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荼枳尼天だった時もありました。
記憶を取り戻してきた仙狐はお茶をすすりながら語ります。
「あれは…今から満ち月を遡ること1万回ほど…」
長くなりそうなので要約する。
満ち月を遡ること1万回くらい前。
出雲大社の務め替えがあった頃の事、荼枳尼天の任を務めることになった事があったそうじゃ。
久しぶりの大役に頑張った仙ちゃんは語尾を悩んだ。
荼枳尼天だけに、だきに!
とか、つっけんどに、突き放す、とか。
話さない無口キャラとか。
それはそれは悩んだ。
というわけで、一人一人、契約者に聞いていくことにしたそうな。
それで、お前は何がよい?
と、尋ねた所で、務め替えが最近あったことを思い出し、赤くなる仙ちゃんは可愛かった。