#5 〜魔法解析でお腹いっぱい〜
「おーし。ちょっくら騎士のところにいくぞー!」
「わかりました」(テンションたけーな)
ということで俺は騎士の待機場所に向かうことになった。俺が魔法を見るために騎士たちの待機場所へと移動するためだ。
騎士の待機場所は村の端に四箇所ある。このうちファーゴさんの担当は南門で一番人の出入り多いそうだ。大体家から10分ほどかかる位置だ。(ちなみにこの世界の標準では5分強だそうだ。たくましすぎんだろ!)
「はあはあはあはあ」
「おーいお前めっちゃつかれてんな~」
「はあはあはあ…たっ…たぶん…だいじょ…大丈夫で…です」
日本の距離感覚からすると10分だがこの世界の場合アップダウンが激しいのに10分ぐらいで行ったのでこうなった。
「だいぶかかってしまったな。てっほんとに大丈夫か?いつもよりかなりじかんが倍くらいかかってるのにきつそうだな」
「しかたない…ですよ。…なんたって…かなり…体力がない…ですから…はあはあはあ」
「まあ、大丈夫だっていうなら大丈夫か。とにかくついたぞ」
「はい…。」
「おーいその子が昨日言ってたやつか~」
「あーそうだ。ほかのやつらは?」
「もうすぐ集まるそうだ」
「そう…なのか。」
「ねえ、その子大丈夫?」
「うーん、本人は大丈夫と言ってるけど…」
「たぶん大丈夫で…す。集まったら…教えてください」
「おう。じゃあちょっと休憩しておれ」
俺の呼吸が完全回復するころ
「というわけで全員集まったぜ、じゃあみんなこいつに自己紹介してやってくれ」
「オレっちはフレイス、火の魔法とかがとくいだぜ。今日は魔法が見たいんだろ、たくさん見せてやるよ!」
「次は俺か。俺はアクデフォート。水魔法が得意だ。よろしく」
「はーい。アタシはフルート。風の魔法がとっくいだよ~よろしく!」
「私はライレイン。風の魔法、特に雷の魔法が得意だ。聞きたいことがあったあら何でも聞くといい」
「まあ、改めて俺はファーゴ。力の魔法が得意だ」
「あれっ?ファーゴさんて氷の魔法が得意なんじゃなかったけ?」
「あーあれは違うな、そもそも氷の魔法ではなく水の魔法で、それなりに使える程度だ。その後の投げたときに力の魔法でアシストしてた」
なるほど、だから異常な速度でナイフを投げられたわけか。あの時は目に見える氷の魔法だけを解析していたからな、確かに投げるときに力を加えてやれば刺さるわな。
やはり氷魔法や雷魔法は水と風の一部ってあつかいだな、実際は違うらしいが。あとは属性的には光とか闇、特殊がいないわけか、まあ追々見れるだろうからいいか。
「ということだ、じゃあ他のやつらも修練場へ移動するぞ!」
「さて、まずはフレイスから魔法を見せてあげろ。お前ら準備はいいか?」
「よし準備完了!」
「えっと‥ちょっと待ってください」
魔力感応を発動、今回は全域カバーで
「じゃあお願いします」
「りょーかい、それじゃファイアーボール!!」
たからかに魔法名を叫ぶと目の前に火の塊があったそして置いてあった練習用の標的に命中
よし、マギコードの読み取りも問題なし、だいぶ慣れてきたな。この調子でいくぞ!
「よっしゃ!こんなもんだろう。じゃあ次アクデフォートな」
「わかった。アクアボール!!」
同じように、目の前に水の塊ができると練習用の標的に命中。
以下風雷力の魔法を球体にして命中し終了。その後ついでに槍型も成形して発射してもらった。
これでマギコードの違いをある程度検討がつくようになるだろう。
「さて、こんなもんでいいだろう。」
「ありがとうございます」
「そういやさーキミはなんで魔法を見たいなんて言い出したんだい?」
「それは…」
うーんここで本当のことを言うつもりはまだないが、かと言って何か他にごまかせるような方法もないしな…
「好奇心です、僕は記憶が無いですがぼんやりと誰かが魔法を使っているところを覚えていて、なんかかっこいいよかったからですね」
「なるほど。まあ小さいころは何にでも興味がわくだろう。俺は小さいころから水魔法にふれていたからいまは水がとくいだね」
「そうだね~アタシのばあいも同じだね~家族が使っている魔法をすぐに覚えるね~」
「ところでキミは魔法は使えるのかい?」
「えーと。残念ながらほとんど魔力がなく祝福も無いとのことで一切の魔法が使えません」
「「「えっ!…」」」
「あれ?ファーゴさん言ってなかったんですか?」
「あーそういえば言ってなかったな、ていうかお前さんの自己紹介一切してなくね?」
「あっ忘れてた。改めましてクローバーです。歳は8歳。魔法は一切使えません。筋力も体力もありません」
「「「え…あ…」」」
「えっちょっとキミって8歳なの?どう見ても6歳くらいにしか見えないけど…」
「…そうですか…やっぱり…なんか成長が遅いような気がして…全然身長が…」
「めっちゃ落ち込んじゃったよ!」
「えっえっと、アタシのせい?」
「「「たぶん」」」
「えっと、大丈夫だよ。これからが身長の伸び時だから!」
「そうだな、これから伸びていくんだぞ。問題ない!」
「そうですね…前向きに生きていこう…」
「さて、今日はありがとうございました。じゃあかえります」
「おう、そうだな!じゃあ帰るか」
「じゃあね~」
「また暇があったらこいよ!」
「機会があったらみせてあげよう」
「なにか魔法で分からなかったらファーゴにでも伝えるといい私が答えてあげよう」
「皆さんありがとうございました」
修練場をでて砦の中を歩いているとどこからか声が聞こえた。
「おい!お前何やってんだ!」
「なんだ、バステフじゃねーか。俺は今日非番でね」
「そうか、それよりそこのちっさいハーフはなんだ!」
「えっ俺?」
「おまえだ!狐族のお前だ!」
「すいません、何言ってるかわかりません」
「なぜハーフであるおまえが砦の中を歩いているか聞いているのだ!」
「まーまーそこら辺にしないかバステフ。この子がビビってるじゃないか」
「うるさい!なぜお前はそう思わないんだ!」
「思うって、何を?」
「ハーフのことだ、この劣等人種めが!」
そういうと声の主はよく分からんがさっていった。
「大丈夫か?」
「たぶん大丈夫です。ていうかさっきの人なんなんですか?」
「あーあれはハーフを見下していいる人間だ」
「なぜ?」
「まあ基本的に能力が低いからだろう、お前もそうだが大体のハーフは能力が低い。たまに強いハーフもいるが極まれだ。それに強いハーフは本当に飛び抜けて強い、余計に風当たりが強くなる理由だろう。ちなみにハーフを嫌う人たちは意外と少なくはない。とにかく気をつけていけ」
「わかりました」
さて、家に帰ってきたが。
問題だ、能力をいかに隠しつつ最低限の力を使うのか…やはりどうにかして魔法銃を作るしかないようだな。実際金属にこだわらなくても木材から作れないこともないだろうし。結局材質の問題に行き着くわけか。
というわけで今後は木材で魔法銃もどきを作るという方針で進んでいこうか
それとハーフって事を隠しすためにどうにかしないとまたさっきのみたいな人が出てこないとも限らないし、とりあえずは髪の毛のしたに狐耳をペタンってして隠しておくか、尻尾は服の中に隠しておけばいいし。
あっ意外と隠せる…
さて今日はこのへん寝よう。今日はいろいろと疲れた。