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【毎日・昼まえ・更新したい】ぼくのホーム オフィスには 人間きぶんの 猫が2匹いる  作者: 常に移動する点P


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【10/17】あいつらは、ずっと、そこにいた。

失くしものをする。若い時はクレジットカードを2回失くしたが、2回とも紛失手続きをして1時間以内に見つかった。あいつらは、ずっと、そこにいた。


どこにいた?財布の違うポッケに入れていた。もう一回は別の場所に片づけようとしてテーブルに置いて、その上に本を置いてしまい見失った。責任の所在は自分にある。自作自演ながらも、その精神的・物理的ダメージはそこそこデカい。大騒ぎして、慌てる。「モノを失くす」ということにとても敏感になったのだ。


たとえ、飲み干したペットボトルであっても、さっきまであった「キャップ」が見当たらないと、探してしまう。手に持っていたティッシュをたぶん使って捨てたと思うが、どこにいった?と探す。詰め替えの洗剤の袋をピッと手でちぎって、ボトルに詰め替える。袋はあるが、「先端のピッとちぎった三角の部分」がないと探す。


とにかく、捨てるものでも、失くすのが嫌なのだ。これはなんかのアレかもしんないけども。


そんな生き方をしていると、やはり何かと不便ながらも、「捜索・探索力」というものがパラメーター内で突出していった。家じゅうの「アレ、どこいった?」を探し出せる。不幸な中で身に着けた、悲しいチカラとでも言おうか。


先日、エコバックを紛失した。おそらく私だ。買い物係、金曜日の午前中はヒモ、いや髪結いの亭主、いやフリーランスの鏡として、買い出しに出る。働く妻に余計な仕事をさせない、それが私のモットー。買い物リストと冷蔵庫をにらめっこして、メモをまとめ上げ、保冷バックに保冷剤をタオルで巻いて、エコバック・リュックを持っていざ出陣。


二か所のスーパーを使い分ける。そんなある日、100円均一で買ったエコバッグを失くしてしまった。それは、二軒目のスーパーにて。レジを終え、サッカー台で詰め込み作業。一人で一週間分の野菜やら肉を買いまくる姿に違和感を持っていたのは自分だけで、周りはそんなに気にしてはいない。


で、保冷バッグに肉・魚・納豆・豆腐などを。リュックにはペットボトルや調味料など重いものを。エコバッグに野菜を。で、エコバッグがいない。


ないものはない。どこを探しても。リュックのポッケも探してもない。探し物は「エコバッグ」です。見つかりません。


探してられない、肉と魚と納豆と豆腐が保冷バッグとはいえダメージを受ける。とっとと冷蔵庫にブチ込まなければ!と一旦、エコバッグ捜索をやめ、レジで5円の袋を買い、帰宅。


冷蔵庫・バックヤードに片づける。「ん?鷹の爪がない」ぺらッとした小さな袋に入った鷹の爪。確かに買った。レシートにも印字している。まさかの?エコバッグに心奪われている間に、買い物カゴに貼りついて詰め込み忘れたのか!!!


自転車を走らせる。二軒目のスーパーへ。片付けたカゴエリアを確認。ない。どこにも無い。150円程度のものと言えば、いいが。これを毎回失くしてみろ、月1回買うとして150×12=1,800の損失じゃねぇか!(この時点で、延々と失くし続けるという呪いにかかっている。)


サービスカウンターで落とし物・忘れ物を確認するもない。もう一つ、鷹の爪を買いなおし、大切にリュックにしまいこんだ。それこそ、リュックにしまった写真まで撮影した。これはもう、アレだよ。


一旦帰宅。


エコバッグだ!どこに行った?一軒目のスーパーで、取り出してサッカー台に置いたままにしたのか!くそぅ!行くぞ一軒目!!!


自転車を走らせる。スーパーまでが遠く感じる。一日に二つも失くす。損な日だってあるさ、いやダメ。たかが100円(税抜)、されど100円(税抜)。


【ショートコント:金のエコバッグ・銀のエコバッグ・泥のエコバッグ】


一軒目のスーパー着。レジが空いていたので、レジのお姉さんにエコバッグが落ちてなかったか聞く。「ありますよ」と。出てきたのは、バリバリの帆布でできたゴッツイエコバッグ。もう、銀のエコバッグだ。

「いいえ、そういうのじゃなくて」

「あ、コレですか?」


またしても、出てきたのはしっかりとした手提げ。両サイドにペットボトル入れが付いてる、ハイクォリティ。チャックもしっかりしている。私が失くしたのは、チャックを高速で開閉したら、脱線しそうなあのペラペラのヤツなんだが。。。これは金のエコバッグやないかい。

「あ、こんなにいいヤツじゃなくて」

「じゃぁ、コレですね?コレで最後です」とレジのお姉さん


出てきた、泥だらけのエコバッグ。いかにも100円均一だが、めちゃ底が汚れてる。汚すぎてエコバッグはレジ袋に入っている。エコバッグ的には屈辱的だろう。対レジ袋として開発されたエコバッグ。それが何の因果か、レジ袋に包まれているなんて。捕虜感満載だった。


「ちがいます。すみませんでした」

金でも銀でもないが、泥でもない。私のエコバッグはどこに行ったのだ。店内を探したがない。とぼとぼと家路につく。帰り道もくまなく、探したがない。正直者は、金と銀の斧を手に入れたのではなかっただろうか?しかしだ、欲しいのは私のエコバッグなのだ。


スーパーのお姉さんありがとう

家に帰りついた。とてつもなく疲れていた。スーパー2軒、それぞれ2回行くという。俯瞰で移動範囲を見たら、同じところ行ったり来たりする虫みたいだ。


喉が渇いた、冷蔵庫を開ける。ん?見慣れないモノが。野菜室に立てているペットボトルたちの隣に、エコバッグが。


お、おまえ、こんなところにおったんか!!!


二時間ぶりの邂逅。もう離さない!と伝えた。鷹の爪はどこかにいってしまったが、とりあえずさっき追加で買った鷹の爪を、片付け忘れていたのでリュックから取り出して、ストックヤードに。小さな引き出しを開ける。ん?


お、おまえ、こんなところにおったんか!!!


鷹の爪がいた。朝見た時は、ストック0だった。だから、買わなきゃあるはずがない。で、いた。鷹の爪が!※鷹の爪って唐辛子のことね。


エコバッグも鷹の爪も、言っている

「ずっと、ここに、いたけどな」と。


無意識で片付ける、無意識でどこかに置く、無意識で生きる。無意識こそ我が敵だと、五十歳からの新たな仮想敵に照準を定めて、今日を生きるのだ。



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