【10/14】車両を移動する人と、移動するいくつかの理由
電車の話、ふたつめ。大学からだけど、何十年も電車に乗って目的地へ行く。ほぼ毎日。そんな生活を捨ててフリーランスになったのが三年前。捨てたものをたまに拾うようにして生きているもんだから、たまに電車に乗るとえらい驚きに満ちている。
周りを見る余裕ができたのか、観察することが仕事につながるとでも思うようになったのか。電車はネタの宝庫である。かねてより、疑問に思っていたがイマイチ記憶に残らず、降車後は考えることもなかったこと。
それは「車両を移動する人」だ。
車両を移動する人
車両を移動する、自分自身はほとんどしたことがない。前回投稿した、蜂問題で移動しかけたことはあるが。
・車両を移動する目的は、きっと
・空いてる座席を探している
・女性専用車両に行きたい(女性がね)
・間違えて女性専用車両に乗った(男性がね)
・変な人がいる
・異臭がする
ぐらいの理由しか思いつかない。なので、車両を移動する人を見るたびにこういった理由で、自分の腑に落としていた(納得するの意)。先日電車で見かけた車両移動する人はこの限りじゃない感じだった。
連結部を駆け足で、ドアを開いて閉じず、ガンガン突き進む。女性。何かに追われているのか。とにかく進む。6両編成の前から3両目にいたが、一目散に。電車はガラ空きだ。座席も一人で三人分座ってもだれも文句をいわないぐらい空いている。
変なにおいはしていないと思う。隣の車両しかわからないが、みんなじっとしている。スマホを見ている子どももいた。女性専用車両はこの時間はない。もう昼過ぎだから。
とにかく、突き進んでいった女性。たぶん若い。二十代ぐらい?隣の車両に突入していったもんだから、わからないが落ち着くといいね、ぐらいに思っていた。さぁて、本でも読むかとカバンから読みかけの本をだしたあたりで、また帰って来た。あの女性が。
カツカツカツと、ヒールを履いているようだ。会社員ぽいいでたちだ。スーツを着ている。鬼の形相だ。くわっと、アシュラマン「怒り」の顔のやつ。戻って来た。そして、再び先頭車両の方へと突き進んでいった。ブーメランウォーク!
どういうわけか、数秒後、その女性また我が三両目に戻って来た。「おかえり」という穏やかなモードは、僕にはない。きっと同じ三両メンバーズも同じ意見だと思う。
彼女からなんだかヤバいニオイがする。ヤバい異臭だ。近寄っちゃぁいけない。以前電車の車内にて、つり革を持っていた私の脛をガンガン蹴ってくるあのヤバい女性のニオイだ。
彼女、そのまま、カツカツカツと四両目に向かって小走りに歩いて行った。
探し物?いや誰かを探しているのでは?どうだろう。座席の方を見ていない。キョロキョロしていないのだ。誰かを探している素振りもない。
数分後、女性は戻ってこなくなったが、四両目からわしゃわしゃと数人が移動してきた。おじさん、おばさん、大学生風の男性、子どもを抱っこしたお母さん。そうか、そういうことか。
これが、「変な人がいる」ってやつか!
うっかり急行に乗った昼下がり。次の停車駅までしばらくある。手持ちの装備はカバン。カバンの中のアイテムは
・モバイルバッテリー
・手帳
・打合せ資料(紙)
・家の鍵
・スマホ
・ペン
銃刀法違反しない範囲での武器としては、弱い。映画のスパイものじゃぁ、ペン一本あれば、敵を倒せたりするけれど、残念ながら私は敏腕スパイでもエージェントでもない。ただのメガネ、ただのフリーランスだ。いざとなったら、指の間に家の鍵を挟んで、急所に突きを入れればいい。いつもシミュレーションしているもの。ベルトを外して、腕に巻き付けるってのを映画で観たことがある。
だが、相手は女性。迂闊に攻撃なぞしようものなら、コッチの立場が。先制攻撃はダメ。正当防衛待ち。いやそもそも、戦闘モードに入るっておかしいだろ。護るものは自分の命のみ。
ということで、スタコラ二両目に移動したのだ。逃げるが勝ちと言うモノ。変な人がいたから、車両を移動したというよりも、「戦闘を避けるために、移動した」という理由だ。
ところで、あの移動しまくっていた彼女、どういう理由だったのだろう。家に帰ってからカミさんに話したら「それは、歩くノルマのある人なんじゃね?」と。想像と妄想の域は出ないが、そういうことにしておこう。




