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こんにちわ、マリア Je vous salue, Marie  作者: すずめのおやど


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学校のまりあさん…マリアンヌのとりかえばや物語・2

「ふむふむ。とりあえずこの、吉田朔実(よしださくみ)さんですか。この方に化けたいと」


でまぁ、私たちの前の椅子に座っているの、こちら側では高木だりあという日本名で通るダリアさん…初代・黒薔薇騎士団長であり、現在は痴女皇国統括騎士団長という立場だそうです。


Dahlialiese Muromi Takagi. 高木ダリアリーゼ Billion Suction 十億卒 Slut Visual(ogre mode). 痴女外観 Commendatore, Order of knights, Imperial of Temptress. 痴女皇国統括騎士団長


(と言っても偉い人ほど雑用係の痴女皇国ですさかいに…)


(確かに…この変装任務でなかったらアルトさんを呼ぶ方が現場にはよい結果となる話ですわね…)


(忙しい時にごめんなさい…)


で、この方は実のところ連邦世界での東京他、日本での単独行動OKという許可を得ている立場でもあります。


そしてご本人、毎度毎度の痴女皇国での制服…それも赤薔薇騎士団の強烈な「隠さなくてはならない場所が透明素材か網」というあれではなく、きちんとした日本の女性が着ているような私服姿です。


「それでなくても、うち案外目立つ部類らしいんですわ…」


まぁそうですね…。


とにかく混血系モデルさんという感じのダリアさんですから、この池尻大橋界隈では、かなり地味にしておかないと困るようです。


で、ダリアさんが池尻大橋に来た理由。


私の変装にあります。


ただ…今回は少し、複雑な手順を経るようです。


というのも、吉田朔実さん…私こと高木マリアンヌと、従姉妹みたいな存在の高木スザンヌの共通の友人たる吉田遼子(よしだりょうこ)の実のお姉さんの記憶を読んだダリアさん曰く。


「まぁ何とはなしに状況、想像つきますわ。おそらくその6人が問題児かつ朔実さんを追い出すにしてもいじめ倒したい部類なんですやろ?」


「ですね…」


思い出すのも嫌そうな朔実さんですが。


「いや本当、姉さんの話を聞いてると、9月から学校行きたくないってのがわかるのよ…2学期までに何とかしたげたいわけよ…」


「なるほど。2学期が始まってからでは遅い、か…確かにマリアンヌちゃんが思いついたみたいに、朔実さんと入れ替わる言う手もありますがな、もう少し凝った事も出来るかも知れまへん。上の許可はいる話ですけどな」


で、ダリアさんの発案した計略を聞いた私たち。


「たたたたた確かにそれなら転校の必要性は薄れるには薄れますね…」


「ただ…それが良いか悪いかは…」


「でね、ダリアさんの上司に聞いてみようと思います。その人物、私たちも面識がない訳じゃないので…というか姉なんですよ」


「リーゼ姉、ダリアさんの話、どう致します? 確かに魅力的と言えば魅力的な話ですわよ…何せ黒薔薇を大量に忍び込ませる橋頭堡を作るような話となりますから」


「問題は倫理的にまずい気がするなんてもんじゃない事に尽きるわね。特にあっち方面」と、皇居や永田町の方角に意識を向けます。


(でな…朔実さんの話さ、ネメシスさんがすっげぇ興味を示してるんだ…たまにはワタシに餌をくれ、とな)


(ああ、雅美さんにひっついてる…)


(復讐の女神ですものね…)


(って訳でゴーサインを出すことにする。作戦担当班長はダリア。マリアンヌとスザンヌはその下に入って指示に従うこと。あとスザンヌ、ネメシスさんがお前に憑くからな)


(まぁ、仕方ありませんわね…)


(という訳で朔実さん。うちの最強級の騎士を行かせるからには、9月1日には晴れやかな顔で登校出来るだろうと思う。遼子さんもそれでいいかな?)


(構いません。少なくとも、姉の気が晴れるなら…)


(ただ、何かしてあげた代償には何かをしてもらうのが我が痴女皇国の掟だ…それは理解して下さい…)


(了承します…)


ええそうです。


遼子同様、()()()()()()になる道を選ばれたのです、朔実さん…。


Sakumi Yoshida 吉田朔実 Single Suction(Limited Thonsand)一人卒(限定千人卒) Variable female Visual 可変型女性外観 (Lives in Sumiyoshi Ward, Osaka City) Setagaya tokyo Branch, Interior Bureau. White Rosy knights, Imperial of Temptress. 白薔薇騎士団


(で、早速だがお仕事をお願いしたい。マリアンヌとスザンヌについて作戦に従事して欲しいんだ。これは当事者であるあなたたちの復讐でもある訳だから、決して嫌な仕事じゃないはずだ…)


(承知しました…)


(ま、難しいことはうちらでやりますから心配無用ですよ。マリアさん、この作戦ですけど拠点、どこ使わして貰いましょか)


(ターゲットが全員、近○鉄◯南○海沿線住民だから…うん、平野のテンプレス・セレモニーの大阪支店にしよう。あそこなら駐車場も広いし、ちょょうどいいわ)


そうそう、この世界では大阪市中心部に核爆弾が落ちて大惨事になった第三次世界大戦の影響で、私たちが天王寺にいた時にリーゼ姉が神戸への通学に使っていた電車の会社と、関空に行く会社が合併しているそうです。


(了解。車両どないします?)


(今池尻大橋だよな…地下の駐車場に宙兵隊仕様のVABマークIVがあるな…うん、あれなら海外派遣部隊ナンバーついてるから大阪で動かしても、警察が問い合わせた瞬間に照会かかるから大丈夫か…ジョスリンのツテで貰った青い装甲車あるだろ、あれ使ってくれ。パトライト出して緊急走行車両として走れる承認もらってるしな)


(あれですかい…でかいっすよあれ…)


(ダリアならできるーできるーうごかせるー)


(いやいやいやいや、日本の狭い道知ってますって…)


------


という訳で、グラン・テンプレス池尻大橋地下の駐車場ですが。


「で、ネメシスの餌の件もあるのであたしを呼んだと…」


ええ、青い装甲車の前で仏頂面、というのですか。


とにかく不機嫌を極めた顔をしている田中雅美・内務局長様。


「とは言え、マリアンヌちゃんとスザンヌちゃんの同級生のお姉さん…朔実さんに関わる話だしね。まぁ、ちゃっちゃと片付けてしまいましょう。ダリア、分体の用意できてる?」


「ええ、今、送り込んでもらいましたわ」


そして、ずらりと並ぶ黒薔薇騎士団員の皆様。


・アマンディーネ

・シュバルツェーネ

・セレニエディーネ

・ベルジョアーネ

・リモニエディーネ


その異様な姿に、黒薔薇騎士とは初対面の朔実さんはもちろん、遼子までもが不安そうな顔を向けておりますが。


「取って食いませんから心配せんといて下さいよ…」


「じゃ、朔実さん遼子さんはこっちに乗って下さいね…」


ええ、先導車兼・()()()()()として、ダンケ号で雅美さんが先を走る話になったようです。


そして、朔実さんと遼子以外の私たちは装甲車の後ろの扉から順番に、向かい合わせの座席に座って行くことに。


(遼子、泊まり込みの許可出たかな…)


(うん、マリアンヌちゃんとスザンヌちゃんのマンションならいいだろって。そりゃ億ションどころか芸能人が借りるような超高級賃貸だもんね…)


(ふほほほほほっ)


(おい…買ったのはあたしだぞ…自分のもののように思うな…)


(リーゼ姉のものはあたくしたちのもの〜)


(じゃスザンヌ。お前の報償金口座の中身、あたしのもんにしていいのかよ…)


(はいはいマリアさんもとりあえずお仕事お仕事。全員乗りましたで)


ええ、既に後ろのフタを閉められ、室内は薄暗いのです。


一応簡単なエアコンめいた仕掛けがあって、動いてますけどね。


(ぐぐぐぐぐ…覚えとけよスザンヌ…)


(復讐の御用は田中ネメシスまで。代行承ります)


(っていうかネメシスさんに頼むと割と洒落になんねぇんだよな…崇徳上皇陛下とあんま変わんねぇんだよ、結果…)


ぶつくさ言うリーゼ姉ですが、次の瞬間に、この装甲車の室内にあるものすごく小さな窓の先の光景が変わります。


そしてですねぇ、リーゼ姉が言った平野の建物ってものですけどね。


ええ。


瓜破霊園(うりわりれいえん)って、あそこにありますよね。


あの近所の空き地押さえて、お葬式を出す会社の建物を建てたんですよ…リーゼ姉…。


(なんか文句あるか。地下の駐車場作るだけの土地押さえるの、結構大変だったんだぞ…大阪じゃ家族葬が増えてあんま儲けにならねぇしよ…)


そうです。


その会社の敷地の目の前、瓜破霊園。


広大な墓地と、火葬場が正面に見えてしまう場所なのです。


(間違っても夜中にうろつきたい場所じゃありませんわね…)


(ここに血縁者のお墓が2つあるという天の声に言わせるとさ、意外と怖くないらしいけど…まぁ乙女には遠慮したい場所よねっ)


(それでスザンヌ様もマリアンヌ様も後ろに…あの大きな煙突の立った建物は人の遺骸を焼く施設なのですか…)


ええ、私たちが装甲車の後ろの部屋にいるので、仕方なくダリアさんの右隣に座っているのは今回の黒薔薇騎士の中では初期からのベテランの部類たるシュバルツェーネさん(分体)。


(大丈夫大丈夫、ここ大阪市営だし、人を焼くのは夕方までのはずだから)


(その表現、生きてる人を焼いてるように聞こえますわよマリアンヌ…)


とまぁ、我々の乗った装甲車、雅美さんの運転するダンケ号に続いて姉経営の葬儀会社の敷地から道路に出ることに。


(ええと、まずは木下真由美(きしたまゆみ)からね…なんかターゲット、エイトテール市の辺りに集中してない?東大阪にもいるけどさぁ…)


(まぁ大阪中あっちこっち走り回らなくていいじゃないですか)


で、我々は何をしようとしているのか。


その市の山手付近にある邸宅街の近辺にダンケ号と装甲車を停めますと、黒化白金衣とやらに着替えた雅美さん、それから久々の黒薔薇姿を見る気がするダリアさんとシュバルツェーネさんの三人が光学迷彩処置を行なってから車外に出られます。


で…シュバルツェーネさんと、痴女種限定解除した朔実さんがその住宅街に消えて、10分後。


(対象処理済み。転送願います)


そして、ダンケ号の後ろに何かが投げ出される音がして暫くすると、朔実さんだけが帰ってきます。


(おっけー、んじゃ次行こう次。えーっと野夫田麗子(のふたれいこ)白良川明美(しらかわあけみ)もこの近所っちゃ近所ね…)


三木美子(さんきよしこ)羽曳野(はびきの)のはずなんですよ…)


(うん、警察経由で調査済み。ま、さすがに一応はお嬢さん高校通わせてるから夜遊びの隙はあまり与えてないみたいね、ここまでは…)


川京子(かわきょうこ)は家族でハワイだな…そっちはるっきーと、オーキディアーネって黒薔薇の新人いたろ、あれの分体を回す。ミカエルがついてりゃまず、大丈夫だろ…)


--


でまぁ、こんな感じで順番に黒薔薇の皆様の分体を一人ずつ派遣して、代わりに何かの入った袋らしきがダンケ号に積まれて行く作業、大阪府の東南部から南部にかけて進め、最後の一人となった毛里川多津子(もりかわたつこ)とやらのおうちに我々は向かいます。


で。


この毛里川さんとかいう人のお宅の近所で車を停めてわかったのですが、いつの間にか、品川ナンバーの銀色の乗用車が()()()()()()()を出しただけの状態で後ろについていました…。


(この車を見たら親指を隠す風習があるみたいなんですけど、雅美さん、理由知ってます?)


(確かにフェラ    ーリより珍しい車なんだけど…キ○シを見たら覆面と思えって言われてるのはあたしも知ってるし、事実この○ザシも警察車両だけどさぁ…あ、加藤さん、何でまた…)


で、降りて来られた長身の不気味な男性。


これまた、このお話をよくお読みの方ならばご存知でしょう。


警視庁の()()()()()()()の加藤さんです。


(あのハ○エースでダンケしたついでに、この子たちの親の情報洗ってくれたんですけど、むしろ怪しい付き合いなのは子供の方ですね。微罪っちゃ微罪ですけど、お薬とあと、ウリ関係ですか…)


(いえいえ、ネット経由の証拠が出る話であれば警視庁が捜査できますしね。捜一と捜二に流しておきますよ。あと麻取に…それと、マル対の男性関係で出た数名、()()()()()()()扱いにしますがよろしいですかな)


(いつぞやの室見が絡まれた件ほど、派手でなかったら痴女皇国は文句を申しません、そう顕仁(あきひと)陛下にお伝え頂ければ)


(ははは、まぁ、自重はお願いしておきますよ…)


で、雅美さんと加藤さんがにこやかにお話をされている間に、またしてもドサ、という音がダンケ号の後ろから聞こえます。


このダンケ号、運転席と助手席の窓から後ろ、全ての窓が暗くされていて中がよくわからないのですよね…痴女種視覚で見れば()()()()()()()は一目瞭然なのですが、ま、今は黙っておきましょう。


(では、田中さんと高木ダリアさんには釈迦に説法でしょうけど、くれぐれも証拠が残らないようお願いしますよ…)


(お任せを。今仮に何かあって、対象者を身体検査しても本人の反応しか出ないと思いますから…)


そして闇夜に、パトカーごと消えて行く加藤さん。


一方、私たちも装甲車に戻るように促されます。


(ところで、()()…どこで処理なさるおつもりでしょうか…)


あら。


この心話…レオノールさんですね。


(とりあえず亀地獄島と思ったんだけど、あそこ最近別の施設に変更するっていうから、アニサちゃんにお願いしてボロブドゥールを借りようと思ったのよ。ほら、あそこなら例の即成栽培プラントが近いでしょう…)


(田中局長、でしたら提案がございます。私の懇意の場所なら、そういうことが好きな人物に何人か心当たりがあるのですよ。旧交を暖めたいと申しますか…ちょっとわがままを申してもよろしいでしょうか?)


えええええ…それはまた、一体…。


(ふふふ、マリアンヌ様…私が1年少々、厄介になっていた場所なんですよ…そこでしたら今は慈母寺がやめさせていますが、元々復讐の風習が一般的なところでしてね。特にそういう名誉を傷つけた話だと、大喜びで力を貸すと思いますの…)

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