私の中に何人もいる人格たち。
私の名前は、『浦川 和佳奈』26歳、市役所で働いているわ。
___私には?
みんなに隠している事があるの!
・・・それは?
私には、別の人格が私の中にいる事よ。
___私、浦川 和佳奈は。
【主人格】で、他には、、、?
スポーツ万能でムキムキの筋肉マッチョ23歳の男の子のハヤト。
やんちゃで無邪気な小さな男の子5歳の駿。
色気ムンムンで、派手な事が大好きな女性、29歳のアヤ。
最後は、暴力的で感情をコントロール出来ない男、草太。
▼
___何故? 私の中に、別の人格が現れたかというと?
私がまだ、幼少期の頃まで遡るの!
___私が、5歳の時に、、、。
母親が新しい男性と再婚したわ!
私の本当のお父さんは、事故で亡くなってしまったから。
女手一つで、私を育てる事が難しいと思ったお母さんが再婚したのよ。
・・・だけど?
母が再婚した男性は、私に暴力を振るう人だったの!
私だけじゃない! 母親にもよ。
元々、お酒癖が悪い男でね!
___仕事が上手くいかなくなると?
直ぐに、仕事を辞めてしまって、、、。
家で、毎日のようにお酒を飲むようになったのよ!
___母親は、父親の代わりにパートに出るようになって。
私とその男が二人きりの時は、暴力を受けていたのよ。
母親が、パートから家に帰って来ると?
今度は、母親に暴力を振るう。
*
___そんな時だったわ。
私の頭の中で、別の声が聞えたのよ。
『___おい? 俺の声が聞えるか? お前は、母親を助けたいか?』
『・・・えぇ!? う、うん、』
『___俺が、お前の力になってやろうか!』
『・・・どうやって?』
『___俺が、あの男を殺してやるよ!』
『___えぇ!? そんな事が出来るの?』
『___あぁ! 勿論だ! どうする?』
『___お、お母さんを、助けて!』
『___よし! その願い! 叶えてやるよ!!!』
『・・・・・・』
___それから3日後だったわ!
私が朝、目を覚ますと?
父親が血まみれで、隣の部屋で倒れていたの!
お母さんは、父親の前で泣き崩れていたわ!
『___お、お母さん? どうしたの? お父さんは?』
『・・・和佳奈、見ないで! 見ちゃダメよ!』
『・・・お母さん、どうしたの?』
『___大丈夫よ! 何もないわ! 大丈夫、』
『・・・お母さん、』
___父親はあの時、既に息を引き取っていたらしいの。
・・・でも?
誰が、父親を殺したのか?
___その時、私は思い出したのよ。
あの時、私の頭の中で話しかけてきたあの男の話を、、、。
・・・あの男が、父親を殺したんだと。
▽
___それからというモノ。
私の頭の中で、いろんな声が聞こえるようになったの!
コロコロと私が、いろんな人格と入れ替わる度に、、、。
母親は、私を怖がるようになったのよ。
『___あなたは誰? どうして、和佳奈なの? 和佳奈を返して!』
『___ママさん! 和佳奈は今寝ているよ。僕の名前はハヤトだ!
体を鍛えてるんだ! この家に、プロテインとかあるかな?』
『___えぇ!?』
『・・・ママ! ママ! ぼくね! ハンバーグが食べたい!』
『___ハ、ハンバーグ? あなたは誰なの?』
『___あら? お母様! もっと女性なら綺麗にしないと! 女は
男に褒められて嬉しい生き物なのよ!』
『・・・・・・』
『___お前たち、うるさい! 黙れ! 俺が誰だか分からないのか?』
『・・・・・・』
『___済まない! 和佳奈は今、眠っている!』
『___貴方は?』
『___俺の名は、草太だ! あなたの旦那を殺したのは俺だよ。』
『___えぇ!?』
『___和佳奈に頼まれたからだ! “お母さんを助けて”ってな、、、!
だから、俺がアイツを殺したんだよ。』
『・・・そんな、』
『___全て! 和佳奈が願った事だ! あなただって! あの暴力旦那
を殺してほしかったんだろう?』
『・・・・・・』
『___図星だよな! ずっと和佳奈もそう思っていたよ!』
『___貴方が? 和佳奈が貴方に頼んだの?』
『___そうだ! 俺たちは、みんな共犯者だよ! お母さん、』
『___和佳奈を傷つけないで! もし? 貴方が和佳奈をこれからも傷
つけるなら!』
『・・・どうするんだい? 俺を殺すか? 同時に和佳奈も死ぬ事になる
んだぞ! それでもいいのか?』
『・・・・・・』
『___あなたに、娘は殺せやしないよ!』
『・・・・・・』
___こうして、私は別の人格たちと一緒に生活する事になったわ!
母親とは別にね!
・・・もし?
母親と一緒に住んでいたら?
___私は、いつか? 母親を殺してしまいそうだから...。
最後までお読みいただきありがとうございます。