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チートスキル "スキルドレイン"をもってすれば、陰キャでも世界を救えます!  作者: 久間佑(くますけ)
第二章 ボルグラン編
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第二十話 もう一人の自分

第二章です、伏線を徐々に回収していきます!

 ——ここはどこだ。 俺は死んだのか?

 だとすればまだやり残したことは沢山ある。

 見ていたアニメをせめて完結するまで見たかったし、セリカを両親に会わせてあげたかった。

 数少ない友人や家族にも挨拶くらいはしたかった。

 それにしても死後の世界がこんな真っ暗な空間だなんて、死んだら何も楽しみがないじゃないか。


()()()はまだ死んでないよ」


 背後から声がした。

 振り返るとそこには俺と全く同じ見た目をした青年が立っていた。


「え、俺!?」

「ふふ、驚くよね」

「もしかして、俺の前世か? もう一人のボク!?」

「違うよ、軸は違えど君と同じ時代に生きている」


 頭が混乱する、同じ時代に生きていてこんなにそっくりなことあるか?

 ドッペルゲンガーって本当にいるみたいだ。


「僕のことはきっとレナが説明してくれるよ、だって君は彼女の能力(スキル)を見てしまった訳だし」

次元超越(ディメンションシフト)……」

「そう、それで少しは察しがついてきたんじゃないかな?」

「やっぱり俺をこの世界に呼んだのはレナ? でも現実世界の玲奈とはどういう関係が」

「もうすぐ分かるさ、もし僕たちが死んでしまったらゆっくり話そう。 もしまだ生を受けることができるなら、レナに聞いてみるといいさ」

「文字通り俺は生と死を彷徨っているってことか」

「うん、何が起こっているかは分からないけど、まだ死んでないってことは皆が僕たちの命を繋ごうとしてるんだよ、きっと」

「あの氷漬けの状況で生きていられたら奇跡だな」


 もう一人の自分とそんな会話をしていると、真っ暗だった空間が少しずつ明るくなってくる。


「どうやらまだ僕たちは死なないみたいだよ、じゃあまた会おうね」

「会う時ってのは死にかける時だろ? できればそんなのごめんだ」

「そんなことはないよ、話を聞けば分かるはず。 いつか僕の能力(スキル)を君に使える様になって欲しいしね」

「もう一人の自分なのに能力(スキル)が違うのか?」

「まあまあ、じゃあ行ってらっしゃい」


 世界がどんどん明るくなっていき、真っ白になる。

 誰かに手を引かれる様に俺は生死の狭間を抜け出した。





「——レンさんが目を覚ましました!!」


 セリカの声だ。

 気を失うといつもセリカの声で目を覚ましている気がする。


「本当ですね、良かった」

「こんなに苦労したのは久しぶりだわい、じゃあワシは休憩させてもらうぞ」


 セリカとレナの声は分かる。

 それに加えて老女の声が聞こえる。


「俺は……生きてる?」

「はい!間違いなく!! 今回ばかりは本当に死んじゃうかと思いました」


 セリカは泣きながら笑っている。


「あんな氷漬けにされたら普通死ぬわな……」

「フェニーに感謝です、フェニーがいなかったらレン様は確実に死んでいました」


 レナは俺が死にかけたというのに、相変わらず淡々としている。

 できればもう少し心配してもらえると嬉しいんだが。


「不死鳥の炎か、確かにあんな氷一瞬で溶かせそうだな。 そうだ、隻眼の魔女は!?」

「私が無力化しようとしたのですが、ギリギリのところで逃げられました」

「そうか、あんなのにまた襲われたらひとたまりもないな」

「そのための修行です、対等に戦えるだけの力をつけないとです」

「そうだな……」

「とりあえず、明日までは絶対安静です」

「生死を彷徨って安静期間は一日でいいのか?」

「はい、いいお医者さんに出会えましたので」

「さっきの老人か、あとでお礼を言っておく」

「はい、そうしてください」

「あと、ここは南の都ということでいいか?」

「はい、南の都、ボルグランです!」

「良かった、着いたのか。 ゼラートにも報告しなくちゃな」

「私が空間転移(テレポート)してお伝えしてきますね!」

「頼む、大丈夫とは思うけど気をつけてな」

「はい!」


 セリカはその場で転移穴(ポートホール)を開き、ウィンダム邸に空間転移(テレポート)した。


「さて、レナに聞きたい事がある」

「はい、何でしょうか」

「レナが次元超越(ディメンションシフト)能力(スキル)持ちだったんだな」


 いつものレナの平然とした顔が少し曇った。


「何のことでしょうか」

「俺の能力(スキル)は特殊で、相手の能力(スキル)が分かってしまうんだ、だから間違いない」


 レナははぁとため息をついて俺を見つめている。


「バレてしまいましたか、できれば隠しておきたかったのですが」

「ごめん、意図的に知った訳じゃないんだ。 レナが俺を(かば)ってくれた時にたまたま知ってしまった」

「でもいずれは言わなきゃいけなかったんです、問題ありません」

「俺がこの世界に来たのもレナの能力(スキル)が関係しているのか」

「はい」


 俺の疑問の核心がこんな身近に存在するとは思わなかった。


「厳密に言うと、私ではなくレン様の世界の玲奈ですが」

「やっぱり見た目が全く一緒なだけあって関係はあるんだな」



「……すみません。 じゃあ私と代わりますか?」


 レナが一人でボソボソと喋っている。

 一体誰と会話しているんだ。

 数秒後、レナの雰囲気が変わった。

 平然とした顔に感情がこもった様な印象だ。


「あんた、ついに知っちゃったのね」

「何か急にキャラ変してないか?」

「してないわよ、いつも私はこうじゃない」

「いつも……? もしかして、玲奈!?」

「そうよ」

「えぇぇぇぇぇ!?」


俺は異世界で玲奈と遭遇した。



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