魔王様は世界が怖い
ある日、ある場所。
何も無かった場所にひとつの生命が誕生した。
それは、生まれながらにして絶大な力を持ち・・・そして、この世界の歴史を知っていた。
そしてソレは自分が「魔王」と呼ばれる物なのだとなぜか知っていた。
そして魔王はこの世界の歴史を覗いてしまった。
世界の歴史・・・栄枯盛衰。
力あるものが覇権をにぎれども、いずれは駆逐されてしまう。
力なきものが裏切りや策略によって力あるものを貶めていく。
一夜の過ちが人生の墓場へ一直線。
血のつながった家族が血にぬれたおぞましい殺し合いをする。
世界は恐怖に満ちていた。
たとえ魔王がいくら強くとも、賢くとも。
それを覆す何かに満ちていると。
そして魔王は・・・
今も静かにひっそりと何処かでおびえている。