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【毎日・昼まえ・更新したい】ぼくのホーム オフィスには 人間きぶんの 猫が2匹いる  作者: 常に移動する点P


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【10/30】拝啓、義母さま、義父さま。また、伺います

お彼岸は忙しさを、お盆は暑さを、理由にならない理由で薄っぺらい武装をして行かずだった。なにって、墓参りを。


墓参り、電車で行ける距離なのだが、いかんせん、何かと面倒に感じる。土日は貴重だし。


この二年間で、義母と義父が立て続けになくなり、きょうだいのいない妻は一人息子を除いて、天涯孤独の身となったわけだ。


僕なんて所詮は他人。夫の地位なんて、そのへんの国家元首よりも脆い立場である。


そんなわけで、そろそろ墓参りなんてどう?と誘ったのは僕だ。妻の代休取得を狙って。妻の父母の墓参りを、義理の息子に当たる僕が提案する。


なんとも妙な感じだ。社会人になり京都から東京へ、すぐに結婚という決断をした僕は、家族を持ちたかったのだ。


家族、妻ができただけではなく、父も母もできた。東京で世話になった義父母には血のつながり以上のものは、感じているのだ。キレイごとだが。


大人でそもそもは他人だから、ぶつかりはたくさんあるものだ。でも思い出すのは、義母のカキフライと義父の味噌ラーメンだ。料理が上手だったのだ。


妻からは、美化されてるよ、なんて言われるけど。高校生あたりからまともな夕食にありついていない不遇の青年時代、家庭の味はなにより暖かかったのだ。


墓参り、朝から妻と出向く。霊園の事務所は、水曜日が定休日。今日は水曜日、静かだ。お彼岸もお盆も外しただけあって、ガラガラだった。まぁ平日水曜日の朝から墓参りしている人なんていませんわね。


なかなか減らない線香は、お参りしていないことの逆証明みたいなもので、夫婦まとめて、10本線香をあげた。横に寝かせて、網の上に置くタイプ。


なかなか、線香が燃え尽きず、火をつけたまま無人の墓から立ち去るものどうかとなる。京都●●霊園、不審火で全焼。出火元、××さんのお墓の線香から。みたいな、小さな見出しで新聞に載ったら、えらいことだ。


10本の寝かせた線香を手にとる。ジワジワと煙を上げている反対側に、ライターで火をつける。両側からだ。これなら倍速。


たぶん、罰当たりモノだと思う。線香が燃え尽きるまでの間、カキフライと味噌ラーメンの話を妻にする。


カキフライ、ママの得意料理だったものね、と妻。義父の作ってくれる味噌ラーメンがおいしかったのは、昔ラーメン屋だったからだと。知らなかった、肝心なことを。古本屋のオヤジだったことしか知らなかったのだ(義父は古本屋を経営していた)


義母、義父にも過去があって、僕は実子じゃないから、妻と違ってホントのところ色々知らない。ちょっとサミシクもあり、新しい発見のような気もして。


でもね、と妻。

ラーメン屋、美味しくないから潰れたんだよ、と。

あと、ママ、カキ嫌いだったんだよね、とも。


ほぉおお、それはそれは。今度墓参りに行ったら、問いただしておこう。義母さま、義父さま、また伺います。

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