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生者と死者の掛け持ち剣聖  作者: ☥周幸来
第一章 出会い編
10/64

第九話 来ちゃった、あの世の世界!

第九話になります。

序章のところから読みにくいところがあったと思います。

駄目出しでも勿論構いませんので、感想を頂けたら幸いです。

AM9:20


 優はセンナの話を聞いてから、自分の人生を振り返ってばかりいた。自分の過去を思い返すなんて、そうそうあるものではないだろう。

 しかし、だからこそそうすることによって普段は見えてこない考えが浮かんでくることもあるのだ。

 二十歳のニートの人生、特別変わったことは何もない。

 勉強も平均より少し上程度。

 剣道であっても試合に勝つこともあれば負けることもある。

 いたって普通の人間らしい人生だ。

 それでも楽しかった思い出くらいはある。他人からすれば(そんなことか)と思えるようなことも、当人からすれば大切な思い出。

 ふと、目を瞑っていると声が聞こえてくる感じがした。


「っぐる、すぐる、優ってば!」


「うわぁ!」


「やっと戻ってきた。感謝するのは良いことだけど、程々にね!」


「あ、ああ」


「もうすぐ出口だよ! その前に涙は拭いておいてね」


「え、涙!?」


 優は自分の目の下を触ってみる。すると両目からかなりの量の涙が流れていることに気付いた。

 (すぐる)は思う。女性に手を繋いで引っ張って貰いながら涙を流す今の自分の姿は、まるで姉に連れて帰って貰われながら泣き続ける弱虫な弟ではないか。

 空いている腕で乱暴に涙を拭き取り、前を向く。そこで漸く気付いた。

 長く感じたトンネルの出口がもう目の前に差し迫って居ることを。トンネルの出口からは未だ激しい光が発せられ、向こう側が見えない。

 優はこの先があの世の世界だということは理解しているのに、進む足は何故か軽い。

 無抵抗に先へ、出口の先へ進む。優とセンナはとうとう外に出た。そこで待っていたのは……


「す、すげぇぇぇぇぇっっっ!」


 目の前には、まさにファンタジーにある王国の姿そのもの。辺り一面を巨大な湖に囲まれておりその中心に浮かんでいるように島がある。

 その島には様々な建物がそびえ立って、更にその真ん中、おそらくこの国の中心と思われる所には、とても美しく大きな城がある。

 この光景こそ、まさしく幻想的という言葉が似合うであろう。本当に美しい国だ。

 センナは、驚く優の姿を見て満足気に微笑みながら、彼の眼前に立った。


「ようこそ、神の国『()()()()()()()()()』へ!」


「凄いよセンナ、俺こんな綺麗な所初めて……」


 優は感動のあまりテンションが上がり、興奮した様子でこの気持ちをセンナに伝えようとした。しかし、言葉の途中で思わぬ出来事が起きた。


――ドンッ――


 どこからか大きな銃声が鳴った。優は何事かと思ったが、直ぐにそれどころではなくなった。体が自然に後ろへ飛んでいく。それだけじゃない、左の胸が痛い、なにかに貫かれたような。


(え? 貫かれた? さっきの銃声、つらぬかれた……俺、撃たれた!?」


 それに気付いたとき、優は直ぐに痛みのする自分の胸を見た。胸には穴が空いている。血は出ていないが凄く痛い。


「っ!? 優!」


 すぐにセンナが近づき優を抱きかかえ、何度も優の名前を呼ぶ。


ハァ、ハァ、ハァ、


 刀に貫かれたときと同じだ。呼吸が辛い。優はまるで痛みから逃れるように、意識を手放した。


「優! 優!」


 センナは繰り返し名前を呼ぶが優に意識はない。

 彼が()()した直後。二人の頭上に、一人の少女が飛んで来た。


「センナ! 大丈夫!?」


「み、()()!貴方が撃ったの?」


「当たり前よ! 奴らの仲間でしょ、ソイツ」


「違うの! この人は奴らの仲間じゃないわ」


「え!? だって……」


「訳あって私が連れて来たお客様なのぉぉ」


「……ヤバ、もろ急所当てちゃった」


「とにかく、この人を()()()()()の所に! ミキも手伝って」


「わ、分かった!」


 突然現れた『ミキ』という少女とセンナに連れられて、優は王国内に運ばれるのだった。

読んで頂きありがとうございました。

新人作なので、「明らかに書き方おかしいだろ」

と思われる所もあると思います。

感想を見られるのが嫌でしたら、TwitterのDMでも

募集していますので、遠慮なくお申し出下さい。


主人公どんだけ殺されるんだ!っと思った方、まだまだ作品は始まったばかりであることをお忘れなく。

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