#2 ~勉強そして...~
「あーなんかよく寝たような気がする」
俺は既にここの家庭とも慣れていつもと変わらず朝食を食べて少し家の手伝いをしていたら午後になった。
学校は午後からあるみたいなのでフラン付き添いで行くことにする。だって場所知らんもん。
だいたい部屋には10歳前後の子供が15人ほどいた。俺だけ8歳と思ったらもう一人いた。領主の娘らしい。英才教育ってやつか。俺はそいつの横に座ることになった。
「では、今から勉強会を始めます」
なんか先生ぽい人が出て来て始まった。
「今回は、神話についてです」
神話すか。神話ってどんなんだろ?
「まずこの世界をお作りになった神が、フォス。その部下の男女である。イリスとアレスが...」
日本神話と大して変わんね~。名前がなんかヨーロッパ風に変わっただけやん。別に難しくもない。八百万の神か、まあ一神教よりなんかこう日本人としては馴染みがある。
「では、今の所までを書いてみましょう」
『はーい』
書くのか。あんま聞いてなかった。ていうかこの国(?)の文字は日本語の平仮名よ片仮名だけ。正確には漢字もあるようだ。貴族や上流階級の人たちに出す文章には漢字が入ってるらしい。簡単なものなら一般にも使われているそうだが、まあどうでもいいや。でも神様のメールは確か言語関係を適応させたって言ってるけど...この国は日本語が主流だったのか?ただ非常に読みにくい、だってさ。
「この世界をお創りになった神が、フォスです。」
が
「このせかいをおつくりになったかみが、フォスです。」
ってなる。読みにくいたらありゃしない。仕方ないからちょっと単語の間を少し開けていたら先生ぽい人によくわからんが褒められた。
「いいですか。このように少し単語同士は離すように書きましょうねー」
マジでつまらん。だってこんなことすぐに終わるよ。と言うか日本神話大半覚えてるし。ということで、とりあえずその一文をチャチャっと終わらせると暇なので横の人についてまとめていた。名前はフィーナ・ストラフェイン。みんなにはフィーって呼ばれているようだ。性格は良くお嬢様って感じで、お嬢様って呼ぶ輩もいるとかいないとか...。身長は俺より高い。...悔しい。魔法に素晴らしい適性があり、王立学院で魔法枠で入学予定。だが勉強はしている。一応剣術と魔術の枠にも簡単な試験があるらしい。ライバルがいるとやる気になるとかなんか先生がほざ...言っていたけど別に興味ないな。とどーでもいいことをつらつらと考えていたら横からなんか睨まれている感覚がした。よく見るとフィーがこっちをみて睨んでいる。
「勉強しなくてもよろしいんですか?」
あっこれ性格良いっていうのか?完全にお嬢様って感じだよね。まあさすが領主の娘?気が強くいらっしゃる。
「ああ、すいません」
とりあえず反応に困ったので謝っておく。
「私はよろしいのですが。貴方が勉強されないとだめなのではなくって?」
「いえ、お気遣いなく」
あーもめんどくせえ。つーか言われんでもこんなもんすぐに終わるわ!
「いいですか~次いきますよー」
先生の声が聞こえる。俺は元のように机に向き直ると同じようにまた文字を書き始めた。
それから約30分後授業が終わった。
このあと授業が無いようなので俺は帰り支度をする。するとまた
「失礼ですが残らないのですか?」
「えっ?」
あれもう終わりじゃなかった?
「はあ、あと一時間ほどまだ時間がございますわ。自習したり先生に聞くためのに」
うーん自習?やだなめんどいし、わからないところ無いし。ていうか無駄にしっかりした授業システムだな。
「いえ、今回は帰らせていただきます」
「そうですか、ではまた明日」
なんか最後目が怖かったんだけどなんでだろうね。
俺は家に帰ろうとして、どうしよう帰り方がわからない。いやわからなくは無いが、付き添いのフランがいないと家に帰ってもなと。うーんまあぶらぶらしときますか。
そうして俺はぶらぶらしていると神父にであった。
「こんにちは」
「ああさっきの若人。どうしたのじゃ?」
「今ちょうど勉強を終えて学校から出てきたところです」
「おーそうか。ところで今からだいぶ前に亡くなった研究者の家を片付けに行くのだが手伝ってくれんか?」
「ああいいですよ。研究者ですか興味がありますね」
と言うか、神父あんたもう爺さんじゃん!というツッコミはこの際野暮だろう。この世界じゃ結構皆さん力が強いので。
「じゃあ今から行こう」
「わかりました」
俺と神父はそこから歩いて3分のところにある小さな家に行った。
「ここですか、意外と小さいようですね」
「ああ、そうじゃの大半が地下室らしいが」
おお地下室。これはなかなか研究者らしい家造りだな。
「じゃあ行くぞ」
俺たちは中に入るとそこは小さな図書館といった感じだった。
「図書館のようですね」
「ああ、まあここはこのままで図書館でいいじゃろ」
あっそのままほっとくんだ。
「では地下室に参ろう」
「はい」
俺たちは、ある一つの小部屋に行った。見た感じは寝室のようだ。そしてちょうどしたに階段ようの扉がついている。扉は意外と簡単に開いた。
「降りてみますか」
俺が先におりてみる。中学校とかの教室ぐらいの空間が広がっていた。中では幾つかの本の塔が作られていた。
「思ったよりきれいじゃな」
「そうですね。では本を上にあげたりしますか」
俺たちは別々に本を取り出しては上の寝室に移動させていく。
片付けをしていてふと思ったが、この世界にも研究職と言うものは存在しているのか…この世界では戦いだけがすべてってわけじゃないならこういう形で将来生計を立てていくのもありかもしれないな。
とかなんとか考えていたらまた突然あの文章が頭のなかに。
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From 神
To クローバー
件名 能力と魔法について
本文
とりあえず、君の将来設計については聞かせてもらった、それとこの前言い忘れた君の正確な能力を伝えさせてもらおう。
簡単に言えば、超演算能力、精緻な魔力操作能力、魔力感応能力だ。
超演算能力は、その名のとおり超スピードでいろいろなことを考えられる能力だ。もちろん常時というわけではなく切り替えも可能だ。加えてこの超演算は君自身の能力であって魔法ではない。ちなみに意外とこの能力の持ち主はこの世界では結構いる、君ほどの演算スピードはないものの、事務処理等で活躍しているようだ。
次に、精緻な魔力操作能力についてだ。これまた魔法ではなくあくまで魔法を使う前段階の能力と言っていい。正直すべての人が持っていると言っても過言ではないもので、魔法を使える者なら誰しもができる。ただし君は通常より相当細かい操作ができるようだ。
最後に、魔力感応能力だ。これはいわゆる狐族の種族特性に当たるもので、魔力の流れを見たり、感じたり、聞いたりすることが可能になる。
ついでにざっくり魔法について説明すると、実際のところこの魔法の仕様については詳しくはわかっていない。確かにわかっていることは、魔素は世界中に普遍的に存在しているが場所によっては濃度に若干の差があり、魔素の特に多い場所、通称魔力の吹き溜まりには魔素を浴びすぎた動物が魔物が発生することが確認されている。魔力が動物にどのように影響し突然変異を起こしているかについても不明だ。魔法は魔力を消費することで起動し、発動した魔法は一定時間が経過するもしくは、術者の距離が一定上離れることで効果が解除される。ただし呪いにおいてはこの限りではない。ついでに言うならば、水を出しても一時的にしか残らず消えてしまうため飲むことはできない、同じく火や土と言った属性も消えてしまう。一度体内魔力を蓄える必要があるり、体内の魔力は微妙に個人によって違う存在になること。魔石は何らかの要因で魔力が圧縮された存在であること。などが、こちらからわかっていることだ、一般にはあまり理解されていないこともあるが…、その辺はなんとか周囲と合わせてくれ。
それと軽く魔力について説明しておくと、空気中には魔素という粒子が存在し、その粒子を取り込むことで魔力を体内で生成できる。君の能力はこの魔素の流れを感じることができきる。
あとは属性の説明もしておこう、と言っても実際には属性というものは存在しない。便宜上、火、水、風、土、光、闇、力、特殊という分け方がされているが、すべての魔法は並列に存在している。氷や雷と言った魔法も水や風と言った部類の中にあるという考え方をしているが、実際は別の魔法だ。魔石も同様に属性はなく、地中から採掘されるものは玉虫色とでも言うような特定の色とは言い難いもので、魔物を倒して体内から取り出すものは、若干の魔物が使う魔法によって色の偏向はあるものの鉱石型とほとんど同じもので、やはり属性というものはついていない。
さて、この程度の情報開示でいいだろうか、何かあれば王都の神託のものに言ってくれ。以上だ。
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神様よ、長すぎるだろうに、まあある程度まとまった情報が手に入ったので良しとしよう。
で肝心の能力なんだけど、各々のは結構凡庸な能力らしい。組み合わせたらいいかもしれない。とりあえず使えないとはいえ、一般的な魔力と、魔法陣の知識だけでも覚えておいたほうが良さそうだ。
「すみません。ここの本いくらか持って帰って読みたいんですが」
「そうだなまあ、いいじゃろ。ただ読んだら上の本棚にしまっておいてくれ」
「わかりました。ありがとうございます」
よし、本確保。あとは片付けるか。
また俺はさっきと同じように上に置いて下に戻るということを繰り返す。
面白いものが見つかった。白衣だ。戸棚の中にあった。一応防御魔法が組み込まれているらしい。袋にそう書いてあった。これはもらうしか無いだろ?
「すみません。ここに白衣があったんですけど。もらってもいいですか」
「あー。まあいいじゃろ。どうせ使わないものは捨てるのでな。使えるなら使った方がいいじゃろ」
よっしゃーさらに白衣GETだぜ!
さらに魔石が袋に入って置いてあった。これもちゃっかりもらっておこう。いいよね使えるなら使った方が。
そんなこんなで、だいたい終わった。俺はとりあえず、魔法と魔法陣の基本の本に白衣とちゃっかり魔石を持って出た。
「一応終わりましたね」
「なんとかな」
「では帰りますか」
「そうじゃな。家まではわかるか?」
自信ないな
「えっと自信ないです」
「わかった。送ってやろう」
俺らはそれから帰ったら結構な時間になった。事情については神父が説明してくれた。ありがたい。
俺はまず夕食を食べ、部屋に戻ると早速借りた本を開いた。
まずは、魔法とは?さっき神様からの情報でほとんど知っているようなものだが、一般的にはどうなんだろう。個人の魔力を使い想像力で世界に具象化する。属性は多岐にわたり、火、水、風、土、光、闇、力、特殊がある。以上。ってぜんぜん説明できてできてないんだけど?さっきの十分の一もあるかないかなんだけど!まあその程度の発展具合なのだろうか?この本が古い可能性は否めないので、王都に行ったらまた調べることにしよう。
そして、魔法陣とは何か?基本的には一般に発動する魔法を強化や拡大などをする程度の補助機能らしい。祝福が関係しているあたりもおそらく基本的な術式は自分で発動して、それを更に強化するという扱いなんだろう
そんなところしか情報は一般には出ていないようだな
さて次は自分の能力を使ってみよう。
まずは魔力感応から…で、どうやってやるんだろう?
なんとなくこう、感じればいいんだっけ?
うーん…
………
……
…
あっ、なんか周囲がサーモグラフィーの様に見えるようなってきたぞ。多分これが魔力の流れがわかるというか、魔力を感知できるということか。確かにこの辺は均一だけど、ちょっと固まっている部分もあるな。手でパタパタと扇いでも流石に動かないか、まあ粒子だしね。
あとは、超演算能力か…使っても体感できるのかな?
まあとりあえず、発動!でいいのか?
…………
正直わからん、時間経過が遅くなっているような、なっていないような…、これは別に思考速度が上昇して時が止まって見える的なものではないのかな?それもとも使い方が間違ってる?まあこれは後でいいや
あとは精緻な魔力操作能力だっけか、じゃあとりあえず魔力感応を使いながら、こう魔力を手から送り出す感じで…
………
おおー、なんか手の中から糸のようなものが出てきた、意識的にうねうねさせたり曲げたり、形を作ってみたり、いろいろできるみたいだ。魔力感応を止めると何も見えないが、なんとなく有るという感覚ある。意味もなく適当に形を作ってみる。そうだ、なにか物を持ち上げたりできないかなあ。近くにあった布を持ち上げようとして…流石にそんなに力はないか…
あとは、魔法を発動するところを見れば新しい発見ができそうだな、だれか魔法を使える人いないかな?うーんまあいいや明日探そう。
というわけで、おやすみなさい。
今回はいかがだったでしょうか。なかなか見切り発車で設定の修正が…