ニホンでは悪神として封印されておられます)
(退治はむずかしそうですね…)
(こええええニホンこええええ)
ええ、マドゥラの子たちは、それなりにこの界隈の悪霊伝承を語り継がれて知っています。
おまけに、不審な死に方をしているのは文字からも読み取ってくれています。
(これこれ童ども、朕もなりとうて祟り神になった訳ではないのだぞ…それに、理不尽な恨みを抱くばかりでは朕も神扱いされておらぬ…で、そこな娘ども…自分が正しいと思うならばその正しさを貫いてみるのも生き方じゃ…ただ、まともな死に方は出来ぬし、死んでもその怨念が人一倍強くなければ朕のようにはなれぬ…ではな)
…一瞬だけ、壮絶な怨念の気配がしたのですが、マリアンヌ様もスザンヌ様も平然としたものです。
(レオノールさん…あの崇徳上皇陛下の部下の方と、既にお会いしてますよ、池尻大橋で…阿波内侍さんがその人です…)
えええええ…そう言えば確かに、痴女種のステータスも存在しない方だと…。
でまぁ、既に二人が新しいチャロックの儀式の餌食になっていますが。
「さて、残りの4人…白良川さん、三木さん、川さん、毛里川さん。朔実さんに謝る気はありますか。謝罪を頂けない場合、木下さんと野夫田さんと同じ処置を取らせて頂くことになりますけど…」
「マリアンヌ…聞いても無駄ですわよ。でしたらさっさとチャロックとやらを施して楽にして差し上げるのが人の道というもの…」
「まぁまぁマリアンヌちゃんにスザンヌちゃん…この時点で依頼者の朔実さんの要望を聞いてみましょ」
「そうですなぁ、確かに、痴女皇国に慣れてない人からするとそれなりに凄惨に思える見せ物ですからなぁ。これ以上続けるかどうか、決めてもろてもええんちゃいますか」
(でもえろほんの中にはもっとすごいのあったよな)
(そうそう、べらこへいかがやってるのとか)
(正直、おれにしてもこのくらいでぎゃあぎゃあわめくなよって思うよ、こいつら…)
そうですね…マドゥラ族は基本、男尊女卑。
はっきり言い切ってしまいますと、女は男の言うことを聞かないだけでも暴力の対象となりかねません。
ましてや、この女たちは悪事を企みながらそれを認めないのですから。
「姉さん…どうするの」
「私の答えははっきりしています。謝って頂けない以上、絶対にこの人たちは復讐を考えると思います…白良川さん…私も遼子も、あなたたちの考えてる事、全てわかるようになってしまったのよ…ですから口先だけでごめんなさいと言っても、誤魔化せませんよ…そして、田中さん…言い切っても良いですか…痴女皇国の技術を使っても、この子たちが悔い改めてくれるものなのでしょうか」
「まぁ、精神操作をして無理からに…という手もあるけど基本は本人の自助努力よね」
「では…チャロックとかいう儀式、続けてお願いします」




