第39話:暗黒の深海、沈黙の守護者
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## 第39話:暗黒の深海、沈黙の守護者
「……ここが、52層……。光が、届かない……」
ハルカの声が、暗闇の中で微かに震えている。
白亜のドームから飛び込んだ俺たちが辿り着いたのは、迷宮の概念を覆す、無限に広がる**『暗黒の海』**だった。
足元には薄く膜を張ったような水面があり、歩くたびに波紋が広がっていく。
上を見上げても天井はなく、ただただ吸い込まれるような虚無の闇。
「レンさん、アーク・ドライバーのレーダーが効かないわ。空間そのものが『情報の死角』になってる」
「俺もだ……。アクセル・フォームの加速も、この泥のような空気の中じゃいつもの半分も出ねえ」
海斗が苛立ちを隠せない。
管理局の追手は、この「死の海」までは追ってこなかった。いや、彼らにとってもここは、踏み込んではいけない聖域なのだろう。
その時、闇の向こうから、一筋の「松明の火」が近づいてきた。
現れたのは、ライダーのような装甲ではない。古びたボロ布を纏い、顔を錆びた鉄仮面で覆った、異様に背の高い**「老人」**だった。
「……去れ。ここから先は、言葉を持つ者が踏み入る場所ではない。」
老人の声は、喉ではなく空間を直接震わせる「思念」のように響いた。
「俺たちは下へ行かなきゃならないんだ。100層にいる『天の意志』とやらをぶちのめすために!」
俺の言葉に、老人はゆっくりと鉄仮面の奥の瞳を光らせた。
その瞬間、俺の胸のドライバーが激しく共鳴する。
「……そのベルト。……お前が、あの忌まわしきドクターの残した『最後の希望』か。あるいは、『最初の絶望』か」
老人が手にしていた松明を地面に突き立てる。
すると、暗黒の海が割れ、そこから旧時代の墓標のような、無数の**『スクラップにされた仮〇ラ☓ダーの残骸』**が浮かび上がってきた。
「なっ……これ、全部ライダーなの……!?」
サキが息を呑む。
「100層を目指した者は、過去にいくらでもいた。彼らもまた、世界を救うと、正義を成すと叫んでいた。……だが、彼らは皆、この海の底で『自分自身の虚無』に喰われたのだ」
老人がボロ布を脱ぎ捨てた。
その下にあったのは、ストリクスともアクセルとも違う、有機的で生物のような、脈動する漆黒の鎧。
**仮〇ラ☓ダー・プロトゼロ**。
200年前、最初にシステムを拒絶し、この深層に隠れ住んだ「最初の反逆者」だった。
「……お前の『正義』が本物か、あるいは単なるプログラムの命令か。……この沈黙の海で、証明してみせろ」
老人の構え一つで、周囲の海面が重圧で陥没する。
第3部、最初の試練は、かつて世界を救おうとして「絶望」に呑み込まれた、伝説の先代ライダーとの死闘だった。
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