少女よ大志を抱け…綿草(わたくさ)ものがたり・9
スケアクロウよりは小さい、目の前の灰色のからくり鳥。
その鼻先の横に用意された階段と踏み台を上がり、前後二つある椅子のうち後ろ側に乗り込まされます。
(うっ、せ、狭い…)
(教えた通りにまずシートクッションに足を置く。それから右足から順に穴に足を滑り込ませながら前のインパネフレームについとるグリップを握りもってケツをクッションに降ろしていくんや…パネルとかスイッチとか棒の類、蹴飛ばさんといてや、頼むで…)
ぬぉおおおお。
で、頑張って身体をその後席とやらに収めますと、ジーナ様がわしの身体を拘束する器具を両肩に下ろしてしまいはります。
(よし、ストラップアーム、グリーン…レッグストラップロック、グリーン…ちょい窮屈やけど我慢してな…)
(これ…ほんまに首振るんだけでも大事なんですな…)
ええ、全身を拘束されるに等しいぞと言われてましたし、乗り込む練習もやらされましたけど、本当に真剣に言われた通りの状態です、今のわたくしマルハレータ。
(頚椎損傷起しかねんG…荷重のかかる機動する事もある機体やから仕方ないんや…元はこういう型の飛行機同士で空中戦っちゅう騎士のいくさみたいなもんをやるための物件やしな。ほな、うちが前に座ったらその頭の上の透明な屋根を下ろしてまうから、それまでは肩より上に手を上げへんように)
な、なんというか…コープシェフ・ジョスリーヌとはまた違った職業軍人の世界がそこにあるのを思い知っておる最中です。
(するなと言われた事は絶対するな、そしてしろと言われた事はしろ、と言われる世界ですからスケアクロウに乗っている方がまだ楽ですよ)とベラ子陛下にも散々言われた話が、身をもって理解できます…。
そう、ジーナ様の記憶にあった、痴女島の聖院空港にもおるF-300バンシーとかいう戦闘機とやら、あれに乗ってみたいというわしの要望、通ってしまったのです…。
そして、今からこの機体で連邦世界のオーストラリア、そして可能ならニュージーランドという国の上空を回り、痴女皇国世界の流刑地大陸と南北の羊島を開発していけばどうなるかの比較視察をすることになるのです…。
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とまぁ、アルト閣下の枠のお話からの続きで、南洋広域行政局管内のマドゥラ島を主なシマにしている特殊少数民族たるマドゥラ族の雇用と活用のため、そしてマリアリーゼ・痴女皇国上皇陛下が支部長以上に対して切実なる要望をなさった衣料用繊維原料の生産量増大について、我が南洋広域行政局と南洋王国に他支部のノルマ補填も含めた期待、強く寄せられております。
https://novel18.syosetu.com/n5728gy/205/
そして実際に予算や人的支援も頂く中で、南洋行政局の新しい管轄領土とされた流刑地大陸と南北羊島を開発して綿花や羊毛を得ることが企画されたのです…。
その過程で南洋を率いる、通称:缶詰女王とかいらん名前で呼ばれておりますこのマルハレータ、先ほど申し上げました通りでオーストラリアとニュージーランドなる英国連邦加盟国の上空から視察をさせて頂くことになりました。
で、時間は少し巻き戻りまして、痴女宮女官寮21階の厚労局事務室。
「そうか、マルハちゃんはまだ乗ったことあらへんかったんかいな…まぁちょうどええやろ。確かあんたは黒薔薇資格者やから…うん、純酸素吸入予備措置はいらんな。血液検査値よし、肺活量・呼吸量測定値は規定内、肝機能障害来往歴なし、虫歯もなし、と」
と、わし…缶詰女王マルハちゃんの健康診断データとやらを見ながら申されるのは初代聖母のジーナ様。
(通常人類なら純粋酸素を最低1時間は吸ってから乗ることがあるのです…)
と、その戦闘機を飛ばす免状を貰っているベラ子陛下から。
ええ…正直に申し上げましょう。
わし、飛行機というものをナメとりました。
人の作ったもんや、くるまを動かせたこのわしに飛ばせぬわけはあるまい、とも。
しかし、どうもジーナ様の記憶や知識を参照するに、それはそれは血と汗と涙に耐えて動かし方を学ぶ部類の代物のようなのです。
そして、ジーナ様はそれを学んだどころか、他人様に飛ばし方を教え、更には免状を下ろしてよいか決める立場だと知っては、果たしてこのからくりの鳥を飛ばすことを勉強すべきなのか。
(痴女皇国では優秀な飛行機操縦者候補を随時募集しています。ただ…立候補者がおらんのです!)
(いや、ベラ子の言う通りで、募集はほんまやねん…特にスケアクロウとかスケアクロウとかスケアクロウとか。ただ、スケアクロウを飛ばすためにはバンシーの操縦を覚えた方がいいという、飛行機の世界の常識からすると本末転倒はなはだしい事になっとるんや…)
大きさで決めてるのかと思いましたが、ちゃうんですね。
(普通は輸送機の飛ばし方を覚えるよりも戦闘機の飛ばし方を覚える方が上に来るんやけど、スケアクロウ、わけてもM型とG型は聖院世界用とでもいうべきスペシャルモデルでな…特にG型は単体で月どころか、はるか百光年先のNBまで一気に転送飛行できてまうからな…ぶっちゃけ正式な機長資格を得るには宇宙船の動かし方を含めた免許を最終的に全部取る必要があるんや…)
ああ、ベラ子陛下も言っておられましたね、スケアクロウで実際に月に行ったことがあると。
(まぁ、マルハちゃんが飛行機の運転を覚えたいならうちはベラ子や他の関係者に対して協力を要請したる。ただ…まずは小さいものからになるからな。それとこればかりは痴女種の能力でも…ベラ子でも半年は必要としたから、それくらいの期間は最低でもかかると思いな…)
半年ですか…痴女種になってわかりましたが、物事を習い覚える力、かなり向上しますよ…それでもですか…。
(なんせ覚える事がようけあってな。軍隊でもあれ…飛行機、それも戦闘機を飛ばす免状持ちは皆の憧れやけど同時に高嶺の花でもあるんや…教育システムが充実した連邦世界で、しかもこいつは卒業できるやろと予めふるいにかけて見込んだ候補生でさえ、七割合格やねん…三割は何かで落ちて輸送機などの操縦士になるか、または整備士他の地上勤務か陸戦送りになってまうんや…それか中途除隊、要は退職を表明するかやな…)
まぁ、どれほど大変なのか。
これは、後ろからジーナ様を観察しておればある程度はわかることでしょう。
「差し当たってプリフライトブリーフィングというものをするので、これから聖院空港の事務所に行くで。マルハちゃんの聖環は地下鉄対応やったっけか」
「かーさま、流脳のミニバンがありまっせ」
「その当て字、ジョスリンとポワカール閣下が泣くからやめたりや…」
で、エマニエル部長の運転で山道を降りて行くくるまの後ろに乗せられておる私ですが。
理由は、既にゲストスーツとかいう飛行服を着せられており、ええ加減身体の自由がそれなりに制限されているからです。
(ちゃんと免状をもらえたらうちみたいな服を作れるんやけど…これは正式な操縦士用の登録情報も必要やし、要はあの戦闘機の本式または仮の免状をもらえんと連邦宙兵隊でも作ってくれへんのや…なんせ一着がな、この時代の王妃様の服一着分の値段やと思うて…)
まぁ要するに、ジーナ様が着込んでるそのぴっちぴちの制服、頭のかぶと込みで結構な値打ちものであると。
「実はアルトをババヤガーに乗せたことあるんやけどな、その時にマルハちゃんがこれから経験するであろうことで難儀しておる。あの子の記憶を参照可能ならしておく方がええやろ…」
https://novel18.syosetu.com/n5728gy/26/
え。
「あとフローレシェーネさんはあたしの後ろの時はまだしも、ジーナかーさまの後ろで死にそうな経験をしています。その辺の経緯もあって、痴女皇国では戦闘機に乗ることすなわち大変な仕事になると皆が変に思い込んでおるのです…」
まぁ確かに…。
で、酷道2号線を降りて工場街を走った流脳は聖院空港事務所とやらの簡素な建物の前に止まります。
その建物の中のお部屋に入り、今回の飛行についての事前の打ち合わせをあらかじめしておくそうです。
「ふむ。そのゲストスーツの子が話にあったマルハレータ殿下…いや陛下か」
なんでしょうか。頭が輝かしいばかりに一切の頭髪がない男性がそこにおられます。
ですが、顔立ちは年齢こそ多少は感じるものの、美男子の部類。服装は…ジーナ閣下と同じ系統の飛行服とやらですね。
つまり、この方も飛行機を飛ばされる立場だと。
「せやでー。あ、マルハちゃんに紹介しておこう。うちの腐れ縁の終生の上司の一人のゴルディーニ大将閣下や。まぁ日本の沖縄時代からの古い付き合いでな。うちに飛行機の飛ばし方を教えた人物の一人でもある」
「連邦宙兵隊極東司令部付けのゴルディーニだ。よろしく」と、握手など交わします。
(で、何で俺を呼びつけるとか言いたいが、マルハレータ殿下がオランダ王女に該当するんだって?)
(せやねん…こっちの南洋王国はインドネシアに詳細教えたら絶対に宗教障害が発生するから間違ってもジャカルタに直接の話は出来へんとしても、オランダは完全に無下にできんやろ…ほれ、ボーデヴィエン少将が今、嘉手納の航空隊担当将官やしさ…)
(とりあえず乗員氏名と所属国の通達だけはしておくか…)
で。
今回の視察要員。
JA0334(F-400ババヤガーAR) はげ:てぃあら
JA0425(F-300バンシー) じーな:まるは
IT0810(IF-170ドゥブルヴェ) べらこ:りええ
(作成・ジーナ)
ぼこ。
ええ、何かを殴る音がしました。
「痛いやないけ!」
「お前の体が擬似身体なのは分かっている。俺の拳くらいでダメージはないはずだ…」
「NB下院議員に対するその仕打ち、国際問題になるんちゃうんかい…」
「それ以前にお前…その正規スーツを着てバンシーのエンジン始動が出来る時点で説得力皆無だぞ、その発言」
「むぐぎぎぎぎ…NB行っとる間くらい休職状態にさせてや…」
「正にこういう事態もあるだろうと予想されたからこそ、向こうの議員職務優先の勤怠管理にしてやったんだぞ…逆に感謝くらいしろ…」
(要するにジーナかーさまはまだ、宙兵隊将官の役職を全く解除されていないのです…ゴルディーニさんの話ですけど、宙兵隊の機材は乗り込んだ際に正規乗員の資格があるかどうかを光電子的に確認されますから、休職や退職の時点であのバンシーのエンジンを始動できなくなるのですよ…)
と、ベラ子陛下から説明が入ります。
なるほど、黒薔薇服と似たようなもんっちゃ似たようなもんですか、あのぴっちぴちの服。
で。
今回、わし以外にも「もこもこ組」があと2名おります。
そしてね、国土局長はまだわかるんすよ、視察同行の必要性。
なんでティアラなんすか。
(中米行政支局長と南欧支部長から推挙が来ました。はっきり言うと、人またはお金を出すから今回は繊維生産ノルマに充当したい。しかし、来期では何とかして自力でノルマ完達にこぎつけたいから事業視察要員を派遣したいと)
(真面目な理由だけにかえって疑わしさがありますな…)
ええ、ベラ子陛下は依然、ティアラをメカケとして囲い込む気満々です。
危うし少女、妾の恐怖と言いたいところですが、このうっかり者で手は早いわ血の気は多い女の何が良いのか。
(泣かすぞマルハ…ベラ子陛下が一方的に押して来てるだけなんだから…)
(あたしは気の強い女の何かを責めるロマンを感じるのですというのはともかくマルハちゃん…席順を見直して欲しいのです…あたしの後ろに誰が座る話になっとんのか…)
(これはうちとハゲで決めた。連邦世界では認めてへんけど、スケアクロウの偵察席とナビ席の操作を一応は知っとるし、すなわち乗務員として曲がりなりにも何度も乗ってきた理恵ちゃんの方が飛行機慣れしとるやろうとな)
(ジーナはあとでぶん殴るの一発追加として、マドモアゼル・ナカイ…君が痴女種とは言えど飛行機、それも戦闘機に乗機した経験は皆無だろ。なら、フルICD/G駆動機…わかりやすく言うと戦闘機が急激な運動をした際に身体にかかる重さや加速減速の力をほぼ感じさせない飛び方が出来るババヤガーの方が、おかしなトラブルや体調変化に巻き込まれなくてよいだろうという判断さ。ま、旅客機の上級座席とは言わんが、少なくとも他の2機よりは慣れない人間には厳しい機体じゃないから安心してくれ)
「ベラちゃん…あのさぁ、このIT0810…野獣先輩号って確か、ポルトガル偽女種作戦の時に20分くらいでここから向こうに行った奴だよね…二代目様が失神しかけたって言ってたの…」
ええ、乗るべき飛行機の名前を知った室見局長、めっちゃ嫌そうにしておられますが…。
(多分この中で二番目か一番速度が出る上に、身体にかかる負荷が…生身の通常人類が耐えられる限界の荷重環境で飛ばす類の飛行機なのです…)
「それ以前にフローレシェーネさんが二度とこれに乗らんとか言うとる奴やぞ、理恵ちゃん」
「ジーナさんの悪意を感じるんですけど」
「理恵ちゃん。今回の視察やけどな、言うなればあの鉄鉱山の経営企業とは今後も交渉に当たるとか、最悪はあそこの技術や機材の情報を盗んでもらわなあかん理恵ちゃんはまだまだオーストラリアに行く可能性があるやろ」
「まぁ確かに、スペインの時も比丘尼国の時も、何度も行き来しましたけど」
「せやけどマルハちゃんはそう何度も向こうに行くことはでけへんやろし、何より行く必要があるかや…よって、RCSシステムポッド…対地観測・偵察ポッドを抱えたバンシーの後席で、その収集情報を見てもらうのが一番ええやろとうちもハゲも判断したんや…」
「そう言われると仕方ないですね…」
「あと、オーストラリア空軍には通告しとるけど、あそこはあまりええ顔しとらんのや…ほれ、マルハちゃんはオランダの人間やと言うとるけど、正直連邦世界では紛争こそ起きてへんけど仮想敵国めいた感じで仲良しやねん、インドネシアとオーストラリア…」
「オーストラリア空軍、しつこくバンシー使ってるからな…表向きは領海哨戒任務だが、実際には有事のインドネシア爆撃用として調達しやがったんだよな…問い詰めてもニンフェット購入予算が議会承認通りませんとか建前で押し切りやがるし…」
ええ、前にちょこっとお話しした、この両国の仲の悪さの具体例がまさにこれなのです。
「で、万一何かを誤射された場合の迎撃用としてドゥブルヴェを随行させて欲しい。それと、今回の任務に際して各機の搭載ミサイルは時空間転移中に通常炸薬弾頭タイプへ臨時に積み替えるから、兵装ベイの搭載品は可能であれば空の状態が好ましい。これはマドモアゼル・エマニエルにも連絡済みだ」
「んで今回の支援艦船って…なぁ、うちは「かが」を指名したはずやねん…」
「日本の自衛軍の所属艦船、痴女皇国世界に持ち込むならまだしもどうやってオーストラリア上空を飛ばす気だ…」
「せめてフランス艦かイタリア艦にならんかったんかい…」
「インドネシア関係者がいなきゃ話はもう少しまともに出来たんだが、こればかりは仕方ないだろう。王立宇宙軍所属艦なら二隻とも聖院世界対応仕様だ。今回はQEが来る」
「飯、大丈夫なんかな…NBのアークロイヤルの悪夢がな…」
「我慢しろとしか言いようがない。ま、英連邦加盟国の宗主国艦艇と直掩機だ。さすがに無茶や嫌がらせはないだろう」
(どうやらわしが南洋の女王やっとる件の対応みたいですね)
(一発だけなら誤射とか、嫌がらせのスクランブル出撃もあり得るんや…あいつらイベントの時に首都のビルかすめて輸送機や戦闘機を低空で曲芸飛行させる危険な伝統芸を披露するような奴らやしな…)
(まぁ最悪、わしのリミッターを解除したら、その飛行機の御者に変な命令がくだった次の瞬間に流刑地の軍人連中の精気くらいなら充分に吸えますやん)
(その発想が出てくるのがなかなかやな。まぁ、その時は痴女種能力解放もやむをえんか…)
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てなわけで、まずはこの聖院空港を離陸した後、先に聖院港を出港した…昨晩は痴女宮で乗組員ご一同お楽しみやったらしい英国のお船に飛行機を下ろし、お船ごと連邦世界の流刑地大陸付近に飛んでしまうそうです。
(正直なところ、NB行きのアークロイヤル級や連邦世界の同型艦類似艦はその必要もないのに聖院港に寄港して半日くらいは錨を下ろしとるのやけどな…理恵ちゃんやベラ子はまだしも、マルハちゃんは見たことないか…)
(私は話だけは知っています。NBポンドが使える聖環同様の腕時計なら、本宮の下足処他、痴女島で女が買える場所の全ては対応すると…)
(ああそうか、ティアラちゃんは聖隷少女団の研修とかあったな…)
(お前それ、マリアちゃんからNBと連邦政府双方への要請結果だろ…精気発電駆動の船や鉄道車両のために精気くれくれって話になった結果の措置の一環だから、出どころはお前の娘さんだろうが…)
(うちは知らぬ。マリ公にゆえ。それとNBの軍籍も有する立場で一応は言うとくけどな、男の楽しみは奪うべきではないやろ…せっかく目の前にどでかいアレがあって、中でナニやっとんのかNBやと完全に知れ渡っとんねんぞ…痴女皇国作られてから一時期は交流が途絶えとったけど、寄港再開の時は再開祝典までやったくらいみんな喜んどったんやからな…)
会話内容は理解の外にあっても、このマルハレータにはひとつ、理解出来たことがあります。
それは、室見局長やベラ子陛下はもちろん、聖母様であっても、このゴルディーニなるフランス系の将軍さまにはあまり大きな態度で上から接することが出来ないようなのです。
(かーさまの弟さんの大学受験や学費捻出のための内緒のアルバイトを認めるどころか、職業を斡旋して幹部候補生教程と両立させる手筈まで整えてくださったのです…)
(普通は奨学金とかあらへんのですか…うちの国でも医学や造船や商業算術を学べる見込みのある奴には出してましたで…)
(悲しい話やねんけどな、学べる見込みがないにも関わらず、実家経営企業の役員候補としての顔があるから大学は出させろ言う話になってな…要は金で学位を与える大学に行かせたんや…うちの今は亡き不肖の毒親も毒親な実母がな…)
(うちにもあのウィレミーナっちゅう不肖の愚妹がおりますさかい、聖母様の嘆きはなんとなく理解の範囲となりました…)
で、普通は軍人なら絶対ありえん副業に従事して踊り子の世界を経験されたというのは、記憶を見せて頂いたり、痴女宮研修の際にクラブジュネスがなぜあの場所にあるかを学んだ際に教えられていましたので、まぁ納得の範囲ではあります。
つか、わしもウィレミーナもドレスこそ着ての話ですが、夜会舞踊、覚えさせられた身の上ですからね。
うっかりティアラみたいにドレスの裾踏んづけて大惨事になった通称・オリエンテ宮殿の悲劇みたいな事にはなら…。
ええ、はりせんふるって来ましたが余裕で回避。
(ふっ、甘いのぅティアラ…わしが黒薔薇資格常時解放但し千万卒能力制限ありの立場や云うんを忘れたんか…それに騎士の才能はともかく乗馬やヤストくらいはやらされたんや…)
(おのれマルハレータ…)
ちなみにわし、立場あるから表向きはやりまへんけどな、スペインのあの狂った姦淫闘牛はまだしもマドゥラの競牛やったら普通に牛を操ること、できますよ。
あと、例の羊島におる超巨大ダチョウ。
乗れますよ、あれ。
ゆうとくけどな、容姿さえ揃えてもろたらベラ子陛下のご母堂のルクレツィア殿下くらいは夜会でモテたるで。
(実はわし、マルハはこの話でもお嬢様の部類ですねんわ…)
(マルハのくせになまいきだぞっ)
(そのセリフはヴェルサイユ占領の暁に改めて聞こうやないか…間違いなくあそこで催しを開くやろからな…どちらが何人に口説かれるかで雌雄を決したるで)
(ティアラちゃん、マルハちゃんはあたしという存在を忘れているようです。その争いの代打を求めるならばマルハちゃんはあたしにボロ負け確定なのです…)
(ベラ子陛下。ヴェルサイユやオルリーやと詩文詠みの才も要求しよる思いますよ。ラテン語かフランス語でないと、あいつら猪のメス扱いする危険がぁっ)
(マルハちゃん、その話はメーテヒルデ支部長には…)
(うちはメーテヒルデ支部長を名指しした訳ちゃいますがな…それにあの方元々の出家名お持ちでしょ?なら聖院流儀を身につけてはるわけやし…)
(マルハちゃん上手くまとめてくれてありがとー、茸島のついでにスマラン寄ったらよろしくー)
ええ、メーテヒルデ支部長も少年愛好家、このわしの失言を失言とは認識しない方向に流して頂いたようで…。
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で、聖院空港。
この空港、実は罪人工場街の拡張に伴って何度か場所を変えたり滑走路の長さや向きをいじっているそうですが、現在の状況は…これで通じる人には通じるそうです。
01/19 2900 x 60 betonnen landingsbaan
(ちなみに菅野ちゃん夫婦がおる築城基地は滑走路拡幅とアメリカ海兵隊仕様=宙兵隊仕様への延長が成功して2700m x 60mになりました)
(ICAOにITHTのレターコードで載ってるのはまだしも、なんでIATAコードまで…しかもOMKって何だよOMKって)
(アメリカ合衆国に所在するそのIATA空港コードの空港は移転改名したそうである…つまりオマク空港やのうなったからIATAも改番したらしいわ…)
この話が理解できるまでがんばって勉強しろ、ということらしいです…。
(まぁ助け舟を出しておくと、軍用飛行場も含めて空港を定義する記号番号や、航空機に関する固有記号番号を発行する航空関係の機関と、民間航空会社の統括団体がそれぞれ存在するんや。で、ICAOコード言うのが聖院空港を識別する際の記号番号。そして連邦世界から民間機を連れて来た場合に聖院空港と認識してもらうための識別記号がIATAコードゆうやつやな)
(それ言うならICAO機体コードも教えてやれ…バンシーでF300、ドゥブルヴェでIF17、ババヤガーでF400とベタな付与になってるのもな…)
(スケアクロウがA13HとA13Gやったな…あんなもんFLYTEAMはまだしもFLIGHTRADARに載せてええんか…)
(画像は規制対象だろ…)
それはともかく、いよいよ乗り込むそうです。
普通は飛行機に備わる小さなはしごだけでサッと乗り込む方法もあるそうですが、今回は素人が3名いるので、整備用を兼ねた乗降台とやらを持って来て横につけて頂けるとか。
そして冒頭でお話ししました、乗り込みの際の散々な苦労を経て機内へ。
いよいよ風防とやらも降ろされ、閉じ込められ感が凄いです。
「Master caution light green. Left engine 10% RPM stabilized. Right engine started…10% RPM stabilized. INS initial alignment auto…」
「JA0334, runway 19. standing take off in order.」
「JA0334 take-off」
虎柄の窓のない飛行機が、甲高い音を上げて走り出したかと思うと、あっという間に浮いてしまいます。
これに続いて私たちの乗るバンシーが離陸するそうです。
「JA0425 runway 19 water discharge confirmation. take-off clearance delivery.」
(ついでにマルハちゃん…航空宇宙業界の基本言語は英語やからな…それも非・英語圏には辛い話なんや…)
(まぁさっきからの会話で英語ガンガン使っておられたのでその辺は何となく)
(よっしゃ、エマ子から離陸許可が来たら出るで)
(水浸しなのは一体…)
(これとドゥブルヴェの排気温度は摂氏一千度を超える場合があるから、通常はこういう散水設備のある滑走路で運用するのが基本なんや…行くで)
「JA0425 take off」
言うなり、どどんっと加重が体にかかります。最初は風防に水がかかりますが、すぐ、あっという間に弾き飛ばされるほどの速度に到達。
「V1、rotation、V2 Gear up 」
さっきのババヤガーとかいう飛行機の離陸とは打って変わり、機首をかなり上に向けて一気に上昇して行きます。
(あのまま普通の飛行機と同じ角度で上がると、すぐ音速を超えてしまうんや。で、機体下面と後方から発生する衝撃波で地表に被害が及ぶから、ある程度まではこういう角度で上がるんや…これはドゥブルヴェも同じやぞ…)
見ておりますと、左側をそのドゥブルヴェが通過して行きます。
あれ、こちらより速いのですね。
(ぎゃああああああ!)
(パイセン…これでもミリタリー推力離陸です…ミサイル20発全部降ろしてるから軽いのですけどね…)
そして、沖合を進むお船が見えて来ましたが…1回、クイーンエリザベスというそのお船の周りを回ってからあれに降りるのだそうですけど…こうして上から見るの、すごく小さいのですけど…大丈夫なのですか…。
(残念ながらあれに降りるのも免状の点数計算のうちや。更に言うと宇宙空間に出て航宙駆逐艦に拾われるとか、後方から進入して相対速度合わせて捕まえてもらうとか、もっと大概にせぇということもやるからな…)
「This is JA0334, HMS Queen Elizabeth, CC01, acknowledge」
(こちらJA0334、HMSクイーンエリザベスCC-01、応答されたし)
「THis is HMS-CC01, JA0334, You are cleared to land. Landing number 001-Baba Yaga.」
(こちらHMS-CC01、JA0334、着艦を許可する。着艦番号は001ババヤガー)
「001-Baba Yaga meat ball」
(001ババヤガー、光学着艦支援装置視認、着艦進入する)
で、ゴルディーニ様の乗る虎柄号に合わせて私たちも降ります。
「This is JA0425, HMS Queen Elizabeth, CC01, acknowledge」
(こちらJA0425、HMSクイーンエリザベスCC-01、応答されたし)
「THis is HMS-CC01, JA0425, You are cleared to land. Landing number 002-Banshee.」
(こちらHMS-CC01、JA0425、着艦を許可する。着艦番号は002バンシー)
「002-Banshee meat ball」
(002バンシー、光学着艦支援装置視認、着艦進入する)
後席からではちゃんと前が見えないのですが、大きく角度をつけてふわ、とお船の上に来ると機首を水平にして、慎重にそろりと降ろされます。
(排気熱で甲板痛めるし、そもそもこの飛行機は重いから可能ならこうやって衝撃のない方法で降ろしたるんや…このための慣性制御駆動機のコントロールはパイロットと飛行機を直接繋いでやるからな、ゲストスーツでこの飛ばし方をしようとしてお尻を擦った奴もおってな…)
なるほど、それで専用の衣装を必要とするのですね。
「This is IT0810, HMS Queen Elizabeth, CC01, acknowledge」
(こちらIT0810、HMSクイーンエリザベスCC-01、応答されたし)
「THis is HMS-CC01, IT0810, You are cleared to VTOL ICD landing. Landing number 003-Doubie v.」
(こちらHMS-CC01、IT0810、ICD使用での垂直着艦を許可する。着艦番号は003ドゥブルヴェ)
「003-Doubie v meat ball, Slow speed descent start」
(こちら003ドゥブルヴェ、光学着艦支援装置視認、低速度着艦進入、開始)
あら、ベラ子陛下のだけが何か別の方法で降りるように言われておるのですね…。
(うちらの奴に輪をかけて重いし、排気温度も更に高いからな…あのドゥブルヴェはゲストスーツやと飛ばされへんのや…せやから、もしマルハちゃんの心が折れてへんかったら、まずは小型機の後でバンシーを普通の飛行機として飛ばす訓練が来るんや…ちなみに言うとくけどあのドゥブルヴェ、ジョスリンの国で作った変態飛行機やからな…)
(フランス人にも変態がいたのですか)
(ちょと違う。鴨食いたい言うて連れて行かれた先でオレンジソース煮やなしに鴨入りのベッコフ出されたような感じで、連邦側の要求とかなり違う試作機作りよってな。しかもロビー活動…政治に文句つける専門家に金を払って正式採用を通しよったともっぱらの噂でな)
(大体合ってるが大衆料理のベッコフとトゥール・ダルジャンを比較するのはフェアじゃねぇだろ…)
(ちなみにベッコフはこのパゲの出身地の名物料理でな。マリーちゃんの生国とも言うが)
(あのマリーさんの領地でしたな…)
(ああ、マダム・マリアンヌな…彼女は昔の突撃精神旺盛なロレーヌ人だ…俺はイタリア系だが…)
(そのイタリア系を隠していたのは誰やっ)
でまぁ。
飛行機たちはエンジン冷却とやらが済むと順次、お船のお腹の中に仕舞い込まれます。
この時の様子はアルト閣下が従事された沖縄作戦とかポピー作戦とやらの時とほとんど変わらないそうですが、この後で大砲の弾を積み込む作業をしている間に我々はお船ごと、連邦世界のオーストラリアの北の沖合に移っているそうです。
「まずはポートヘッドランドとピルバラ鉱山ね…あそこは複線で運搬列車を通すほど頻繁に走らせてるし、鉱山も露天掘りだから上空から観察しやすいのよ…」
聞けば、オーストラリアの鉄鉱石の10割近くがそこに眠っており、ほぼ無人化された…からくりで掘る仕掛けになっているそうです。
一体、どんな光景を見ることになるのでしょうか…。
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まるは「という訳で大人でなくとも読める話になったそうです、オーストラリア編」
てぃあら「コアラは抱けないのかな」
りええ「今回はマルハちゃんの国に絡む色々があって、着陸は難しいみたいなの…」
てぃあら「えええええ、カンガルーも見れないの?」
じーな「上からなら見せたる」
りええ「あたしも泣きたいわよ…可能ならザ・ガンとかインディアン・パシフィックとまでは言わないけどさ…せめてスピリット・オブ・クイーンズランドくらい乗りたいわよっ」
まるは「何すかそれ」
りええ「一言で言うと陸の豪華客船がザ・ガンとインディアン・パシフィック。スピリット・オブ・クイーンズランド号は日本で言う夜行バスの列車版で、日本製車両で運行されているんだけどね…レイルベッドという特殊な寝台車が人気なのよぅううう」
てぃあら「ガンというのは鉄砲のガンですか」
りええ「ちょっと違う。あたしら痴女種の股間の銃でもなくて」
じーな(理恵ちゃんいうのはこういう子やからな…マルハちゃん)
てぃあら(私は既にこういう人というのを身をもって知りました…尻とうなかった…)
りええ「ジーナさん他全員、ブラウンスネークとかクロコダイルの巣に放り込みますよ…昔、オーストラリアを開拓する際に探検の補助員として砂漠に詳しいアフガニスタンの人を招いたことがありました。で、砂漠探検の荷物や自分たちの移動のアシに持ち込まれたラクダの活躍を記念して、オーストラリア北部のダーウィンなど、いわゆるノーザンテリトリーではラクダやアフガニスタンに由来する何かしらを使うことも多いのよ」
はげ「なるほど…アフガン人とラクダとは」
りええ「だからこのザ・ガンという列車にはラクダに乗ったアラブ衣装の人の絵とか描かれてるんですよ。ガンはアフガンのガンって意味なんです」
じーな「意外な由来なんやな」
りええ「ただ、困ってることもあるんです。アフガニスタンはもちろん、当時の英国が勢力下に置いていたインド北部やアラビア半島から送り込まれたラクダは開拓民の足、そして内陸で生産された羊毛やタバコに紅茶はもちろん、鉄道で使う枕木や電線を通す電柱まで運ぶ輸送手段として活用されました」
じーな(あんなところでまで紅茶作っとったんかい…)
はげ(紅茶が切れたら暴れる話に信憑性がつくような事実だぞ…)
べらこ「で、どれだけのラクダが持ち込まれたのでしょ」
りええ「アフガン人などのラクダ使いが二千人以上、そして累計で2万頭以上のラクダが運び込まれました」
じーな「増えるには十分すぎるぞ…アルゼンチンチンの野生馬でもそこまでの頭数は入れんかったはずや…」
りええ「ジーナさん正解です。さて問題、今、オーストラリア内陸部にいるラクダ、何頭でしょうか」
べらこ「正解者はティアラちゃんを一晩好きにできる権利で」
てぃあら「こらこらこらこら」
まるは「ティアラをマドゥラ島一周コースで牛で引きずってええんなら…十万。めっちゃ砂漠らしいので、増えんでしょ」
てぃあら「こら…偽穴高地、徒歩で踏破させるわよ…私も十万頭に一票」
べらこ「五十万にしておきます(黒薔薇なら偽穴高地制覇、滑空翼なしでも不可能ではないのですが…)」
ジーナ「キリええとこで百万にしとこか」
りええ「はい、ジーナさん正解」
てぃあら「えええええ」
べらこ「ええええええ」
まるは「何でそんなに…あ、あの巨大ダチョウと同じや! ディレクテュール、おーすとらりあとやらに、さんけべつのくまのような怪獣はおりますの?」
りええ「いたけど退治されたのよ…で、現地で一番強い動物、今は何とカンガルーだそうです」
じーな「ほんまかいな…そしてカンガルーは肉、食わんよなぁ…」
りええ「蹴りは強いみたいですけど」
まるは「つまり何すか、らくだを食う奴おらんから増え放題」
りええ「これがユーカリの木がいっぱい生えてる辺りに住む生き物だと、山火事が起きるとかでガッサリ数を減らしてしまうこともあるんだけど…、あ、ユーカリと山火事のメカニズムについては次回で触れるかも知れませんが、単純に言い切ると放火魔植物なんですよ、ユーカリ…」
はげ「確か私財を投げ売ってでもインドの緑化を推進しようとユーカリを植えた元・日本の軍人がいたな…作家キュウサク・ユメノの息子だったか…」
りええ「そうです、更に祖父に当たる方が日本の黒幕めいた、あまり表に出ない…欧州の方に理解しやすい人物像で言えば有力ロビイストなのですが、その闇のドンみたいな人のお孫さんたる杉山龍丸という人以外にもユーカリの強靭な生命力に着目して緑化に使おうとした試みはいくつもあったのですけど…必ずしも賞賛されてはいないのですよ。台湾の水害克服に尽力された八田與一さんほどには現地で著名な扱いにはなってなかったんじゃないですかね…」
はげ「理恵さん、言うな…俺も昔、国際災害救助出動の件でな、対地ミサイルで大規模な延焼遮断爆撃とかやらされたことがあってな…ある程度の事情、知ってるんだ…」
じーな「ちなみにうちもその件でオーストラリアとかアフリカに行ってテリブル撃ったりした経験、あるんや…まぁともかく、オーストラリアのラクダの件よ」
まるは「ジーナ閣下…僭越ですけどな、そのラクダ、痴女皇国世界へそっくり頂く訳にいきまへんやろか…」
じーな「はっはーん、読めたわ。つまりどうせ流刑地で綿花や麦畑や牧場やるんやから、アシにラクダもいる。そして逆にうちらではこの先、アフリカやアメリカでもラクダを使うが…そっちでは猛獣もおるんよな」
べらこ「ついでにNBにも砂漠はありますので、ラクダの頭数管理さえできるなら貰ってもいいのでは」
はげ「ただ問題は、あれはオーストラリアの資産といえば資産。つまり貰うなら貰うで向こうの政府と議会の承認を得る必要があるって事くらいはプリンセスにも予想つくだろ?」
まるは(ゴルディーニ閣下はコープシェフ・ジョスリンほどにはフランス語を常用されんのですな)
じーな(日本、特にアメリカ文化の汚染激しい沖縄の嘉手納生活が長い人なんや…しかも祖国ではドイツアルザスとフランスアルザスの境目のややこしい辺りに移民で来たイタリア人が先祖でな…)
まるは(まぁ純粋なフランスの方と思わんようにしときましょう。で)
まるは「まぁ、ここからは悪い話ですわ。はっきりいって増え過ぎてるけど、掟や動物愛護主義とやらの諸々の理由で撃ち殺されへんのでしょ。なら、そちらの世界がうちら痴女皇国に委託してる罪人処理の無許可版ですわ。正直、そのラクダとやらがある日突然に三分の一未満とか十分の一の数になっても、困る人どころか気付く人すら少ないんちゃいますか」
はげ「マルハちゃん、皆まで言うな。ラクダを持ち去る瞬間さえ記録されないならば、犯人は一体どこの誰だって謎が残るだけだ」
じーな「天狗の仕業にしといたら全ては片付くいうあれやな」
てぃあら「オーストラリアに天狗っているんですか」
じーな「天狗の目撃情報多数なら人は信じるやろう…」
りええ「あの国、親日かって言うと微妙ですからその辺は慎重に…」
まるは「閣下たちが話のわかる方でわしも助かりますわ、ふふふふふ」
はげ「ついでにあの国の砂漠状況、ちょっとだけ改善してやりゃ文句はあまりないかもな(ニヤリ)」
じーな「魔法の肥料、チ○ポネックスの出番やな…」
まるは「と言う訳で次回はどないなるのか。そしてティアラと室見局長は無茶な飛び方されて死にそうな顔をしているのか」
てぃあら「悪い予感がします…」
りええ「なんか、宇宙空間に近いところまで上がる悪寒もするんだけど…」
べらこ「そこまでは行かないんじゃ…」
じーな「まぁ、フライトレベルワンタウザン…高度3万メートルは覚悟しときや…」
他全員「では次回、オーストラリアにズーム、イン」




