第十六話 考えの相違
第十六話になります。
序章のところからココまで読みにくいところがあったと思います。
駄目出しでも勿論構いませんので、感想を頂けたら幸いです。
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「……どうするのよ、センナ」
「アハハ、隊長はこうと決めたら一直線な人だから……」
「ハァ………」
優が巨漢の男に連れていかれた後、残った三人はいきなりの展開についていけなくなり、今だにその場に立ち尽くしていた。
ミキはこのままで良いのかとセンナに聞いてみたものの、ホントはもうどうすることも出来ないことは分かっていた。
分かっていたからこそミキは想像してしまう。このまま巨漢の男の言うようにしていけば、どれ程ややこしい流れになってしまうのかを。
それを考えたミキは腰に手を当て、やるせない気持ちを吐き出すかのように大きくため息を吐いた。
「センナ、あの話は隊長には伝えていないんじゃないの?」
「そうね、私も早く後を追わないと」
「待ってくれ、センナ」
ミキに言われ、隊長に伝え忘れていることを言いに行こうとするセンナを金色髪の青年が呼び止めた。
センナが振り返ると、彼はとても真剣な表情をしている。
後回しには出来そうもないと判断したセンナは、青年のほうを向いた。
「どうしたの、メルス?」
「君は言ったな、アイツが神帝教会が探し続けた剣聖だと」
「ええ、そうよ」
「今でも、そう思うのか?」
センナに質問する青年の目はとても厳しいものだ。初対面の相手なら恐れおののき、逃げ出してしまうだろう。
しかしセンナはその視線をものともせず、はっきりとした口調で答えた。
「ええ。彼こそは、私たちを救ってくださる剣聖様だと信じているわ!」
センナの言葉に一切の迷いを感じない。本気でそう思っていることは明らかだった。
だが、その言葉に青年はより一層険しい顔になった。その眼には、不満の感情と激しい怒りの感情が混ざり合っている。
「何故だ! アイツは今回何もできなかったじゃないかっ!」
「今はまだ力を覚醒させていないだけよ。その時は必ず来るわ!」
「………俺は認めないぞ………」
静かな声でそう伝えると、青年は素早い足取りでその場を去って行った。
センナは見えなくなるまで彼の後姿を見送り、その後大きく息を吸い、全身の力を抜くようにゆっくりと息を吐き出した。
その姿を見たミキがゆっくりと近づき、センナの肩に手を置く。
それに応えるようにセンナはミキに微笑むが、その笑みには暗さが見え隠れしている。
「メルスがアイツと打ち解けるには、だいぶ時間が要りそうね」
「うん。メルスの気持ちは分かるから仕方のない事なのかもしれないけど……」
「それよりもセンナ。早く隊長達を追わないと!」
「ああ、そうね! 行ってくるわ」
そう言うとセンナは、優達のもとへ走っていった。
それを見送ったミキは、先ほどの想像にメルスのさっきの態度を重ね合わせ、よりややこしいことになりそうだと思いながら、ゆっくりとした足取りでその場を去った。
――この先、アレスとメルスが世界を揺るがすほど激しくぶつかり合うことはまだ誰も知らない――
読んで頂きありがとうございました。
新人作なので、「明らかに書き方おかしいだろ」
と思われる所もあると思います。
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本日はもう一話更新します。宜しければ見に来てください。