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第五十一話 取り調べ

「ロエルは…… 四聖剣の一人です」

「あいつがですか!? 俺より年下くらいだったのに!」


 ハウエルから聞いた四聖剣の能力(スキル)は振動、水、雷だ。 それに加えてハウエルの後任がいる。 


「ちなみにあいつの能力(スキル)は分かりますか?」

「ロエルの能力(スキル)は、能力(スキル)の無効化です。 この首筋の痣もロエルにつけられました」


 という事は、あいつがハウエルの後任という事になる。

 能力(スキル)の無効化…… 俺の能力(スキル)と同じくらいのチートスキルだ。


「それってもう今後ずっと能力(スキル)が使えないんですか?」

「私たちにも分からないの、でもその可能性もあります」


 セリカの母親は痣をさすりながら言った。

 その時、突然頭の中に小さな声が響いた。


「……蓮! 早く起きなさい、遅刻するわよ!」


 これは俺の母親の声だ、もう日付が変わってから2時間近く経っている。

 このまま夜更かしっていう訳にはいかないらしい。


「すみません、俺は休んできてもいいですか? 何かあったら起こしてください」

「ゆっくり休んでください、私はセリカとあの人の様子を見ておきます」

「お願いします、また夜が明けたら今後どうするか話し合いましょう」


 俺は2階に上がり、少し埃がかかったベッドシーツを外し、そのまま眠りについた。



 **********************



「蓮!」

「起きた起きた、今行くから」


 俺は身体を伸ばしながら、自分の部屋を出る。

 時計を見ると本当に遅刻ギリギリだ、正直朝食を食べてる余裕もない。


「やばい、パンだけもらってく」

「いいから早くいってらっしゃい」


 俺はすぐに制服に着替え、用意されていたトーストを咥えて家を飛び出した。

 バスと電車の乗り換えが上手くいったのが功を奏したのか、ギリギリチャイムが鳴り終わる前にはなんとか滑り込みで教室に入る事ができた。


「どうした蓮、寝坊か?」

「なんか真面目そうだからそういうの意外!」


 唯斗と彩が笑いながら俺を茶化してくる。

 アウゼスが現実世界に襲来した時以降、俺とクラスの人間の距離は近づいた……と勝手に俺は思っている。 唯斗も彩ももう友達以外の何者でもなくなった。


「ちょっと…… ハァ…… 用事が……」


 5階にある教室まで猛ダッシュをしたので、息が切れ切れだ。

 能力(スキル)さえ使えればこんなに辛いこともないんだが。

 俺の


「大丈夫か? 死にそうな顔してるぞ?」

「いや本当に死にそう、1限はクールダウンに使うしかない」

「お前って意外と不真面目だよな、話す前はてっきりガリ勉かと思ってたぞ」

「お前らが勝手にそう思ってたんだろ。 こちとらコンスタントにテストでビリとってたんだから」

「いや、人間見かけによらないわ」

「どういう意味だよ!!」

「おい、御堂(みどう )


 唯斗と話していると、担任が俺の苗字を呼んだ。


「は、はい」

「ホームルーム後に職員室に来なさい」

「えぇ…… 分かりました……」


 クラスの奴らが俺のことを見る。

 俺、何かしただろうか。 今日もギリギリ遅刻はしてないはずなんだが。

 俺はホームルーム後、大人しく職員室に向かった。

 職員室に着くと、職員がみんな俺の方を見ている、何だか不穏な空気だ。


「君が御堂 蓮君かい?」 

「はい」

「私はこういうものなんだけど」


 話しかけてきた男性は見覚えのある手帳を俺に提示した。 これは警察手帳だ。

 名前は高梨という人で、警視庁の刑事らしい。


「ちょっとここで話すのも何だから、奥の部屋に行こうか」

「はい」


 俺と高梨さんは校長室の隣の来客室に入り、大きな革製の椅子に腰掛けた。


「この前、ここの周辺でブロック塀や道路が壊される事件が発生してね。 すぐ近くの監視カメラにここの制服を着た少年と鎧の様なものを着た男が写っていたんだ。 これは君で間違いないね?」


 高梨さんは監視カメラの画像を数枚俺に見せてきた。

 画像を見ると、自分じゃないと言い逃れができないほど、鮮明に俺の顔が写っていた。

 どうする、ここで本当の事を話すか? そんな事を言って信じてもらえるのだろうか。

 そもそも俺が空間転移持ちだと分かったら、警察は最近の行方不明事件を俺と結びつけるだろう。 やはり本当の事は言わない方が良さそうだ。


「俺です」

「じゃああの場で何が起きたか知ってるかい?」

「はい、帰宅していたら目の前に黒い穴が現れて、その中から鎧を着た大きな男が現れたので、必死に逃げました」

「なるほど、この氷や炎については何か知ってるかな?」

「分かりません、その鎧の男が眉間にシワを寄せると出現してました」

「でも監視カメラの映像を見ると、君を守る様に氷の壁が出ていたりとしてるんだけど」


 高梨さんは目を細め俺の顔をジロジロと見ている。 ここでボロを出す訳にはいかない。 俺はなるべく動揺を顔に出さぬ様努めた。


「それは映り方の問題な気がしますけど…… そもそも僕はそんな魔法みたいな事ができませんよ、ただの冴えない高校生ですから」

「ただそんな魔法みたいな事がこうやって起きてるからね、一応話を聞かせてもらってるだけだよ、話は分かったよ、今日はありがとう」


 高梨さんはその場で席を立った。

 俺はこの取り調べの様な状況から解放され、教室に戻った。

 多分俺は今後も警察にマークされる、いよいよ現実世界で能力(スキル)を使うのは難しくなりそうだ。


「蓮、ちょっと話が」


 教室に戻るや否や、俺は玲奈に呼び出された。


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