演劇5 ~違う雨~
「雨」と聞いて雨が降る景色を想像でしょうか?
それは現実的なものでしょうか?
それとも空想的なものでしょうか?
想像した景色――その世界は果たして現実なのでしょうか?
それとも空想なのでしょうか?
キミにとって現実と空想の境とは何でしょうか?
「問われたからには答えなくてはいけないな……」
雨の降る景色を想像してみる。
灰色の雲に覆われた空。僕の場合はただ一様に灰色で暗い世界ではなかった。
薄っすらと遠くの稜線付近は明るい。一体何でそんな光景になるのだろう。
そんな中で雨が降っている。小雨でも驟雨でもない。ほどほどの雨模様。
現実はそんなものだろう。
でも……
「その先に何かがある……」
これはただの予感であった。実際に雨が降っている日に窓の外を見たら……
あるいは雨の日に外を散歩したら灰色の空に雨の雫と音くらいしか感じない。
でも想像するとそこから先が見えるような気がする。
これは空想なのだろうけど、どうしてその先の世界を予感することが出来るのか?
何で見えていないものまでが見えてしまうような感覚になるのだろうか……
雨に打たれる者と雨を想像する者……
それぞれ違うものが見えているようです。
その先を1つだけ紹介しましょうか。