表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
表裏  作者: 働きアリ
2/2

2話

二か月が経った。


体の成長はもちろん、脳みそも発達してきたのか当初より驚くほど頭が冴えわたっている。首こそまだ座っていないものの、周囲を見渡したり体を起こす程度のことはできるようになっていた。


故に。

その異常にも気が付き始めていた。

私たち双子の、恐らくは私の兄にあたるのであろう赤ん坊が、ぐずるという行為を全くしていないということに。

ただただ天井を眺めるのみ。ときおり表情や体勢に変化はあったが、正直不気味なほどおとなしいのだ。妙な事態に陥っているように思える。


判断材料は転生と赤ん坊だけではない。


ベビーベッドの中から古い木製の壁を眺めながら両親の顔を思い出す。

青い髪に碧眼をもつ母親。くすんだ銀髪に黒い瞳の父親。人の形はしていたが、地球では間違いなくお目にかかれないその容貌は現状の把握をより困難なものとしていた。


なさんとすることは依然として変わりない。自分自身の決意に揺らぎもない。


ただあるのは、理解の及ばない現状と、予測もつかない漠然とした未来に対する抗いようのない不安であった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ