【11/21】シュールな喫茶店、騒がしい老人を退治するMRコーンスープ
ややこしい仕事が終わり、今日はゆったり目。フリーランスは何もしない日だってある、何もしなかったなんて後悔せずに、何もしてやらなかったと今日と言う日にマウントをとらなければ、やっていけないのさ。
で、某チェーン店コーヒー店。モーニングをば。トーストセットを頼む。席を立ち、新聞を取りに。全国紙とスポーツ新聞がズラリ。コレが楽しみ。
1部180円ぐらい?新聞って、それを5誌ほど読み漁る。ニュースなんて同じことが書かれているが、地方ネタなんかは取材がされてて唯一無二的。面白い。
隣のボックス席に、ガタイのいいおじさん。コーンスープのモーニングを注文。ひたすら天井を眺めている。穏やかな集中時間なのだろうか。ほぼ同時にテーブルにモーニングセットが。
僕はコーヒーとトースト、おじさんはコーンスープとトースト。平和だ。通路を挟んで斜め前のボックス席に、新品のヘルメットと見まがうぐらいの無駄のない頭皮むき出しの老人が二人席に着いた。
大きな声だ、店内に響く。だいたいは、エアコンが効かないはなしを延々としている。その話は進展がみられず、ノイズキャンセル機能を耳内に命ずることで、新聞読みには集中できる。が、いささか迷惑な輩だ。
コーンスープおじさんは、ずっずずずう、と音を立てながら啜り飲む。熱いのだろう。良い。別に、そんなマナーは良いのだ。彼の母しか叱ってはいけない話だからだ。だが、通路向こうの老人たちは事情が違う。
とってもうるさいうえに、まだエアコンの話をしている。
ふっと、風が吹いた。コーンスープをぐいっと飲み干したおじさんが、物言わずに立ち上がる。新聞コーナーへと向かうのをちらりと目で追う。
なぜか、その挙動が気になり目で追い続けた。
そのまま新聞を手に取り、二つ折にして、更に二つ折にする。なぜ?
老人のもとへ向かい、新聞紙で自分の太ももをパンパンと叩く。遠くレジと厨房にまで聞こえるほどだ。
しかし、コーンスープおじさんは何も言わない。ただ、睨みを効かせてだ。店内が静まり返る。
ぼそりと、「お静かに」と。
静寂の中に、音がする来店のチャイム。と、同時に時が動き出したかのように、何ごともなかったかのように。老人たちは小声で不満そうにボソボソと何か言っている。
MRコーンスープは、すすすっと、そのまま席に戻り、食べ残しのパンをモソモソと口に放り込み始めた。所在ない新聞紙はパタパタと開かれた。今日一番の活躍だ。
僕は僕で、そのシュールな展開の全工程の目撃者となるも、新聞紙を閉じ、コーヒーをぐびっと飲み干し、レジへと向かった。
棚に新聞紙を戻し、ちらりと老人たちを見る。かすかに声が聞こえてくる。
「エアコンが壊れてなぁ…」と。
シュールな展開だったので、帰り道、謎解き考えました
壊れたエアコンとかけまして、騒がしい老人ととく。
そのこころは――
「どちらもどちらも『き(聞)(効)かない』でしょう。」でしょう。」




