危うし少女・メカケの座を守る恐怖の戦い!・3
目の前に並べられたお菓子。
そして、アップルティーにシードル。
どれもこれも美味しそうに調理されています。
ですが…ええ、その主材料たる林檎は…毒林檎の木をファインテック生物部主導で改造した変種、その名も絶林檎。
林檎の実にも似た果実を食べるどころか、木の下にいるだけで、ある種の毒ガスのように皮膚が焼けただれて苦しむ事になる猛毒の木です。
燃やせばこれまた糜爛性の毒ガスを周囲に撒くがごとき毒の煙を発する代物です。
ですが、ファインテック生物部と微生物制御部、そして生体工学部はこの植物の有毒成分を除去した変種を作り出しました。
そして、毒成分の代替として、とある微生物の繁殖と散布の媒介植物になるように改悪、いえ改良したのです。
その微生物とは、他ならぬ駄洒落菌。
感染者の血液流に入り込み、あまつさえウィルスの大きさにまで身体を縮小して脳内に達し、言語野を侵食して駄洒落を呟かずにはいられなくする恐るべき細菌です。
その症状はまだしも、感染経路は麻薬や覚醒剤を摂取したのと変わりありません。
そして感染症の有害性はともかく、人間の思考を操作する事で危険性有害生物として連邦地球では密かに認定されています。
ですが、姉とクリスおじさま、そしてエマちゃんはこの駄洒落菌の強力な思考操作能力に着目して痴女皇国の戦略兵器に転用を果たしてしまいました。
かねてからこのシリーズでは、幾度もこの駄洒落菌を変化させた変種を使用していますけど、一番の用途としては性欲亢進。
特に珍々を持つ男性と、そして千人卒以上の痴女種には強力に作用します。
この駄洒落菌変種の媒介源として、麻薬性物質を含む植物種がいくつか選ばれていますが、毒林檎についても「毒さえなければ大変に美味」であることが判明したせいで、精力強化食材として転用することが企画されました。
そして原種のマンチニール同様に、船舶用木材として有用な特性を利用しやすくする目的で改良がなされたとお思い下さい。
で、今まさに茸島保養所の皇族専用棟の居間に、この絶林檎の実を用いたお菓子が並べられています。
その調理を担当したのは、白い調理人服に身を包んだ姉とエマちゃん。
「普通のパティシェが絶林檎をいじってみろ、大変な事になるだろ…」
「で、駄洒落菌も菌ですやんか。普通なら加熱すると死にますねんけど、結構しぶとい代物ですねんわ。そこで、生の絶林檎の実をかじるよりは例の作用がきつくなくなると思いましてね」
なるほど。エマちゃんの言い分を信じるならば、パイならパイとして焼くことで果実内の駄洒落菌変種を減らしたわけですね。
ただ…取り込んでしまったが最後、爆発的に増殖する性質のある菌です。
で、暴走の可能性を防ぐ必要があると言われまして。
あのですね、ねーさん。
あたしの白金衣、色々なバージョン作るのは良いとして、持ち主のあたしですらどれがどれやらと把握しきれないんですけど。
ええ、今回は青薔薇仕様のエロメイド服。
それも、離宮付けのどエロバージョンですよ。
何がえげつないと言って、僅かにメイドらしい意匠はメイドキャップや飾り襟や袖に残るだけで、ほとんど紐でしかない凶悪デザインです。
まぁ、メイドをやらされている行為それ自体ですが、あたし自身が女官指導のために給仕の仕事も一応は履修しているから良しとしましょう。
むしろ皆の手本になるように行うのが筋。
ただ…青薔薇でも痴女宮勤務ならもう少しおとなしいデザインでしょうが、元来は。
ですが、このお菓子を食べる立場であるリンジー・ギャラハンさんは私の身体を羨ましげに見ています。
あたしはジーナ母様譲りの身長180cm超えのモデル体型ですけど、そんなにも羨ましがられるものでしょうか。
(皇帝陛下。失礼ながらご自身の価値を再認識頂きたく存じます。私から見ても素晴らしいお姿ですよ。これも無礼な話に捉えられかねない件ですが、陛下に恋慕しても高嶺の花に思い、結果的に縁談がまとまらぬ危険すら感じます)
うう、痛いところを…ええ、ジーナ母様も言ってましたね。
あまりに美人過ぎると逆に引かれるって。
特にあたしも母様も、割と隙のない部類に思われるみたいなんですよっ。
(バーソロミュー・ロバーツに存じる。ティーチの奴が皇帝陛下のご機嫌を取れとか言って来たんだが…マリアヴェッラ陛下。陛下は…一言で申し上げますと、完璧すぎるのですよ。ワーズワース男爵…クリス様とのお話も耳に挟みましたが、陛下からご慈愛とお慈悲を頂く機会がなくば、私も含めて世の男は口説こうとすら考えぬでしょう。海の男は女神の怒りを恐れるもんですよ)
ふむ。
海賊としてはティーチの先輩に当たるようですが、痴女宮勤めではティーチが先輩。
ただ、お互いに気心は知れているようで、こうした情報を流し合って互助に努めてくれているのは何よりです。
(オマリー陛下からも、マリアヴェッラ陛下に嘘ごまかしは禁句だって念押しされてるからな。ただ、ティーチの出世話を聞く限りじゃ損はないだろ。そして何より、命を拾って取り立ててくれた恩があるからな)
確かに、ティーチが組みたがっていただけの事はありますね。その調子でクロムウェルさんを助けて頭角を現してくださいね。
ティーチもそうですけど、妙に純朴な男臭い男性が好みなのが財務局長のデルフィリーゼお祖母様やアレーゼおばさまと言った実力ある男っぽい方々です。
そしてアルトさんやダリアさん他の騎士経験が長い人たちも、あなたのような方を重宝しますからね。よろしくお願いしますよ。
(光栄な話だが…で、つまらん事を敢えて具申させてもらうけど、春売りの女も陛下と同じだよ。男の生い立ちに同情したり、不憫だと思われたら扱いは変わるんだ。マリアリーゼ陛下からもお聞きしたがな、せっかく腹のうちまで読めるんだから、男の弱みを突いて女に惚れさせるのも手だって、そのレディに言ってやってくんな。では、失礼つかまつる)
ふふふ。
ロバーツもなかなかの頭目ぶりですね。
うちの罪人はどうしても、不遇な育ちの経験者が多いので、必然的にやさぐれ者の比率は高まります。
で、大英帝国陸軍を率いたクロムウェルさんからしてみれば、配下の将官や騎士抜きにいきなり歩兵を指揮するようなことが、うちの国に収監された罪人たちとの間で起きました。
ですが、そこでティーチの推薦で拾われた伊達男海賊たるバーソロミュー・ロバーツが罪人とクロムウェルさんの間を取り持つ役となりまして…。
あぁ、そうそう。
この場にはアグネスおばさまとクリスおじさま、そして懲罰という事でシェリルさんとケイシーちゃんもいますよ。
で、リンジーさんの実のお姉さんのケイシーちゃんですが、こちらは本当にアホの子を演じるのが上手い方です。
お堅い妹さんの姉がこの人だと言われても、にわかには信じ難いところがあります。
一言で申し上げますと、人見知りしません。
ですが、そのケイシーちゃんが涙目です。
何故ならば、このパイやケーキを食べたらどうなるか。そして、あたしが注いで回っているアップルティーを飲めば何が起きるか、ある程度は察しがついているからです。
そして、ケイシーちゃんの横にいるシェリルさんも、流石に嫌そうな表情を隠せません。
「Puffer fish…Fuguと違って、食べても死にはしないのですから…それに、せっかくマリアちゃんが頑張って焼いてくれたのよ?」と、スコーンに林檎ジャムを塗りながら申されるアグネスおばさま。
「それに皆さん、私たちは痴女種です。毒蜘蛛だろうと毒ヘビだろうと、その気になれば食べられる立場。ましてや、そんな気色悪いものより遥かに美味しそうな見た目ですよ。それとも毒のカエルでRana料理を作りましょうか?」
ええ、あるんです。カエル料理専門レストランが、イタリアにも。
以前も話題に出したマントヴァのAntica Osteria Ai Ranariというリストランテ、ここがRana…つまりカエルを出す専門店なんですよ。
ここのフリット…英語で言うフリッターはお塩とオリーブオイルで頂くとなかなかですよ、とだけ。
「でもマリアちゃんのスコーン、ジーナさんが特訓して焼けるようになったのをそのまま引き継いでるのがよく分かるわねぇ」もぐもぐしながらアグネスおばさまが品評なさってます。
「マリアは料理出来るからね、実際に彼女が迎賓料理の指導をしているのは知っているし…」
そうなんですよ。
ですから、腕は確かだと思いますからほら、食べてみて。
で、スコーンをちぎってジャムを付けて、リンジーさんにあーんしてあげます。
我ながら恥ずかしい行為ですけど、あたしの母乳効果が出ているのでしょう。素直に食べるリンジーさん。
ほら、紅茶もイケますよ。
冷めないうちにどうぞ。
何でしたら口移しでも。
「何という強要…」
「いえいえ、あたしを母親扱いされると困るだけですよ。それよりシェリルさんとケイシーちゃんはぱくぱくと食べていますね」
「マリアリーゼ陛下手ずからという事を抜きにしても美味しいからです」
「これで、もう少しすると例の症状が発症するのを考えなければ至高のひとときなんですけどねぇ」
「それが不思議なんですよねぇ、元来ならば痴女種は身体に悪いものは自動排除するはずなんです。だから駄洒落菌変種の発症は妨げられても不思議じゃありません。現に、実はあたしも試食でこれを1人前分、食べているのですよ?」
で、あたしが平常心を保っている理由。
あたしがあまりに発情し過ぎるとまずいという事で、駄洒落菌やエロカロイド物質の作用を抑制できるリミッターが付けられたそうです。
エマ助、説明を。
(ベラ子かーさまの意思で発症するか抑えておくか決められます。職務上、敢えて効いた方が良い場合がありますやろ?)
そうね。
特におじさまと保養所の森や林や浜辺を散歩するときは。
そして、今は完全な女性形態にしていますよ、身体。
前にも申しましたが、普段からあれがあると邪魔なんですよ。
(文句がある人は自分の身体を普段どうしているか、思い出してから言ってください。あたしのち…を見たいという欲望だけで反応しないように)
ええ。いくら皇帝の権威の象徴にもなっているあたしの、ぴーたーのーすやラスプーチンちんを見たいからと言っても、それを持たされているあたしの立場になって考えて欲しいのです。
しかし、シーメールの方はどうしてるんでしょうかね。
(股間に挟み込むようにするか、それ用を使うみたいだね…)
ああ、おじさまも同様の問題をお抱えでしたね。
しかも、おじさまの場合は収納不可…つまり、男性形態の維持は必須です。
で、こういう時…駄洒落菌変種の効能が発揮されると困ると。
でまぁ、敢えて、おじさまに聞いてみましょう。
「如何でしょうか…」
「マリア、これは弱毒変種だよね。人には良く効いても痴女種にはアメリカンコーヒー並みの珈琲淫程度の効き目しかないやつ」
「そうそう。父様のリクエスト通りにしたから。千人卒のリンジーとシェリルさんなら普通に効くけど、他は効き目薄いと思うよ」と、料理輸送用の銀色のワゴンの前で姉が申します。
「果実はもう少し熟成が欲しいですね。Appleとしては日本のFujiの食感に近い気がします」と、剥かれて切られた絶林檎の実を食べながら言われるシェリルさん。
確かに、これを商品化するとなると…毒性を抜くのは可能らしいのですけど、売れる果物になるのか。
「どうにでもなる。それと…ベラ子、リンゴって熱帯では栽培できねぇんだよ。いざとなった時の救荒作物としての価値も考えると、絶林檎は広めてもいいんじゃないかって思うけどなぁ」
「椰子はどうなんでしょ」
「品種による。アルトの故郷の辺だとナツメヤシが生えてるだろ。あれの実を加工したのがあの甘いデーツだ」
ふむふむ。ただ、椰子は実の中の水を飲む以外には加工も必要なんですよねぇ。
「蜜を加工して糖を採取するとか、あとココナッツだな」
つまり、食用とするには一手間ふた手間かかるので、即座に食べられる絶林檎の方が向いていると…。
性欲さえ過剰に刺激しないならば、価値はあると思いますよ。
「しかし…こうして食べておりますが、いろいろお考えなのですねぇ」
「そりゃそうだよ。無害化種はNBにも移植する予定だしな。あの第三惑星、人が食える植物はまだまだ少ないし、父さんの仕事…人類に有用な植生をNBに定着させる作業も、まだまだ必要があるんだ」
ええ、おじさまの頭脳に曇りがあってはならない理由の一つです。
NBの植生は原生植物も希少な状態だったのを、数十年かけて何とか今の状態まで持っていったそうです。
そして、地球同等の自然環境、外部からの生物持ち込みの必要がないまでに育った状況を実現するには、あと数世代はかかる見通しです。
ですので、手入れはもちろん、定着までの監視には人の寿命をはるかに上回る時間を要します。
これも、痴女種による支配を受け入れる決断要素になったそうです。
「農産物は何とか、最低限度の自給自足を実現はしているのよ。ただ…地球と全く同じものを求められると、まだまだ辛いのも事実なのよね」と、紅茶を飲まれながらおばさまが。
「密輸で賄っていたものもあったと聞きます。アークロイヤル級の就航以降は色々と入って来たようで…」
お話を聞いておりますと、生物として生きていく為の何がしかはNBで手に入るか内製出来たが、嗜好品や娯楽については地球からの輸入に頼っていたそうですね。
ですが、今は英国本社の輸送会社たるユニオンキャリーを隠れ蓑いえもとい窓口として貿易体制が構築されました。
更には誘致に乗ってNBに工場を建てる企業や、独立前から操業していた会社の事業を拡大する動きがあります。
そして、母様がまだ嘉手納に頻繁に行っていた時代に英国のマスコミの子会社や、はたまた独立資本のマルチメディアサービスを営む放送会社が、英国との恒星間クァンタムリンク回線の民間使用権を獲得。
これによって地球の映画や娯楽番組の配信が可能となりました。
現在では主要ネット配信企業、NBにバックアップ設備を兼ねたミラーリングデータセンターを立ち上げておりますので、地球の流行はほぼ、伝わっているそうです。
それと民間レベルでのネット利用は完全に解禁されていませんが、英国・イタリア・フランスについては特定関係者にはNB側のコンテンツにアクセス可能。
そしてNB側では、軍籍者と地球系企業の限られた人物が地球側のコンテンツにアクセス出来る状態です。
(もっとも、あたしらは制限ぶっちぎって見てるけどな。痴女皇国からだと日本かNBか英国のゲートウェイを適宜選択して経由してんだよね…)
(雅美さんの内職とか色々ありますからね…)
(ベラちゃん、私のJerk映像が流出してるらしいんだけど…若い姿だから致命傷は避けられたけど…)
(きっと誤配信でしょう。NBのあのお部屋ですとか、おばさまだと気付かれる要素がなければ構わないと思いますよ。あたしなんかね、同級生があたしのやってる映像、メディアウォッチのライブラリに入れてるの見て悲しい気持ちになりましたよ)
ええ。
何故、本人が同じ教室にいるのに。
しかも、学業に支障を来たすなら言って欲しい。
リモートドレインになりますけど、いい目をさせてあげますとまで言ってんですよ、あたし。
いえいえ、本当なら痴女宮にご招待申し上げて、登院くらいさせてあげますよ。
ただ…それは智秋先生に止められております。
流石に痴女皇国ご招待は、やめてくれと。
(いえ、必要があれば僕も構わないと思っています。ただ…痴女皇国を見せる対象は選んで頂きたいんですよ。見学させた効果が薄いのであれば、せっかく色々と骨を折った価値がないでしょう。あと…マリアヴェッラ陛下、来年は受験ですよ…)
(つまり、今、下手に呼ぶと受験結果に悪影響が出ると…わかりました、副担任の言われる通りにします…)
(むろん、僕も「見せておく方が将来の有利な人脈になる」と思われる場合は痴女皇国見学もやぶさかではないと考えています。受験結果が出た後の卒業旅行代わりに、良さげな生徒をみつくろってマリアさんに名簿を渡しておきますよ)
とまぁ、必ずしも全然ダメ全くダメ何が何でもダメという訳ではないよという説明を、副担任の智秋先生から頂きました。
ちなみに先生のご結婚って…。
(陛下たちの卒業後…つまり、僕のどこぞ高校派遣任務終了後となりますね。来年6月を予定しています)
(先生ならお忘れではないかと存じますが、招待状、お待ちしております…)
ええ、やんごとないお嬢様とのご成婚となるようですね。
なお。
万一の性生活の不調につきましては、姉に相談願います。
あたしがやると、ものっすごく怒られるのは目に見えてますので。
というかNBも元来は担当、ねーさんでしょうが。
何であたしがおばさまとおじさまはまだしも、フレミング機関の女性の面倒までぇっ。
今ねぇ、あたしが直接面識があるのは2桁名ですけど、100名なんてすぐ突破しそうなんですよ…?
これ、本当ならシェリルさんやカリーニャさん、そしてアグネスおばさまとうちのかーさまと、そしてスクルド先生の受け持ちのはずでしょうがぁっ。
そして、さっきからリンジーさんの状況を観察していますけどね。
そろそろ効果を発揮し始めてんですよ、駄洒落菌変種。
ええ。潤んだ目で見つめられています。
そしてですね、NBの面子。
あんたらまで、あたしとクリスおじさまに面妖な視線を向けるのですか。
おのれら全員、股間に備えるもん備えてるやろがと。
そして天の声。
あのね、この後の展開、どうしたってR15枠で書ける内容にならないって解ってるわよね。
あたしはもう、包み隠さず言うつもりです。
ですので、続きを闇堕ちマリア枠で書いたとしても、皆さんは怒らないで欲しいのです。
その代わり、ベラちゃん暴れて来ます。
ええ、自制はしますが、多分、暴れると思います…。
(ベラちゃん。それよりあたしがスペインで苦労した話をしたいんだけど)
あのぉ、パイセンはパイセンでスペインでの鉄道開業で大変なの、解ってますよ。
解ってますけどね。
痴女宮は痴女宮で大変なんですよ…?
(それと夏休みのハワイの校外学習。あれ本当に大変だったんだからね!)
お黙り、たのきち。
あたしは単なる運転手…と言うかスケアクロウの操縦士しかやらないつもりだったのよ?
(あと幽霊作戦のその後の南洋島と茸島の件もですねぇ)
オリューレさん。
あれは貴女のお仕事です。何のために茸島行政支局長をお任せしているのですか。
それに、将来は内務局から独立した南洋行政局を作りたいのでしょう? ここが頑張りどきですよっ。
(人使いの荒い陛下の話をしたいのです!)
その代わりに配下の人事案、なるべくメ○ラ判突きまくってんじゃないですか。
オリューレさんの希望をなるべく叶えるのに必死なんですよ?
はい、わかりました。
この後の展開、オリューレさんも出席。
これで手を打ちます。
(ひぎぃいいいいい!)
ええ。藪ならぬ絶林檎林をつついてベラ子を出す。
これを経験してもらいましょう。
(ベラちゃんの行政姿勢に痴女皇国の今後を憂える可能性が出てきたわね…)
(お義母さん…マリアがいますから)
(父様、アグネスおばさま…今だけは付き合ってあげてくれ…ベラ子もストレスを溜めてるとは思うんだ…)
ねーさん。解ってんならもうちょっと比丘尼国からの帰国、早めてくださいよ。
何ですか自分だけ横濱と江戸どっぷりで。
その上、あたし、冬前にノヴゴロド行って美男公のお店の進捗も見てくるんでしょ?
ええ。
瞳さんやゼアラさんやアンヌマリーちゃんに八つ当たりするだけでは済みそうにないと思うんです。
仕事はしてあげますから、その代わり…NB組、解ってるやろな。
(ひぇええええええ!)
(あの、私、軍事法廷でも構いませんので、NBに戻して頂く方が良い気がしてきました…)
リンジーさん、遅い。
いまさら何を言っておるのですか。
さぁ、貴賓棟の壁を開けますよ。
夕方の風が心地良い中でなら、捗るものもはかどると思うんです。
(あの、ベラちゃん…私はいいわよね…NBに戻りたいし…)
アグネスおばさま。
NBの痴女種のトップたるおばさまが自ら前線から退却なさるのですか。
許せますか、皆さん。
(シナバモロトモとは日本のことわざですね)
(拘束装備をお願いします)
(ベラちゃん。僕もファインテックの)
(ダメです。ジョアンナさんに業務代行をお願いしておきましたから。それに駄洒落菌の作用を抜いておかないと、今戻ると皆さん全員が大変なことになりますよっ)
ええ。宣言しました。
そしてあたし以外の全員の顔に浮かぶ、絶望の表情。
たまにはこう言うのを見てもいいじゃないですか。
そして痴女皇国は皇帝の専制統治国家ということを思い出して欲しいのです。
それとね、皆さん。
いつの間にか、マリアねーさんがいなくなってるのに気づいてました?
これも、痴女皇国の上皇として許される行為でしょうか。
せめて、皆さんを庇う姿勢を見せるべきではないでしょうか。
このマリアヴェッラに対する態度いかんでは手加減してあげますから、姉への不満があるならばここでお聞きします。
(ベラちゃんのえげつない交渉の提案、恐怖も感じるわね…)
あらあらおばさま、英国流かも知れませんわよ。
割とあの国、こういう露骨な恫喝も得意だったじゃないですか。
という訳で、このお話は闇堕ちマリアへ続くかも知れません。
他の方の無事を祈って頂ければと思います。
それでは、またお会いしましょう。
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べらこ「続きました」
https://novel18.syosetu.com/n0112gz/147/
りんじー「わたしどうなるんですか、どこにつれていかれるんですか…」
べらこ「わがままを言う人を調教するための場所です。NB出身者といえど逃しませんよ」
りんじー「ひぎいいいいい」
あぐねす(リンジー、あなたをベラちゃんに引き渡さないと、NB在籍の痴女種全員が断食になっちゃうのよ…)
けいしー(妹一人差し出してそれで済むのなら)
べらこ「何を甘えた考えを。フレミング機関の痴女種の皆さんは後日、あたし直々に痴女皇国女官の精神注入をしましょうか」
しぇりる「私はとばっちりではないのでしょうか…」
べらこ「シェリルさん。あなたは外事第二室長。いかに実質的な室長がアグネスおばさまであっても、名目は痴女皇国担当部署の責任者でしょう?」
しぇりる(ノォオオオオオオオ! ファ○ックエンプレス!)
べらこ「ウクライナ戦争でロシアの装甲車をやっつけたアメリカ義勇兵のような雌叫びを上げないように。不敬以前に、油断した隙を突かれて反撃されてしまいますよ」
あぐねす「シェリルじゃベラちゃんには勝てないわね…スクル…いえ、ミセスエイリーン」
すくるど「アグネス・ワーズワースの懸念もわかるけど、ここはリンジー・キャラハンの性癖矯正に合意しておくわ…」
あぐねす「そんなぁあああ」
すくるど「だってそうじゃない。痴女種になると精気授受は必須。めしべとめしべだけで終わらない話よね?」
すくるど(それにね、お読みの皆さん。私もハンガーストライキというのかしら。断食を強要されると困るのよ…私の身体を動かすために必要なものは何か、思い出してみてね…)
べらこ「スクルド先生はあたし由来の義体だから、精気は不要なはずでは…え、ちょっと待ってくださいよ…」
すくるど「マリアヴェッラ。あんたの差し金じゃないの分かってるけどね、文句は言うわよ。あたしにまで自家発電機能、無理矢理つけんじゃないわよ。…事もあろうに私にさ、あんな変態行為をしろって言うの? これ、神に対する不敬と思わない?(号泣)」
べらこ「ええ、あたしがある事をやらないよってスネるだけで、皆さんが怒ったり泣くんですよ…」
他全員「ベラちゃん! 言ってる事と考えが全く別! 超時空太閤HIDEYOSHIがトットリやミキのハングリー・オペレーションを実行してるような顔になってる!」(全員爆泣)




