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悪食暴食の感覚喰らい  作者: 陸海恋華
2/8

プロローグ 後編

 高校の食堂、讐花はそこでお昼を食べに来ていた。

 和風定食と書かれた食券を握りしめ、食堂のおばちゃんに渡すための列に並ぶ。

 お腹の虫が空腹を訴えてくるが、もうすぐだ、とお腹を抑えることで無理矢理我慢する。

 二十分程並んでやっと讐花の番になり、おばちゃんに食券を渡そうとする。

 ガタンッ!!

 しかしそれは、食堂に響いた音によって止められた。

 どうやら、生徒が椅子から倒れたらしい。

 それだけなら、注意を引くぐらいで済んだのだが、それだけではなかった。

 ガタンッ!!ガタンッ!!ガタンッ!!

 食堂にいた生徒達が一人、また一人と倒れていく。

 それには黙っていられなかったらしく、おばちゃんが血相を変えて叫ぶ。

「あんた達!!今すぐ食堂から出なさい!!」

 その様子に慌てて出ていく生徒達。

 その日、下痢や嘔吐、腹痛などを起こして倒れた生徒は、全校生徒の半分以上に上った。

 しかし不思議な事に、その中には讐花のクラスの生徒は含まれていなかった。

 高校は原因を調査するため、一時休校となった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 廊下を少し早歩きで歩く讐花。

 何か大切な事をこれからしに行くような真剣さを秘めた眼差しで奥へと進んでいく。

 足を進める程、人気は少なくなり、校舎もどんよりした重い空気に様変わりしていく。

 薄暗くなり始めた廊下を、讐花は迷わず進む。

 あの日の事件から、数週間が過ぎた。

 登校が再開され、倒れた生徒も回復した。

 その数週間の間にも、家で料理教室を開き、天芽は格段と上手く、早くなっていった。

 あの時の約束を果すための、最後の教室を今日、する予定だ。

 角を曲がり、目的の部屋が見える。

 今日も教室が始まる。

 そう思いながら廊下を進み、ドアノブに手をかける。

 その瞬間だった。

「そんな筈がない!!」

 部屋の中から、怒りの感情が込められた声が響いてきた。

 その他にも、いくつかの声が聞こえてくる。

 怒りの矛先が、その幾つかの声の主に向かっても物だと、讐花は簡単に理解し、そして動揺する。

 なぜなら、その声が物凄く聞き慣れた、彼女の声だったから。

 普段聞かない声に、ドアノブにかかっていた手が離れる。

 一瞬、何か迷うような素振りする讐花だが、深呼吸し、ドアノブに手をかけ、勢いよく扉を開ける。

「逆神会長!!」

「なっ!神喰讐花!」

 天芽が驚いた表情で讐花の方へ振り返る。

 中には天芽の他に、男子生徒が三人と三十代前半の男が一人。

 その誰もが讐花に注目する。

 ちなみにお互い呼び方が違うのは、いらぬ問題を起こさないためだ。

「校長、彼が...」

 天芽が何かを言いかけたが、言い切る前に校長と呼ばれた男が讐花の前まで近付く。

「君が、神喰讐花君で間違いないね?」

「...はい、俺が神喰讐花です」

 ゆっくりと紡ぐように言葉は、明るく言われたはずなのに、酷く冷たげに感じられる。

 讐花は男を警戒するが、校長と呼ばれていた事を思い出し、肯定する。

 警戒したのは、その言葉から、大切な何かを壊される様な感覚に襲われたから。

 そして、讐花のその感覚は正しかった。

「今から、君が料理を作ること及び持ち込みを禁じる」

「え?...」

 まるで決定事項をただ伝えるかのように、話していく校長。

「また、他クラスや理科室などの教室、食堂の出入りの禁止だ」

 抑揚のない声で告げられる言葉は、心に深々と突き刺さっていく。

「......なんで、そんな事を?」

 思いがけない出来事故か、呟きを零す《こぼす》讐花。

 そんな呟きに、校長は説明で返す。

「君は先日、食中毒によって一時休校したことを覚えているね」

「はい...」

「その間に私達教師は原因を探した。しかしそれは、一向に出てこなかった」

 そうこうしている内に、原因を探している内に生徒も回復していき、開校せざるをえなくなった。

「しかし三日前、遂に原因が見つかった」

 そう言って校長は男子生徒三人の方を見る。

三波俊平みなみしゅんぺい君、四葉碧よつばあおい君、笠空修かさぞらしゅう君の三人がね」

 三人は揃って笑った。

 普通に見れば、良い事をした時にする様な笑い、そう捉えるだろう。

「原因はリステリア。そして、それが含まれた水が...」

 しかし讐花は、

「この部屋から出てきた」

 彼らが嗤ったように見えた。

「ここは以前から君が使っていた部屋。そこから、食中毒の原因が見つかったとなると、犯人は君しかいなくなる」

 讐花は悟る。

 自分が、彼らに嵌められた事を。

 自然と、手に力が籠る。

「...でも何で、こんな...こんな事を?」

 なぜ俺がこんな事をされなきゃならない?俺が何をした?

 そんな疑問が、讐花の頭の中を満たしていく。

 そこに、校長の言葉が響く。

「退学や少年院送りよりはマシだろう。君はそちらの方が良かったのか?」

 その言葉に、讐花は校長の方を見て、目が合う。

 その目からは生気を感じられず、どこか人形っぽさを感じさせる。

 讐花は少し恐怖心を覚え、そのおかげで自分がつい怒りと疑問で我を失っていた事に気付き、ハッとする。

 その様子に気付いたのか、ただの気紛れなのか、校長は話を再開する。

「本当なら、君は退学か少年院送りのはずだった」

 讐花は冷静に返す。

「では何故?」

「君を庇う人が出て来たからだ」

「それは...誰ですか?」

 自分を庇うなんて、もしかしたら自身まで被害を受けてしまうのに。

 そんな事を思って、讐花は言い淀むが、聞かなければならないと思い、聞き返す。

 しかし、それに答えたのは、校長ではなかった。

「私だよ...神喰讐花君」

「会長...」

 そう、讐花を庇ったのは、逆神天芽、彼女だった。

 校長は話を続ける。

「彼女にこの事を話した時、彼女は否定した。『そんな筈がない!!彼がこんな事をする筈がない。それは、私は良く知っているつもりだ。もう一度言う、彼はこんな事していない!』と言ってな」

 讐花は天芽を見る。

 天芽は微笑んでいた。

 しかし、少し顔は赤くなっているのを見て、本当は恥ずかしいということを、讐花は見抜く。

「君が彼女に信頼を置かれていることを私は理解した。それで......気が変わった。今回の件、君は何の罰則も受けない事にしよう」

 俊平や碧、修に讐花、そして天芽。

 ここにいる校長以外の全員が驚きを見せる。

 校長が、初めて感情を見せた。

 無機質な目は既に無く、新しい玩具を見つけた子供のように、好奇心に溢れた目をしていた。

 天芽が、讐花に小声で聞いてきた。

「あの校長は、無表情で有名になる程、感情を表さない。讐花君、一体何をした?」

「...さあ、俺にも」

 突然、何も無かった事にするなんて言われて、何が何だか分からない讐花。

 当然、この状況がいまいち飲みこめない者は他にもいた。

「校長先生、失礼ですが理解できません。みすみす犯人を逃すつもりですか?」

 そう聞いたのは俊平だ。

 その表情には、驚きの他に焦りが浮かんでいた。

「確かに、彼が使っていたこの部屋から、原因とおぼしき物が出て来たのは、紛れもない事実だ」

「でしたら...」

「でも、それが誰かによって仕組まれた、偽の物でもかい?」

「っ、それは...」

 返された言葉に、俊平は言葉を失う。

 校長の言葉は続く。

「それにね、私は天芽君の彼に対する信頼を評価しているんだ。信頼は、生きるものにおける最も大切な事で、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 その言葉を言っている校長からは、何処か神聖さを感じさせた。

 しかし、明らかに不満そうな俊平達を見て、目を輝かせる。

「だけど、それじゃあ君達は不安そうだね。それは何故だい?」

「...讐花が、彼が罰せられないのを良い事に、また繰り返すかもしれないから、です」

 代表して俊平が言った言葉に、讐花は反論する。

「元々、俺はしていない!」

「讐花君は少し静かにしていようね」

 しかしそれは、校長の目の笑っていない笑顔によって止められた。

「...なら君達で彼が校内で怪しい行動をしないか監視すればいい。君達の納得のいくまで、ね?」

 その提案に、俊平は「相談してみます」と言い、振り返る。

 そして、碧と修がいる方へ行く。

「っ!...」

 その時の俊平の顔を見て、讐花は息を呑む。

「どうした?」

 天芽が讐花を心配する。

 讐花が見た表情は、狂った笑顔だった。

「二人もそれでいいと言っているので、それでお願いいます」

 いつの間にか、俊平は相談を終え、校長に話を通していた。

「じゃあ他の教師には私から言っておくから...それでは私は失礼するよ」

 校長は返事を返し、元の無表情な校長に戻って部屋を出ていった。

「俺らも戻るか?」

「ああ、そうだな」

「そうするか」

「では会長、俺達はこれで」

 そう言って、碧、修は出ていく。

 俊平は讐花に近づいて、耳打ちする。

「明日から、宜しくな。()()。」

 思わず悪寒が走る。

 俊平の方を見るが、彼はもう出ていってしまう所だった。

「......大丈夫?何か言われたの?」

 俊平が行った事を確認すると、天芽は讐花に近寄り、心配する。

「大丈夫ですよ」

 正直に言うと、それは嘘になる。

 頭には、あの笑顔と、俊平に言われた言葉が残る。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 次の日から、俊平達による監視が始まった。

 現在、讐花は誰もいない教室で監視、

「吐け!!どうしてお前如きが生徒会長と仲良くしている!」

 否、いじめという域を超えた拷問を受けていた。

「...知って...どうする?......」

「うるせぇ!お前は大人しく言う事を聞いてればいいんだよ!」

「ぐふっ!...はぁ...はぁ...」

 俊平が、讐花の腹に蹴りを入れる。

「......おい、また飲ましてやれ」

 それでも、言うつもりが無いと分かると、碧に何かを出すよう指示を出す。

 碧が鞄から取り出したのは、赤い液体が入った瓶。

 何やら辛そうなそれを、讐花に飲ませようとする。

 讐花は抵抗しない。

 蓋を開け、口に流し込もうとした時、修から声がかかる。

「そこまでだ、もう直ぐ下校時間になる。これ以上は教師に怪しまれる」

 俊平と碧はその忠告に従い、物を片付け始める。

「......終わったか?」

 息を荒くしながら、安堵する讐花。

「何終わった気になってんだ。まだ始まったばかりだろ?」

「修の言う通りだ」

「幸い、時間はあるからな」

 片付けを終え、俊平と碧が一ヶ所に集まる。

 そして、三人は揃って、

「「「明日も宜しく」」」

 嗤いを見せる。

 その日から、監視(拷問)はどんどんエスカレートしていった。


「!...ごくっ、ごくっ...(飲む音)」

「おら、さっさと飲め」

「飲まねぇともう一本追加な」

 ある日は水を三リットル以上飲まされたり、


「今日は千本ノックだ」

「三人で、三千本ノックだな」

「うっ!...うっ!...うっ!...」

 野球の的にされたり、


「このデブに好きな曲ってあんのか?」

「どうせないだろう」

 大音量の騒音をヘッドホンで聞かされたり、他にも様々な事をされた。

 しかし、讐花が折れることはなかった。

 それは、自分には食べるという生きる目的があり、そのためには何をされても折れない覚悟があったから。

 それでも、監視によるストレスは、讐花を蝕んでいく。

 そして、それは最悪の形で牙をむく。


 平日の監視から解放され、楽しい休日を過ごす讐花。

 今日は何をしようか、何をつくろうか、と考えながら、リビングへ向かう。

 リビングでは母による朝食が準備され、既に父が食べている所だった。

「おはよう」

「「おはよう」」

 讐花の朝の挨拶に、母と父は手を止めて返す。

 讐花は席に座り、手を合わせる。

 朝食は、鼻をくすぐる良い匂いを出して、食欲をそそらせる。

「いただきます」

 言葉と共に手を動かし、料理を口に運ぶ。

「!?」

 その途端、讐花の顔が驚愕に感情に染まる。

「どうしたの?もしかして、あまりの美味しさに驚いちゃった?」

「.......ない」

それは、美味しさに対するものではなく、

()()()()()()()()

 事に対してだった。

 その事を否定するかのように、朝食を口に流し込む。

「やっぱり...やっぱり感じられない!」

 しかし、味は感じられなかった。

 まるで、味覚そのものが抜け落ちたかのように。

 そこでやっと、息子に何かが起きたと気付く母親。

 急いで病院に行って検査してもらう。

 すると医者にはこう言われる。

「味覚障害ですね」

 と。

 讐花の頭にその言葉が反響する。

 さらに、回復の見込みはなく、一生このままと知る。

 讐花は絶望した。

 部屋に、引きこもるようになった。

 そんな讐花を心配して声をかけるが返事は返ってこなかった。

 せめてこれだけはと、様々な料理を扉の前に置くが、大半が残されて戻ってくる。

 最低限の食事を摂るだけで、その他を寝て過ごす讐花。

 太った体は次第に痩せこけていき、反対に髪の毛は伸びていった。

(...自分は耐えてきた...)

 差別する周りからの視線に、嘲笑しながら言われる悪口に、そして、体を蝕んでいくあのいじめ(拷問)に。

(...なのに...なのに...壊された......自分の、生きる...意味を...)

 巡り巡る頭の中での自問自答。

 それは、何十回も、何百回も、何千回も繰り返されていった。


 もう数えるのも億劫になるくらい繰り返したある日。

「讐、手紙が届いているわよ。ここに...置いとくわね」

 讐花に一通の手紙が届く。

 全てに無関心になっていた讐花。

 しかし、無性に読まなければならない気がして、読むことにした。

 手紙にはこう書かれていた。

『もしも、貴方の中にまだ食に対する愛が残っているのなら、また味を感じながら食べられるようになりたいのなら、明日、貴方の学校に来てください   Rより』

 正直、馬鹿馬鹿しく思った。

 しかし、讐花は手紙から目が離せなくなっていた。

 手紙を置き、ベッドに横たわる。

 脳裏に映るのはあの日いじめ(拷問)

 部屋に引きこもってから、トラウマになったそれは、頭に焼き付いて離れなくなった。

 だが讐花は、トラウマだけでなく、料理教室(天芽との楽しい時間)も思い出した。

(もしも...あの日の続きが出来るなら...また味わうことが出来るなら...)

 トラウマとまた同じ目に会いたくはない。

 けれど、見えた一筋の希望を逃したくない讐花。

 覚悟を決めたのは、日付が変わって数時間後だった。

 そして朝日が昇り、親が起きたのを確認すると、讐花は部屋の外に出る。

 親はリビングで朝の支度をしていた所だった。

 しかし、讐花を見るなり、母親は持っていた皿を落とし、父親は読んでいた新聞を落とす。

「「讐花!!」

 同時に息子の名を呼び、強く抱きしめる。

「心配かけてごめん、けどちょっと痛いから止めてくれる?」

 讐花は苦笑いし、痛くなってきたので、止めるようお願いする。

「ごめんね...朝ご飯食べる?」

 母親はすんなりと引き下がると、間を置いて聞く。

 讐花も間を置いて言う。

「いらない」

 父親もその雰囲気で手を離す。

 重たい空気が流れる。

 それを破ったのは讐花だった。

「学校に行く」

「「え!?」」

 讐花はそれだけ言うと、靴を履きに玄関に向かう。

「ちょっ、その恰好でか?」

 驚きながらも、心配そうに質問する。

「制服着てる」

 靴を履きながら質問を返す。

「そうじゃなくて、その髪はどうするんだ?」

「そのままでいい」

「だが...」

「俺は大丈夫だから」

 そんなことを何回か繰り返し、焦燥感が募っていく讐花に、

「これでまとめなさい」

 母親から髪留めを渡される。

「...」

 讐花はまじまじと髪留めを見つめる。

 そして、ぎこちなく髪をそれでまとめると、

「行ってきます」

 さっさと出ていこうとする。

「まて!」

 そこで父親が止める。

 父親は母親と顔を見合わせて、

「「いってらっしゃい」」

 と息子を送り出す。

 それに讐花は、

「帰ってきたら、腕によりをかけてね」

 と言い残し、今度こそ家を後にする。


 讐花は(おぼろ)げに残る記憶を頼りに高校に向かう。

 その道中、讐花に視線が集まっていた。

 無理もないだろう。

 女性ともとれる髪の長さに男性の身長は、(いささ)かアンバランスで、どうしても注目してしまう。

 そしてそれは、教室でも同じだった。

 讐花が勢いよく扉を開けると同時に、注目が集まる。

 所々「...誰?」や「転校生?この時期に?」等と大半の生徒が困惑している。

 讐花はそれに構わず近くにいた生徒に質問する。

「神喰讐花の席は何処だ?」

 声を掛けられた生徒は「ふぇ!?」と変な声を出し、教室の真ん中を指した。

 讐花は聞いた生徒に「ありがとう」と言い、その席に座る。

 すると響動(どよ)めきがはしる。

 何故ならそこは、

「久しぶりに登校してきたと思えば、私の席に座るなんて良い度胸ね」

「あ、逆神会長」

 讐花の席ではなく天芽の席だったから。

 「あ!やっちまった」という顔をする讐花。

 それがお気に召さなかったようで、

「どいてくれるかしら、貴方の席は隣よ、神喰讐花君」

 バンッと机を叩き、黒い笑顔で隣の席を指す。

 ざわざわと教室騒がしくなる。

 それは、謎の人物が讐花だったことに対してか、讐花が生徒会長と仲がいいことに対してか、あるいは、その両方、もしくは、

「ああ、すみませんでした、会長」

「許すから、さっさと-」

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「!?」

 讐花は何かいやな予感がして外に出ようとする。

 が、引きこもりの影響は大きかったようで、咄嗟には動けない。

 そして、光が爆ぜる。

「どうした!!」

 光に気付いて教師が入ってくるが、そこに生徒は一人もいなかった。

 それはまるで、神隠しのように。

 オタクなら憧れる、異世界転移のように。

 この出来事が世間を騒がせることは、言うまでもない。

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