第五十九話 謎の女たち
第五十九話になります。
序章のところからココまで読みにくいところがあったと思います。
駄目出しでも勿論構いませんので、感想を頂けたら幸いです。
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PM1:00
「こんにちは、サクラさん」
「こ、こんにちはです! アレスさん」
アレスは今、予め約束していたサクラと修練場で合流をしていた。
女子寮にてサクラと別れたアレスは何処で時間を潰すべきか頭を傾けたが、出口でブラドがアレスの事を待っていてくれた。彼女が自分の訓練の事を引き受けたと聞くとあたかも予想していたかのように頷いた。しかしアレスの眼には、ブラドの頷く時の表情が、どこか寂し気に映ったのだった。
午後一時に待ち合わせをしたと聞くと、ブラドはそれまで城の中を案内しようと申し出てくれた。彼に連れられてアレスは城のあちこちを案内してもらった。城の中心部は広場になっており花畑はとても美しく咲いていた事。城の外には少なかったが住宅街もあり、その多くは神帝教会の現上層部と元上層部が暮らす家だそうだ。また、城の上階も上層部の部屋が並んでおり、正規の戦士といえど中に入れるのは極一部の者のみなのだ。
『上層部』とはブラドたち『戦士』とは違う。太古から神帝教会と六道、つまりは『あの世』全体を管理している人たちなのだ。それをブラドから聞いたアレスは、『それほど古くから神帝教会を支えているなら、伝説に付いて何か知っているのではないか』と尋ねたが、ブラドは何も答えず、だが決して彼の言葉に頷くことはしなかった。
そうして城の中を案内されているうちに、時はあっという間に流れ約束の時間が近づいてきた。ブラドと別れる際に道を予め聞いていたこともあるが、修練所へは二度も言ったことがあるためアレスは迷うこともなく修練場に辿り着いたのだ。
「そ、それじゃあ訓練を開始しますね!」
相も変わらずサクラの口調はどこか緊張している雰囲気を感じさせる。表情も硬く、原因がアレスを恐れているのかどうかは分からなかったが、アレスはなるべく自然を装いながら余計に怖がらせないように優しい口調で答える。
「よろしくな、サクラs」
「あら貴方、噂の剣聖モドキじゃない」
何の前触れもなく、アレスの言葉を遮る形で二人は話しかけられた。聞こえてきた声にアレスは全く聞き覚えはなかった。サクラと共に声のした方を振り向いてみると見たこともない女性三人がこっちを見ながら近づいてきた。
「誰だ? あんたら。それになんだよ、剣聖『モドキ』って」
「貴方に決まってるでしょ? だって『金色』にも勝てなかったじゃない」
金色という言葉にサクラの身体がピクッと震えた。
先程と同じ声から、自分を剣聖モドキと呼んだ相手が誰かはっきりと分かり、アレスはその女性を凝視した。見た目はセンナや自分と同い年くらいの女性だ。オレンジ色の瞳と、同色の髪を肩まで延ばしている。その表情は見るからにアレスを見下している事が伝わってくる程挑発めいたものだった。
「金色? 誰の事だ?」
「誰って、貴方それも知らないで勝負受けたの!? ウケルゥゥ!」
「ムカッ!」
アレスを嘲笑う口調でそう話しかけてきたのは、オレンジ髪の女性の隣に立っている同い年くらいの女性だ。薄茶色の髪をハーフアップに纏め、同じ色の瞳を吊り上げながらケラケラと笑っている。言語から見た目までいかにも現世に居そうな『ギャル』そのものだった。
「ほらっ! 貴方も笑ってあげなさいよ。この残念な剣聖様を!」
「私は結構よ。ただ顔を見たかっただけだし」
「はぁ、相変わらずシラケるわぁ。テンサゲェ」
オレンジ色髪の女性に話しかけられても一切動じることもなく、突き放すような口調でそう答えたのは栗色の髪を腰まで延ばし、同じく栗色の瞳を観察する眼差しをアレスに向けている女性だった。一緒に連れ立って歩いてきたのに、栗色髪の女性一人は他二人と不仲の様にアレスは見て取れた。
「勝負を受けたって、『模擬戦』の事か。なら金色ってのはメルス」
「当然でしょ。マジ頭だぁいじょぉぶぅぅ?」
「なっ! お前らな、さっきからいきなり失礼だぞ!」
「その通りだ。もう止めておけ」
「「っ!」」
あまりにも小馬鹿にしてくる態度に痺れを切らしたアレスが声を荒げると、その言葉に賛同する形でまたもう一人知らない声が聞こえてきた。一同は声のした方向に視線を移すとハイヒールをコツッ、コツッ、と鳴らしながらまたもや一人の女性が歩いてきた。
「連れが失礼したな。すまなかった」
「い、いえ」
アレスは他の三人組とは明らかに違う覇気を醸し出してる女性に眼を奪われ、曖昧な返答を返してしまった。歩いてきた女性は、真っ黒な瞳に同じく何色も通さない漆黒の髪をユラユラと風に任せて靡かせているとても綺麗な女性だった。その片手には一本の刀が握られている。歳は他の三人やアレス自身と変わらないが、逸脱した雰囲気にその場が一瞬で飲まれてしまう。
「「お、お疲れ様です! 頭」」
「その呼び方は止めてくれ」
オレンジ色髪の女性と薄茶色髪の女性は一斉に道を開けながら声を上げた。黒髪の女性は引き攣った笑みを浮かべながら返事をすると、アレスのすぐ目の前に立ちそっと空いた手でアレスの頬に触れてきた。
「「あぁぁぁぁっ!」」
「っ!」
女性は突然顔を触れてきただけに飽き足らず、そのままジッと真っすぐな瞳で此方を見つめながら顔を近づけてきた。まるでキスをしそうな雰囲気に流石のアレスも緊張してしまい顔を真っ赤に染める。先ほど道を譲っていた二人は驚嘆の悲鳴を上げながら、さも悔しそうな表情を浮かべながらアレスと黒髪の女性を刮目している。栗色髪の女性一人だけは表情を一切崩す事もなくただただ物事の行く末を見守る様に黒髪の女性に視線を固めていた。
「……なるほど、興味深いな」
「へ?」
一通り満足したのか、女性は笑みを浮かべるとアレスから手を離した。いったい何事かとアレスは女性を見つめ返そうとするが、その前に影が二つ間に割って入ってきた!
「アンタ!? 今頭に色目使おうしやがったな!」
「マジありえんてぃ! つぅかウザッ!」
「お前らがウザいわ! 良いから退けよ!」
「はぁ!? 退いてどうする気? まさか本当に色目使う気じゃ」
「止めないか!」
「「イテッ!」」
これ以上続ければ確実に口論になるであろう三人の様子に、サクラはビクビクと怯え何も言えなくなってしまった。そんな光景に見るに堪えられなかったのか、黒髪の女性が二人の女性に拳骨をすると二人は叱られたばかりの子供の如く押し黙った。
「本当にすまないね。悪い娘達ではないのだ。どうか許してほしい」
「い、いえ! 俺は別に」
再び女性が苦い笑みを浮かべながら謝罪をしてきたので、アレスもこれ以上言う事はなかった。
「たしか、君の名前は……」
「アレスです」
本当は荒野優という名前なのだが、平然とアレスと名乗る自分の姿にアレスは内心ガックリと項垂れていた。
「そうか。ではアレス、君に一つ頼みたい事があるのだが」
「なんでしょう?」
「私と、模擬戦をしてくれないか?」
「「「「「えっ!?」」」」」
一瞬その場が完全に凍り付いた。アレスもサクラも、黒髪の女性の後ろに居る三人も唖然猛然とした表情を浮かべながらその場に固まっている。ものの数秒後、
「「「「「えぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?」」」」」
――五人は一斉に機械のスイッチが入ったかのように同じリアクションで遅れてやってきた驚愕の感情を声に乗せたのだった――
読んで頂きありがとうございました。
新人作なので、「明らかに書き方おかしいだろ」
と思われる所もあると思います。
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【お知らせ】
今日まで連日更新を行ってきましたが、明日からは更新スピードを少しゆっくり目にさせて頂きます。理由につきましては、『これまでのストーリーをもう一度見直しがしたい』という事と『これから組み立ててゆくストーリー(プロット)をもう一度じっくり考えてゆきたい』ためです。突然の申し出で本当に申し訳ありません。なるべく連日か、遅くとも2~3日に一回という形で更新したいと思います。皆様にこれからもより一層楽しんで頂けるように精進してゆこうと思いますので、どうかこれからもよろしくお願いします。




