立ちはだかる魔物達
左の道は行き止まりだったため、最初の分岐点に戻って行った。途中、行きは無かったはずのしかばねがいくつかあった。そこで、従太が何か言い始める。
「このしかばね、今ちょっと動きませんでした?」
俺はそんな馬鹿なと思いながら近づいてしかばねをよく見始めた。
すると、しかばねから何か声が!
「俺をジロジロ見るとはいい度胸だな」
そう言うと、それはモンスターになった。モンスターが化けていたのだ。剣と盾を持ち、鎧も着ていたが、それは前だけを守っていて、後ろは守っていなかった。そして、俺はいい案を思いつく。従太と僧太に伝え、早速実行する。
まず、従太が前に出て、モンスターの前で踊り始めた。勿論、モンスターはそいつに気をとられている。このスキに、俺はモンスターの後ろに回り込み、モンスターの背中を斬った。この剣で斬られたモンスターはひとたまりも無い。モンスターは唸り声をあげて倒れた。次に、右へ進む事にした。しばらく進むと、沼らしきものを見つけた。なんだろうと思い触ろうとすると従太が、
「触ってはいけません。これは毒沼です」
その声を聞いた俺はすぐさま伸ばしていた手を戻した。従太が言わなければ俺は毒におかされていただろう。回り道して先へ進むと階段が見えてきた。しかし、階段の前に巨大なハンマーを持ったモンスターがいた。戦士を倒したのは、こいつか?こいつがトロールなのか?そいつは上半身裸で、下にはズボン(?)を履いていた。持っているハンマーはとてつもなく巨大で当たればひとたまりも無いと言う事を俺たちに言っているようだった。しかし、俺は考える。当たらなきゃいいじゃん、と。あそこまで巨大だと、俺達に当てるのも難しいハズ。外したスキを見て通り抜け階段を降り、追いかけてくるトロールを階段に挟んでしまえばいい事に気付いたトロールはようやくハンマーを持ち上げると俺達に振り下ろしてきた。
ハズレ。
このスキに俺らは端を通り、階段を下りて行った。トロールはハンマーを置いて追いかけて来るが、計画通り階段で挟まり、苦しんでいた。俺はざまあみろと思いながら先に進んで行った。途中、何か像らしき物を見つけたのでよく調べてみると、僧太が手にボタンらしき物を見つけた。思い切って押した。すると、何処かで何かが崩れる音がして、俺らの前にドカンと落ちてきた。落ちてきた物は洞窟の床。それが崩れて落ちてきたのだろう。それを見ると、何かが上にあるのを見つけた。それは……
何か書いてある、紙だった。初めの方を見ると……魔法書と書いてあった。これこそ俺らが探してた物だ!俺はすぐさま戻ろうとしたが、しばらくしてとんでもない事に気付く。
階段にいるトロールはどうしよう!そうだ、トロールの事を忘れていた。
まだいるかな、と思い階段を見てみると、やはりそこで今か今かと俺らを待ち構えていた。これは大変だ、と思いながら策を考えていると、従太が小さな穴を見つける。
思い切って降りてみた。勿論、はしごをかけて。穴は、外に繋がっていた。すぐさま俺らはアルマキャンプ場に行き、この前の兵士にこれはあの魔法書かどうか確認してもらう事にした。兵士は、
「間違いない!これこそ門の封印を解ける魔法書だ!よく見つけたな!」
これで、神殿に行く準備は出来た。