鬼さん江戸へ来る Visite d'Ogre à Tokyo・5
「お待ちメル子。あんたには女官生産、頼んでないわよっ」
えーと、マドモアゼル・メルトリューネ…ですよね。
その、黒縁眼鏡をかけた小柄な女性は紛うことなきマドモアゼル・メルコ。
Meltrieune (Melco) メルトリューネ Million Suction(Limited Ten million)百万卒(限定一千万卒) Slut Visual.痴女外観 Blue Rosy knights, Imperial of Temptress. 橙騎士団 Deputy Governor, South ocean administrative bureau. Imperial of Temptress. 南洋行政局副局長
(だからそのメル子っての、やめてくださいよ…私はいままでのダメル子から脱却したのですからっ。もはや本宮やスイスで見せた醜態ははるか過去のものなのです!)
(お黙り、その特殊黒グッズたる黒眼鏡を外しても、後輩や部下の模範になるような執務結果を出せるの?)
(あぐぐぐぐぐぐっ)
で、マドモアゼル・メルコと私が面識のある理由。
ストラスブール…即ち当時の中仏支部は、その財政や人事を欧州地区本部に監督される立場でした。今でもですが。
で、支部予算追加だの支出使途報告だの、はたまた人材教育委託のための引き取りや引き渡しなどの業務案件処理のために、支部の責任者級の誰かが年に何回かは絶対にモントルーのシヨン城に顔を出す必要があるのです。
そして、行けば事務方のマドモアゼル・メルコが担当者の事も多かったのですよね。
ただ…あそこはほら、責任者があの方ですから、仲良くできる時間と場所は非常に限られますので、親密になるほどでは。
(いやー、ジョスリンの話は聞いてましたからねー、さしもの私も強姦機能が動かないならちょっと以下略で…)
いえいえ、そのように怖がらなくとも良いのですよ。
…でぇ、副支部長のマドモアゼル・ブリュントレーネ。
なんでシヨン城、行こうとしなかったのか。
「ロレーヌとかブルゴーニュが忙しいからに決まってます!」
マドモアゼルの言葉、ホンマヤオモイマスカ、プロフェスール・マリー。
「え、ええ、そうですわね、製鉄所や鉄鉱山だの、南独支部との共同事業の泥炭鉱山だの煉瓦生産だの…」
ソンナモン、専任担当官の仕事では。
それに、目が泳いでおられますよ、マリー支部長。
ええお分かりでしょう。モントルーに行くと誰が待ち構えているか。
世紀末覇者に会うのが嫌で、二人とも避けたり逃げたりしておったのです。
一度なぞ、オマン…レマン湖が冬季で氷結しておるのを良い事に氷河地域輸送仕様のデラペールを装着した輸送機に南独支部長含めて無理やり詰め込み、欧州地区定例会議に出席させたこともあったのです。
(これこれカエル女さん。これ、どう見てもドイツのFi-156って飛行機にしか見えんのですけど。あのベニートおじさんを別荘から救出したあれ)
(うるさいパスタ女さんですね。尾翼の三色塗り分けに加えて胴体後部の丸いトリコロール国籍表記が見えんのですか。これはモラーヌ・ソルニエM.S.500連絡機という、れっきとしたフランス共和国の生産機体なのですぅっ…あ、これはフランス製の空冷エンジンに交換してるからM.S.502か)
(何をどう見てもドイツ機。しかもいくら特殊な性能があると言っても第二次大戦の時代の設計生産。おまけになんですか、空冷エンジンは星型の古めかしい代物。ドイツのように水冷エンジンには出来なかったのですか)
(保守に金のかかる構造など不要っ。昔のドイツ機やイタリア機のような変質的な凝りようを見せる生産性の低い物件など我が共和国には似つかわしくないのです…これこれパスタ女、モラン・ソルニエールとかブレゲーの変態形状航空機をわざわざ探してこれが変態だという風に読者に思わせるのは禁じ手ですよっ)
(大衆車に空冷エンジンを長く使ってたセコい会社の所在国家のカエル女には言われたくもない話)
しかしムカつく話です。
ですが、何でこんなことを言われねばと反論する前にコレナンヤネン、とフィアット500とフィアット126のエンジンルームを見せておきましょう。
ええ、今度ストラスブール近郊の工場で生産が始まるシトロエン2CV同様、巨大な冷却ファンによる空冷エンジンを回したら最後、バタバタとうるさく走り回るあれですよ、あれ。
しかもオーバーヒート防止のためにエンジンルームの蓋を開けたまま走れなくもないあれですよ、あれ。
あのような、ちょっとお姫様が後ろに立って乗ってたり、ばるすな展開のカーチェイスをするアニメイシオンでいい脇役扱いだったからと言って。
ちなみにアニメイシオンの方では泥棒のフィアットはともかく、お姫様の方は2CV、乗ってますからね。
あんな狭苦しい車よりも、四人がゆったり座れる2CVを世間は選ぶべきなのです。
(知名度は500の方が高いと思うのです。運転操作も普通ですし…なんであんなダンケ号のパーキングブレーキまがいのけったいなシフトレバー操作にしたのですか…しかも一見まともなルノーの4までもがアレと知っては、フランス人がドケチで変態という意見に残念ながら賛同せざるを得ません。ようあんなもんでカーチェイスが出来たなと)
私は黙って、Tes yeux seulement(あなたの視線だけ)…0と0と7の数字を並べたフィルム・エスピオナージを見せました。
そして、ダメ押しに便通や五輪と称されるドイツ車や、当時のイタリア首相用車にも選ばれたフィアット・クロマも登場したシトロエンの広報動画で、その空冷4亀頭エンジンを積んだ大衆車たるシトロエンGSが、凹凸路でも揺れず煽られず車体姿勢を保ったり、スキッドパッドでの回避や急ブレーキを他車と一線を画した挙動でこなす姿も見せつけておきました。
(マセラティ・クアトロポルテで競わせるべきです!)
(陛下。それ、余計ひどい結果が出そうなのでせめてアルファ164にすべきでは)
ええ、その時代にアルファロメオが売り出していた流線形の、なかなかイケているスタイルのイタリアでは最上級の部類に分類される4ダァ・セダンです。
(あれはルノー版やプジョー版もあるではないですか…しかもエンジンはボロボでも使われたあのV6…純粋なイタリア車ではないでしょう…)
ちっ、気付きやがったか…ええ、アルファ164という車、実はイタリア高級車やサーブ9000のみならず、プジョーやルノーの高級セダンとも共通しているところが多いのです。いわば純血のイタリア車、それもアルファロメオという熱狂的な好事家が支持している企業の製品に相応しい代物ではないとか言われた可哀想な車でもあるのです。
言いたくはありませんが、私の元来の人種区分のような混血の車。
偏屈な愛国者たるパスタ女のような人物が受け入れるには複雑な顔をしそうなこと、間違いなしなのです。ふふふ。
(おのれ、おのれカエル女…)
まぁ、えぐえぐ泣いているパスタ女に溜飲を下げておる場合ではありません。
先ほどのフィルム・エスピオナージいやもといスパイ映画でも、車よりはやはり美女に目が行く観客の方が多かったことでしょう。
出来れば未成年の方にも、プールやプールサイドで起きている事態を生々しくも詳細に伝えるべきであると私の本能が訴えます。
しかし、話の都合からするとマドモアゼル・メルコについて語るべきでしょう。
ただ…目の前のメガネッコはどう見てもイケてる美女には見えません。
いえ、悪いわけではないのです。
が、マドモアゼルには不幸な事に、連邦世界の世間水準からだと上澄みも上澄みな容姿体型ばかりが目立つ痴女宮・そして痴女皇国では小柄で地味な部類。
かく言う私も痴女宮外での活動や作戦の時は、他の黒薔薇騎士団同様、15歳から18歳程度の肉体年齢に設定していて任務を最優先している部類です。
ですが、比丘尼国にいる時はギャルソン・イエツナだけでなく他の皆様から卑猥な体型で眼福を望む心根を示される事が多いのには呆れ…いえ、友好のためにそうした要望に応えるどころか、エドの街では浮きまくる黒薔薇騎士団の制服すら彼らの願いを叶えるべく着用している始末。
私だけでは死なぬと、リンドにも赤薔薇服を強要して溜飲は下げておりますけど…。
で、黙って聖環から書類表示を出して、オリューレ局長に突きつけるメルコ・サン。
ふむ。
体型変更申請承認。
一般事務女官など、青薔薇騎士団所属者が自身の劣等感を解消したい場合には必須の申請です。
パスタ女や、在籍時のジーナ閣下など、ニンジョウやナキオトシが通じる有力者に泣きついて口頭申請して通る場合もありますが、通常はこの申請が必須なのです。
「南洋行政局に勤務する限り、南洋慈母寺に於ける勤行参加は避けて通れません。しかるに私は聖院勤務時代からこっち、いくら申請を出そうが延々とこの体型。一方で同期のオリューレは数々の申請が潤滑剤で濡らした何かのごとくすいすい通過している有様。いくら私の悪癖による低評価があると言っても、これはあんまりにもあんまり。たまりかねた私はマイレーネ様に直訴したのです」
「職権濫用ではないですか!モントルーにいたからと言って…」
「オリューレ。マイレーネ様がそういう事を見逃して容易に承認を与える方に見えますか」
「うぐぐぐっ…確かに…」
ええ、あの世紀末覇者が発した許可や指令であれば、それに明確な理由なく反論など許されないのでしょう。
私はあの方の影響力を直接に受けることは少なかったのですが、それでも本宮時代、あの方が女官管理室に君臨していた影響がどれほど甚大だったか、様々な人物の記憶から容易に想像がついたほどです。
ええ、モントルーでは、特にシヨン城内では、誰しもが借りてきた猫。
あの…あの乳上ですら。
唯一それなりに背筋を正して堂々闊歩していたのはシェヘラザード支部長くらいでしょうか。
メーテヒルデ支部長なんて、本宮時代の諸々があったと推察可能なほど気を使っていて、モントルー滞在中はずっと血の気がない顔で過ごしておられましたから。
「脱ぎ殺しや睨み殺し、そして読み殺しはね…たとえ当事者じゃなくても、その場に同席して体験してみればわかるわよ…」
ああ、あの拳を振るわずに女官を卒倒させた数々の神話とも言える伝説の口頭伝記ですね。
まるで北欧神話のようないい加減な元々の話だと思っていた私も、さすがに実物のマイレーネ本部長を目の当たりにしては、伝説は全て正しかったという思いに自らを速やかに矯正しましたから。
まぁしかし、メルコ=サンが体型を変えたいならば、許可さえ出てりゃ、あとは施工資格者がちゃっちゃと済ませば良い話。
そして、施工資格者制限の類が書類に記載されていないかを確かめ、更には許可者たる欧州地区本部長その人に連絡を入れさせて頂きます。
(マイレーネ本部長。偶然ですがメルトリューネ副行政局長の体型補正申請を拝見しました。本人の希望を優先の上、施工者手配がつかない場合は小官にて実施でもよろしいですか)
(お任せしましょう。黒眼鏡を常用してでも執務努力を欠かさぬ本人の心情に配慮し、極力希望を叶える方向での施工であれば私は何も申しません)
(承知しました。では、手配させて頂きます)
このやりとりに驚愕する周囲。
「ジョスリン…怖いものはないの…?」
「マイレーネ様相手にあんなにサクサク話をするなんて…」
「ジーナ様でもあの方相手だと気を使ってたのですよ…」
皆、何を騒いどるのですか。
そんなもん、共和国の軍事組織や警察組織では、マイレーネ様よりももっと心がねじくれ曲がっていて、申請とは蹴るものハネるものというのが基本だった上司や担当官と丁々発止を繰り広げる毎日が常態だったのですよ?
そういう陰険姑息で厳しい上司にこそ要求要望や申請を出して通し、名を挙げるべきなのです。
それに、私は傭兵時代や共和国時代から、単なる下っ端だけではなく、同僚や部下を抱えてもいました。
彼らに信用信頼されるためにも、上司の上司たるところを見せておく必要は必須だったのですよ?
(カエル女のことだから、恐らくは相手の弱みを握って色々通していた予感)
ふっ、それは最後の手段。
ネマワシは決してニホンの文化だけではないのです。
嫌味で陰険な上官上司など、登場が当然であるかのような軍隊では、その真逆を行く上官や同僚、更には部下の信任を得て味方を増やすのも方法なのです…。
しかし、オニ細胞を付与する一件のマンブルに、マドモアゼルが選ばれておるのか。
オニ細胞を付与された役柄の場合、当然ですが女官を生産する際、その相手と素敵なことをすることになります。
即ち、単に女性としての魅力を増して差し上げるだけでは片手落ちというもの。
男性役を演じるための要素のカイゼンも必要ではないか。
「ちょっと待って…ジョスリン、まさかメル子の暴れん坊を暴れん坊に…」
「R18版とやらでは漢字二文字程度で説明がつくことを回りくどく表現するのは正直我慢の限界なのですが、まぁそういう事ですね。マドモアゼル・メルコも考えてみれば経歴的には本来ならば支部長級には重用されてしかるべき。小官としては、幹部勤務が継続する場合の装備をお渡ししておく方が良いとは思うのです」
(知らないわよ…メル子が本業サボってそっち方面の仕事に邁進しちゃったとしても…)
(それは、お渡しした武器を使いこなせなかったメルコ=サンの責任とすべきでしょう。小官はメルコ=サンを官僚として見るならば、かのオミヨ同様に立身出世の機会を与えて自らの能力を制御することに挑戦すべきだと思うのです。マリアリーゼ陛下も、トリニンゲンになるような挑戦は人の権利であり義務であるような思慮深い発言をなさる昨今、マドモアゼル=メルコ。貴官も「飛べない女官はただの女官」だという意識改革に目覚めた方が今後の人生の彩りやイキガイに花を添える結果になると思うのです)
(オリューレ…ジョスリン団長に口ぷろれすで勝とうと思わない方がいいわよ…団長は決してアレと腕力と残忍残虐残酷な戦闘スタイルだけで黒薔薇を従えてた訳じゃないからね…)
(その評価は普通なら怒ると思うけど、ジョスリンは危険な暴力装置である自分を是に思ってるから褒め言葉になってしまうのが怖いのよね…)
うん、マサミ=サン、それは正解ですよ。小官はある程度は恐れを為して貰っていないと仕事が捗らない部類の配置だとは自覚しておりますので。
(ぬう…雅美さんに速攻で言い返すのでもそうだけど、確かに、ベラ子陛下としょっちゅう言い合いをしてるだけはあるわね…)
(まぁ確かにジョスリーヌ団長は口が立つ人物です。モントルーでもあの人の論舌に打ち勝って、申請や要請に異を唱えるのは困難とは言われてましたから)
ええ、私の職務では官僚どもを言い負かすのも仕事のうちでしたから。
そうそう。
私の勘ですが、ビクニ国のミコサンを生産する場合だけでなく、痴女皇国支部や聖母教会、更には慈母寺への配属女官を生産するとなると、単に騎士や僧侶の資格を満たしそうな人材だけでよいものやら。
スキルや職業というものが簡単に変更可能なゲームではないのですから、ミコサンの職務適性には、遺伝子由来のバリエシオンを持たせるべき。
つまり…あの罪務の罪務たるや罪務な、歩く罪務の鑑とでも申し上げるべきマドモアゼル・タノキチ。
オニ細胞移植者でもある彼女も生産には関与させないのですか、パス…いえベラ子陛下。
(話は出ています。本人は死ぬほど嫌がっていますが、会計や経理、罪務ではなく財務を担当する人材もゆくゆくは必要になるでしょう。従って、たのきちもいずれはボロブドゥールに短期出張してその任務につかされることになるのです…)
うむ。やはり、私の読み通り。
何となれば事務官向けの遺伝子を備えた人材も、ミコサン生産組に組み込むべきなのです。
(ジョスリン。念のために聞きますが、パイセンをそのメンツに組み込む気は)
(特殊な才能を有する人物を多数量産するかどうか、一考はされるべき。アンドレ・シトロエンやアレサンドロ・ディ・カリオストロを量産すべきかと問われれば、小官はNonで即答します)
(さりげなくイタリアをdisる根性が気に食わないのですが、その判断は正しく思います)
(ベラちゃん…アンドレ・シトロエンって本当はフランス人じゃないわ…オランダ系とポーランド系湯田屋人夫婦の間に生まれてるのよ…いわば、在米アジア人で日本風の名前を名乗っているような傾向のハシリのような人物なの…)
そうなのですよねぇ、あのバクチ好きで豪遊癖があってモータースポーツ嫌いだったというハゲ、フランス風に改名しとるのです。
(ちなみにゴルディーニ閣下の頭をdisるのは危険よ…ベラちゃんも怒る話なのよ…)
(あのフランス車を青く塗って競技に出して名を馳せたアメディオ・ジョヴァンニ・マリア・ゴルディーニは北イタリアで生まれた正真正銘のイタリア人なのです…つまり、大将閣下のご先祖様はイタリア人らしいのです…ですが、閣下のご希望でフランス人として扱って欲しい、かの人物の功績は知った上で、敢えて伏せておられるのです…あたしは明らかにして欲しいのですが…)
(フランスだとイタリア系「も」あまりいい顔されないんだよ…おまけに俺はアルザスの出だろ…この話はベラちゃんとマダム・ジョスリーヌの周辺に留めておいてくれ…)
ええ、ドイツと交流多く、ドイツ側ではフランスパンや白いパンを食するわ、逆にストラスブール側では当たり前の顔でビールも飲むあの地域、純粋なフランスや純粋なドイツとは見なしづらい一帯なのですよねぇ。
(そーせーじがおいしいですわね)
(ええ、ドイツものもなかなか)
マリーセンセイとマドモアゼル・ブリュントレーネがナニヲサラシテオルノカ、深く問い詰めないようにしましょう。
更にはわざわざストラスブールに来てフランスワインをラッパ飲みしているフローレシェーネ支部長とか、逆にバーデン=バーデンのアリマオンセンめいた温泉療養施設群でビールジョッキ片手に放歌高吟しておるフランス人やドイツ人の痴女皇国幹部制服の一団がいても、それは近場への慰安旅行や近隣支部同士の交流。
マドモアゼル・フローレシェーネがあわや飲酒運転かつ、自分の車と間違えてマダム・ジーナの英国系インド資本の四輪駆動車を運転して破損させかけたり、本来の南独支部長車たる盗まれ1号にアルコール検知システムを組み込もうかという話になっているのも内緒、内緒なのです!
----------------------
ふろこ「ばらさんといてもらえますか」
まりー「この時代のあの界隈、おさけ以外にはオーミネラールしか飲むもの、ないのですわよ」
ふろこ「ミネラルヴァッサー以外にはブドウなどの果汁を絞って飲むか…」
べらこ「というより脱線大杉。しばきますよカエル女」
まりー「ジョスリン…そんなことばかりしてると、解説役をマダム・オリューレに取られますわよっ」
じょすりん「ふっ。マダムが口を開くと、大人の助平展開になりますよ」
おりゅーれ「私を淫乱好色の代名詞のように言う件。淫交の現場を統治しているのとは別に考えて欲しいのだけど…」
べらこ「かるのくんとのあれこれのどうががなければあたしはおりゅーれさんをかばいました」
おりゅーれ「隣の島の芝生が青く見える病こそ、鬼細胞を投与しても治療すべき」
いばらき「オリューレ局長。鬼細胞は今のベラ子陛下には効きません…」
おりゅーれ(えええーっ)
いばらき「方法はあります。神功皇后、大江におられますよね。あそこの大巫女様」
おりゅーれ「はぁ…」
いばらき「あの大巫女様、喋り口調はともかくですね、アルトさんと大体同じなのです。色々と」
おりゅーれ「なるほど。試す価値は」
いばらき「ただですねぇ。あのお人は征伐とか征服という言葉が大好きなのです。それはもう、東北方面をしばく意志を漲らせていただけでなく、対馬海峡を渡ろうとする事2回。大江送りにされる前の当時の海上輸送事情を考えると、どれだけ執念深くこだわっていたかお分かりかと」
べらこ「おかみ様があの方を大江から出すなと言ってる気がよくわかるのです」
おりゅーれ「封印を解く方法はないのでしょうか」
べるて「ありますよ。あそこの地下に、鎖でぐるぐる巻かれた棺があるのですが、その聖なる棺の鎖を外して開けば」
いばらき「アンドラーシュ殿、いえ釣鐘殿…それ、暴露しちゃ駄目ですよ…」
おかみ「べるくん…あれの中身、しっとるんか…」
べるて「開けると悪霊が出て来るとは聞きました」
おかみ「あれのなかみ、りょうめんす○なのようなものや」
べるて「なるほど、りょうめ○すくな」
おかみ「あれをあけると、日の本がほろぶ危機がほんまにおとずれる」
べるて「えええええっ」
おかみ「そして、おおえの結界がはずれるんやけどな。いうたら、あの結界をかいじょするのは日本がほろびますぞというぼうずのことばやなしに、ほんまににほんにがづらとかがじらとかいうんがくるくらいのあぶないことがおきんかぎり、そないかんたんにはずれへんのや…」
いばらき「おかみ様、あれの鎖を外したらもう一つ、困った事が起きますよ。私ども鬼や天女や人魚にもののけにかかっておる人化の戒めが外れかねないのはまだしも、天満宮はまだしも藤寺と首塚の方がハッスルしてアップを始めます」
げどう「あのひつぎ、開けただけでもわしら鬼にも迷惑物件なん知っとるでしょうに、物覚えの悪いおばはんやなっ…事実言うただけで何で殴られますの!」
すずか「ちなみにあの棺、開けたら私らばけもんに戻るから一瞬やったれと思うでしょう、大嶽」
おおたけ「それがだな、俺らはおかみ様に従わされてはや数百年。加えて最近では人のなりの方が楽で楽で」
げどう「つまりやね。マリアはんの鬼対策が効いてて、それなりに丸くなってますねや」
りん「で、人魚族もそうなんですけどの、うかつに昔の状態に身体戻されても困るんじゃけん」
いばらき「鈴鹿殿、昔の姿に戻りたいですか」
すずか「わかってますやん。うちかて最近は祇園だけやなしに島原の指導に行っとるから、下手に人のなりから無理に天女に戻されても困る話ですわ(べっぴん姿の方がおとこうけええからね…おまけに私、まりやさんから天女仕様の痴女皇国対応衣装、借りてますよ…)」
おかみ「ちなみにわしにもえいきょうあるねん。まりやのくれたからだのせいもあるんやけど、もともとのわしのすがたあるやんけ」
いばらき「つまり、おかみ様ご自身の一人称がわしではなく朕と申される状態ですよ」
おかみ「あのじょうたいやとおみき…酒がもっといるようになんねや」
いばらき「飲むためじゃないから更に困るんですよねぇ…塩もそうなのですが、ご神域を拡大維持するのに使われるんです」
じょすりん「皆様、あのパスタ女は口で黙らせるべきなのです。ドツキアイは周囲に被害を拡大させるだけなのです」
おおたけ「一理ございますな」
いばらき「で、ジーナ様からも対策が。えーと」
じーな「んなもんベラ子黙らすんやったら何も無茶せんでよろしがな。瞳さんとかティアラちゃん、取り上げたったらええねん」
べらこ「かーさま、あたしをよけいに暴れさせる気ですか」
じーな「お前なぁ、イカ退治の時でもティアラちゃんの請願、んなもん私知りませんわでシカトできたか?あの子らの口からベラ子困るとかベラ子いらんとか言われてもうたらお前、どないするつもりじゃ」
べらこ「うううううう」
じーな「ジョスリーヌさん。更に言うけどな、今のこの子からクリス、取り上げたらマジ泣きするからさすがにやめといたってな」
じょすりん(それはつまり、パスタ女を泣かせる最終手段の暗示…さすがは閣下…)
じーな(最終兵器やから濫用しぃなや…1回こっきりの非常用と思うんやで…)
おかみ「手もあげずにいっぱつでべらこがだまってもうた…」
すとく「お内儀様恐るべし…」
あわ「主上…今やじーな様は我らでも迂闊に祟れぬ存在…」
じんぐう「じーな様、今年の出雲ではよろしうに。わらわも、たまには京にでも出たうなりますのぅ」
おかみ「おまえたのむからそれやめとけ」
じんぐう「お祖母様、わらわも婢女様には色々と学ぶところもございましたる」
じーな「という訳で、うちはまだまだNBからちゃんと帰れませんけど、ちょこっとだけ痴女島戻ったり、連邦世界の地球に帰ることはあると近況報告をしておきます。ただ…江戸とかボロブドゥールに呼ぶんはやめてな」
いばらき(ちなみにジーナ様にも鬼細胞、効きませんよ…みなさん忘れておられますけどね、痴女種能力のあるはずの擬似身体ですらほぼ人間同等になるとか、別段強いわけでもないジーナ様ですけど、なぜかこの一連の話ではマイレーネ様やアレーゼ様ですら一目置く最強級の御仁ですからね…どういう訳か)
てるこ「そりゃあもう、聖母様でございますからねぇ」
おかみ「せやけどな、婢女…おまえ、このてんかいやとなんか呼ばれそうな気ぃすんねんけどな」
じーな「いやどす。うちは議員稼業で忙しいんですねんで…」
べらこ(多分ね、そういう風に嫌がってると絶対に何かあるバンディエラ…フラグなのですよ…)
おりゅーれ「あとボロブドゥールと花離宮でのエロ展開も拒否しときます。これ以上カルノとのあれこれ、バラされても困りますしメル子の増長も招きたくはありません」
べらこ(だからそういう拒否を表明すると余計にその方向に話が進むんですって!)
すくるど「運命っていうのは簡単には避けられない恐ろしいものなのよ、あんたら…」
他全員「他ならぬあんたが、まさにその回避困難イベントの数々を設定する立場やろが…」
すくるど「あたしも好きで変なことばかり起こしたい訳ちゃうわい。さまざまな意味での変態が多いからこうなるのよっ」
他全員(沈黙)




