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年下の幼馴染との婚約を夢見ていたのに・・  作者: おつかれナス


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3/5

 少しの時間、全員でお茶を飲みこれからの事を話し合った。

 昨夜泊まった屋敷はルイドが購入した屋敷だとこの時知り


「同じ公爵邸で住めば良いのに、ルイドったらエリーさんを独り占めしたくて私たちにも内緒で購入したのよ」


 と暴露された。

 先ほどサインした用紙はすでに王宮の人間に手渡し、運ばれて行った。

 ルイドは元から私と離れるつもりは無かったのだと聞きすごく嬉しかった。でも・・そもそも何故この様な事になったのか?

 私の顔に出ていたのか、気付いた公爵夫人が声を出した。


「エリーさんも聞いたのかしら?ルイドの事・・」


 私は夫人に対し頷く。


「半分本当で、半分は嘘・・って所かしら?ルイドは誰が何と言おうと私たちの大切な息子です。王家の血が入っているからと言って、簡単に渡せる子ではないわ」

「渡すつもりは無いけれどね」


 公爵夫妻が優しい瞳でルイドと私を見る。

 ルイドは本当に愛されているんだわ!

 と心からそう思えた。


 その後私の家族の入場が近いと連絡が入り、両親と兄夫婦は部屋から出て行った。

 残された私は少し居心地が悪く、ソワソワしていると


「エリー、僕たちは両親と一緒に入場するけれどその後は絶対に僕から離れないで。少し・・ゴタゴタすると思うから」

「?わかったわ。ルイドから離れるつもりは無いけれど・・何かあるのね?」


 両親と公爵夫妻が先に話し合っていた事も理由だろう。ルイドとお兄様が何かしら動いていた事もルイドの従者がそれとなく話してくれた。

 本来なら私如きが言うことではないのですが・・と。


 順番がきたと呼ばれ公爵夫妻と共に部屋から出る。

 公爵は夫人を。

 私はルイドにエスコートされ会場の扉の前に立つ。

 震える私の手を優しく包み込むルイドの手はとても暖かくて安心できた。


「ヴィンター公爵夫妻、並びに御嫡男ルイド様と御婚約者エリー・コードリアル侯爵侯女様の御入場!」


 扉が開かれると目の前にはこの国全ての貴族たちが一斉にこちらを見る。

 お父様は侯爵だからある程度の注目は慣れているが、今回はルイドの婚約者としての入場だ。

 私の失態は公爵家に関わってしまう。

 ルイドは私に優しく微笑むと 行くよ と、一歩前に出る。

 私はそれに応えるように微笑み返し足を一歩前に出した。


 私たちが入場すると王族の方達の入場になる。

 私たちは最前列で王族の入場を待つ。

 今回は王太子殿下妃殿下は病気を理由に欠席と連絡があり、今回の夜会でルイドの王族復権の話が出るのではないか?と噂されていた。


 最初は王女殿下とその婚約者である侯爵家の嫡男様。

 本来ならここで王太子殿下妃殿下の入場だけれど・・


「王様!王妃様の御入場!」


 一瞬騒めいたが直ぐにまた静寂に包まれ、両陛下の衣擦れの音だけが響いた。

 そして両陛下が着席すると 面をあげよ と、王様の声がかかる。


「本シーズンの始まりの夜会に良く来てくれた。今夜は王太子夫婦が欠席となったが、楽しんでいってくれ!」


 王様の挨拶をもって夜会のスタートとなる。はずだった・・

 ある人の言葉がその場の空気を変える。


「王様、発言をお許しください」


そう言いながら前に歩み出たのは、ヴィンター公爵家と同じ爵位を持つサルバン公爵だった。

 王様は少し怪訝そうな顔をしたが王妃様に促され


「許そう」


 とだけ言った。

 サルバン公爵は頭を下げると


「王太子殿下のご様態はいかがでございましょう。最近はこちら、ヴィンター公爵の御子息ルイド様が殿下に代わり公務をこなされております。このまま殿下が出てこない様でありましたら・・」


 サルバン公爵の言葉に後ろで控えていた貴族たちが騒めく。

 ルイドを始めヴィンター公爵夫妻も、我がコードリアル侯爵家の全員は沈黙を貫く。もちろん両陛下も・・

 それを良しとしたのかサルバン公爵は更に声を上げる。


「実はもう殿下は起き上がれない程の状態なのでは・・」

「言葉を慎まれよ、サルバン公爵。そなたが今発言した事は殿下に対する」

「ですが何の発表もないままそちらの御子息が公務を担っている。我が家にも息子が二人もいるのに・・これは明らかに・・」


 サルバン公爵の言葉に不安に感じていたのか、他の貴族たちも そうだ!とか 王様、殿下の様子は?と声が上がる。

 その内数人の爵位持ちがサルバン公爵の元へ歩み寄って来た。

 伯爵家、子爵家、男爵家それぞれの当主が見れば十名ほどいる。

 ルイドは私を庇うように前に立ち私の手を握った。

 私は 大丈夫!の意を込めてルイドの手を握り返すと、ルイドは安心したように微笑んだ。


「王太子は快方に向かっている。今はヴィンター公爵家の子息に頼んでいるのは、王家の血が混ざっているから。それと、ルイドが優秀である事は皆が知っておる事だ」

「ですがルイド様がまるで王太子であるかの様な行動に、私達も不安なのです。もし、ルイド様が王家に復権されるのであれば・・」


 サリバン公爵は私を見ている。まるでルイドの伴侶が私では役不足だと言わんばかりに・・


「私の婚約者は侯爵家。何の不足も無いのでは?」


 ルイドも気が付いたのかサリバン公爵へ言い返す。サルバン公爵は高笑いをしながら


「もちろん公爵家の妃ならば侯爵家でも不足はありません。ですが王太子妃となれば・・」


 明らかに私に対する不満をぶつけてきたのだった。


 



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