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生者と死者の掛け持ち剣聖  作者: ☥周幸来
第一章 出会い編
20/64

第十九話 仕打ち

第十九話になります。

序章のところからココまで読みにくいところがあったと思います。

駄目出しでも勿論構いませんので、感想を頂けたら幸いです。

PM00:20


 優は今もブラドに襟を掴まれ、手続きをするためにある部屋に向かっていた。


「なぁ、せめてどこに向かってるのかだけでも教えてくれよ」


()()()の部屋だよ」


「総隊長!?」


 ブラドが第七部隊隊長ということは他にもいくつか部隊があることは予想できる。

 そして、総隊長とはおそらく全部隊のトップに立つ人の事だろう。

 知らぬ間にそれほど偉い人のところに向かっているのかと思い、緊張のあまり優は唾をのんだ。

 優の硬くなっていく表情を見て、センナが声をかけた。


「大丈夫だよ優、総隊長は怒らせなければ怖くないから」


「誰だって怒らなきゃ怖くないだろ……怒らせたら怖いから緊張するんじゃないか」


「………」


 まさにその通りである。

 先ほどと言い今と言い、センナはフォローを入れるのが苦手なようだ。

 

「まぁ、理由もないのに総隊長もキレたりはしねぇ。あとはお前次第だ」


「余計緊張するようなこと言うな!」


「ナッハッハッハァァッ!」


 愉快な笑い声をあげながらどんどん前へ進んでいく。

 優の心は悩みでいっぱいいっぱいだ。

 このままでは


・部隊に入れられてしまう。


・怒らせたら怖いという総隊長に会わなければならない。


・名前がアレスになってしまう。


・帰りたくても体は現在解剖中。


 泣き面に蜂状態だ。しかし体がこっちにある以上帰ることはできない。

 優にはどうすることも出来なかった。


「よし、着いたぞアレスゥ!」


「う、……」


 優は襟を持たれていたため、後ろ向きに引きずられていた。

 後ろを振り返ると、両開きの扉がある。中に入ってもいないのに部屋の向こう側からただならぬプレッシャーを感じた。

 ブラドが優の襟を放し肩をもって立ち上がらせる。


「ここからは自分の足で歩け、怒らせたくなかったらな!」


「お、おう……」


 どことなくブラドの雰囲気が変わった気がする。

 さっきまでは明るいマイペースなオッサンのような感じだったのに対し、今はメルスの剣を受けとめた時のように身の毛がよだつほどの緊張感が伝わってくる。

 隣を見てみるとセンナも表情が硬く若干だが汗までかいている。


(えぇ……さっき大丈夫って言ってたじゃぁぁん)


 こうなっては優の表情もより一層硬くなるのも仕方ないことだといえよう。

 ブラドが優とセンナの前に立ち、ゆっくりと扉を開けた。

 中は実験室よりもずっと広い部屋だった。まるで学校の体育館のように屋根も高く、そこにぶら下げられた照明によって部屋を明るく照らしている。


 扉の反対側に長椅子があり、そこに腰かけている者がいる。優はその者の姿に驚いた。

 太股にまで届きそうな長い竜胆色の髪の毛。

 髪の色と同じく竜胆色の瞳。

 長くスラっとした足を組み、手に持った煙草(たばこ)が煙を昇らせている。

 真っ直ぐな瞳でこちらを見ていた。


 ブラドが一歩前に出て挨拶をする。


「失礼します! 第七部隊隊長、ブラドです!」


「同じく、()()()のセンナです!」


(あね)さん、折り入ってお願いしたいことが」


ヒュッビシッ!


「グハァァッ!」


(えっ?……)


 変化はあまりに突然訪れた。

 

 ブラドが話している途中から、女性はどこから取り出したのかとてつもなく長い(むち)を持ち出しブラドの頭を豪快に打った。

 ほとんど部屋の端から端まで届く鞭、それを巧みに操りブラドに命中させたのだ。

 相当激しい痛みなのかブラドは頭を抱え込み転げまわっている。

 あまりにいきなりの展開に優はついていけなかった。


「イッテェェッ!」


「姐さんではなく総隊長と呼べ。それと、まだ一人名乗っていないものがいるだろう?」


「……へ?」


ヒュッビシッ!


「ギャアァァァァッッッ!」


「優!?」


 優がブラドの姿に呆気に取られている間、いきなり話を振られたため、すぐに返事が出来なかったのだ。

 それを知ってか知らずか、女性は容赦なく優の頭に鞭を打った。

 あまりの痛さに優も床にのたうち回る。センナが慌てて駆け寄ろうとするが、それよりも早く女性の口が動いた。


「年上の人に向かって『へ』とはなんだ『へ』とはっ!」


(いやアンタがいきなり話振るからだろうが!)


 真っ当なことだが優はそれを口に出すほど愚かではなかった。

 初対面の相手に対してこの仕打ち。

 怒らせなければ怖くないとセンナは言っていた。

 怒る理由がなければキレることはないとブラドは言っていた。

 だが、これは……


「ん? 二人とも謝罪はどうしたぁ?まだ仕置きが足りないのかぁ?」


 そういう女性の顔はうっすらと頬が赤くなっている。

 楽しそうに、興奮しているように、にやけていた。


(怒る怒らない関係なしに、ただの()S()じゃねぇかぁぁぁっっ!)

読んで頂きありがとうございました。

新人作なので、「明らかに書き方おかしいだろ」

と思われる所もあると思います。

感想を見られるのが嫌でしたら、TwitterのDMでも

募集していますので、遠慮なくお申し出下さい。


鞭で打たれたら痛いでは済まなそうですね。

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